私たちはプロテスタントのキリスト教福音団体です。『1. 聖書のことばを字義どおりに解釈する 2. 文脈を重視する 3. 当時の人たちが理解した方法で聖書を読む 4. イスラエルと教会を区別する』この4点を大切に、ヘブル的聖書解釈を重視しています。詳しくは私たちの理念をご確認ください。
パートⅢ.中間時代18章 中間時代(1)
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中間時代における神の国と悪魔の国の葛藤について学ぶ。
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パートⅢ.中間時代
18章 中間時代(1)
イントロダクション
1.「神の国と悪魔の国の葛藤」というテーマに沿って聖書を読み解いている。
(1)この葛藤は、創世記3章以来続いているものである。
(2)この葛藤は、黙示録20~21章で終わる。
2.パートⅠ.葛藤の舞台設定(1~3章)
3.パートⅡ.旧約時代(4~17章)
14章 北王国の崩壊
15章 南王国の崩壊
16章 バビロン捕囚
17章 ペルシア時代
4.パートⅢ.中間時代(18~19章)
18章 中間時代(1)
(1)中間時代は、英語で「intertestamental period」と言う。
(2)マラキ書が完成してからキリストが登場するまでの期間を指す。
①旧約聖書と新約聖書の間に横たわる「400年の沈黙の期間」
②新しい啓示がなかった理由は、それを必要としない時代だったから。
③神は依然として、契約の民イスラエルを忘れてはおられなかった。
(3)中間時代は、メシア登場の舞台を整えるための時代であった。
(4)この期間に、イスラエルの政治的、宗教的、社会的状況は激変した。
(5)その背後に、神の国と悪魔の国の葛藤が見え隠れする。
5.アウトライン
(1)政治的状況の変化
(2)宗教的状況の変化
(3)社会的状況の変化
中間時代における神の国と悪魔の国の葛藤について学ぶ。
Ⅰ.政治的状況の変化
1.神は、御心を成就するために、異邦人の帝国を「神のしもべ」としてお用いになる。
(1)神がバビロンに与えた役割は、ユダヤ人たちの偶像礼拝の罪を裁くこと。
①バビロン捕囚が起こった理由は、そこにある。
②これ以降、ユダヤ人たちが民族的に偶像礼拝の罪に陥ることはなくなった。
③バビロン捕囚の教訓が生きたのである。
(2)バビロンが役割を終えると、次にペルシア帝国が興り、バビロンを滅ぼした。
①ペルシアの役割は、ユダヤ人たちを約束の地に帰還させることであった。
②さらに、帰還した地で、国を再建するように促すことであった。
③その役割を終えると、ペルシアもまた、歴史の表舞台から去る。
④マケドニアのアレクサンドロスの軍勢が、ペルシアを滅ぼしたのである。
2.帝国の興亡は、ダニ2:31~35の預言通りに進んだ。
(1)その箇所には、バビロンのネブカドネツァル王が見た夢が記録されている。
Dan 2:31
王よ。あなたが見ておられると、なんと、一つの巨大な像が現れました。この像は巨大で、異常な輝きを放って、あなたの前に立っていました。その姿は恐ろしいものでした。
Dan 2:32 その像は、頭は純金、胸と両腕は銀、腹とももは青銅、
Dan 2:33 すねは鉄、足は一部が鉄、一部が粘土でした。
Dan 2:34 あなたが見ておられると、一つの石が人手によらずに切り出され、その像の鉄と粘土の足を打ち、これを粉々に砕きました。
Dan 2:35
そのとき、鉄も粘土も青銅も銀も金も、みなともに砕け、夏の脱穀場の籾殻のようになり、風がそれを運んで跡形もなくなりました。そして、その像を打った石は大きな山となって全土をおおいました。
①ネブカドネツァルは、夢で1つの大きな像の幻を見た。
②これは、異邦人の4大帝国の興亡に関する幻であった。
3.その幻をダニエルが、以下のように解き明かした。
(1)像の頭は純金(バビロン帝国)
①純金は、バビロンが栄光に富んだ帝国であることを示している。
②役割を終えると、メド・ペルシア連合帝国によって滅ぼされた(前539年)。
(2)像の胸と両腕は銀(メド・ペルシア連合帝国)
①銀は、ペルシアの栄光がバビロンほどではないことを示している。
②ペルシアは、ユダヤ人が自分の宗教を維持することを許した。
③キュロスは、ユダヤ人の祖国帰還と、エルサレム神殿の再建を許可した。
④この時期は、ユダヤ人にとっては比較的平和な時代であった。
⑤旧約時代の最後の100年から中間時代の最初の100年にかけての200年間
(3)像の腹とももは青銅(アレクサンドロス大王のマケドニア帝国)
①青銅は、マケドニアの栄光が、バビロンやペルシア以下であることを示す。
②アレクサンドロスは、ペルシアのダレイオスを撃破した(前331年)。
③この勝利によって、ギリシア系のマケドニア帝国が世界の覇権国となった。
*アレクサンドロスは、アリストテレスからギリシア哲学を学んだ。
*アレクサンドロスは、ギリシア文明の庇護者となった。
*マケドニアの将軍たちは、遠征地に留まり、現地の女性たちと結婚した。
*その結果、東方世界がギリシア化(ヘレナイズ)して行った。
④ギリシア文明の本質は、世俗的で人間中心主義である。
*当然、偶像礼拝に対しても寛容な態度を取った。
⑤サタンは、ギリシア文明を通して、ユダヤ人の信仰を破壊しようとした。
⑥アレクサンドロスの死後、帝国は3分割された。
*マケドニアのアンティゴノス朝
*エジプトのプトレマイオス朝
*シリアのセレウコス朝
⑦セレウコス朝の王アンティオコス・エピファネスが、特に問題である。
*彼は、自らの支配地域にギリシア風信仰を押しつけようとした。
*彼は、神殿に豚を捧げ、そこに異教の祭壇を築いた(前167年頃)。
*これは、サタンによるユダヤ人の信仰の破壊活動である。
*ユダヤ人は激怒し、抵抗運動を起こした。
*これが、ユダ・マカバイが指導得者となって戦ったマカバイ戦争である。
⑧マカバイ戦争に勝利したユダヤ人は、自治権を獲得した。
⑨ユダヤ人の王朝であるハスモン朝が誕生した(前140~前37年)。
(4)像のすねは鉄、足は一部が鉄、一部が粘土(第4の帝国‐帝国主義)
①鉄は、第4の帝国が武力的に優れていることを示している。
②ハスモン朝を破るのは、ローマ帝国である。
*アリストブロス2世とヒルカノス2世による内紛が起こっていた。
*両者は、オリエントに侵攻したポンペイウスを味方につけようとした。
*ポンペイウスはヒルカノスに付き、エルサレムを陥落させた(前63年)。
*かくしてユダヤは、ローマの属国となった。
③イドマヤ人のヘロデは、ローマ帝国によって任命されたユダヤの王である。
*彼は、ローマ帝国の傀儡王である。
*ヘロデは、ユダヤ人を懐柔するために第二神殿の拡張工事を行った。
*メシアであるイエスが訪問されたのは、この神殿である。
④ユダヤでは、ギリシア・ローマ文明とヘブル文明が混在するようになった。
⑤ヘロデの統治下にあって、ユダヤ人たちは、圧政と重税に苦しめられた。
⑥その結果、ユダヤ人の間にはメシア待望の機運が高まった。
4.まとめ
(1)次回取り上げるが、中間時代には、大きな宗教的変化がいくつも起こった。
(2)サドカイ派とパリサイ派は、この時代に誕生したユダヤ教の分派(派閥)。
(3)サタンは、ユダヤ人抹殺のために、政治的にも宗教的にも混乱をもたらした。
(4)しかし神は、メシアを遣わすというご自身の計画を、着々と進めておられた。
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