私たちはプロテスタントのキリスト教福音団体です。『1. 聖書のことばを字義どおりに解釈する 2. 文脈を重視する 3. 当時の人たちが理解した方法で聖書を読む 4. イスラエルと教会を区別する』この4点を大切に、ヘブル的聖書解釈を重視しています。詳しくは私たちの理念をご確認ください。
出エジプト記(34)—シナイ契約(7)—
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モーセの律法から現代的適用を学ぶ。
出エジ34 出エジプト記23章20節~33節
「シナイ契約(7)」
1.文脈の確認
(1)シナイ契約の構造
①シナイ契約は宗主権契約である。
②両者が同意する条項(命令と祝福)(20:3~17)
*十戒
③基本条項に付加された諸条項(21:1~23:33)
*十戒の原則を解説した補足条項
*判例法の形式を取っている。
(2)今回の内容
①契約条項を守った者への祝福
②イスラエルの民は、重要な任務を帯びてカナンの地に入ろうとしている。
2.きょうのアウトライン
(1)【主】の御使いの約束(23:20~23)
(2)健康と子孫繁栄の約束(23:24~26)
(3)土地相続の約束(23:27~31)
(4)カナン人との契約禁止
3.メッセージのゴール
(1)カナンの地の重要性
(2)偶像礼拝の本質
(3)領土の範囲
このメッセージは、モーセの律法から現代的適用を学ぼうとするものである。
Ⅰ.【主】の御使いの約束(20節~23節)
1.使いとは誰か(20~21)
「見よ。わたしは、使いをあなたの前に遣わし、あなたを道で守らせ、わたしが備えた所にあなたを導いて行かせよう。あなたは、その者に心を留め、御声に聞き従いなさい。決して、その者にそむいてはならない。わたしの名がその者のうちにあるので、その者はあなたがたのそむきの罪を赦さないからである」
(1)「使い」とは、【主】の使いである。
①「わたしの名がその者のうちにある」
「彼はわたしの名を帯びているからである」(新共同訳)
②ヨハ14:11
「わたしが父におり、父がわたしにおられるとわたしが言うのを信じなさい」
③この者は、創造された天使のひとりではない。
*三位一体の第2位格。その名は、【主】(ヤハウェ)である。
③そむきの罪を赦さない。
*罪を赦すか赦さないかは、神の領域のことがらである。
*罪があれば、矯正のために裁きが下る。
(2)モーセが燃える柴の中で出会ったのは【主】の使いであった。
「すると【主】の使いが彼に、現れた。柴の中の火の炎の中であった。よく見ると、
火で燃えていたのに柴は焼け尽きなかった」(出3:2)
①出エジプトの出来事を始めたお方
(3)【主】の使いの役割
①イスラエルの民を守る。
②イスラエルを導く。
③出エジプトの出来事を完成させるお方
(4)イスラエルの責任
①その者に心を留める。
*摂理的導き注意を払う。
*心の平安に注意を払う。
②御声に聞き従う。
③そむいてはならない。
2.使いに従う者の祝福(22~23)
「しかし、もし御声に確かに聞き従い、わたしが告げることをことごとく行うなら、わた
しはあなたの敵には敵となり、あなたの仇には仇となろう。わたしの使いがあなたの前を
行き、あなたをエモリ人、ヘテ人、ペリジ人、カナン人、ヒビ人、エブス人のところに導
き行くとき、わたしは彼らを消し去ろう」
(1)祝福を受ける条件は、従順である。
①「わたしが告げること」とは「わたしが使いを通して告げること」という意味。
(2)祝福の内容
①【主】の使いが、イスラエルの敵には敵となってくださる。
②【主】の使いが、イスラエルの民のために戦ってくださる。
(3)イスラエルの敵となるエモリ人の6つのグループ
①エモリ人、②ヘテ人、③ペリジ人、カナン人、⑤ヒビ人、⑥エブス人
②「わたしは彼らを消し去ろう」とは、国として存在しなくなるという意味。
Ⅱ.健康と子孫繁栄の約束(24節~26節)
1.カナン人の風習からの分離(24)
「あなたは彼らの神々を拝んではならない。仕えてはならない。また、彼らの風習になら
ってはならない。これらを徹底的に打ちこわし、その石の柱を粉々に打ち砕かなければな
らない」
(1)彼らの風習とは、偶像礼拝のことである。
①偶像からいかなる祝福も期待してはならない。
②偶像に、いかなるものも捧げてはならない。
③彼らの堕落した風習にならってはならない。
(2)偶像礼拝に関連したものを徹底的に粉砕する。
①カナン人の礼拝では、聖なる柱が立てられた。
②その柱に、人間の形をした像が刻まれた。
③神々を象徴する聖なる柱を打ち砕く。
(3)私たちへの適用(日本の習慣の「仕分け作業」の必要性)
2.真の祝福は、【主】から与えられる(25~26)。
「あなたがたの神、【主】に仕えなさい。主はあなたのパンと水を祝福してくださる。わた
しはあなたの間から病気を除き去ろう。あなたの国のうちには流産する者も、不妊の者も
いなくなり、わたしはあなたの日数を満たそう」
(1)「あなたがたの神、【主】に仕えなさい」
①出エジプトを可能にした【主】
②イスラエルの民と契約を結ぶ【主】
③カナンの地に導かれる【主】
④イスラエルの民には、【主】だけを礼拝すべき理由がある。
⑤私たちへの適用(三位一体の神を礼拝する理由)
*父なる神は、私を創造し、私を生かしておられる。
*子なる神は、私のために死に、復活し、大祭司となられた。
*聖霊なる神は、私の内に住み、私の救いを完成させてくださる。
(2)パンと水の祝福
①食べ物と飲み物が豊かになる。
②健康が祝される。
(3)病の癒し
(4)子孫の繁栄
①流産がなくなる(人間も動物も)。
②不妊がなくなる(人間も動物も)。
③長寿が約束される。
Ⅲ.土地相続の約束(27節~31節)
1.【主】が先頭に立たれる(27~28)
「わたしは、わたしへの恐れをあなたの先に遣わし、あなたがそこに入って行く民のすべ
てをかき乱し、あなたのすべての敵があなたに背を見せるようにしよう。わたしは、また、
くまばちをあなたの先に遣わそう。これが、ヒビ人、カナン人、ヘテ人を、あなたの前か
ら追い払おう」
(1)カナンの地は【主】からの贈り物である。
①すでにアブラハムとその子孫に土地が約束されていた。
②イスラエルの民がカナンの地を侵略するわけではない。
③イスラエルの民は、カナンの地に帰還するのである。
(2)創15:16
「そして、四代目の者たちが、ここに戻って来る。それはエモリ人の咎が、そのとき
までに満ちることはないからである」
①なぜ出エジプトがこの時期になったのかという理由が書かれている。
②イスラエルの民は、神の裁きの執行者である。
(3)「くまばちをあなたの先に遣わそう」
①「わたしはまた、あなたの前に恐怖を送り」(新共同訳)
②カナン人にイスラエルの神への恐れを起こさせる。
*くまばちそのもの
*飢饉
*出エジプトの噂による恐れ(ヨシ2:9~11)
③カナン人(ヒビ人、カナン人、ヘテ人)を追い払う。
2.タイミング(29~30)
「しかし、わたしは彼らを一年のうちに、あなたの前から追い払うのではない。土地が荒
れ果て、野の獣が増して、あなたを害することのないためである。あなたがふえ広がって、
この地を相続地とするようになるまで、わたしは徐々に彼らをあなたの前から追い払おう」
(1)カナン人は徐々に追い払われるという予告
①この予告は、イスラエルの民を励ますためのものである。
(2)神の意図
①土地が荒廃しないように
②野の獣が増して、害を加えることのないために
(3)私たちのへの適用
①神の御業は時には、人間が期待しているよりも遅く進むことが多い。
②人間の側にまだ祝福を受け取る準備ができていないから。
③結局は、神の時が最善の時である。
3.領土の範囲(31節)
「わたしは、あなたの領土を、葦の海からペリシテ人の海に至るまで、また、荒野からユ
ーフラテス川に至るまでとする。それはその地に住んでいる者たちをわたしがあなたの手
に渡し、あなたが彼らをあなたの前から追い払うからである」
(1)東西南北
①東:荒野(今のヨルダン)
②西:ペリシテ人の海(地中海)
③南:葦の海(紅海)
④北:ユーフラテス川
Ⅳ.カナン人との契約禁止(32節~33節)
1.2種類の契約(32)
「あなたは、彼らや、彼らの神々と契約を結んではならない」
(1)カナン人との契約
①平和契約、同盟契約など
②彼らを常に敵と考える。
③結婚も契約に含まれる。
④ギブオン人の策略(ヨシ9章)
*恐らく、イスラエルの民が契約を結ばないと知っていたのだろう。
*遠方から来たかのように見せかけて、同盟契約を結んだ。
(2)カナン人の神々との契約
①礼拝の禁止
②請願の禁止(○○してくだされば、○○します)
2.カナン人の排除(33)
「彼らは、あなたの国に住んではならない。彼らがあなたに、わたしに対する罪を犯させ
ることのないためである。それがあなたにとってわなとなるので、あなたが彼らの神々に
仕えるかもしれないからである」
(1)カナン人がその地に住んでよいのは、イスラエルの民にとって助けとなる場合。
(2)排除の理由は、イスラエルの民に悪影響を与えさせないためである。
結論:このメッセージは、モーセの律法から現代的適用を学ぼうとするものである。
1.カナンの地の重要性
(1)6つのグループの名が上げられていた(23節)
(2)世界を支配しようと願う者にとっては、「一等地」である。
(3)しかし、危険な地である。
①目立つ
②狙われる
(4)神の意図
①イスラエルを目立たせる。
②祭司の王国、宝の民として、【主】の栄光を反映させる。
③信仰を訓練する土地を与える。
(5)私たちへの適用(ヨハ16:33)
「わたしがこれらのことをあなたがたに話したのは、あなたがたがわたしにあって平安を
持つためです。あなたがたは、世にあっては患難があります。しかし、勇敢でありなさい。
わたしはすでに世に勝ったのです」
2.偶像礼拝の本質
(1)偶像を破壊せよという命令の後に、祝福の約束が続く(24~26)
①カナン人の偶像礼拝は、物質的祝福(多産、豊かな収穫)を求める豊穣神礼拝。
②礼拝の中に、淫乱な要素が含まれる。
(2)【主】を礼拝することは、何よりも霊とまことによらねばならない。
①父と子との関係において礼拝する。
②物質的祝福は、その結果として与えられる。
(3)預言者エリヤの時代に雨が3年間降らなくなった(Ⅰ列18章)
①バアルの預言者450人、アシュラの預言者400人との戦い
②その戦いの本質は、雨を降らし、収穫を与えるお方は誰かというもの
(4)実存的な意味で、私の生活を支えてくださる方は誰かを問う必要がある。
3.領土の範囲
(1)この約束は、今に至るまで実現していない。
(2)千年王国の時に実現する。
(3)イスラエルの神は契約の神である。
①神の約束は必ず成就する。
②千年王国は必ず現れる。
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