ヨハネの福音書(12)父と子は同等ヨハ5:19~29

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2度目のエルサレム訪問の内容について学ぶ。

ヨハネの福音書(12)

父と子は同等

ヨハ5:19~29

1.文脈の確認

(1)前書き(1:1~18)

(2)イエスの公生涯(1:19~12:50)

  ①公生涯への序曲(1:19~51)

  ②初期ガリラヤ伝道(2:1~12)

  ③最初のエルサレム訪問(2:13~3:36)

  ④サマリア伝道(4:1~42)

  ⑤ガリラヤ伝道の再開(4:43~54)

  ⑥2度目のエルサレム訪問(5:1~47)

2.注目すべき点

(1)1~4章は、ユダヤ、サマリア、ガリラヤでの個人に対する奉仕の記録。

(2)5~10章は、パリサイ人たちとの論争の記録。

(3)5~10章で、信仰と不信仰の亀裂が深まる。

  ①私たちが信じているイエスがどういうお方であるかを理解する。

  ②理解することは、信仰が増すことである。

3.アウトライン:2度目のエルサレム訪問

(1) 第3のしるし(5:1~9)

(2)パリサイ人たちの敵意(5:10~18)

(3)父と子は同等(5:19~29)

(4)父の証言(5:30~47)

4.結論:3つの復活

2 度目のエルサレム訪問の内容について学ぶ。

Ⅰ.第3のしるし(5:1~9)

(1)38年間病気であった人が癒された。

(2)彼は、安息日に床を取り上げて歩いた。

Ⅱ.パリサイ人たちの敵意(5:10~18)

(1)パリサイ人たちは、イエスに対して敵意を示した。

(2)「わたしの父は今に至るまで働いておられます。それでわたしも働いている

のです」。イエスは、ご自分を神と等しいとされた。

Ⅲ.父と子は同等(5:19~29)

1.19節

Joh 5:19

イエスは彼らに答えて言われた。「まことに、まことに、あなたがたに言います。子は、父がしておられることを見て行う以外には、自分から何も行うことはできません。すべて父がなさることを、子も同様に行うのです。

(1)1~4章と5~10章は、視点が異なる。

  ①1~4章は、外面からイエスを描いている。

  ②5~10章は、イエスの内面を描写している。

    *急に分かりやすくなるが、同時に、難しくなる。

(2)ユダヤ人の指導者たちの敵意が、イエスの弁明を引き出した。

  ①イエスは父と同等である。

  ②イエスは人類のさばき主である。

  ③イエスの主張を保証する証人がいる。

(3)「まことに、まことに、あなたがたに言います」

  ①厳粛な内容を教える際の常とう句である。

  ②イエスは、ご自身の内面を啓示される。

  ③イエスは、ユダヤ人の家庭生活を例に取って教える。

    *ユダヤ人の家庭では、子は、父を真似ることによって、職業を学ぶ。

    *子は、自分から何も行うことはできない。

    *父が手本を示し、子が同様に行う。

    *イエスも同じようにして、大工仕事を学んだ。

  ④父なる神とイエスの関係が、地上の親子関係の原型である。

    *父は子を愛しておられる。

    *父は、ご自分がすることをすべて、子にお示しになる。

2.20節

Joh 5:20

 それは、父が子を愛し、ご自分がすることをすべて、子にお示しになるからです。また、これよりも大きなわざを子にお示しになるので、あなたがたは驚くことになります。

(1)父が、ご自分がすることをすべて子に示すのは、子を愛しているからである。①子が父と同じように行動できるのは、子も神だからである。

  ②子は、父から独立した神であることを目指しているわけではない。

  ③子は、父に従順な神である。

  ④イエスは奴隷ではなく、「父の子」である。

(2)「これよりも大きなわざを子にお示しになる」

  ①「これ」とは、38年間歩けなかった人を癒し、床を運ばせたことである。

    *この癒しは、イエスの権威の小規模な証明である。

  ②「これよりも大きなわざ」

    *死人をよみがえらせること(21節)

    *人類をさばくこと(22節)

  ③目的は、人々が驚くようになるためである。

3.21節

Joh 5:21

父が死人をよみがえらせ、いのちを与えられるように、子もまた、与えたいと思う者にいのちを与えます。

(1)父は死人をよみがえらせ、いのちを与えられる。

  ①子もまた、与えたいと思う者にいのちを与える。

(2)ユダヤ人たちは、神だけが死者をよみがえらせることができると信じた。

  ①エゼ37:13

Eze 37:13 わたしの民よ。わたしがあなたがたの墓を開き、あなたがたを墓から引き上げるとき、あなたがたは、わたしが【主】であることを知る。

  ③イエスは今、自分には死者をよみがえらせる権威があると宣言している。

  ④その権威は、ラザロの蘇生によって証明される(11:41~44)。

4.22節

Joh 5:22 また、父はだれをもさばかず、すべてのさばきを子に委ねられました。

(1)子は人類を裁く。

  ①これは、ユダヤ人たちにとっては新しい情報である。

  ②彼らは、父はすべての人のさばき主であると信じていた。

    *創18:25

Gen 18:25
正しい者を悪い者とともに殺し、そのため正しい者と悪い者が同じようになる、というようなことを、あなたがなさることは絶対にありません。そんなことは絶対にあり得ないことです。全地をさばくお方は、公正を行うべきではありませんか。」

  ③彼らは、すべての人は終わりの日に父の前に立つと信じていた。

(2)ここでは、父と子の役割分担が啓示される。

  ①父は子に、すべてのさばきを委ねられた(終末論的な権威の付与)。

  ②子が行うさばきの内容

    *各人の行いの評価

    *最終的なさばきの宣言

5.23節

Joh 5:23

それは、すべての人が、父を敬うのと同じように、子を敬うようになるためです。子を敬わない者は、子を遣わされた父も敬いません。

(1)子にさばきの権威が与えられている理由は、何か。

  ①すべての人が、父を敬うのと同じように、子を敬うようになるため。

  ②父は、ご自身の栄光を他の神々と分かち合うことはない。

    *イザ42:8、10~12

  ③しかし、父は子がご自分と同じ栄光を持つことを喜ばれる。

    *子が神であることを示している。

(2)父と子は一つである。

  ①父を敬う者は、子を敬うようになる。

  ②子を敬わない者は、子を遣わされた父も敬わない。

  ③イエスを信じないグループ

    *ユダヤ教、イスラム教、モルモン、エホバの証人、統一教会

    *これらのグループの人でも、イエスを神の子と信じるなら救われる。

6.24節

Joh 5:24

まことに、まことに、あなたがたに言います。わたしのことばを聞いて、わたしを遣わされた方を信じる者は、永遠のいのちを持ち、さばきにあうことがなく、死からいのちに移っています。

(1)「まことに、まことに」

  ①これから厳粛な教えが語られる。

  ②イエスは、父から聞いたことしか語らない。

  ③それゆえ、イエスを信じることはイエスを遣わした父を信じることである。

  ④父を信じる者は、死からいのちに移っている。

    *その人は、永遠のいのちを持っている。

    *その人は、さばきにあうことがない。

  ⑤その人は、終末論的祝福をすでに経験している。

    *クリスチャンは、未来を先取りして今を生きている。

(2)これは、イエスを信じて救われよという招きのことばでもある。

  ①1ヨハ3:14

1Jn 3:14 私たちは、自分が死からいのちに移ったことを知っています。兄弟を愛しているからです。愛さない者は死のうちにとどまっています。

7.25~26節

Joh 5:25

まことに、まことに、あなたがたに言います。死人が神の子の声を聞く時が来ます。今がその時です。それを聞く者は生きます。

Joh 5:26

それは、父がご自分のうちにいのちを持っておられるように、子にも、自分のうちにいのちを持つようにしてくださったからです。

(1)「まことに、まことに」

  ①厳粛な教えが語られる。

  ②神の子の声を聞いて信じる人は、生きるようになる。

  ③2重の実現がある。

  *今それが実現している。

      ・死人(罪人)は、神の子のことばを信じることで新生する。

    *将来それが実現するようになる。

      ・死人(肉体的に死んだ人)は、栄光のからだによみがえる。

(2)子が死人をよみがえらせることができる理由

  ①子のうちにいのちが宿っている。

  ②父がそのようにしてくださった(ある時にそうなったという意味ではない)。

  ③この状態は、永遠の昔から続いているものである。

  ④私たちのうちにあるいのちは、与えられたものである。

  ⑤子のうちにあるいのちは、最初から持っているいのちである。

  ⑥1:4

Joh 1:4 この方にはいのちがあった。このいのちは人の光であった。

8.27節

Joh 5:27

また父は、さばきを行う権威を子に与えてくださいました。子は人の子だからです。

(1)父がさばきを行う権威を子に与えてくださった理由

  ①子は人の子だからである。

  ②「人の子」とは、メシアのタイトルである。

    *ダニ7:13~14

  ③このタイトルは、メシアの人間性を強調したものである。

  ④定冠詞の付いていない「人の子」は、イエスの本質を示している。

  ⑤イエスは完璧な人間性を有しているので、人をさばくことができる。

    *ヘブ2:17

Heb 2:17
したがって、神に関わる事柄について、あわれみ深い、忠実な大祭司となるために、イエスはすべての点で兄弟たちと同じようにならなければなりませんでした。それで民の罪の宥めがなされたのです。

Heb 2:18 イエスは、自ら試みを受けて苦しまれたからこそ、試みられている者たちを助けることができるのです。

9.28~29節

Joh 5:28

このことに驚いてはなりません。墓の中にいる者がみな、子の声を聞く時が来るのです。

Joh 5:29

そのとき、善を行った者はよみがえっていのちを受けるために、悪を行った者はよみがえってさばきを受けるために出て来ます。

(1)イエスは、驚いてはならないと勧告する。

  ①死んだ者がみな、子の声を聞く時が来る。

  ②その結果、2種類の復活が起こる。

(2)「善を行った者」とは、イエスを信じた者である。

  ①6:28~29

Joh 6:28 すると、彼らはイエスに言った。「神のわざを行うためには、何をすべきでしょうか。」

Joh 6:29 イエスは答えられた。「神が遣わした者をあなたがたが信じること、それが神のわざです。」

  ②信者の肉体的復活は、永遠のいのちをもたらすためのものである。

    *信者は、霊的には永遠のいのちを得ている(終末論的祝福の先取り)。

(3)「悪を行った者」とは、イエスを信じなかった者である。

  ①不信者の肉体的復活は、さばきを受けるためのものである。

    *不信者は、すでにさばかれている(終末論的さばきの先取り)。

結論:3種類の復活

1.霊的復活

(1)5:24~25

Joh 5:24

まことに、まことに、あなたがたに言います。わたしのことばを聞いて、わたしを遣わされた方を信じる者は、永遠のいのちを持ち、さばきにあうことがなく、死からいのちに移っています。

Joh 5:25

まことに、まことに、あなたがたに言います。死人が神の子の声を聞く時が来ます。今がその時です。それを聞く者は生きます。

  ①イエスを信じる者は、イエスを遣わされた方を信じる者である。

  ②その人は、死からいのちに移っている。

  ③これは完了した祝福なので、取り消されることはない。

  ④霊的復活の時は、今である。

2.信者の復活

(1)5:28~29

Joh 5:28

このことに驚いてはなりません。墓の中にいる者がみな、子の声を聞く時が来るのです。

Joh 5:29

そのとき、善を行った者はよみがえっていのちを受けるために、悪を行った者はよみがえってさばきを受けるために出て来ます。

  ①善を行った者とは、イエスを信じ、霊的に復活した者である。

  ②教会時代の信者は、携挙の時に復活する。

  ③それ以外の信者は、再臨の後で復活する。

3.不信者の復活

(1)5:28~29

Joh 5:28

このことに驚いてはなりません。墓の中にいる者がみな、子の声を聞く時が来るのです。

Joh 5:29

そのとき、善を行った者はよみがえっていのちを受けるために、悪を行った者はよみがえってさばきを受けるために出て来ます。

  ①悪を行った者とは、イエスを信じないで、霊的に死んだ状態で生きた者。

  ②彼らは、千年王国の終りに復活し、最後のさばきを受ける。

  ③不信者は、死によってすべてが終わると考え、好き勝手に生きる。

  ④彼らは、死の先にさばきが待っていることを認めない。

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