サムエル記第一(17)「サウルを王として選ぶイスラエル(1)」1サム10:1~16

このメッセージに感謝を贈る

この無料配信メッセージは、皆様の祈りと献金のサポートで成り立っています。
あなたの「ちょっとした感謝」を300円献金で贈ってみませんか?

ハーベスト・タイム・ミニストリーズへのサポーター献金はこちら

このメッセージでは...

命題:神は召された者に、使命を果たすために必要な備えを与えられる。召し、確信、力という3つのキーワードがそれを示している。

サムエル記第一(17)

「サウルを王として選ぶイスラエル(1)」

1サム10:1~16

1.文脈の確認

Ⅰ.王政に向けた準備(1~9章)

  Ⅱ.サウルの治世(10~31章)

   A.サウルの確立(10~14章)

    1.サウルを王として選ぶイスラエル(10章)

2.注目すべき点

(1)イスラエル最初の王への秘密の油注ぎ。

(2)三つのしるしによる神の導きの確認。

(3)聖霊によって「新しい人」に変えられるサウル。

(4)王も預言者の権威に従うという神の秩序。

(5)13章の失敗へとつながる重要な伏線がここに置かれている。

命題:神は召された者に、使命を果たすために必要な備えを与えられる。

召し、確信、力という3つのキーワードがそれを示している。

Ⅰ.神は召しを明確にしてくださる(1節)

1.1節

1Sa 10:1
サムエルは油の壺を取ってサウルの頭に注ぎ、彼に口づけして言った。「【主】が、ご自分のゆずりの地と民を治める君主とするため、あなたに油を注がれたのではありませんか。

(1)王への油注ぎ(任職)

  ①これがイスラエル最初の王への油注ぎである。

  ②油そのものに力があるのではなく、神がその人を聖別されたことに意味がある。

(2)王になったのは、神の選びによる。

  ①王を立てているのは民でも、サムエルでもなく、【主】である。

(3)「君主」(ナギード)という表現

  ①「王」(メレク)ではなく、「君主」「指導者」(ナギード)である。

  ②サウルは、神の代理者である(異邦諸国の絶対君主制とは大きく異なる)。

(4)サムエルの口づけ

  ①神の命令に従って、サウルを正式に受け入れたことを示している。

Ⅱ.神は召した者に確信を与えてくださる(2~8節)

1.2節

1Sa 10:2
今日、私のもとを離れて行くとき、ベニヤミンの領内のツェルツァフにあるラケルの墓のそばで、二人の人に会うでしょう。彼らはあなたに、『捜し歩いておられた雌ろばは見つかりました。あなたの父上は、雌ろばのことはどうでもよくなり、息子のためにどうしたらよいのだろうと言って、あなたがたのことを心配しておられます』と言うでしょう。

(1)神がサウルに与えた「三つのしるし」の第一

  ①ろば探しは、9章では偶然の出来事のように見えた。

  ②10章になると、すべて神が前もってご存じであることが明らかになる。

  ③ここでロバの問題は終わる。

  ④神は、サウルの関心を「ロバ」から「王としての使命」へと移そうとしている。

(2)ラケルの墓の象徴性

  ①ラケルは、ベニヤミンを産んで亡くなった人である(創35:16~20)。

  ②ベニヤミン族の母の墓の近くで、王としての歩みが始まる。

2.3~4節

1Sa 10:3
そこからなお進んで、タボルの樫の木のところまで行くと、そこで、神のもとに行こうとベテルに上って行く三人の人に会います。一人は子やぎを三匹持ち、一人は円形パンを三つ持ち、一人はぶどう酒の皮袋を一つ持っています。

1Sa 10:4 彼らはあなたにあいさつをして、あなたにパンを二つくれます。彼らの手から受け取りなさい。

(1)神がサウルに与えた「三つのしるし」の第二

  ①ベテルへ礼拝に向かう人々に出会う。

  ②子やぎ、パン、ぶどう酒は、礼拝のための供え物である。

  ③彼らは、見ず知らずのサウルにパンを二個与える。

  ④これは普通なら予想できない行動である。

  ⑤神は王として召すだけでなく、その必要も満たしてくださる。

(2)「受け取りなさい」

  ①神の備えを、信仰によって受け取ることが大切である。

  ②まだ王になっていないサウルが、神を礼拝する民からパンを受ける。

  ③将来、神が民を通して王を養われることを暗示している。

3.5~6節

1Sa 10:5
それから、ペリシテ人の守備隊がいるギブア・エロヒムに着きます。その町に入るとき、琴、タンバリン、笛、竪琴を鳴らす者を先頭に、預言をしながら高き所から下って来る預言者の一団に出会います。

1Sa 10:6 【主】の霊があなたの上に激しく下り、あなたも彼らと一緒に預言して、新しい人に変えられます。

(1)神がサウルに与えた「三つのしるし」の第三

  ①サウル自身の内面に起こる神の働き

(2)ギブア・エロヒム(神のギブア)

  ①サウルの故郷ギブアは、ここでは「ギブア・エロヒム」と呼ばれている。

  ②おそらくそこに預言者の共同体が存在していたのであろう。

  ③しかし同時に、「ペリシテ人の守備隊がいる」とも記されている。

  ④イスラエルの霊的・政治的現状が一節で表現されている。

(3)預言者の一団

  ①神の霊に導かれて神を賛美し、神のことばを語る共同体。

  ②楽器が記されているので、礼拝や賛美を伴った預言活動であったことが分かる。

(4)「【主】の霊が激しく下る」

  ①これは、王としての使命を果たすための聖霊の力である。

  ②「あなたも預言する」

  ③預言者たちと同じように神を賛美し、神のことばを語る状態になる。

  ④「新しい人」とは、新約でいう「新生」ではない。

  ⑤王としての使命に必要な資質と勇気と力が神から与えられるという意味。

4.7~8節

1Sa 10:7 これらのしるしがあなたに起こったら、自分の力でできることをしなさい。神があなたとともにおられるのですから。

1Sa 10:8
私より先にギルガルに下って行きなさい。私も全焼のささげ物と交わりのいけにえを献げるために、あなたのところへ下って行きます。私があなたのところに着くまで、そこで七日間待たなければなりません。それからあなたがなすべきことを教えます。」

(1)「自分の力でできることをしなさい」

  ①「好き勝手に行動しなさい」ではない。

  ②「神が開いてくださる機会に応答しなさい」という意味である。

  ③しかし無制限の自由ではない。

(2)「七日待ちなさい」という命令が与えられる。

  ①これは将来の命令である。

  ②実際、この命令が実行されるのは13章である。

(3)ギルガルという場所

  ①ヨシュアがヨルダン川を渡った後、最初に宿営した場所(ヨシ4章)

  ②割礼が回復された場所(ヨシ5章)

  ③過越が祝われた場所(ヨシ5章)

  ④神との契約更新の場所

(4)王にも越えてはならない権限がある。

  ①祭儀を執り行うのは、王ではなく、神が任命した預言者・祭司の務めである。

  ②「七日待ちなさい」は、従順の試験である。

  ③待つことは、神を信頼することである。

  ④この命令は13章で破られる。

Ⅲ.神は召した者に使命を果たす力を与えてくださる(9~16節)

1.9節

1Sa 10:9 サウルがサムエルから去って行こうと背を向けたとき、神はサウルに新しい心を与えられた。これらすべてのしるしは、その日のうちに起こった。

(1)神が主語である。

  ①「神はサウルに新しい心を与えられた」

  ②エゼ36:26の「新しい心」と同じ意味ではない。

    *エゼキエルでは、新しい契約における霊的再生。

    *1サム10章では、王としての使命を果たすための内面的な備え。

  ③神は、王冠を授ける前に、王として歩む心を与えられた。

(3)「これらすべてのしるしは、その日のうちに起こった」

  ①三つのしるしは偶然ではなく、神の御計画であった。

2.10~12節

1Sa 10:10 彼らがそこからギブアに行くと、見よ、預言者の一団が彼の方にやって来た。すると、神の霊が彼の上に激しく下り、彼も彼らの間で預言した。

1Sa 10:11
以前からサウルを知っている人たちはみな、彼が預言者たちと一緒に預言しているのを見た。民は互いに言った。「キシュの息子は、いったいどうしたことか。サウルも預言者の一人なのか。」

1Sa 10:12
そこにいた一人も、これに応じて、「彼らの父はだれだろう」と言った。こういうわけで、「サウルも預言者の一人なのか」ということが、語りぐさになった。

(1)「神の霊が彼の上に激しく下った」

  ①王としての務めを果たすための力が与えられた。

(2)「彼も彼らの間で預言した」

  ①預言者の一団とともに、神の霊に導かれて神を賛美し、神のことばを語った。

  ②サウルは、神の霊に支配されている状態になった。

(3)人々が驚いた理由

  ①彼らはサウルを農村の青年、ベニヤミン族の一人として知っていた。

  ②「キシュの子にいったい何が起こったのだろう」

  ③「まさかサウルが、あの預言者集団の中に加わるとは!」

(4)「彼らの父はだれだろう」

  ①預言者になるのは、血筋ではなく、神の召しによる。

  ②もしそうなら、サウルが預言者集団に加えられたのは不思議ではない。

  ③予期せぬ出来事の格言として、「サウルも預言者の一人なのか」が生まれた。

3.13~14節

1Sa 10:13 サウルは預言を終えて、高き所に帰って来た。

1Sa 10:14
サウルのおじは、彼とそのしもべに言った。「どこに行っていたのか。」サウルは言った。「雌ろばを捜しにです。どこにもいないと分かったので、サムエルのところに行って来ました。」

(1)預言は一時的なものであった。

  ①日常生活に戻り、「高き所に帰って来た」。

(2)叔父の質問

  ①「どこへ行っていたのか」

  ②サウルは事実だけを答えた。

  ③神の特別な働きを経験した後も、静かに次の歩みへ進んだ。

4.15~16節

1Sa 10:15 サウルのおじは言った。「サムエルはあなたがたに何と言ったか、私に話してくれ。」

1Sa 10:16
サウルはおじに言った。「雌ろばは見つかっていると、はっきり私たちに知らせてくれました。」しかし、サムエルが語った王位のことについては、おじに話さなかった。

(1)叔父はサムエルとの会話の内容を知りたがった。

  ①叔父は、単なるロバ探し以上の出来事があったことを感じていたのだろう。

(2)サウルは必要なことだけを話した。

  ①神の時が来るまで公表しなかった。

  ②初期のサウルには慎み深さがあった。

  ③後年の高慢なサウル(13章、15章)と比べると、対照的である。

結論:今日の信者への適用

1.神は召された者を、そのまま送り出すのではなく、使命に必要な備えを与えてくださる。

(1)サウルは、ロバを捜していた青年であった。

(2)神は彼を選び、油を注ぎ、しるしを与え、新しい心を授け、御霊の力を注いだ。

(3)私たち同じである。

(4)使命を前にして、自分の能力不足を覚えることがある。

(5)神は、みことばによって導き、聖霊によって力を与え、恵みを備えてくださる。

2.神の備えを受けた者にも従順が求められる。

(1)「七日間待ちなさい」という命令は、後に13章でサウルが破る命令となる。

(2)神の力を受けることと、神のことばに従い続けることは切り離せない。

(3)奉仕の成功は、能力の豊かさではなく、神への従順によって決まる。

3.召された者は、神の時と機会を待つべきである。

(1)サウルは王に選ばれたことを自ら語り広めなかった。

(2)神の時を待ち、神が道を開かれるのを待った。

(3)私たちも、神の時と機会を吟味しながら行動すべきである。

週間アクセスランキング

1

サムエル記第一(16)「サウルの選び」1サム9:15~27

2

Q515 DNA婚活は聖書的なのでしょうか。

3

サムエル記第一(15)「民の願いを受け入れる神」1サム8:19~9:14

4

Q514 死ぬのが怖いです。どうすればいいですか。

5

ヨハネの黙示録(1)—イントロダクション—

6

60分でわかる旧約聖書(26)エゼキエル書

ハーベスト・タイムを応援する

ハーベスト・タイムの働きは、サポーターの皆様のお祈りと、献金により維持されております。
ぜひ、応援をよろしくお願いいたします。

ハーベスト・タイムのSNSでは、新着メッセージなどをお知らせしています。

聖書箇所の引用には新改訳聖書を使用しています。その他の場合は明記いたします。
聖書 新改訳2017(C)2017 新日本聖書刊行会 許諾番号4-2-856号
Copyright © Harvest Time Ministries, All Rights Reserved.