私たちはプロテスタントのキリスト教福音団体です。『1. 聖書のことばを字義どおりに解釈する 2. 文脈を重視する 3. 当時の人たちが理解した方法で聖書を読む 4. イスラエルと教会を区別する』この4点を大切に、ヘブル的聖書解釈を重視しています。詳しくは私たちの理念をご確認ください。
サムエル記第一(21)「ギルガルでの不従順」第一サムエル13:1~23
- このメッセージに感謝を贈る
-
この無料配信メッセージは、皆様の祈りと献金のサポートで成り立っています。
あなたの「ちょっとした感謝」を300円献金で贈ってみませんか?
このメッセージでは...
命題:神は、状況に左右されず、ご自身のことばに従う者を求めておられる。
サウルの失敗を3段階で見ると、それが分かる。
サムエル記第一(21)
「ギルガルでの不従順」
1サム13:1~23
1.文脈の確認
Ⅰ.王政に向けた準備(1~9章)
Ⅱ.サウルの治世(10~31章)
A.サウルの確立(10~14章)
1.サウルを王として選ぶイスラエル(10章)
2.サウルの最初の勝利(11章)
3.サムエルの告別説教(12章)
4.ギルガルでの不従順(13章)
2.注目すべき点
(1)イスラエルとペリシテ人との本格的な戦いが始まる。
(2)危機的状況の中で、サウルの信仰が試される。
(3)サウルは、神への従順よりも目に見える状況を優先した。
(4)サウルの王朝が永続しないことが宣告される。
(5)「ご自分の心にかなう人」の登場が予告される。
命題:神は、状況に左右されず、ご自身のことばに従う者を求めておられる。
サウルの失敗を3段階で見ると、それが分かる。
Ⅰ.危機によって試されるサウル(1~7節)
1.1節
1Sa 13:1 サウルは、ある年齢で王となり、二年間だけイスラエルを治めた。
(1)使13:21によれば、サウルの治世は40年間であった。
①ここではサウルの治世のある時点から物語が始まると考えるのが安全である。
2.2節
1Sa 13:2
サウルは、自分のためにイスラエルから三千人を選んだ。二千人はサウルとともにミクマスとベテルの山地にいて、千人はヨナタンとともにベニヤミンのギブアにいた。残りの兵は、それぞれ自分の天幕に帰した。
(1)サウルは、イスラエルから三千人を選ぶ。常備軍であろう。
①二千人――サウルとともにミクマス、ベテルの山地にいた。
②千人――ヨナタンとともにベニヤミンのギブアにいた。
③残りの民はそれぞれの天幕に帰された。
④ここで初めて息子のヨナタンが登場する。
3.3~4節
1Sa 13:3
ヨナタンは、ゲバにいたペリシテ人の守備隊長を打ち殺した。サウルのほうは国中に角笛を吹き鳴らした。ペリシテ人たちは、だれかが「ヘブル人に思い知らせてやろう」と言うのを聞いた。
1Sa 13:4
全イスラエルは、「サウルがペリシテ人の守備隊長を打ち殺し、しかも、イスラエルがペリシテ人の恨みを買った」ということを聞いた。兵はギルガルでサウルのもとに呼び集められた。
(1)ヨナタンは、ゲバにあったペリシテ人の守備隊を打ち破る。
①これは、ペリシテ人に対する独立戦争である。
②「サウルのほうは国中に角笛を吹き鳴らした」
③「サウルがペリシテ人の守備隊長を打ち殺し」とイスラエル中に伝わる。
4.5節
1Sa 13:5
ペリシテ人はイスラエル人と戦うために集まった。戦車三万、騎兵六千、それに海辺の砂のように数多くの兵たちであった。彼らは上って来て、ベテ・アベンの東、ミクマスに陣を敷いた。
(1)ペリシテ人は大軍をもって反撃する。
①戦車三万、騎兵六千、海辺の砂のように数多くの兵たち
②イスラエルとペリシテ人の軍事力には圧倒的な差があった。
③三千人のイスラエル軍 対 海辺の砂のようなペリシテ軍
5.6~7節
1Sa 13:6
イスラエルの人々は、自分たちが危険なのを見てとった。兵たちがひどく追いつめられていたからである。兵たちは洞穴や、奥まったところ、岩間、地下室、水溜めの中に隠れた。
1Sa 13:7
あるヘブル人たちはヨルダン川を渡って、ガドの地、すなわちギルアデに行った。しかしサウルはなおギルガルにとどまり、兵たちはみな震えながら彼に従っていた。
(1)ペリシテ軍を見たイスラエル人は恐怖に陥った。
①彼らは、洞穴、茂み、岩間、地下室、水溜めなどに隠れた。
②さらに、ヨルダン川を渡って東側のガド、ギルアデ地方まで逃げる者もいた。
③11章では、サウルのもとに民が集まってきた。
④13章では、サウルのもとから民が逃げていく。
(2)三重の圧力の中で、サウルの信仰が試された。
①敵が圧倒的に強い。
②味方が逃げていく。
③サムエルがまだ来ない。
(3)危機は信仰を破壊するものではなく、何に信頼しているかを明らかにする。
①13章では、サウルの弱さが明らかになる。
②14章では、ヨナタンの信仰が明らかになる。
Ⅱ.神の時を待てなかったサウル(8~14節)
1.8節
1Sa 13:8
サウルは、サムエルがいることになっている例祭まで、七日間待ったが、サムエルはギルガルに来なかった。それで、兵たちはサウルから離れて散って行こうとした。
(1)サウルは七日間待った。
①1サム10:8の命令
「私があなたのところに下って行き……あなたがなすべきことを知らせます」
②サウルは、まったく待たなかったのではなく、七日間待った。
③しかし、期限が迫るにつれて状況が悪化した。
④サウルの信仰は、最後の瞬間に試されたのである。
2.9節
1Sa 13:9 サウルは、「全焼のささげ物と交わりのいけにえを私のところに持って来なさい」と言った。そして全焼のささげ物を献げた。
(1)サウルは、自分で全焼のささげ物と交わりのいけにえを献げた。
①これは、王が祭司の仕事をしたという罪である。
②これは、サムエルを通して与えられた神の命令への不従順である。
3.10節
1Sa 13:10 彼が全焼のささげ物を献げ終えたとき、なんと、サムエルが来た。サウルは迎えに出て、彼にあいさつした。
(1)ここには物語上の強烈な皮肉がある。
①サウルは七日間待ったのに、最後のところで待つことができなかった。
②信仰とは、自分の限界まで待つことではなく、神が行動されるまで待つこと。
4.11~12節
1Sa 13:11
サムエルは言った。「あなたは、何ということをしたのか。」サウルは答えた。「兵たちが私から離れて散って行こうとしていて、また、ペリシテ人がミクマスに集まっていたのに、あなたが毎年の例祭に来ていないのを見たからです。
1Sa 13:12
今、ペリシテ人がギルガルにいる私に向かって下って来ようとしているのに、まだ私は【主】に嘆願していないと考え、あえて、全焼のささげ物を献げたのです。」
(1)「あなたは、何ということをしたのか」という問いに対する3つの理由
①「兵が私から離れて散って行こうとしている」――民への恐れ
②「あなたも定められた日までに来ない」――サムエルへの責任転嫁
③「ペリシテ人がミクマスに集まっている」――状況への恐れ
(2)「あえて、全焼のささげ物を献げたのです」
①「思い切って」
②してはならないと分かっていながら、状況に押されて強いて行動した。
③神のことばを聞く → 状況を見る → 恐れに支配される → 自分で解決する
5.13~14節
1Sa 13:13
サムエルはサウルに言った。「愚かなことをしたものだ。あなたは、あなたの神、【主】が命じた命令を守らなかった。【主】は今、イスラエルにあなたの王国を永遠に確立されたであろうに。
1Sa 13:14
しかし、今や、あなたの王国は立たない。【主】はご自分の心にかなう人を求め、【主】はその人をご自分の民の君主に任命しておられる。【主】があなたに命じられたことを、あなたが守らなかったからだ。」
(1)聖書でいう「愚かさ」は、単なる判断ミスではない。
①人間的に合理的な判断であっても、神のことばに反するなら、愚かなこと。
(2)「今や、あなたの王国は立たない」
①サウルがこの瞬間に王位を失うという意味ではない。
②失われたのは、サウル王朝が永続する可能性である。
③ここから、ヨナタンではなくダビデへと王権が移っていく物語が始まる。
(3)「ご自分の心にかなう人」
①これはもちろん、後に登場するダビデを指している。
②「道徳的に完全な人」ではなく、「神の御心に適った人」という意味である。
③罪を指摘されたとき、サウルは自己弁護するが、ダビデは悔い改める。
Ⅲ.絶望的な状況に置かれたサウル(15~23節)
1.15節
1Sa 13:15 サムエルは立って、ギルガルからベニヤミンのギブアへ上って行った。サウルが彼とともにいた兵を数えると、おおよそ六百人であった。
(1)サムエルがサウルから離れる。
①これは単なる移動以上の意味を持っている。
②11:8ではサウルのもとにイスラエル30万人、ユダ3万人が集まっていた。
③それが今では、わずか六百人である。
④民を失うことを恐れて神に従わなかったサウルは、結局、民を失った。
2.16節
1Sa 13:16 サウルと、息子ヨナタン、および彼らとともにいた兵は、ベニヤミンのゲバにとどまっていた。一方、ペリシテ人はミクマスに陣を敷いていた。
(1)イスラエル軍は追い詰められている。
①サウル、ヨナタン、そして六百人の兵は、ベニヤミンのゲバにとどまる。
②ペリシテ人はミクマスに陣を敷いていた。
③両軍が対峙しているが、軍事力には圧倒的な差がある。
3.17~18節
1Sa 13:17 ペリシテ人の陣営から、三つの組に分かれて略奪隊が出て来た。一つの組はオフラの道を進んでシュアルの地に向かい、
1Sa 13:18 一つの組はベテ・ホロンの道を進み、一つの組は荒野の方、ツェボイムの谷を見下ろす国境の道を進んだ。
(1)ペリシテ軍から三つの略奪隊が出撃する。
①この出撃は、イスラエルが軍事的に完全に押さえ込まれていることを示す。
4.19~21節
1Sa 13:19
さて、イスラエルの地には、どこにも鍛冶屋を見つけることができなかった。ヘブル人が剣や槍を作るといけない、とペリシテ人が言っていたからであった。
1Sa 13:20 イスラエルはみな、鋤や、鍬、斧、鎌を研ぐためにペリシテ人のところへ下って行っていた。
1Sa 13:21 鎌や、鍬、三又の矛、斧、突き棒を直すのに、料金は一ピムであった。
(1)ペリシテ人は鉄器技術を独占していた。
①ペリシテ人はその技術の独占によって、イスラエルの武装を制限していた。
②イスラエルは、経済的にも軍事的にもペリシテ人に依存していた。
5.22節
1Sa 13:22 戦いの日に、サウルやヨナタンと一緒にいた兵のうちだれの手にも、剣や槍はなかった。ただサウルと息子ヨナタンだけが持っていた。
(1)剣と槍を持っていたのは二人だけ。
①人間的に考えれば、勝利は不可能である。
6.23節
1Sa 13:23 ペリシテ人の先陣はミクマスの渡りに出た。
(1)ここで13章が終わるのは非常に効果的である。
①読者には、「これではイスラエルは勝てない」という印象だけが残る。
②ところが、その直後の14章でヨナタンが登場する。
結論:今日の信者への適用
1.危機の中で、自分が何に信頼しているかを吟味する。
(1)危機的な状況に直面すると、サウルの信仰の弱さが表面化した。
(2)私たちも、危機に直面すると、「何に信頼しているか」が明らかになる。
2.神のことばに従い、神の時を待つ。
(1)サウルは七日間待ったが、最後まで待つことができなかった。
(2)「これだけ祈った、待った」と考え、自分で事態を動かしたくなることがある。
(3)しかし、神の沈黙は神の不在を意味しない。
3.自分に不足しているものではなく、ともにおられる神を見る。
(1)人間的な可能性のなさは、神の可能性のなさではない。
(2)13章の最後では、イスラエルは絶望的な状態にある。
(3)14章ではヨナタンが登場する。
「多くの人によっても、少しの人によっても、【主】がお救いになるのを妨げるものは
何もない」(14:6)




週間アクセスランキング
サムエル記第一(21)「ギルガルでの不従順」第一サムエル13:1~23
サムエル記第一(20)「サムエルの告別説教」1サム12:1~25
2026年 ハーベスト秋期聖会 「40という数字の意味(2)」—出エジプトから王国成立前まで―
Q518 死後のいのちについて、どう説明したらよいでしょうか 。
Q519 聖書とはどういう本ですか。
創造から新天新地へ(07)―24章でたどる神の救済史 6章 「奴隷生活から定住生活へ」ヨシュア記1章