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申命記(55)モーセの歌(2)32:19~43
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モーセの歌について学ぶ。
申命記 55回
「モーセの歌(2)」
申32:19~43
(朗読 申32:19~33)
1.はじめに
(1)4つの説教が終わると、リーダーシップの移行がテーマとなる(31~34章)。
①モーセからヨシュアへ(31:1~29)
②モーセの歌(31:30~32:43)
③モーセの死の予告(32:44~52)
④モーセの祝福のことば(33章)
⑤モーセの死(34章)
(2)モーセの歌の文脈
①申31:30
Deu 31:30 モーセはイスラエルの集会全体に聞こえるように、次の歌のことばを終わりまで唱えた。
②新しい世代のイスラエルは、モアブの野でシナイ契約を更新した。
③モーセはこの歌を民に教え、契約更新の際に歌わせた。
(3)モーセの歌には預言的要素がある。
①この歌は、【主】が真実なお方であることを証言している。
②イスラエルの民は、背信の民となる。
③【主】は、イスラエルの民に憐れみを示される。
④【主】は、イスラエルの民の敵に復讐される。
2.モーセの歌の内容(31:30~32:43)
(1)イントロダクション(1~3節)
(2)真実な神と不真実な民(4~9節)
(3)イスラエルに注がれた神の愛(10~14節)
(4)繁栄がもたらす罠(15~18節)
(5)背信の民に下る【主】のさばき(19~27節)
(6)思慮の欠けた国民(28~33節)
(7)神の憐れみと復讐(34~43節)
3.結論
(1)【主】の御顔(申32:20)
(2)恵みの逆転(申32:21)
(3)異邦人の喜び(申32:43)
モーセの歌について学ぶ。
Ⅴ.背信の民に下る【主】のさばき(19~27節)
1.19~22節
Deu 32:19 【主】は見て、彼らを突き放された。/主の息子と娘たちへの怒りゆえに。
Deu 32:20
主は言われた。/「わたしの顔を彼らから隠し、/彼らの終わりがどうなるかを見よう。/彼らは、ねじれた世代、/真実のない子らであるから。
Deu 32:21
彼らは、神でないもので/わたしのねたみを引き起こし、/彼らの空しいもので/わたしの怒りを燃えさせた。/わたしも、民でない者たちで/彼らのねたみを引き起こし、/愚かな国民で/彼らの怒りを燃えさせる。
Deu 32:22 火はわたしの怒りで燃え上がり、/よみの底まで燃えていく。/地とその産物を焼き尽くし、/山々の基まで焼き払う。
(1)イスラエルの背信(繁栄がもたらす罠)の予告(申32:15)
Deu 32:15
エシュルンは肥え太ったとき、足で蹴った。/あなたは肥え太り、頑丈でつややかになり、/自分を造った神を捨て、/自分の救いの岩を軽んじた。
(2)19~22節は、背信に対する【主】のさばきの総論的描写である。
①【主】の怒りは、ご自身の息子と娘たちに向けられたものである。
②この怒りは、偶像に惹かれていくイスラエルの民に対する怒りである。
③この怒りは、聖なる神が背教の民に示す義なる憤りである。
④「わたしの顔を彼らから隠し、彼らの終わりがどうなるかを見よう」
⑤顔を隠すとは、神の臨在がなくなることである。
⑥神の臨在がなくなれば、イスラエルの民は滅びるしかない。
(3)イスラエルの民は、偶像礼拝のゆえに、【主】の怒りを燃え立たせた。
①【主】は、異邦人の国がイスラエルの民を滅ぼすようにされる。
②もしイスラエルの民が【主】に従順であるなら、このようなことは起らない。
③「火が燃え上がる」という比喩は、神の怒りの激しさを表現している。
④イスラエルの民は、全面的な滅びを経験する。
⑤【主】は、異邦人を祝福することで、イスラエルの民のねたみを引き起こす。
*これは、新約時代に起ることである。
2.23~27節
Deu 32:23 わたしはわざわいを彼らの上に積み重ね、/わたしの矢を彼らに向けて射尽くす。
Deu 32:24 飢えによる荒廃、災害による壊滅、/激しい悪疫、野獣の牙、/これらを、地を這う蛇の毒とともに/彼らに送る。
Deu 32:25 外では剣が子を失わせ、/内には恐怖がある。/若い男にも若い女にも、/乳飲み子も白髪の老人にも。
Deu 32:26 わたしは思った。/彼らを一掃し、/人々から彼らの記憶を消してしまおうと。
Deu 32:27
もしも、わたしが敵のののしりを/気にかけなかったら──/彼らを苦しめる者どもが誤解してはいけない。/『われわれの手で勝ったのだ。/これはみな、【主】がしたことではない』/と言うといけない。」
(1)23~27節は、【主】のさばきの具体的描写である。
(2)生活の全領域に被害が及ぶ。
①飢えによる荒廃
②災害による壊滅
③激しい悪疫
④野獣の牙
⑤地を這う蛇の毒
⑥外では剣(戦争)
⑦内には恐怖
(3)あらゆる年代の人々に被害が及ぶ。
①若い男
②若い女
③乳飲み子
④白髪の老人
(4)イスラエルの民は、滅びても文句の言えない状態にあった。
①しかし【主】は、イスラエルの民が滅びることをお許しにならなかった。
②敵が、自力で勝ったと誤解することのないようにするためである。
③敵が、勝ち誇ることのないようにするためである。
Ⅵ.思慮の欠けた国民(28~33節)
1.28~29節
Deu 32:28 まことに彼らは思慮の欠けた国民、/彼らのうちに英知はない。
Deu 32:29 もしも知恵があったなら、/彼らはこれを悟ったであろうに。/自分の終わりもわきまえたであろうに。
(1)イスラエルの民には知恵がないので、背信の結果を悟ることができなかった。
①イザ1:2~3
Isa 1:2 天よ、聞け。地も耳を傾けよ。/【主】が語られるからだ。/「子どもたちはわたしが育てて、大きくした。/しかし、彼らはわたしに背いた。
Isa 1:3 牛はその飼い主を、/ろばは持ち主の飼葉桶を知っている。/しかし、イスラエルは知らない。/わたしの民は悟らない。」
②1コリ2:14
1Co 2:14
生まれながらの人間は、神の御霊に属することを受け入れません。それらはその人には愚かなことであり、理解することができないのです。御霊に属することは御霊によって判断するものだからです。
2.30~31節
Deu 32:30
彼らの岩が彼らを売らず、/【主】が彼らを引き渡されなかったなら、/どのようにして一人が千人を追い、/二人が万人を敗走させたであろうか。
Deu 32:31 まことに彼らの岩は私たちの岩に及ばない。/敵もこれを認めている。
(1)敵が圧倒的に勝利した理由
①一人が千人を追い、二人が万人を敗走させた。
②イスラエルの岩(【主】)がご自身の民を見捨てたからである。
(2)敵も自分の岩(偶像神)を持っていた。
①しかし敵は、自分たちの岩がイスラエルの岩に及ばないことを認めている。
③イスラエルの敵とは、アッシリヤとバビロンである。
3.32~33節
Deu 32:32
まことに彼らのぶどうの木は、/ソドムのぶどうの木から、/ゴモラのぶどう畑からのもの。/彼らのぶどうは毒ぶどう。/その房は苦い。
Deu 32:33 そのぶどう酒は蛇の毒、/コブラの恐ろしい毒。
(1)イスラエルの敵が、ソドムとゴモラのぶどうの木にたとえられている。
①毒ぶどう、その房は苦い。
②そのぶどう酒は蛇の毒、コブラの恐ろしい毒。
(2)イスラエルを滅ぼす敵は、ソドムとゴモラのように堕落している。
①その敵以上に、イスラエルの民は堕落している。
Ⅶ.神の憐れみと復讐(34~43節)
1.34~35節
Deu 32:34 「これはわたしのもとに蓄えてあり、/わたしの倉に封じ込められているではないか。
Deu 32:35
復讐と報復はわたしのもの。/それは彼らの足がよろめくときのため。/彼らのわざわいの日は近く、/来たるべき時が速やかに来る。」
(1)時が来れば、神はイスラエルの敵に復讐される。
①これ(憐れみと復讐)は、【主】が事前に用意しておられるものである。
②【主】は、イスラエルの背信を裁くための道具として、敵をお用いになる。
③しかし【主】は、イスラエルの民を攻撃した者を罰する。
2.36~38節
Deu 32:36
【主】は御民をかばい、/主のしもべらをあわれまれる。/彼らの力が去り、/奴隷も自由の者も/いなくなるのをご覧になって。
Deu 32:37 主は言われる。/「彼らの神々はどこにいるのか。/彼らが身を避けた岩はどこにあるのか。
Deu 32:38
彼らのいけにえの脂肪を食らい、/注ぎのぶどう酒を飲んだ者どもは/どこにいるのか。/彼らを立たせて、あなたがたを助けさせ、/あなたがたの隠れ場とならせよ。
(1)【主】は、イスラエルの民に憐れみを示される。
①イスラエルの民の力が尽きたとき
②偶像への信頼が崩れたとき
③【主】だけを信頼するようになったとき
(2)偶像に助けを求めるのがよいというのは、皮肉である。
①これは無駄な努力である。
3.39~42節
Deu 32:39
今、見よ、わたし、わたしこそがそれである。/わたしのほかに神はいない。/わたしは殺し、また生かす。/わたしは傷つけ、また癒やす。/わたしの手からは、だれも救い出せない。
Deu 32:40 まことに、わたしは誓って言う。/『わたしは永遠に生きる。
Deu 32:41 わたしが、きらめく剣を研ぎ、/手にさばきを握るとき、/わたしは敵に復讐をし、/わたしを憎む者たちに報いる。
Deu 32:42
わたしの矢を血に酔わせ、/わたしの剣に肉を食わせる。/刺し殺された者や捕らわれ人の血に酔わせ、/敵のかしらたちの首を食わせる。』」
(1)イスラエルの民をさばく目的
①滅ぼすためではなく、【主】のほかに神はいないことを教えるためである。
②【主】だけが、命と死を決める権威を持っておられる。
③敵をさばくのも【主】の御業である。
(2)【主】は、別の民を用いてイスラエルの敵をさばかれる。
①「きらめく剣」とは、【主】が敵をさばくために用いる別の民である。
②【主】のさばきは、徹底的に実行される。
②この復讐により、イスラエルの民とその地は、解放される。
4.43節
Deu 32:43
国々よ、御民のために喜び歌え。/主がご自分のしもべの血に報復し、/ご自分の敵に復讐を遂げて、/ご自分の民とその地のために宥めを行われる。
(1)「国々よ、御民のために喜び歌え」
Deu 32:1 天よ、耳を傾けよ。私は語ろう。/地よ、聞け。私の口のことばを。
①【主】の御業は、全人類に影響を及ぼす。
②「御民のために喜び歌え」という訳に疑問がある。
③「Rejoice, O ye nations, with his people.」(ASV)
④喜び歌う理由は、【主】がイスラエルの民のために報復されたことである。
⑤それゆえ、異邦人諸国は、イスラエルの民とともに喜び歌うのである。
結論
1.【主】の御顔(申32:20)
Deu 32:20
主は言われた。/「わたしの顔を彼らから隠し、/彼らの終わりがどうなるかを見よう。/彼らは、ねじれた世代、/真実のない子らであるから。
(1)詩30:7~8
Psa 30:7
【主】よ あなたはご恩寵のうちに/私を私の山に堅く立たせてくださいました。/あなたが御顔を隠されると/私はおじ惑いました。
Psa 30:8 【主】よ あなたを私は呼び求めます。/私の主にあわれみを乞います。
(2)マタ27:45~46
Mat 27:45 さて、十二時から午後三時まで闇が全地をおおった。
Mat 27:46
三時ごろ、イエスは大声で叫ばれた。「エリ、エリ、レマ、サバクタニ。」これは、「わが神、わが神、どうしてわたしをお見捨てになったのですか」という意味である。
2.恵みの逆転(申32:21)
Deu 32:21
彼らは、神でないもので/わたしのねたみを引き起こし、/彼らの空しいもので/わたしの怒りを燃えさせた。/わたしも、民でない者たちで/彼らのねたみを引き起こし、/愚かな国民で/彼らの怒りを燃えさせる。
(1)ロマ10:19
Rom 10:19
では、私は尋ねます。イスラエルは知らなかったのでしょうか。まず、モーセがこう言っています。/「わたしは、民でない者たちで/あなたがたのねたみを引き起こし、/愚かな国民で/あなたがたの怒りを燃えさせる。」
(2)ロマ11:13~14
Rom 11:13 そこで、異邦人であるあなたがたに言いますが、私は異邦人への使徒ですから、自分の務めを重く受けとめています。
Rom 11:14 私は何とかして自分の同胞にねたみを起こさせて、彼らのうち何人かでも救いたいのです。
3.異邦人の喜び(申32:43)
Deu 32:43
国々よ、御民のために喜び歌え。/主がご自分のしもべの血に報復し、/ご自分の敵に復讐を遂げて、/ご自分の民とその地のために宥めを行われる。
(1)ロマ15:10
Rom 15:10 また、こう言われています。/「異邦人よ、主の民とともに喜べ。」
(2)モーセの歌の要約
①【主】は、イスラエルの民の罪をさばかれる。
②しかし、イスラエルの民が滅びることはない。
③【主】は、異邦人のゆえに、イスラエルの民のねたみを引き起こす。
④やがてイスラエルは救われる。
⑤異邦人も、イスラエルの民とともに喜ぶようになる。
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