アブラムの歩み

  • 2008.12.09
  • 創世記12章:4〜13章:18
  • スピーカー 中川健一
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アブラムの歩みを通して、信仰と人格の成長を考える。

「アブラムの歩み」

創12:4~13:18

イントロ:

1.きょうのメッセージは、創世記12章、13章を扱う。

2.文脈の確認

 (1)人類の3度にわたる失敗(エデンの園、ノアの洪水、バベルの塔)

 (2)人類救済の新しい計画:アブラハム契約

  ①聖書理解の要

  ②今の有効(私たちとも関係がある)

3.なぜこのメッセージが大切か。

  (1)アブラムの体験には、普遍性がある。

  (2)信仰の成長、人格の成長を目指す。

 4.メッセージのアウトライン

  (1)カナンの地に入るアブラム

  (2)エジプトに下るアブラム

  (3)ロトと分離するアブラム

  (4)目を上げるアブラム

アブラムの歩みを通して、信仰と人格の成長を考える。

Ⅰ.カナンの地に入るアブラム

1.出発

(1)ヘブル11:8

「信仰によって、アブラハムは、相続財産として受け取るべき地に出て行けとの召しを受けたとき、これに従い、どこに行くのかを知らないで、出て行きました」

(2)妻のサライと、おいのロトと、ハランで加えられた僕たちをともなって。

 2.シェケム到着

(1)「モレの樫の木のところ」とは、カナン人の宗教の中心地。

(2)主の顕現(7節)。

「そのころ、【主】がアブラムに現れ、そして『あなたの子孫に、わたしはこの地を与える』と仰せられた。アブラムは自分に現れてくださった【主】のために、そこに祭壇を築いた」

① この時神は、アブラハム契約の再確認をされた。

② その内容は、土地の約束はアブラムの子孫に与えられたというもの。

  (3)アブラムの応答は、祭壇の建築。

 3.ベテル到着

(1)彼は、町から離れた場所に天幕を張った。

(2)そこで彼は、2つのことをしている。

①祭壇を築いた。主への犠牲を捧げるため。

②主の御名によって祈った。カナンの地で公の礼拝を始めたということ。

 4.ネゲブ到着

(1)カナン人との接触はない。会話も対立もない。居住地の周辺を移動していたから。

(2)この移動は、信仰による移動である。所有権の主張。

 5.約束の地の性格

  (1)「祝福」と、「危険」が同居する地である。

  (2)「すでに」と、「未だに」が同居する地である。

  (3)クリスチャン生活との共通性。

Ⅱ.エジプトに下るアブラム

 1.苦渋の決断

 (1)アブラムの信仰が試される。

(2)「ききん」という言葉が2度出てくる。ききんの激しさが強調されている。

(例話)2008年末のガリラヤ湖の様子

(3)ついにアブラムは、エジプトに下る決心をする。

①永住の意図はない。

②しばらく滞在するだけという判断。

③いかなる境遇にあっても神の守りがあるという信仰はまだない。

(4)これが、重大な結果を引き起こすことになる。

2.サライの危機

(1) アブラムにはある恐れがあった。

① この時代のエジプト人は、他人の妻を略奪することで有名。

② サライは65歳になっていたが、見目麗しい女であった。

③ 当時の平均寿命は、およそ今の倍です。サライは年齢よりもはるかに若く見えた。

④ アブラムは、自分が殺されるかもしれないという恐れを抱いた。

(2)そこで彼は、異母妹であった妻サライを妹だと言うことにした。

 ①これは、半分の真実である。

②当時の習慣によれば、父が死んだ後は兄が妹の保護者となる。

③他の男性から結婚の申し出があれば、兄に花嫁料についての交渉権がある。

⑤ エジプト人が結婚を申し込んできたなら、交渉している間に逃亡することができる。

  (3)しかし、パロはアブラムと交渉することなしに、サライを宮廷に召し入れた。

  (4)パロは、当時の習慣に従ってアブラムに花嫁料を払った。

3.神の介入

(1)アブラハム契約がサタンの攻撃を受けている。

(2)神の解決法

①悪いのはパロではなく、アブラムである。

②しかし、神はパロを裁かれた。

③ その理由は、アブラハム契約が無条件契約であるから。

 4.エジプト脱出

(1)パロは、そのままでアブラムとサライをエジプトから去らせた。

(2)アブラムは以前よりも裕福になってカナンの地に戻ってきた。

(3)カナンの地に入った時点で、子孫の約束が成就し得る状態に戻った。

(4)この事件の背後には、サタンの暗躍があった。

5.立ち返り

(1)南から北に移動し、ベテルへ。

(2)ベテルは、彼がカナンの地に来てから、最初の公の礼拝を捧げた所。

(3)立ち返りの内容

①彼は、地理的に元の場所に立ち返った。

②彼は、霊的に最初の愛に立ち返った。

Ⅲ.ロトとの分離

1. エジプトで得た富が原因で紛争が起こる。

  (1)アブラムとロトの関係は、平和的なものであった。

(2)アブラムの牧者とロトの牧者の間に争いが起こった。

(3)家畜を飼う土地が狭すぎたために問題が起こった。

①当時のカナンの地には、多くの都市国家が存在していた。

②アブラムとロトが自由に移動できる地域は限定されていた。

 2.アブラムの提案

  (1)争いを避ける。

   創13:8:「どうか私とあなたとの間、また私の牧者たちとあなたの牧者たちとの間に、争いがないようにしてくれ。私たちは、親類同士なのだから」

(2)ロトに選択権を譲る。

「もしあなたが左に行けば、私は右に行こう。もしあなたが右に行けば、私は左に行こう」

(3)アブラムは富を所有していたが、富はアブラムを所有していなかった。

(4)ロトは富を所有していたが、富もまたロトを所有していた。

3.ロトの選び

 (1)ロトは目を上げて見渡した。

(2)彼は、信仰の目ではなく、肉の目を上げている。

(3)ヨルダンの低地は、エデンの園のように潤い、魅力的に見えた。

(4)ロトは、アブラムに敬意を表することもなく、ヨルダンの低地を選び、東に移動。

(5)やがて彼は、ソドムの近くにまで天幕を張るようになる。

(6)ロトが、ソドムの町に入るのは、もはや時間の問題となった。

Ⅳ.目を上げるアブラム

 1.主からの語りかけ

(1)タイミング:「ロトがアブラムと分かれて後」。ロトが最善の地を取った後。

(2)「さあ、目を上げて、あなたがいる所から北と南、東と西を見渡しなさい」

(3)ロトは自分で目を上げたが、アブラムは神の命令によって目を上げる。

 2.語りかけの内容

(1)アブラムは、4つの方向を見るように命じられた。

   ①それは、ロトが選んだ地も含む。

②そこを、神はアブラムとその子孫に約束した。

③アブラムもまた、いつかその地を所有するようになる。

  (2)子孫の約束が与えられた。

  (3)その地を縦と横に歩き回るように命じられた。初めての聖地旅行であろう。

 3.その後のアブラム

(1)天幕を移した。依然として天幕生活をしている。

(2)ヘブロンにあるマムレの樫の木のそばに住み、そこに主のための祭壇を築く。

①偶像礼拝の中心地に、真の神の祭壇が築かれた。

②アブラムは、霊的な所有権を宣言している。

(3)ヨシ14:15:「 ヘブロンの名は、以前はキルヤテ・アルバであった」

①「アルバの町」、あるいは「4人の町」

②ヘブロンへの改名。「友人(ハベル)」という言葉から来ている。

③新しい名前が、アブラムにちなんで付けられた。アブラムは、神の友。

結論

 1.「すでに」と「未だ」の間の地を歩むのがクリスチャン

 

2.エジプトに下ったなら、すぐにベテルに立ち返るのがクリスチャン

3.異分子と分離する道を選ぶのがクリスチャン

(1)ロトは異分子であった。

  (2)パリサイ人やサドカイ人のパン種に注意(マタ16:6)

  (3)つり合わぬくびき(Ⅱコリ6:14)

 

 4.神の約束を見ないうちから信じるのがクリスチャン

(1)私たちは、福音に対して理性を超越した応答をした。

(2)次は、神の約束に対しても理性を超越した応答をするように期待されている。

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