出エジプト記(33)—シナイ契約(6)—

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このメッセージでは...

モーセの律法から現代的適用を学ぶ。

出エジ33 出エジプト記23章1節~19節

「シナイ契約(6)」

1.文脈の確認

(1)シナイ契約の構造

①シナイ契約は宗主権契約である。

②両者が同意する条項(命令と祝福)(20:3~17)

*十戒

③基本条項に付加された諸条項(21:1~23:33)

*十戒の原則を解説した補足条項

*判例法の形式を取っている。

  (2)今回の内容

  ①諸条項の最後の部分

  ②次回は、命令を守った者への祝福が出てくる。

2.きょうのアウトライン

(1)正義と公正

(2)祭り

  3.きょうのメッセージから、モーセの律法の現代的適用を学ぶ。

このメッセージは、モーセの律法から現代的適用を学ぼうとするものである。

Ⅰ.正義と公正(1節~9節)

  1.裁判において(1節~3節)

「偽りのうわさを言いふらしてはならない。悪者と組んで、悪意ある証人となってはなら

ない。悪を行う権力者の側に立ってはならない。訴訟にあたっては、権力者にかたよって、

不当な証言をしてはならない。また、その訴訟において、貧しい人を特に重んじてもいけ

ない」

  (1)悪者からの圧力があっても、真実を証言する。

  (2)多数の者からの圧力があっても、真実を証言する。

  ①権力者は多数の者とも訳せる。

(3)同情できる状況であっても、真実を証言する。

  ①貧しい人への憐れみの心は、重要である。

  ②しかし、貧しい人が罪を犯しているなら、それは別個の問題である。

  2.動物について(4節~5節)

  「あなたの敵の牛とか、ろばで、迷っているのに出会った場合、必ずそれを彼のところに

返さなければならない。あなたを憎んでいる者のろばが、荷物の下敷きになっているのを

見た場合、それを起こしてやりたくなくても、必ず彼といっしょに起こしてやらなければ

ならない」

  (1)敵の家畜であっても、迷っているのに出会ったら、必ず所有者に返す。

  (2)こちらを憎んでいる者の家畜が苦しんでいるなら、助けてあげる。

(3)モーセの律法は、一貫して動物愛を説いている。

3.再び、裁判において(6節~8節)

「あなたの貧しい兄弟が訴えられた場合、裁判を曲げてはならない。偽りの告訴から遠ざ

からなければならない。罪のない者、正しい者を殺してはならない。わたしは悪者を正し

いと宣告することはしないからである。わいろを取ってはならない。わいろは聡明な人を

盲目にし、正しい人の言い分をゆがめるからである」

(1)誤った動機で動いてはならない。

(2)無罪の人を訴えてはならない。

  (3)冤罪を排除する。

(4)贈賄、収賄の禁止。

  (5)神の性質を考えることこそが、正義と公正を行う動機となる。

4.在留異国人について(9節)

「あなたは在留異国人をしいたげてはならない。あなたがたは、かつてエジプトの国で在

留異国人であったので、在留異国人の心をあなたがた自身がよく知っているからである」

  (1)出22:21にすでに出ていた命令である。

(2)自らがエジプトで経験した苦しみが、他者への思いやりを生む。

Ⅱ.祭り(10~19節)

  1.安息年(10節~11節)

「六年間は、地に種を蒔き、収穫をしなければならない。七年目には、その土地をそのま

まにしておき、休ませなければならない。民の貧しい人々に、食べさせ、その残りを野の

獣に食べさせなければならない。ぶどう畑も、オリーブ畑も、同様にしなければならない」

  (1)約束の地に定住して以降に実行する規定である。

(2)この規定が与えられている理由

①神が土地の所有者であり、イスラエルの民は小作人であることを学ぶため。

②神に信頼することを学ぶため。

③貧しい人々、野の獣、などへの配慮を示すため。

④結果的に、より多くの収穫を得るため。

  2.安息日(12節)

  「六日間は自分の仕事をし、七日目は休まなければならない。あなたの牛やろばが休み、

あなたの女奴隷の子や在留異国人に息をつかせるためである」

  (1)安息日の目的

  ①「息をつかせるため」(新改訳)

  ②「休ませるため」(口語訳)、「元気を回復するため」(新共同訳)

  (2)イスラエルの民だけでなく、家畜、奴隷、在留異国人も恩恵に浴する。

3.真実な礼拝(13節)

「わたしがあなたがたに言ったすべてのことに心を留めなければならない。ほかの神々の

名を口にしてはならない。これがあなたの口から聞こえてはならない」

  (1)神を信じ、礼拝するとは、神の命令を実行することである。

  (2)偶像の名を唱えてはならない。ほかの神々を信頼してはならないということ。

4.巡礼祭(14節~17節)

「年に三度、わたしのために祭りを行わなければならない。種を入れないパンの祭りを守

らなければならない。わたしが命じたとおり、アビブの月の定められた時に、七日間、種

を入れないパンを食べなければならない。それは、その月にあなたがエジプトから出たか

らである。だれも、何も持たずにわたしの前に出てはならない。また、あなたが畑に種を

蒔いて得た勤労の初穂の刈り入れの祭りと、年の終わりにはあなたの勤労の実を畑から取

り入れる収穫祭を行わなければならない。年に三度、男子はみな、あなたの主、【主】の前

に出なければならない」

  (1)「【主】の前」とは、幕屋か神殿がある場所。年に3度そこで祭りを祝う。

  ①最初はシロという場所で祭りが祝われた。

  ②後に、エルサレムがその場所となった。

  ③民族の歴史を振り返り、神の恵みを思い出すために。

  ④すべては農業祭である。今も働く神の恵みに感謝するために。

  ⑤契約の民としての一致と自己認識を促すために。

  ⑥地域毎に礼拝の場所を造らせないために。

  ⑦この規定を守ることは、離散の歴史の中では困難になった。

  (2)種を入れないパンの祭り

①春の祭り

②過越の祭りを含む。

  (3)初穂の刈り入れの祭り

  ①春の終わりの祭り

  ②民28:26 「初穂の日、すなわち七週の祭り」

  ③申16:10 「七週の祭り」

  ④使2:1 「五旬節」(ペンテコステ)

  (4)収穫祭

  ①秋の祭り

  ②レビ23:34 「仮庵の祭り」

5.捧げものについて(18節~19節)

  「わたしのいけにえの血を、種を入れたパンに添えてささげてはならない。また、わ

たしの祭りの脂肪を、朝まで残しておいてはならない。あなたの土地の初穂の最上の

ものを、あなたの神、【主】の家に持って来なければならない。子やぎを、その母親の

乳で煮てはならない」

(1)「パン種」という言葉が象徴的に用いられた場合は、必ず「罪」を指す。

(2)「子やぎを、その母親の乳で煮てはならない」という命令は3度出てくる。

  ①出34:26、申14:21

  ②カナン人の偶像礼拝の形式

*子やぎを殺す。

*母親の乳をしぼる。

*その乳で子やぎを煮る。

  ③カナン人の偶像礼拝からイスラエルの民を守るための規定である。

結論:このメッセージは、モーセの律法から現代的適用を学ぼうとするものである。

原則

  (1)モーセの律法はキリストの十字架の死によって全うされ、無効となった。

  (2)新約時代の信者は、モーセの律法の下にはいない。

  (3)私たちには、「キリストの律法」が与えられている。

  (4)モーセの律法から出てくるのは、第2義的適用(霊的教訓)である。

1.正義と公正を行う理由

  (1)神の性質がその動機になる。

  (2)「イエス様ならどうされるだろうか」という問いかけは、素晴らしい。

  (3)「イエス様は私になにを期待されているだろうか」は、もっと素晴らしい。

  (4)「私が実行すべき聖句はなんだろうか」は、最高に素晴らしい。

2.パリサイ的ユダヤ教の教えとメシアの律法解釈の対立

  (1)安息日

①安息日は、人のために造られた。

②パリサイ的ユダヤ教では、「人は安息日をあがめるために造られた」とされた。

③今もその影響が続いている。

  *ホテルのエレベーター

  *明りを灯すために異邦人を雇う。

  *ノートに文字を書いたり、写真を撮ったりすることは、律法違反である。

④マコ2:27~28

「安息日は人間のために設けられたのです。人間が安息日のために造られたのではあ

りません。人の子は安息日にも主です」

⑤モーセの律法は、一貫して人の命を第一にしている。

*動物の命も尊重されている。

  (2)「子やぎを、その母親の乳で煮てはならない」という命令

①食物規定の拡大解釈

②肉製品と乳製品を同時に食べてはならない。

③食器と流しも、完全に区分しておく。

  (3)以上は、パリサイ的ユダヤ教だけの問題ではなく、キリスト教の問題でもある。

3.巡礼祭

  (1)ユダヤ人にとっての歴史的価値

①種なしパンの祭りは、出エジプトを記念している。

②五旬節の祭りは、モーセの律法の付与を記念している。

③仮庵の祭りは、荒野の放浪体験を記念している。

  (2)新約時代の信者にとっての預言的価値

①種なしパンの祭りは、メシアの死と復活を予表している。

②五旬節の祭りは、聖霊降臨を予表している。

③仮庵の祭りは、千年王国を予表している。

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