サムエル記第一(3)「サムエル誕生」1サム1:19~28

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命題:ハンナの行為は、信仰に基づく行為の完成形である。彼女の行為の4つのステップが、そのことを示している。

サムエル記第一(3)

「サムエル誕生」

1サム1:19~28

1.文脈の確認

Ⅰ.王政に向けた準備(1~9章)

  A.サムエルの誕生と幼少期(1章)

   1.サムエルの家族(1:1~8)

   2.ハンナの祈り(1:9~18)

   3.サムエルの誕生(1:19~28)

2.注目すべき点

(1)士師記の時代の末期、イスラエルは政治的にも霊的にも、混乱状態にあった。

(2)新しい時代を導くのは、預言者サムエルである。

(3)前回は、ハンナの祈りについて学んだ。

(4)今回は、祈りの答えに対するハンナの応答について学ぶ。

命題:ハンナの行為は、信仰に基づく行為の完成形である。

彼女の行為の4つのステップが、そのことを示している。

Ⅰ.祈り:万軍の【主】に信頼する(18節)

Ⅰ.18節

1Sa 1:18
彼女は、「はしためが、あなたのご好意を受けられますように」と言った。それから彼女は帰って食事をした。その顔は、もはや以前のようではなかった。

(1)まだ祈りの答えは得ていないが、彼女の内に変化が起きている。

  ①エリは「安心して行きなさい」と答えた。

  ②ハンナは、へりくだったことばでエリに別れを告げた。

  ③「帰って」=「自分の道を行った」=日常生活に戻った。

  ④食事をした。

  ⑤内面の変化が顔に現れた。

(2)彼女は、エリのことばを神からの答えと受け取ったのである。

  ①彼女の信仰は、イスラエルの霊的再生の始点となった。

(3)教訓

  ①神に委ねることが平安を得る秘訣である。

  ②心に平安があると、顔の表情にそれが反映される。

Ⅱ.誕生:人間の責務を果たす(19~20節)

2.19節

1Sa 1:19
彼らは翌朝早く起きて、【主】の前で礼拝をし、ラマにある自分たちの家に帰って来た。エルカナは妻ハンナを知った。【主】は彼女を心に留められた。

(1)人間の責任と神の主権のバランスが重要である。

  ①エルカナとハンナは、家に帰って来た。

  ②ハンナは、精神的にも肉体的にも回復し、夫婦関係が正常に戻った。

(2)「知った」(ヤダー)

  ①これは性的関係を指す。

  ②創4:1 「人は、その妻エバを知った」

  ③ハンナは、人間の責務を果たした。

(3)「心に留める」(ザカール)

  ①「覚えている」

  ②神は、ハンナに対する恵みの時を定められた。

  ③創8:1 「神は、覚えておられた」(箱舟の中の人と動物)

  ④時が満ちると、神は行動を開始される。

  ⑤神の「記憶」は、常に契約に基づく意志的記憶である。

(4)教訓

  ①神の主権に応答するのが、人間の責務である。

  ②「日常的なことを通して超自然なことが起こる」=ユダヤ的確信

3.20節

1Sa 1:20 年が改まって、ハンナは身ごもって男の子を産んだ。そして「私がこの子を【主】にお願いしたのだから」と言って、その名をサムエルと呼んだ。

(1)神の御業は、自然の摂理に従って進められた。

  ①「年が改まって」=「やがて」=「その時が巡ってきて」

  ②ハンナは、男の子を産んだ。

(2)「サムエル」という名前

  ①「神は祈りを聞かれた」

  ②神から与えられたという証しが、この名に込められている。

  ③サムエルの誕生は、預言者制度の始まりを告げる出来事である。

(3)聖書における名前の意味

  ①神のご性質、介入、計画を示す「しるし」となる。

    *イサク(笑い)

    *サムエル(神が聞かれた)

  ②神からの使命や将来の働きを預言的に示すことがある。

    *ヤコブ→イスラエル(神と格闘して勝った者)(民族の名の起源)

    *イエス(主は救い)

  ③親の信仰の証しとなることがある。

    *マナセ(忘れさせる)とエフライム(実を結ばせる)

  ④神が直接介入して命名することがある。

    *アブラム(高く上げられた父)→アブラハム(諸国民の父)

    *サライ(私の姫君)→サラ(王妃、諸国の母)

    *バプテスマのヨハネ(主は恵み深い)

Ⅲ.乳離れ:神の時を待つ(21~23節)

Ⅰ.21~22節

1Sa 1:21 夫のエルカナは、年ごとのいけにえを【主】に献げ、自分の誓願を果たすために、家族そろって上って行こうとした。

1Sa 1:22
しかしハンナは、夫に「この子が乳離れして、私がこの子を連れて行き、この子が【主】の御顔を拝して、いつまでもそこにとどまるようになるまでは」と言って、上って行かなかった。

(1)ラマからシロへの巡礼

  ①エルカナは、律法に忠実な人である。

  ②巡礼祭を守っていた。

  ③家族そろってとは、妻、子、使用人など家のすべての者である。

(2)「自分の誓願を果たすため」

  ①民30章によれば、妻の誓願は夫が認めたときに有効となる。

  ②エルカナは、ハンナの誓願に同意することで自らも誓願に参加した。

  ③彼は、サムエル奉献を実行するためにシロに上ろうとしたのであろう。

(3)ハンナは、上って行かなかった。

  ①彼女は、神の時を待った。

  ②当時は、2~3歳で乳離れするのが普通であった。

  ③ハンナは、最小限の自立ができるまで養育すると決めた。

  ④時がきたなら、自分の手で息子を献げる決心をした。

  ⑤サムエルの献身は、ナジル人と異なり、生涯にわたるものである。

(4)教訓

  ①私たちも、最善のタイミングと方法を模索すべきである。

2.23節

1Sa 1:23
夫のエルカナは彼女に言った。「あなたが良いと思うようにしなさい。この子が乳離れするまでとどまりなさい。ただ、【主】がそのおことばを実現してくださるように。」こうしてハンナはとどまって、その子が乳離れするまで乳を飲ませた。

(1)夫の同意により妻の誓願は有効になった。

  ①子を乳離れさせてから、【主】に献げるという誓願

  ②これは、感情ではなく、知恵と信仰に基づく判断である。

  ③ハンナは、その子が乳離れするまで家にとどまった。

Ⅳ.奉献:請願を実行する(24~28節)

1.24節

1Sa 1:24
その子が乳離れしたとき、彼女は子牛三頭、小麦粉一エパ、ぶどう酒の皮袋一つを携えてその子を伴って上り、シロにある【主】の家に連れて行った。その子はまだ幼かった。

(1)請願の実行

  ①サムエルをシロに連れて行く。

  ②【主】との契約に基づく行為である。

  ③豊かなささげ物を献げる。

  ④感謝と献身のための完全なささげ物である。

(2)レビ記1~3章:1サム1:24

  ①全焼のささげ物:子牛3頭(または3歳の子牛)

  ②穀物のささげ物:小麦粉1エパ(約2ℓ)

  ③注ぎのささげ物:ぶどう酒の皮袋1つ

(3)「その子はまだ幼かった」

  ①「その子はまだ本当に幼かった」

  ②同じことば(ナアール)のくり返しによる意味の強調

  ③サムエルは、実年齢的にも精神的にも、極めて幼かった。

  ④サムエルは、神の召命と所有の中にある。

2.25節

1Sa 1:25 彼らは子牛を屠り、その子をエリのところに連れて行った。

(1)礼拝の完成が見られる。

  ①誓願→②誕生→③乳離れ→④奉献

3.26~27節

1Sa 1:26 ハンナは言った。「ああ、祭司様。あなたは生きておられます。祭司様。私はかつて、ここであなたのそばに立って、【主】に祈った女です。

1Sa 1:27 この子のことを、私は祈ったのです。【主】は私がお願いしたとおり、私の願いをかなえてくださいました。

(1)エリに対する自己紹介

  ①「あなたは生きておられます」とは、誓いのことばである。

  ②私はかつて【主】に祈った女である。

  ③今、祈りの答えを伴ってここに来た。

(2)【主】の家に仕える子どもを献げる母の模範である。

  ①祭司エリへの敬意

  ②誓願を果たそうとする情熱

  ③【主】の主権を認める信仰

4.28節

1Sa 1:28
それで私もまた、この子を【主】におゆだねいたします。この子は一生涯、【主】にゆだねられたものです。」こうして彼らはそこで【主】を礼拝した。

(1)ハンナは、「【主】に願った」ものを「【主】に返した」。

  ①子どもは、神から貸し出されたものである。

  ②この奉献は、一生にわたる奉献である。

  ③エルカナとハンナは、そこで【主】を礼拝した。

(2)教訓

  ①信仰とは、願うことではなく、委ねることである。

結論:今日の信者への適用

1.祈りの答えを記憶する。

(1)サムエルという名前には意味がある。

(2)祈った場所に戻るという行為は、信仰の記念となる。

(3)その記憶は、礼拝における感謝につながる。

2.祝福を神に返す。

(1)与えられた祝福を神に献げ返すのが信仰である。

(2)人生の優先順位の確立も、そこに含まれる。

(3)祝福の流れの起点となろう。

3.子どもを神からの預かりものとして育てる。

(1)子どもの人生に用意された神の計画を発見する。

(2)親の夢の投影ではなく、神の計画に則した子育てを実行する。

(3)クリスチャンホームの育成の原則を学ぶ。

4.祈りのサイクルの締めくくりは、礼拝である。

(1)礼拝は信仰の着地点である。

(2)叶えられた祈りは、私たちを礼拝へと導く。

(3)ハンナの信仰は、願うことにとどまらず、献げることで完成された。

(4)ここには、信仰が成長するためのサイクルがある。

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