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サムエル記第一(16)「サウルの選び」1サム9:15~27
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命題:神は、ご自身の計画に従って人を召し、その働きへと導かれる。この箇所を3つに区分して学ぶと、そのことが分かる。
サムエル記第一(16)
「サウルの選び」
1サム9:15~27
1.文脈の確認
Ⅰ.王政に向けた準備(1~9章)
A.サムエルの誕生と幼少期(1章)
B.ハンナの賛歌(2:1~10)
C.シロでの霊的状況(2:11~36)
D.サムエルの召し(3章)
E.契約の箱(4~7章)
F.王の選択(8~9章)
1.王を求める民(8:1~18)
2.民の願いを受け入れる神(8:19~9:14)
3.サウルの選び(9:15~27)
2.注目すべき点
(1)神政政治の下で王政が始まる。
(2)神は、人間の間違った願いさえも、ご計画の中で用いられる。
(3)雌ろばを探す旅は、王として選ばれる旅であった。
(4)サウルは「君主」として任命される。
命題:神は、ご自身の計画に従って人を召し、その働きへと導かれる。
この箇所を3つに区分して学ぶと、そのことが分かる。
Ⅰ.神は前もってサウルをサムエルに示された(15~17節)
1.15~16節
1Sa 9:15 【主】は、サウルが来る前の日に、サムエルの耳を開いて告げておられた。
1Sa 9:16
「明日の今ごろ、わたしはある人をベニヤミンの地からあなたのところに遣わす。あなたはその人に油を注ぎ、わたしの民イスラエルの君主とせよ。彼はわたしの民をペリシテ人の手から救う。民の叫びがわたしに届き、わたしが自分の民に目を留めたからだ。」
(1)神は前もってサムエルに啓示を与えられた。
①「耳を開く」は、「啓示を与える」「秘密を打ち明ける」という意味。
②サウルが到着する前に、神はすでにサムエルに計画を知らせておられた。
③神の摂理が人間の行動に先行していることが示されている。
(2)神がサウルを遣わされた。
①サウル自身は、雌ろばを捜して歩いているつもりであった。
②しかし神の視点では、サウルは神によって遣わされた人物である。
(3)神がサウルを君主として任命された。
①「君主」(nagid)は、「指導者」「任命された支配者」という意味である。
②イスラエルの真の王は主ご自身であり、サウルは神の代理として立てられる。
③サウルの使命は支配することではなく、救うことである。
2.17節
1Sa 9:17 サムエルがサウルを見るやいなや、【主】は彼に告げられた。「さあ、わたしがあなたに話した者だ。この者がわたしの民を支配するのだ。」
(1)神のことばが成就した。
①神は、「明日の今ごろ、一人の人を遣わす」と約束された。
②その約束どおりサウルが現れる。
(2)サウルの選びは神の主権による。
①サムエルはまだサウルと話していない。
②しかし神は、「さあ、わたしがあなたに話した者だ」と言われる。
③民は王を求めたが、「誰が王になるか」は神が決定された。
④サウルは神の代理者である。
⑤民は「サウルの民」ではなく、「わたしの民」である。
(3)この時点では、神はサウルに大きな期待を寄せておられる。
①神の選びは現実であるが、それは人間の責任を取り除くものではない。
Ⅱ.神はサウルを選ばれたことを具体的に示された(18~24節)
1.18節
1Sa 9:18 サウルは、門の中でサムエルに近づいて、言った。「予見者の家はどこですか。教えてください。」
(1)サウルはサムエルが誰であるかを知らなかった。
①目の前の人物が誰であるかを知らないで、「先見者の家はどこですか」と尋ねた。
②神は全体の計画をご存じであるが、人はその計画を知らずに歩んでいる。
(2)サウルはまだ謙遜な姿勢を示している。
①この段階では、後年のような高慢さや自己中心性はまだ現れていない。
②サウルの出発点は、決して悪いものではなかった。
2.19~20節
1Sa 9:19
サムエルはサウルに答えた。「私が予見者です。私より先に高き所に上りなさい。今日、あなたがたは私と一緒に食事をするのです。明日の朝、私があなたを送ります。あなたの心にあるすべてのことについて、話しましょう。
1Sa 9:20
三日前にいなくなったあなたの雌ろばについては、もう気にかけないようにしてください。見つかっていますから。全イスラエルの思いは、だれに向けられているのでしょう。あなたと、あなたの父の全家にではありませんか。」
(1)サムエルは自らの正体を明かす。
①「私が予見者です」
②サムエルは予見者として、神のことばをサウルに伝える役割を担う。
(2)サムエルはサウルを特別な客として迎える。
①サウルは無名の若者ですが、サムエルは最初から特別な賓客として扱う。
②「あなたの心にあるすべてのことについて、話しましょう」
*神がサウルの将来について語ろうとしておられることも含んでいる。
(3)雌ろばの問題はすでに解決している。
①サムエルは、神から情報を与えられている「予見者」である。
②中心テーマは、「雌ろば」から「王位」へと移る。
(4)全イスラエルの思いは、サウルとサウルの父の全家に向けられている。
①民が求めているものが、あなたに与えられるという意味である。
②サムエルはまだ「あなたは王になる」とは言わないが、それを暗示している。
3.21節
1Sa 9:21
サウルは答えて言った。「私はベニヤミン人で、イスラエルの最も小さい部族の出ではありませんか。私の家族は、ベニヤミンの部族のどの家族よりも、取るに足りないものではありませんか。どうしてこのようなことを私に言われるのですか。」
(1)サウルは自分を王にふさわしい者とは考えていなかった。
①「私はベニヤミン人で、……最も小さい部族の出ではありませんか」
②士19~21章で、ベニヤミン族は内戦によって壊滅的な打撃を受けた。
③生き残った男子はわずか六百人となった(士20:47)。
④「取るに足りない家族」とは謙遜な自己認識である。
⑤これは、自分の家柄が名門ではないという認識を表している。
(2)しかし、神の選びは人間の条件によらない。
①これは、聖書全体に流れる原則である。
②神は、人間的な資格ではなく、ご自身の目的に従って人を選ばれる。
4.22節
1Sa 9:22 サムエルはサウルとそのしもべを広間に連れて来て、三十人ほどの招かれた人たちの上座に着かせた。
(1)サウルは「高き所」の祭儀の食事に招かれた。
①これは単なる私的な食事ではなく、神の前での交わりの食事である。
(2)サムエルは、サウルとそのしもべを上座に座らせた。
①「上座」とは、最も名誉ある席である。
②普通であれば、長老、有力者、地域の指導者が座る場所である。
③ところが、無名の青年サウルがその席に着く。
④神の前では、人間の評価ではなく、神の選びが人を高くする。
(3)招待客は「三十人ほど」いた。
①まだ油注ぎは行われていないが、「彼は特別である」ことを暗黙のうちに示した。
5.23~24節
1Sa 9:23 サムエルは料理人に、「取っておくようにと渡しておいた、ごちそうを出しなさい」と言った。
1Sa 9:24
料理人は、もも肉とその上にある部分を取り出し、サウルの前に置いた。サムエルは言った。「これはあなたのために取っておいたものです。あなたの前に置いて、食べてください。その肉は、私が民を招いたと言って、この定められた時のため、あなたのために取り分けておいたものですから。」その日、サウルはサムエルと一緒に食事をした。
(1)最上の取り分がサウルに与えられた。
①右の腿は、名誉ある客や祭司に与えられる特別な部位(レビ7:32~34)。
②この取り分は前もって準備されていた。
(2)「この定められた時のため」
①神が定められた時が到来したのである。
(3)王としての就任式ではない。
①まだ、油注ぎ(10:1)と公的選出(10:17以下)は行われていない。
②神は、王として任命する前に、サウルを王にふさわしい客として遇される。
Ⅲ.神はサウルにご自身のことばを託そうとされた(25~27節)
1.25節
1Sa 9:25 彼らは高き所から町に下って来た。それからサムエルはサウルと屋上で話をした。
(1)公の食事から私的な対話へ移る。
①サムエルはサウルを屋上に招き、二人だけで語り合う。
②屋上は静かな対話の場である。
③サムエルは、人目につかない場所で、サウルに重要なことを伝えようとした。
④何を語ったかは、記されていない。
(2)召命には備えの時間がある。
①正式な油注ぎは翌朝(10:1)である。
②その前夜に、サムエルはサウルと語り合う。
③神の働きには、必ず準備の時間がある。
④神は使命よりも先に、その人自身を整えられる。
2.26~27節
1Sa 9:26
彼らは朝早く起きた。夜が明けかかると、サムエルは、屋上にいるサウルに叫んだ。「起きてください。あなたを送りましょう。」サウルは起きて、サムエルと二人で外に出た。
1Sa 9:27
二人が町外れへと下っていたとき、サムエルがサウルに「しもべに、私たちより先に行くように言ってください」と言ったので、しもべは先に行った。「あなたは、ここにしばらくとどまってください。神のことばをお聞かせしますから。」
(1)翌朝、サムエルは町外れまでサウルを見送る。
①これは、主人が大切な客を見送る礼儀である。
②それ以上に、これから語る神のことばが極めて重要であることを示している。
(2)召命は個人的に語られる。
①しもべは先に行かされる。
②これから語られることは、サウルだけが聞くべき神のことばである。
③神は全国民に向かってではなく、まず一人の人に語られる。
④この場面の頂点は、「神のことばをお聞かせしますから」という宣言である。
結論:今日の信者への適用
1.神は私たちの日常を通して導かれる。
(1)サウルは、雌ろばを捜すという日常の務めを果たしていた。
(2)しかし、その旅の背後には神の摂理があった。
(3)私たちも、平凡だと思っている毎日の働きの中で、神に導かれていることがある。
(4)目の前の小さな責任に忠実であろう。
2.神の召しは恵みによる。
(1)サウルは、自分を王にふさわしいとは考えていなかった。
(2)神が人を用いられるのは、その人が優れているからではない。
(3)新約の信者も同じである。
(4)自分の能力ではなく、神の恵みに信頼して歩む者となろう。
3.神のことばを聞くことから奉仕は始まる。
(1)サムエルは油を注ぐ前に、「神のことばをお聞かせしますから」と言った。
(2)神の働きは、まず神のことばを聞くことから始まる。
(3)聖書を読み、祈り、御霊の導きを求める生活こそ、すべての奉仕の土台である。




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