私たちはプロテスタントのキリスト教福音団体です。『1. 聖書のことばを字義どおりに解釈する 2. 文脈を重視する 3. 当時の人たちが理解した方法で聖書を読む 4. イスラエルと教会を区別する』この4点を大切に、ヘブル的聖書解釈を重視しています。詳しくは私たちの理念をご確認ください。
アブラハム契約
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アブラハム契約を通して、キリスト教信仰の真髄を考える。
「アブラハム契約」
創15:1~17:27
イントロ:
1.文脈の確認
(1)アブラムは神の命令を受けて、カルデヤ人のウルを出た(75歳)。
(2)アブラハム契約に基づく行動である。
(3)アブラハム契約は、徐々にその内容が啓示されていく。
2.なぜこのメッセージが大切か。
(1)キリスト教信仰の真髄が、ここにある。
(2)イスラエル・アラブ紛争の源流が、ここにある。
3.メッセージのアウトライン
(1)信仰義認(76歳)
(2)契約の締結
(3)アブラムの失敗(86歳)
(4)契約の更新(99歳)
(5)契約のしるし‐割礼
アブラハム契約を通して、キリスト教信仰の真髄を考える。
Ⅰ.信仰義認(15:1~6)
1.神のことば。「アブラムよ。恐れるな」
(1)「わたしはあなたの盾である」
①4人の王からアブラムを守ったのは、神ご自身である。
②神を盾にたとえる最初の例である。
(2)「あなたの受ける報いは非常に大きい」
①神ご自身が報いである。
②神が与える財もまた報いである。
2.アブラムのことば。「わたしの家に生れたしもべが、あとつぎとなるでしょう」
(1)エリエゼルは、ダマスコから来た奴隷の息子。
(2)そして、アブラムの家で生まれた。
3.神の約束
(1)「あなた自身から生まれ出て来る者が、あなたの跡を継がなければならない」
(2)この時点では、サライがその子の母であるとは言われていない。
4.神はアブラムを天幕の外に連れ出し、こう言われた。
(1)「さあ、天を見上げなさい。星を数えることができるなら、それを数えなさい」
(2)もちろん、アブラムは数えられない。
(3)そこで、さらにこう言われた。「あなたの子孫はこのようになる」
(4)アブラムはそれを信じて、義とされた(6節)。
(5)聖書の救済論(救いの教理)が示されている。
5.誤った救いの理解
(1)旧約時代の聖徒たちは、十字架を待ち望む信仰によって救われている。
(2)新約時代の聖徒たちは、十字架を振り返る信仰によって救われている。
6.救いの原則は不変である。
(1)信仰の対象は、神。
(2)信仰の内容は、その時に啓示された約束。
(3)救いの方法は、信仰により恵みによる。
Ⅱ.契約の締結(15:7~21)
1.血の契約
(1)最も厳粛な契約。
(2)動物を切り裂き、両側に並べ、当事者がその間を歩く。
(3)違反したなら、命をもって償うという契約。
2.アブラムの状態
(1)「深い眠り」。これは、幻を見るための眠りである。アブラムには意識がある。
①同じ眠りが、創2:21にあった。
②「ひどい暗黒の恐怖が彼を襲った」。アブラムには意識があった。
3.神からの語りかけ
(1)エジプトでの奴隷生活の預言
(2)アブラム個人には、平安の約束
(3)カナンの地への帰還の約束(16節)
(4)それほど長く待つ理由:エモリ人の咎が満ちるまで。
4.当事者は神のみ
(1)シャカイナグローリーが現れた。
①煙の立つかまど、燃えているたいまつ
②たいまつの火によって、かまどから煙が立っている。
(2)切り裂かれた死体の間を、シャカイナグローリーが通過した。
(3)アブラムは眠っていた。
①この契約は、片務契約であり、無条件契約である。
②アブラムとその子孫が失敗しても、この契約は継続する。
5.約束の地の境が明確にされる。
(1)アブラムと、その子孫に与えられる。
(2)今もそれは変わらない。
Ⅲ.アブラムの失敗(16:1~16)
1. イシュマエル誕生の状況説明(1節)
(1)それから10年後。サライは、子を産まなかった。
(2)サライには、エジプト人の女奴隷がいて、その名をハガルと言った。
①彼女を得る可能性があったのは、エジプトに下った時だけ(創12:6)。
②ラビ的伝承では、ハガルはパロの娘とされている。
2.サライの提案(2節)
(1)「どうぞ、私の女奴隷のところにお入りください」
(2)この提案は、ハムラビ法典、ヌジ文書の規定通りである(ともに2000年B.C.)。
(3)この提案は当時の法に適っているが、これは彼女の信仰の欠如を示している。
(4)アブラムの承認
①これもまた、アブラムの信仰の欠如である。エジプトに下ったのと同じ。
②創世記3:17と似ている。
3.サライとハガルの対立(3~5節)
4.ハガルの逃避(6節)
5.主の使いの預言(10~12節)
(1)「あなたの子孫は、わたしが大いにふやすので、数えきれないほどになる」
(2)誕生前に神によって名が与えられる。イシュマエル。
(3)「野生のろばのような人になる」
(4)「その手は、すべての人に逆らい」「すべての人の手も、彼に逆らう」
①荒野の移動の中で、他民族と遭遇する。彼は、攻撃的な性格を示す。
②攻撃された方が、報復攻撃を仕かけてくる。
③1948年以降の、アラブ人のイスラエルへの攻撃と、イスラエルの側の報復。
(5)「彼はすべての兄弟に敵対して住もう」
①弟のイサクと隣り合って住むが、平和的にではなく、敵対心を持って住む。
6.イシュマエルは、約束の子ではない。
(1)アブラムは、さらに14年待たねばならない。
(2)約束の子は、神の恵みによって与えられる。
Ⅳ.契約の更新(17:1~8)
1.それから13年後。アブラムからアブラハムへの改名
(1)アブラムとは、高く上げられた父。
(2)アブラハムは、多くの者の父。
(3)アブラハム契約は、ひとつの国民と結ばれる。
2.土地の約束
(1)土地の約束が、アブラハムとその子孫に与えられた。
(2)この約束は、千年王国で成就する。
(3)ユダヤ人がそこに住んでいるかどうかは、問題ではない。そこはユダヤ人の所有地。
3.サライからサラへの改名
(1)サラが約束の子の母であることが示される。
(2)アブラムは、「笑った」。ヘブル語で「イッツハク」という動詞。
(3)これが息子の名になる。
Ⅴ.契約のしるし‐割礼
1.具体的内容
(1)この「しるし」は、男性の生殖器に焦点が合わさったものである。
(2)割礼では血が流れる。
①これが血の契約であることが強調される。
②割礼を見るたびに、自分がアブラハム契約の中に置かれていることを思い出す。
(3)割礼を行うタイミングもユニークである。
①生まれて8日目。
②新生児の免疫力が最も高まる時。
2.範囲
(1)アブラハム契約が有効である限り、割礼を実行せねばならない。
(2)ユダヤ人は今も割礼を受ける。
(3)メシアニック・ジューであっても割礼を受ける。
(4)異邦人は、割礼を受ける必要はない。
3.割礼の実行
結論
1.アブラハム契約は、今も有効
(1)今も割礼はアブラハム契約の「しるし」として有効。
(2)メシアニック・ジュー(イエスを信じるユダヤ人)も例外ではない。
(3)モーセの律法の要求に従うためではない。
2.肉の割礼には、霊的な意味はない。
(1)割礼は救いの条件でも、霊的であることの保証でもない。
(2)アブラハムは、義とされたことのしるしとして、割礼を受けた(ロマ4:9~12)。
3.異邦人クリスチャンは、割礼を受ける必要がない。
(1)使徒15章のエルサレム会議で確認された。
(2)パウロは、テトスの割礼には反対したが、テモテには割礼を受けさせた。
①テトスは異邦人
②テモテはユダヤ人の母の子。
(3)私たちにとって大切なのは、肉の割礼ではなく心の割礼である。
(4)使徒パウロの言葉
「しかし私には、私たちの主イエス・キリストの十字架以外に誇りとするものが決してあってはなりません」(ガラ6:14)
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