私たちはプロテスタントのキリスト教福音団体です。『1. 聖書のことばを字義どおりに解釈する 2. 文脈を重視する 3. 当時の人たちが理解した方法で聖書を読む 4. イスラエルと教会を区別する』この4点を大切に、ヘブル的聖書解釈を重視しています。詳しくは私たちの理念をご確認ください。
ローマ人への手紙(52)—教会内の調和を求めて(2)—
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教会内の調和について学ぶ。
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「教会内の調和を求めて(2)」
1.はじめに
(1)文脈の確認
①1~8章が教理
②9~11章がイスラエルの救い
③12~16章が適用
(2)12章は、基本的には教会内の行動についての勧めであった。
(3)13章は、二重国籍者への勧めであった。
(4)14:1~15:13は、雑多な問題を扱っている。
①14:1~4は、超道徳的なテーマ。それ自体は、良くも悪くもない。
②聖書が明確に指示していない「グレーゾーン」である。
③互いに裁き合わない。
(例話)アンケート紹介
(5)14:5~12は、さらに深刻な問題を取り上げている。
2.アウトライン
(1)個人的確信(5~8節)
(2)神学的土台(9~12節)
3.メッセージのゴール(恵みと律法の関係)
(1)割礼の問題
(2)曜日の問題
(3)什一献金の問題
(4)調和(一致)の意味
このメッセージは、教会内の調和について学ぼうとするものである。
Ⅰ.個人的確信(5~8節)
1.5節a
「ある日を、他の日に比べて、大事だと考える人もいますが、どの日も同じだと考える人
もいます」
(1)日にこだわるのは、主にユダヤ人信者であろう。
①安息日
②旧約聖書の例祭
③断食日
ルカ18:11~12
「パリサイ人は、立って、心の中でこんな祈りをした。『神よ。私はほかの人々の
ようにゆする者、不正な者、姦淫する者ではなく、ことにこの取税人のようでは
ないことを、感謝します。私は週に二度断食し、自分の受けるものはみな、その
十分の一をささげております』」
④異教の影響を受けた幸運の日、不運の日
(2)どの日も同じだと考えるのは、主に異邦人信者であろう。
①結局は、すべてが神のものである。
②生活している毎日が、神に祈り、神を礼拝する機会となり得る。
2.5b節
「それぞれ自分の心の中で確信を持ちなさい」(新改訳)
「各自はそれぞれ心の中で、確信を持っておるべきである」(口語訳)
「それは、各自が自分の心の確信に基づいて決めるべきことです」(新共同訳)
(1)グレーゾーンに関しては、個人的確信が最も重要な要素となる。
(例話)ダニ1:8~16
①ダニエルと3人の友人たちは、ごちそうとぶどう酒を断ち、野菜を食べた。
②その結果、同年輩の少年たちよりも顔色がよくなった。
③彼らは、この食習慣を他のヘブル人の少年たちに押し付けたわけではない。
3.6節
「日を守る人は、主のために守っています。食べる人は、主のために食べています。なぜ
なら、神に感謝しているからです。食べない人も、主のために食べないのであって、神に感謝しているのです」
(1)弱い人も強い人も、同じ動機で動いている。
①特定の日を重んじる人は、主を尊ぶためにそうしている。
②(肉を)食べる人は、主に対して食べ、神に感謝している。
③(肉を)食べない人は、主を尊ぶためにそうしており、神に感謝している。
(2)それぞれの動機は正しいので、ともに神から許される。
①私たちには、他の人をさばく権利はない。
4.7~8節
「私たちの中でだれひとりとして、自分のために生きている者はなく、また自分のために
死ぬ者もありません。もし生きるなら、主のために生き、もし死ぬなら、主のために死ぬ
のです。ですから、生きるにしても、死ぬにしても、私たちは主のものです」
(1)信者は、自己中心的な生き方から解放されている。
①キリストのしもべとしての認識
(2)動機は、生きるにしても、死ぬにしても、主のために行動したいということ。
①それゆえ、他の人をさばくべきではない。
Ⅱ.
神学的土台(9~12節)
1.神学と実践
(1)神学のない実践はなく、実践のない神学もない。
①神学のない礼拝はなく、礼拝のない神学もない。
②ここでパウロは、グレーゾーンに関する議論を、神学的高嶺に引き上げている。
2.9~10節
「キリストは、死んだ人にとっても、生きている人にとっても、その主となるために、死
んで、また生きられたのです。それなのに、なぜ、あなたは自分の兄弟をさばくのですか。
また、自分の兄弟を侮るのですか。私たちはみな、神のさばきの座に立つようになるので
す」
(1)キリストの死、復活が、信者の実践の土台となる。
①キリストは、その死と復活によって、すべての人の主となられた。
*この時点で、生きている人
*すでに死んだ人
*ローマ教会の中にあったすべてのグループの人々
②それゆえ、兄弟をさばいてはならない(弱い人への勧告)。
③それゆえ、兄弟を侮ってはならない(強い人への勧告)。
(2)終末的さばきの座(神のさばきの座)が、信者の実践の土台となる。
①キリストだけが、私たちの唯一のさばき主である。
②2コリ5:10
「なぜなら、私たちはみな、キリストのさばきの座に現れて、善であれ悪であれ、
各自その肉体にあってした行為に応じて報いを受けることになるからです」
③1コリ3:12~15
「もし、だれかがこの土台の上に、金、銀、宝石、木、草、わらなどで建てるな
ら、各人の働きは明瞭になります。その日がそれを明らかにするのです。という
のは、その日は火とともに現れ、この火がその力で各人の働きの真価をためすか
らです。もしだれかの建てた建物が残れば、その人は報いを受けます。もしだれ
かの建てた建物が焼ければ、その人は損害を受けますが、自分自身は、火の中を
くぐるようにして助かります」
(3)「キリストのさばきの座」
①救いに関するさばきではない。信者はすでに救われている。
②信者としての生活に関する評価である。
3.11~12節
「次のように書かれているからです。『主は言われる。わたしは生きている。すべてのひざ
は、わたしの前にひざまずき、すべての舌は、神をほめたたえる』。こういうわけですから、
私たちは、おのおの自分のことを神の御前に申し開きすることになります」
(1)イザ49:18と45:23からの引用
①ピリ2:10~11
「それは、イエスの御名によって、天にあるもの、地にあるもの、地の下にある
もののすべてが、ひざをかがめ、すべての口が、『イエス・キリストは主である』
と告白して、父なる神がほめたたえられるためです」
(2)イザヤ書を引用しているのは、ユダヤ人信者により多くの問題があったからか。
結論:恵みと律法の関係
1.割礼の問題
(1)異邦人も救われることは、コルネリオの救いによって証明された。
①ユダヤ人にとっては、驚きの事実
②聖霊の降臨がなければ、容易に信じられなかったであろう。
(2)では、どういう条件のもとで、異邦人は救われるのかが問題になった。
①割礼派(割礼を重視するユダヤ人)の存在
②彼らは、アンテオケ教会に行って、割礼を受けなければ救われないと教えた。
③これは、グレーゾーンではなく、福音の本質にかかわる問題である。
(3)エルサレム会議(使15章。紀元49年初頭)
①パウロとバルナバは、信仰と恵みによる救いを主張した。
②異邦人は、ユダヤ人のようにならなくても救われるという決定がなされた。
③ただし、4つのものを避けるようにとの勧告がなされた(在留異邦人への律法)。
*偶像に供えて汚れた物
*不品行
*絞め殺した物
*血
(4)今日のガイドライン
①どこまで律法を守るかは、グレーゾーンである。
②ただし、律法を守ることを救いの条件にしてはならない。
③メシアニック・ジューには、律法を守る自由がある。
④それを他の信者、特に異邦人に押し付けてはならない。
⑤異邦人は、ユダヤ人のようになる必要はない。
⑥異邦人がユダヤ的習慣を行う場合、それはあくまでも個人的選びによる。
2.曜日の問題
(1)安息日の規定は、モーセの律法に含まれる。
①モーセの律法は、新約時代の信者には適用されない。
(2)今は、すべての日が礼拝に適した日である。
①日曜日を特別扱いする聖書的根拠はない。
②新約聖書では、定期的に集うことが命令されている。
(3)ユダヤ人には、安息日を守る自由がある。
3.什一献金の問題
(1)什一献金の規定は、モーセの律法に含まれる。
①モーセの律法は、新約時代の信者には適用されない。
(2)今は、喜んで捧げる時代である。
①2コリ9:6~7
「私はこう考えます。少しだけ蒔く者は、少しだけ刈り取り、豊かに蒔く者は、
豊かに刈り取ります。ひとりひとり、いやいやながらでなく、強いられてでもな
く、心で決めたとおりにしなさい。神は喜んで与える人を愛してくださいます」
(3)個人的確信として什一を捧げることは、許される。
①什一を捧げる人は、そうしない人をさばいてはならない。
②自由な献金を捧げる人は、什一を捧げる人を侮ってはならない。
4.調和(一致)の意味
(1)画一的一致ではない。
(2)独立と多様性を前提とした一致である。
①福音の真理に関しては、同じ確信を共有している。
②グレーゾーンに関しては、各人が自分の確信を持っている。
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