私たちはプロテスタントのキリスト教福音団体です。『1. 聖書のことばを字義どおりに解釈する 2. 文脈を重視する 3. 当時の人たちが理解した方法で聖書を読む 4. イスラエルと教会を区別する』この4点を大切に、ヘブル的聖書解釈を重視しています。詳しくは私たちの理念をご確認ください。
サムエル記第一(14)「王を求める民」1サム8:1~18
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命題:神の民は、人間的な安心よりも神の統治を信頼すべきである。民の要求とサムエルの警告を通して、この真理が正しいことを学ぼう。
サムエル記第一(14)
「王を求める民」
1サム8:1~18
1.文脈の確認
Ⅰ.王政に向けた準備(1~9章)
A.サムエルの誕生と幼少期(1章)
B.ハンナの賛歌(2:1~10)
C.シロでの霊的状況(2:11~36)
D.サムエルの召し(3章)
E.契約の箱(4~7章)
F.王の選択(8~9章)
1.王を求める民(8:1~18)
2.民の願いを受け入れる神(8:19~9:14)
3.サウルの選び(9:15~27)
2.注目すべき点
(1)イスラエルの歴史が新しい段階に入る。
①神政政治(神が王である体制)から、人間の王を持つ国家への転換点となる。
②1~7章は「士師サムエル」、8章以降は「王政への移行」が主題となる。
(2)サムエルの高齢と後継者問題がきっかけとなった。
①サムエルの息子たちは、父の信仰を受け継がなかった。
②エリの息子たちに続き、サムエルの息子たちも、父の信仰を受け継がなかった。
(3)民の要求には正当な部分と誤った部分があった。
①指導者の交代を求めたこと自体は理解できる。
②しかし、「ほかの国々のように王を」という願いは、間違っていた。
③問題は「王を求めたこと」ではなく、「どのような理由で求めたか」である。
命題:神の民は、人間的な安心よりも神の統治を信頼すべきである。
民の要求とサムエルの警告を通して、この真理が正しいことを学ぼう。
Ⅰ.民の要求(1~9節)
1.1~3節
1Sa 8:1 サムエルは、年老いたとき、息子たちをイスラエルのさばきつかさとして任命した。
1Sa 8:2 長男の名はヨエル、次男の名はアビヤであった。彼らはベエル・シェバでさばきつかさをしていた。
1Sa 8:3 しかし、この息子たちは父の道に歩まず、利得を追い求め、賄賂を受け取り、さばきを曲げていた。
(1)サムエルは年老いた。
①恐らく65~70歳くらいであろう。
②彼は、後継者として息子たちをさばきつかさとして任命した。
③長男の名はヨエル、次男の名はアビヤであった。
④彼らはベエル・シェバ(ユダの地)でさばきつかさをしていた。
(2)息子たちは父の道に歩まなかった。
①利得を追い求めた。
②賄賂を受け取った。
③さばきを曲げていた。
(3)民は、エリの息子たちのことを思い出したに違いない。
①サムエルもまた息子たちの養育に失敗した。
②民は、国がサムエル以前の状態に戻ることを危惧した。
2.4~5節
1Sa 8:4 イスラエルの長老たちはみな集まり、ラマにいるサムエルのところにやって来て、
1Sa 8:5
彼に言った。「ご覧ください。あなたはお年を召し、ご子息たちはあなたの道を歩んでいません。どうか今、ほかのすべての国民のように、私たちをさばく王を立ててください。」
(1)イスラエルの長老たちは、王を立てて欲しいと願った。
①サムエルは高齢で、さばきつかさの役割を果たせなくなった。
*ペリシテ人の脅威が増しているので、力強いリーダーが必要である。
②後継者の息子たちには、道徳的な問題がある。
*サムエルの存命中に問題を解決しておく必要がある。
(2)彼らは、「ほかのすべての国民のように」と言った。
①これは、他の異邦人諸国のようにという意味である。
②これはサムエルに対する反逆である以上に、神の王権を拒否する反逆である。
3.6節
1Sa 8:6
彼らが、「私たちをさばく王を私たちに与えてください」と言ったとき、そのことばはサムエルの目には悪しきことであった。それでサムエルは【主】に祈った。
(1)サムエルは、長老たちのことばを喜ばなかった。
①これほど重要なことであれば、まず【主】の御心を求める必要がある。
②しかし、長老たちは祈らないで、政治的に判断を下しただけである。
③イスラエルの民は、すでに王政よりも素晴らしい政治形態を与えられている。
④神政政治においては、神が王であり、さばきつかさは代理人である。
⑤民が従順であれば、【主】が勝利をもたらす。
⑥しかし民は、【主】の守りは不十分であると考えたのである。
(2)サムエルは、【主】に祈った。
①自分と息子たちが退けられることは、喜ばしいことではない。
②しかし彼は、預言者として神と民の間に立ち、御心を求めた。
4.7~9節
1Sa 8:7
【主】はサムエルに言われた。「民があなたに言うことは何であれ、それを聞き入れよ。なぜなら彼らは、あなたを拒んだのではなく、わたしが王として彼らを治めることを拒んだのだから。
1Sa 8:8
わたしが彼らをエジプトから連れ上った日から今日に至るまで、彼らのしたことといえば、わたしを捨てて、ほかの神々に仕えることだった。そのように彼らは、あなたにもしているのだ。
1Sa 8:9 今、彼らの声を聞き入れよ。ただし、彼らに自分たちを治める王の権利をはっきりと宣言せよ。」
(1)【主】からの回答があった。
①民が言うことは何であれ、聞き入れよ。
②彼らは、サムエルを拒んだのではない。
③【主】を王とすることを拒んだのである。
*モーセの律法に従うことを拒んだ。
④人間の王がもたらす軍事力によって、敵から国を守ることを選んだのである。
(2)彼らは、出エジプトから今日に至るまで、同じ罪を犯してきた。
①彼らは、【主】を捨てて、偶像の神々に仕えてきた。
②サムエルに対しても、同じことをしている。
(3)彼らの願いを聞き入れてよいが、警告のことばを発すべきである。
①王政には多くの問題が潜んでいる。
②王の権利は、民を苦しめることになる。
Ⅱ.サムエルの警告(10~18節)
1.10節
1Sa 8:10 サムエルは、自分に王を求めるこの民に対して、【主】のすべてのことばを話した。
(1)サムエルは、【主】と民の間に立って、預言者としての使命を果たした。
①彼は、「【主】のすべてのことばを話した」。
②「取る」という動詞が六回も繰り返される。
2.11~12節
1Sa 8:11 彼は言った。「あなたがたを治める王の権利はこうだ。あなたがたの息子たちを取り、戦車や軍馬に乗せ、自分の戦車の前を走らせる。
1Sa 8:12 また、自分のために千人隊の長や五十人隊の長として任命し、自分の耕地を耕させ、自分の刈り入れに従事させ、武具や戦車の部品を作らせる。
(1)民を治める王の権利
①息子たちを取り、兵役に就かせる。
②王の耕地で働く農夫とする。
③武具や戦車の部品を作る職人とする。
3.13節
1Sa 8:13 また、あなたがたの娘たちを取り、香料を作る者や料理する者やパンを焼く者とする。
(1)民を治める王の権利
①娘たちを取り、家事労働に就かせる。
*香料を作る者、料理する者、パンを焼く者とする。
4.14~17節
1Sa 8:14 あなたがたの畑やぶどう畑や良いオリーブ畑を没収し、自分の家来たちに与える。
1Sa 8:15 あなたがたの穀物とぶどう畑の十分の一を取り、廷臣や家来たちに与える。
1Sa 8:16 あなたがたの奴隷や女奴隷、それにあなたがたの子牛やろばの最も良いものを取り、自分の仕事をさせる。
1Sa 8:17 あなたがたの羊の群れの十分の一を取り、あなたがた自身は王の奴隷となる。
(1)民を治める王の権利
①畑やぶどう畑やオリーブ畑を没収し、自分の家来たちに与える。
②奴隷や女奴隷、子牛やろばの最良のものを取り、王の仕事をさせる。
③羊の群れの十分の一を取り、民は王の奴隷となる。
5.18節
1Sa 8:18 その日、あなたがたが自分たちのために選んだ王のゆえに泣き叫んでも、その日、【主】はあなたがたに答えはしない。」
(1)民は、自らの選びについて責任を負うことになる。
①圧政のゆえに泣き叫んでも、自分の選択の結果まで取り除かれることはない。
②この状況は、北王国イスラエルで顕著なものとなる。
結論:今日の信者への適用
1.神よりも人間的な方法に頼っていないかを点検しよう
(1)神の御心を待たずに人間的な知恵だけで決断する。
(2)祈りよりも計画を優先する。
(3)神への信頼よりも、お金、地位、人脈、能力に安心を見いだす。
2.「周囲と同じでありたい」という誘惑に注意しよう
(1)イスラエルは、「ほかのすべての国民のように」と言った。
(2)これは、聖書が繰り返し警告する同調圧力である。
(3)現代の同調圧力
①世間の価値観
②成功の基準
③流行
④多数派の意見
(4)信者は、「世に属している」のではなく、「世に遣わされている」存在である。
3.神の警告に耳を傾けよう
(1)サムエルは、王政の危険性を詳しく語った(9~18節)。
(2)神は裁きを下す前に、必ず警告を与えられる。
(3)今日も神は、警告を発してくださる。
①聖書
②聖霊の導き
③健全な牧会者や信仰の友
4.自由意志を愛のために用いよう
(1)神は人間の自由意志を尊重される。
(2)神が許容されることと、神が喜ばれることは区別しなければならない。
(3)自由意志は、イエスを信じ、愛を実践するために与えられている。
5.キリストを王として受け入れよう。
(1)救済史の流れ
①サムエル記→ダビデ契約→メシア誕生→メシアの受難→メシアの再臨
(2)キリストは、千年王国を統治する王である。




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