メシアの生涯(44)—12使徒の選抜‐ペテロ‐—

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このメッセージでは...

ペテロの人生から教訓を学びます。

「12使徒の選抜‐ペテロ-」

§053 マコ3:13~19、ルカ6:12~16

1.はじめに

  (1)宣教の拡大のために、使徒たちを選抜し、彼らを各地に派遣する段階になった。

    ①弟子とは、師から学ぶ者。権威の付与はない。

    ②使徒とは、遣わされた者。遣わす者から権威が与えられている。

    (2)A.T.ロバートソンの調和表

(§53)徹夜の祈りの後、イエスは12使徒を選ぶ。

マコ3:13~19、ルカ6:12~16

  (3)12使徒のリストは、4ヶ所に出て来る。

    ①マコ3章、マタ10章、ルカ6章、使1章

    ②同名の者、別名を持つ者などがいて、非常に難解である。

  (4)使徒たちのリストを理解するためのヒント

    ①4人一組である。

    ②ペテロは常に最初に出て来る。

    ③ピリポ(5番目)、ヤコブ(9番目)は、必ず同じ位置に出て来る(リーダー)。

    ④1組目の3人(ペテロ、ヤコブ、ヨハネ)は、特にイエスに近い位置にある。

    ⑤兄弟たちが3組いた。

      *ペテロとアンデレ

      *ヤコブとヨハネ

      *アルパヨの子ヤコブと、イスカリオテのユダでない方のユダ

<12使徒の歌(ルカ6:14~16)>

1. イエスの使徒たち12人、彼らは全員20代、

1組4人で活動し、御国の福音伝えます。

    2. ペテロが最初の長(おさ)となり、弟アンデレそこに付き、

ヤコブとヨハネの兄弟も、 御国のために仕えます。

      3.ピリポの組の者たちは、バルトロ、別名ナタナエル、

マタイ、もとは取税人、トマス、あだ名がデドモ(双子)です。

4. ヤコブの父はアルパヨで、シモンの前歴熱心党、

別名タダイのユダがいて、 裏切り者のユダ最後。

  4.アウトライン

  (1)イエスに出会う前の状態

  (2)パートタイムの弟子となる。

  (3)フルタイムの弟子となる。

  (4)使徒として召される。

  (5)復活の目撃者となる。

5.メッセージのゴール:ペテロの人生から学ぶ

このメッセージは、ペテロの人生から教訓を学ぼうとするものである。

Ⅰ.イエスに出会う前の状態

     (1)シモンが元の名前である。

      ①「ヨナの子シモン」(バルヨナ・シモン)

      ②イエスによってペテロ(岩)という名が与えられた。

      ③アンデレは、彼の弟である。

    (2)職業は漁師である。

      ①ガリラヤ湖の北方の町ベツサイダ出身

      ②湖畔の町カペナウムに移り住んでいた。

      ③結婚していた。

    (3)バプテスマのヨハネの弟子であった。

      ①弟のアンデレとともに、メシアの到来を待ち望んでいた。

      ②彼らは、当時の「イスラエルの残れる者(レムナント)」であった。

Ⅱ.パートタイムの弟子となる。

    (1)弟のアンデレがペテロをイエスに紹介した。

      ①この時、ケパ(訳すとペテロ)という名が与えられた。

      ②この時から、ペテロはイエスの弟子となる。

    (2)イエスの活動を目撃した。

      ①カナの婚礼の奇跡

      ②過越の祭りでの宮清め

      ③ニコデモとの対話

      ④サマリヤの女との対話

      ⑤カペナウムの役人の息子の癒し

      ⑥ナザレでの伝道の失敗

      ⑦カペナウムへの移動

      ⑧大漁の奇跡を経験し、フルタイムの弟子として召される。

Ⅲ.フルタイムの弟子となる

    (1)イエスの活動を目撃した。

      ①安息日に、カペナウムの会堂で悪霊を追い出す。

      ②姑の熱病の癒し

      ③ガリラヤ伝道を展開する。

      ④ツァラアト患者の癒し

      ⑤中風の人の癒し

      ⑥マタイの召命

      ⑦パリサイ人との論争の激化

        *断食論争

        *安息日論争

        *パリサイ人の殺意

      ⑧ガリラヤ湖畔での病人の癒しと悪霊の追い出し

    (2)そして、12使徒のひとりに選ばれた。

Ⅳ.使徒として召される。

  1.イエスは、徹夜で祈って、多くの弟子たちの中から12人を選択した。

    (1)マルコ3章は、3つの目的を記している。

①フルタイムでイエスのそばにいて、イエスに仕える。

    ②イエスがメシアであることと神の国を宣言するために、派遣される。

    ③彼らの宣言の信頼性を証明するために、悪霊を追い出す権威が与えられる。

2.ペテロは、最初に使徒として召された。

  (1)使徒集団の指導者であり、スポークスマンである。

    ①他の使徒たちもそれを認めていた。

  (2)常にイエスに従いたいと願っている。

    ①水の上を歩かせてくださいと言う願い

    ②自分に対して罪を犯している兄弟を、何度まで赦すべきかという質問

  (3)重要な局面では、ペテロ、ヤコブ、ヨハネの3人がイエスのそばにいる。

3.ペテロは、最初にイエスをメシアと認めた使徒である。

「シモン・ペテロが答えて言った。『あなたは、生ける神の御子キリストです』」

(マタ16:16)

  (1)この告白の意味

  ①私たちはみんな、広い意味では「神の子」である。

  ②「御子」とは、意味が非常に限定された言葉である。

  ③ペテロは、イエスが人であり、神であることを認めた。

  ④これを神学的には、「受肉」という。

(2)受肉について

  ①受肉を認めない信仰は、いかなる意味においても、キリスト教とは言えない。

  ②神でなければ救えない。人でなければ死ねない。

  ③癒しの源は神である。癒しが起こる領域は人である。

(3)イエスは、ペテロのこの信仰告白の上に教会を建てると約束された。

  4.ペテロは、大失敗をした使徒である(イスカリオテのユダを除いて)。

    (1)彼はイエスを3度否んだ。

      ①彼もまた、普通の人である。

    (2)マルコの福音書がこの出来事を最も詳しく記録している。

      ①マルコはローマにおいてペテロの通訳であったという。

      ②ペテロの証言が、マルコに影響を与えている。

  5.ペテロは、イエスの復活を最初に目撃した使徒である。

    (1)女たちが最初であるが、使徒集団の中では、ペテロが最初である。

(2)最も激しくイエスを拒否した人が、最初にイエスの復活を目撃した。

  ①神の赦しと恵みの表れである。

Ⅴ.復活の目撃者となる。

   1.復活を認めない信仰は、いかなる意味においてもキリスト教ではない。

    (1)福音の3要素(1コリ15:3~5)

      ①使徒たちの言い伝え(伝統)

      ②その中に、復活が含まれている。

  2.ペテロには、「天の御国のかぎ」が与えられた(マタ16:19)。

    (1)復活の目撃者として、「罪の赦しと死者の復活」を伝えるようになる。

  3.3種類の人たちのために、天の御国の扉を開いた。

    (1)ユダヤ人のために

①使2章(ペンテコステのメッセージ)

    (2)サマリヤ人のために

      ①使8章(ピリポの伝道のフォローアップ)

    (3)異邦人のために

      ①使10章(カイザリヤのコルネリオの救い)

  4.これ以降、ペテロは表舞台からは姿を消す。

    (1)異邦人のための使徒パウロの時代に入る。

      ①ペテロとパウロの間に、神学的矛盾はない。

結論:ペテロの人生から学ぶ

  1.求道者の皆さんへ

    (1)イエスとの出会いが、人生を決める。

    (2)小さな始まりが、大きな結果につながる。

  2.霊的に幼いクリスチャンの皆さんへ

    (1)パートタイムからフルタイムへの飛躍

    (2)私たちが信じている福音は、その他の教えよりも少し優れているというもので

はない。

(3)キリストの福音は、別次元の教えであり、唯一の救いの道である。

  3.霊的に成長したクリスチャンの皆さんへ

    (1)彼は、熱心さ(長所)と浅はかさ(短所)の両方を持っていた。

      ①彼の失敗のほとんどは、この性質によって説明できる。

    (2)神の恵みは、彼の短所を覆い、彼を作り変えた。

      ①神の恵みが、聖化のキーワードである。

    (3)彼は、2つの書簡を後世に遺した。

      ①これが、ペテロの完成形である。

      ②その一部を確認してみよう。

    (4)1ペテ1:3~9

    「私たちの主イエス・キリストの父なる神がほめたたえられますように。神は、ご自

分の大きなあわれみのゆえに、イエス・キリストが死者の中からよみがえられたこと

によって、私たちを新しく生まれさせて、生ける望みを持つようにしてくださいまし

た。また、朽ちることも汚れることも、消えて行くこともない資産を受け継ぐように

してくださいました。これはあなたがたのために、天にたくわえられているのです。

あなたがたは、信仰により、神の御力によって守られており、終わりのときに現され

るように用意されている救いをいただくのです。そういうわけで、あなたがたは大い

に喜んでいます。いまは、しばらくの間、さまざまの試練の中で、悲しまなければな

らないのですが、あなたがたの信仰の試練は、火で精錬されつつなお朽ちて行く金よ

りも尊く、イエス・キリストの現れのときに称賛と光栄と栄誉になることがわかりま

す。あなたがたはイエス・キリストを見たことはないけれども愛しており、いま見て

はいないけれども信じており、ことばに尽くすことのできない、栄えに満ちた喜びに

おどっています。これは、信仰の結果である、たましいの救いを得ているからです」

(5)私たちも、聖書的終末論から見た希望の告白をしようではないか。

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