ローマ人への手紙(53)—キリスト者の自由—

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このメッセージでは...

キリスト者の自由について学ぶ。
チャート「神の義の啓示」

「キリスト者の自由」

1.はじめに

  (1)文脈の確認

    ①1~8章が教理

    ②9~11章がイスラエルの救い

    ③12~16章が適用

    (2)12章は、基本的には教会内の行動についての勧めであった。

    (3)13章は、二重国籍者への勧めであった。

    (4)14:1~15:13は、雑多な問題を扱っている。

      ①超道徳的なテーマ。それ自体は、良くも悪くもない。

      ②聖書が明確に指示していない「グレーゾーン」である。

  ③2次的なことのついては、互いに裁き合わない。

  ④繰り返しが多いのは、これが重要なテーマであるから。

      (例話)前回のアンケートの紹介

    (5)14:13~15:3は、強い人への勧告になっている。

      ①強い人:キリストにあってすべてが許されているとの確信を持っている。

      ②弱い人:ユダヤ教の教えや伝統の影響を受けている。

  2.アウトライン

    (1)まとめと新しいテーマの紹介(13~14節)

    (2)愛の律法(15~19節)

    (3)クリスチャン生活の原則(20~23節)

    (4)キリストの手本(15:1~3節)

  3.メッセージのゴール(キリスト論と実践)

(1)詩69:9

(2)マコ10:45

(3)ピリ2:6~11

(4)コロ1:27

このメッセージは、キリスト者の自由について学ぼうとするものである。

Ⅰ.まとめと新しいテーマの紹介(13~14節)

  1.まとめ(13a節)

  「ですから、私たちは、もはや互いにさばき合うことのないようにしましょう」

    (1)霊的取締り官になってはならない。

      ①神のみが裁き主である。

      ②裁きは神に委ねる。

    (2)他人に対する態度が問題にされてきた。

      ①弱い人は、強い人を裁かない。

  ②強い人は、弱い人を見下さない。

2.新しいテーマの紹介(13b節)

  「いや、それ以上に、兄弟にとって妨げになるもの、つまずきになるものを置かないよう

に決心しなさい」

  (1)注意が自分に向けられている。

    ①他人を裁かないということ以上に重要なことがある。

②これ以降の勧告は、主に強い人に対するものである。

    ③兄弟喧嘩では、兄により多くの勧めがなされる。

  (2)グレーゾーンのテーマで重要なのは、他者への配慮である。

    ①「妨げとなるもの」、「つまずきになるもの」とは、弱い人に関するものである。

    ②それは、弱い人に罪を犯させるようなもののことである。

3.パウロの確信(14節)

「主イエスにあって、私が知り、また確信していることは、それ自体で汚れているものは

何一つないということです。ただ、これは汚れていると認める人にとっては、それは汚れ

たものなのです」

  (1)主イエスにある確信

    ①1コリ2:16

    「いったい、『だれが主のみこころを知り、主を導くことができたか。』ところが、

私たちには、キリストの心があるのです」

    (2)それ自体で汚れているものは何一つない。

      ①肉やぶどう酒のことを論じている。

      ②モーセの律法においては、汚れたものがあった。

      ③キリストの律法においては、それ自体で汚れているものは何一つない。

        *豚、エビ、カニ、タコ、イカなども汚れていない。

 
   (3)汚れていると考える人には、汚れている。

      ①その人は、弱い人である。

②汚れは、その人の考えの中にある。

Ⅱ.愛の律法(15~19節)

  1.15節

  「もし、食べ物のことで、あなたの兄弟が心を痛めているのなら、あなたはもはや愛によ

って行動しているのではありません。キリストが代わりに死んでくださったほどの人を、

あなたの食べ物のことで、滅ぼさないでください」

  (1)与えられている自由(権利)には、ある制限がある。

    ①愛によって行動するという制限である。

  (2)自由の行使によって、兄弟が心を痛める場合がある。

    ①強い人の信仰につまずく。

    ②自分も、良心に反して不本意な行為に走ることになる。

  (3)キリストは、弱い人のためにも死んでくださった。

    ①1コリ8:11~12

    「その弱い人は、あなたの知識によって、滅びることになるのです。キリストは

その兄弟のためにも死んでくださったのです。あなたがたはこのように兄弟たち

に対して罪を犯し、彼らの弱い良心を踏みにじるとき、キリストに対して罪を犯

しているのです」

2.16節

「ですから、あなたがたが良いとしている事がらによって、そしられないようにしなさい」

  (1)信者の間に、あなたの悪評が広がる。

①それは、あなたの奉仕の妨げとなる。

  (2)未信者の間に、クリスチャンの悪評が広がる。

    ①信者同志の対立が、福音宣教の妨げとなる。

3.17節

「なぜなら、神の国は飲み食いのことではなく、義と平和と聖霊による喜びだからです」

  (1)文脈を無視した解釈の例(ご馳走がなくてもクリスチャンの集まりは楽しい)

  (2)「神の国」という言葉

    ①新約聖書で65回、パウロ書簡で8回

    ②ローマ帝国内を巡回したパウロは、この言葉を注意深く使用した?

    ③異邦人信者は、旧約聖書の背景を知らないから?

    ④ここでの「神の国」とは、「神の支配」か「メシア的王国」のこと。

  (3)クリスチャン生活の3要素

    ①義(神との関係)

    ②平和(隣人との関係)

    ③喜び(自分の内面の状態)

      *「聖霊による」は、「喜び」にかかっている(修飾している)。

      *利己的願望が達成された結果の喜びではない。

      *むしろ、自我が死ぬことから来る喜びである。

4.18~19節

「このようにキリストに仕える人は、神に喜ばれ、また人々にも認められるのです。そう

いうわけですから、私たちは、平和に役立つことと、お互いの霊的成長に役立つこととを

追い求めましょう」

  (1)「キリストに仕える人」

①弱い人への愛のゆえに、自由を制限している人。

②自由を行使しないことを、自由に選んだ人。

    (2)その人は、神に喜ばれ、人々にも認められる。

  ①平和と霊的成長が、行動する際の最も重要な動機である。

Ⅲ.クリスチャン生活の原則(20~23節)

  
1.20~21節

「食べ物のことで神のみわざを破壊してはいけません。すべての物はきよいのです。しか

し、それを食べて人につまずきを与えるような人の場合は、悪いのです。肉を食べず、ぶ

どう酒を飲まず、そのほか兄弟のつまずきになることをしないのは良いことなのです」

  (1)同じ教えの繰り返しである。

      ①食物と飲み物は、2次的なことである。

      ②周りにいる人たちのことを考えて行動すべきである。

    (2)重要でないことで、教派の対立をするな。

    (例話)聖霊墳墓教会、生誕教会での、争い。

  2.22~23a節

  「あなたの持っている信仰は、神の御前でそれを自分の信仰として保ちなさい。自分が、

良いと認めていることによって、さばかれない人は幸福です。しかし、疑いを感じる人が

食べるなら、罪に定められます。なぜなら、それが信仰から出ていないからです」

  (1)各自が自分の確信を持つ。

    ①強い人は、その確信を放棄することはないが、制限することはある。

    ②弱い人は、疑いを感じながら行動に移してはならない。

  (例話)ビールを飲むカトリックの司祭

3.23b節

「信仰から出ていないことは、みな罪です」

  (1)これがクリスチャン生活の原則である。

    ①この箇所の文脈を超えて、普遍的な真理である。

    ②疑いのある場合は、するな。

  (2)2種類の罪

    ①強い人は、弱い人をつまずかせたときに、罪を犯している。

    ②弱い人は、疑いを持ちつつ行うなら、罪を犯している。

Ⅳ.キリストの手本(15:1~3節)

  1.1~2節

  「私たち力のある者は、力のない人たちの弱さをになうべきです。自分を喜ばせるべきで

はありません。私たちはひとりひとり、隣人を喜ばせ、その徳を高め、その人の益となる

ようにすべきです」

  (1)パウロは、自分を強い人に含めている。

(2)キリストに倣う者となるようにとの勧告

    ①キリストは、自分を喜ばせるよりも、人々に仕えることに専念された。

    ②クリスチャンとは、キリストの弟子である。

    ③弟子は、主人の行動に倣う者である。

2.3節

「キリストでさえ、ご自身を喜ばせることはなさらなかったのです。むしろ、『あなたをそ

しる人々のそしりは、わたしの上にふりかかった』と書いてあるとおりです」

  (1)詩69:9からの引用

結論: キリスト論と実践

  はじめに

    (1)実践のない神学はなく、神学のない実践もない。

    (2)ロマ書1~11章と13章~16章は、車の両輪の関係にある。

    (3)パウロの内に、神学者と牧会者の賜物が併存している。

  1.詩69:9

  「それは、あなたの家を思う熱心が私を食い尽くし、あなたをそしる人々のそしりが、私

に降りかかったからです」

  (1)詩69篇は、初代教会の信徒たちの信仰告白となっていた。

    ①彼らはこれを、メシア預言と理解した。

    ②ヨハ2:17

    「弟子たちは、『あなたの家を思う熱心がわたしを食い尽くす』と書いてあるの

を思い起こした」

    (2)この聖句は、イエスの受難、十字架の死を預言したものである。

      ①御子イエスは、自分の思いではなく、御父の思いを優先された。

  2.マコ10:45

  「人の子が来たのも、仕えられるためではなく、かえって仕えるためであり、また、多く

の人のための、贖いの代価として、自分のいのちを与えるためなのです」

3
.ピリ2:6~11

「キリストは神の御姿である方なのに、神のあり方を捨てられないとは考えず、ご自分を

無にして、仕える者の姿をとり、人間と同じようになられました。人としての性質をもっ

て現れ、自分を卑しくし、死にまで従い、実に十字架の死にまでも従われました。それゆ

え神は、この方を高く上げて、すべての名にまさる名をお与えになりました。それは、イ

エスの御名によって、天にあるもの、地にあるもの、地の下にあるもののすべてが、ひざ

をかがめ、すべての口が、『イエス・キリストは主である』と告白して、父なる神がほめ

たたえられるためです」

4
.コロ1:27

「神は聖徒たちに、この奥義が異邦人の間にあってどのように栄光に富んだものであるか

を、知らせたいと思われたのです。この奥義とは、あなたがたの中におられるキリスト、

栄光の望みのことです」

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