ルカの福音書(82)3度目の受難の予告-イエスの十字架は失敗だったか-18:31~34

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3度目の受難の予告について学ぶ。

ルカの福音書 82回

3度目の受難の予告

-イエスの十字架は失敗だったか-

18:31~34

1.はじめに

(1)文脈の確認

  ①ルカは、エルサレムへの旅という枠組みの中に、種々の教えを配置している。

  ②ルカ18:9~19:27は、「エルサレムへの旅」の結論部分である。

  ③ルカ18:8

Luk 18:8
あなたがたに言いますが、神は彼らのため、速やかにさばきを行ってくださいます。だが、人の子が来るとき、はたして地上に信仰が見られるでしょうか。」

  ④結論部分での強調点:救われるのはどういう人か。

(2)ルカ18:9~19:27の内容

  ①パリサイ人と取税人のたとえ話(18:9~14)

  ②謙遜に関する教え(18:15~17)

  ③富の弊害(18:18~30)

  ④受難の予告(18:31~34)

  ⑤盲人の癒やし(18:35~43)

  ⑥ザアカイの救い(19:1~10)

  ⑦ミナのたとえ話(19:11~27)

(3)ルカは、受難の予告を3回記している。

  ①ルカ9:22(ペテロの信仰告白の直後)

  ②ルカ9:43~45(少年から悪霊を追い出した直後)

  ③ルカ18:31~34(エルサレムに近づいたとき)

    *先に行くほど、詳細な予告になっていく。

2.アウトライン

(1)受難の予告(31~33節)

(2)弟子たちの無理解(34節)

3.結論

(1)聖書的メシア像

(2)弟子たちがメシアの受難を理解できなかった理由

(3)メシアの受難を理解できないことの悲劇

3度目の受難の予告について学ぶ。

Ⅰ.受難の予告(31~33節)

1.31節

Luk 18:31

さて、イエスは十二人をそばに呼んで、彼らに話された。「ご覧なさい。わたしたちはエルサレムに上って行きます。人の子について、預言者たちを通して書き記されているすべてのことが実現するのです。

(1)イエスは、12人をそばに呼んで、3度目の受難の予告を語られた。

  ①「そばに呼んで」とは、これから語られることが重要であることを示している。

(2)話の内容

  ①イエスと弟子たちは、エルサレムに上って行く。

    *危険が待ち受けていることを知りながら、自発的に上って行く。

  ②預言者たちを通して書き記されているメシア預言は、すべて成就する。

  ③ルカだけが、エルサレムで起こることは旧約聖書の成就であると書いている。

  ④ルカ22:37

Luk 22:37
あなたがたに言いますが、『彼は不法な者たちとともに数えられた』と書かれていること、それがわたしに必ず実現します。わたしに関わることは実現するのです。」

  ⑤使13:29(パウロのメッセージ)

Act 13:29 こうして、彼らはイエスについて書かれていることをすべて成し終えた後、イエスを木から降ろして、墓に納めました。

(3)ルカは、読者により深い確信を与えようとしている。

  ①メシア預言の成就は、イエスがメシアであることの証拠となる。

  ②次の32~33節の内容は、預言者たちの預言の総括である。

2.32~33節

Luk 18:32人の子は異邦人に引き渡され、彼らに嘲られ、辱められ、唾をかけられます。

Luk 18:33

彼らは人の子をむちで打ってから殺します。しかし、人の子は三日目によみがえります。」

(1)「人の子は異邦人に引き渡され、……」

  ①イエスは、ご自身の受難に異邦人も関わることを予告された。

  ②この情報を記している目的は、異邦人に自らの責任を自覚させるためである。

(2)受難の予告の成就

  ①「わたしたちはエルサレムに上って行きます」

    *ルカ18:35~19:45

  ②「人の子は異邦人に引き渡され、」

    *ルカ19:47~23:1

  ③「彼らに嘲られ、辱められ、唾をかけられます」

    *ルカ23:1~32

  ④「彼らは人の子を……殺します」

    *ルカ23:33~56

  ⑤「人の子は三日目によみがえります」

    *ルカ24:1~12

Ⅱ.弟子たちの無理解(34節)

1.34節

Luk 18:34

弟子たちには、これらのことが何一つ分からなかった。彼らにはこのことばが隠されていて、話されたことが理解できなかった。

(1)不思議なことが起こった。

  ①弟子たちには、これらのことが何一つ分からなかった。

  ②彼らにはこのことばが隠されていて、話されたことが理解できなかった。

  ③ルカは同じ文の中で、2回も弟子たちの無知に言及している。

(2)なぜ理解できなかったのか。

  ①弟子たちに思い込みがあった。

  ②彼らは、紀元1世紀のユダヤ教のメシア像の影響を受けていた。

    *メシアは栄光の王として来られる。

    *メシアは、ただちにローマの圧政からイスラエルを解放する。

  ③それ以外の計画を啓示されても、受け入れることができなかった。

  ④私たちにも、同じことが起こる。

(3)弟子たちはいつ理解できるようになったのか。

  ①復活のキリストに出会ってから、受難の意味を理解するようになった。

  ②それまでは、イエスは弟子たちから理解されない孤独を味わった。

結論

1.聖書的メシア像

(1)初臨のメシア

  ①受難のしもべ

  ②私たちの罪のために死に、墓に葬られ、3日目によみがえられた。

(2)再臨のメシア

  ①栄光の王

  ②地上に神の国を建設される。

2.弟子たちがメシアの受難を理解できなかった理由

(1)12弟子は、メシアの使命を誤解していた。

  ①メシアは王であり、すぐに神の国が設立されると思い込んでいた。

(2)今でも、イエスの十字架上の死は失敗であったと考える人がいる。

3.メシアの受難を理解できないことの悲劇

(1)聖書に啓示された神の計画の全貌を理解することができない。

(2)神が人間の敵意を用いて御業を行われることがあることを理解できない。

(3)迫害や拒否が弟子としての生活の一部であることを理解できない。

(4)主のしもべとして謙遜に歩む者が、高く上げられるということを理解できない。

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