ルカの福音書(38)燭台のたとえ8:16~21

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燭台のたとえとキリストに近づく方法について学ぶ。

ルカの福音書 38回

燭台のたとえ

ルカ8:16~21

1.はじめに

(1)文脈の確認

  ①イエスは、数々の恵みの業を行われた。

  ②イエスは、第2回ガリラヤ伝道を行われた。

  ③イエスに仕える女たちが登場した(ルカだけ)。

  ④イエスは、たとえを用いて教えられた(ルカ独特)。

    *マタイは、13章全部をたとえに用いている。

    *マルコは、4章全部をたとえに用いている。

    *ルカは、2つのたとえに限定している。

(2)ルカ8:4~21の内容

  ①土壌のたとえ(4~15節)

  ②燭台のたとえ(16~18節)

  ③イエスの母と兄弟たち(19~21節)

2.アウトライン

(1)燭台のたとえ(16~18節)

(2)イエスの母と兄弟たち(19~21節)

3.結論

(1)燭台のたとえのまとめ

(2)キリストに近づく方法

燭台のたとえとキリストに近づく方法について学ぶ。

Ⅰ.燭台のたとえ(16~18節)

1.16節

Luk 8:16

明かりをつけてから、それを器で隠したり、寝台の下に置いたりする人はいません。燭台の上に置いて、入って来た人たちに光が見えるようにします。

(1)これは、イエスが好んで語られたたとえである。

  ①当時は、日没後の光源は、土器のランプが中心であった。

  ②ランプの中にオリーブ油を入れ、芯に火をともした。

  ③マタ5:15、マコ4:21

  ④ルカ11:33で同じたとえがくり返されている。

Luk 11:33
だれも、明かりをともして、それを穴蔵の中や升の下に置く者はいません。燭台の上に置きます。入って来た人たちに、その光が見えるようにするためです。

(2)燭台のたとえの4つの要素

  ①明かりをつける人=主イエス

  ②明かり=神の国の奥義

  ③明かりが燃えている器(ランプ)=イエスの弟子たち

  ④燭台=イエスの弟子たちの行動原則

(3)神のことばの光をうちに宿した人は、その光を隠してはならない。

  ①その人には、その光を周りの人たちに見せる責任がある。

2.17節

Luk 8:17
隠れているもので、あらわにされないものはなく、秘められたもので知られないもの、明らかにされないものはありません。

(1)弟子たちには、神の国の奥義が啓示された。

  ①ルカ8:10

Luk 8:10
イエスは言われた。「あなたがたには神の国の奥義を知ることが許されていますが、ほかの人たちには、たとえで話します。/『彼らが見ていても見ることがなく、/聞いていても悟ることがないように』/するためです。

(2)奥義とは、それまでに隠されていた真理が啓示されたことを指す。

  ①イエスは、「奥義としての王国」を弟子たちに啓示された。

  ②「奥義としての王国」とは、教会時代のことである。

    *イエスは、神の国の王である。

    *イエスをメシアとして信じるなら、神の国に入ることができる。

    *真理に対して4種類の応答がある。

(3)弟子たちは、イエスから「明かり」をもらった。

  ①弟子たちは、その「明かり」(神の国の奥義)を隠してはならない。

  ②その「明かり」を周りの人に示すことが、弟子たちの使命である。

3.18節

Luk 8:18

ですから、聞き方に注意しなさい。というのは、持っている人はさらに与えられ、持っていない人は、持っていると思っているものまで取り上げられるからです。」

(1)このたとえの結論

  ①イエスの教えをどう聞くかに、注意する必要がある。

  ②イエスの教えを信じるなら、神はもっと多くの真理を理解させてくださる。

  ③信じないなら、理解していると思っていたものまで取り上げられる。

    *不信仰なユダヤ人たちの運命を予告しているようである。

Ⅱ.イエスの母と兄弟たち(19~21節)

1.19節

Luk 8:19
さて、イエスのところに母と兄弟たちが来たが、大勢の人のためにそばに近寄れなかった。

(1)ルカがこの逸話をここに置いたのには、理由がある。

  ①マタ12:46~50とマコ3:31~35の文脈は、パリサイ人たちとの論争である。

  ②ルカは、「従順に関する教え」のまとめとして、これを書いている。

  ③ルカの記録が、最も簡潔である。

(2)イエスの母と兄弟たちがイエスのところに来た。

  ①大勢の人のためにそばに近寄れなかった。

  ②これらの兄弟たちは、ヨセフとマリアから誕生した子どもたちである。

2.20~21節

Luk 8:20
それでイエスに、「母上と兄弟方が、お会いしたいと外に立っておられます」という知らせがあった。

Luk 8:21

しかし、イエスはその人たちにこう答えられた。「わたしの母、わたしの兄弟たちとは、神のことばを聞いて行う人たちのことです。」

(1)肉の家族がイエスに近づけないでいるという情報が伝えられた。

  ①イエスは、肉の家族関係以上に重要なことがあると言われた。

(2)イエスは、家族の絆や責任を軽視されたのではない。

  ①神のことばを聞いて行うことの重要性を強調されたのである。

(3)イエスの教えを受け入れ、それを実行する人は幸いである。

  ①その人は、イエスにとっては家族のような存在となる。

  ②血縁関係よりも、信仰による関係のほうが重要である。

  ③良い地の信者は、イエスに近づくことができるようになる。

結論

1.燭台のたとえのまとめ

(1)信じて行なうことの重要性が教えられている。

(2)イエスの弟ヤコブは、この教えを良く理解した。

  ①ヤコ1:22~23

Jas 1:21

ですから、すべての汚れやあふれる悪を捨て去り、心に植えつけられたみことばを素直に受け入れなさい。みことばは、あなたがたのたましいを救うことができます。

Jas 1:22
みことばを行う人になりなさい。自分を欺いて、ただ聞くだけの者となってはいけません。

(3)明かりを受けた人には、それを輝かせるという責任が生じる。

2.キリストに近づく方法

(1)血の関係を通してではない。

  ①ユダヤ人であるか、異邦人であるかは、問題ではない。

  ②信仰こそ重要である。

  ③ヨハ1:11~12

Joh 1:11
この方はご自分のところに来られたのに、ご自分の民はこの方を受け入れなかった。

Joh 1:12
しかし、この方を受け入れた人々、すなわち、その名を信じた人々には、神の子どもとなる特権をお与えになった。

(2)主観的な体験はいろいろあり得る。

  ①祈る時

  ②聖書を読む時

  ③大聖堂に入る時

  ④あるジャンルの音楽を聴く時

  ⑤自然界に身を置く時

(3)キリストの教えは明白である。

  ①神のことばを信じ、それを実行する時

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