私たちはプロテスタントのキリスト教福音団体です。『1. 聖書のことばを字義どおりに解釈する 2. 文脈を重視する 3. 当時の人たちが理解した方法で聖書を読む 4. イスラエルと教会を区別する』この4点を大切に、ヘブル的聖書解釈を重視しています。詳しくは私たちの理念をご確認ください。
申命記(56)モーセの死の予告32:44~52
- このメッセージに感謝を贈る
-
この無料配信メッセージは、皆様の祈りと献金のサポートで成り立っています。
あなたの「ちょっとした感謝」を300円献金で贈ってみませんか?
このメッセージでは...
モーセの死の予告について学ぶ。
申命記 56回
「モーセの死の予告」
申32:44~52
1.はじめに
(1)4つの説教が終わると、リーダーシップの移行がテーマとなる(31~34章)。
①モーセからヨシュアへ(31:1~29)
②モーセの歌(31:30~32:43)
③モーセの死の予告(32:44~52)
④モーセの祝福のことば(33章)
⑤モーセの死(34章)
(2)文脈の確認
①モーセは、モーセの歌を語り聞かせた。
②【主】はモーセに、死の準備を始めるように命じられた。
③この箇所は、イスラエルの民に対するモーセの遺言である。
2.アウトライン
(1)最後の勧告を出すモーセ(44~47節)
(2)ネボ山に上るモーセ(48~52節)
3.結論
(1)空虚なことばか、いのちのことばか。
(2)不当な裁きか、正当な裁きか。
モーセの死の予告について学ぶ。
Ⅰ.最後の勧告を出すモーセ(44~47節)
1.44節
Deu 32:44 モーセはヌンの子ホセアと一緒に行って、この歌のすべてのことばを民の耳に語り聞かせた。
(1)モーセは、次のリーダーであるヨシュアをそばに置いた。
①ここでは、ヌンの子ホセアと書かれている。
②モーセは、ホセアをヨシュアと名づけた(民13:16)。
Num 13:16 以上が、モーセがその地の偵察のために遣わした者の名である。モーセはヌンの子ホセアをヨシュアと名づけた。
③ホセアは、「救い」という意味である。
④ヨシュアは、「【主】は救い」という意味である。
⑤モーセが書く場合は、必ずヨシュアという名を使う。
⑤ヌンの子ホセアとなっているのは、編集者の筆であることを示している。
(2)モーセは、【主】からの啓示によって歌を作り、すべて民に語り聞かせた。
①朗読は、モーセとヨシュアの共同作業である。
(3)モーセの歌には預言的要素がある。
①この歌は、【主】が真実なお方であることを証言している。
②イスラエルの民は、背信の民となる。
③【主】は、イスラエルの民に憐れみを示される。
④【主】は、イスラエルの民の敵に復讐される。
2.45~46節
Deu 32:45 モーセはイスラエル全体にこのことばをみな語り終えて、
Deu 32:46
彼らに言った。「あなたがたは、私が今日あなたがたを戒める、このすべてのことばを心にとどめなさい。それをあなたがたの子どもたちに命じて、このみおしえのすべてのことばを守り行わせなさい。
(1)歌の朗読を終えると、モーセは最後の勧告を出した。
①歌の内容を心にとどめよ。
②そればかりか、律法のことばをすべて心にとどめよ。
③シナイ契約の条項を子どもたちに教えよ。
④その条項のすべてを実行させよ。
3.47節
Deu 32:47
これは、あなたがたにとって空虚なことばではなく、あなたがたのいのちであるからだ。このことばによって、ヨルダン川を渡って行って所有しようとしているその土地で、あなたの日々が長く続くことになる。」
(1)歌の内容は、むなしいことばではない。
①この歌は、背教に下る裁きの厳しさを教えている。
②それゆえ、この歌は、背教に対する歯止めとなる。
③これに従えば、いのちを守ることになる。
(2)この警告は、申30:19~20と同じ内容である。
Deu 30:19
私は今日、あなたがたに対して天と地を証人に立てる。私は、いのちと死、祝福とのろいをあなたの前に置く。あなたはいのちを選びなさい。あなたもあなたの子孫も生き、
Deu 30:20
あなたの神、【主】を愛し、御声に聞き従い、主にすがるためである。まことにこの方こそあなたのいのちであり、あなたの日々は長く続く。あなたは、【主】があなたの父祖、アブラハム、イサク、ヤコブに与えると誓われたその土地の上に住むことになる。
Ⅱ.ネボ山に上るモーセ(48~52節)
1.48~49節
Deu 32:48 この同じ日に【主】はモーセに告げられた。
Deu 32:49
「エリコの向かいにあるモアブの地の、このアバリム高地のネボ山に登り、わたしがイスラエルの子らに与えて所有させようとしているカナンの地を見よ。
(1)【主】は、ネボ山に上るように、モーセに告げられた。
①「この同じ日に」は、モーセが使命をすべて果たし終えたことを示している。
(2)ネボ山は、モアブの地にある山である。
①アバリムとは、「かなたの地方」という意味である。
②標高約1,000メートルで、2つの峰がある。
③北の峰をピスガの頂(申34:1)、南の峰をネボ山と呼ぶ。
④ネボという名の偶像が存在していた。
⑤イザ46:1
Isa 46:1 「ベルはひざまずき、ネボはかがむ。/彼らの像は獣と家畜に載せられる。/あなたがたの荷物は、/疲れた動物の重荷となって運ばれる。
*ベルはバビロンの偶像メロダクと同じ。太陽神。
*ネボはベルの息子である。占星術の神。
(3)モーセは、ネボ山で死ぬことになる。
①【主】は恵みによって、モーセがカナンの地を見ることを許された。
②そこからは死海の北端、ユダの山地、ヨルダン渓谷を眺望することができた。
2.50節
Deu 32:50
あなたの兄弟アロンがホル山で死んで、その民に加えられたように、あなたも、これから登るその山で死に、あなたの民に加えられる。
(1)兄のアロンはホル山で死んで、その民に加えられた(民33:38)。
①「民にくわえられた」は、死後のいのちを保証することばである。
(2)モーセは、約束の地に入ることができない。
①彼は、ネボ山で死ぬ。
②彼もまた、自分の民に加えられる。
3.51~52節
Deu 32:51
それは、あなたがたがツィンの荒野のメリバテ・カデシュの水のほとりで、イスラエルの子らの間でわたしの信頼を裏切り、イスラエルの子らの間で、わたしを聖なる者としなかったからである。
Deu 32:52 あなたは、わたしがイスラエルの子らに与えようとしている地を目の前に見るが、その地へ入って行くことはできない。」
(1)モーセがカナンの地に入れない理由が告げられる。
①ツィンの荒野のメリバテ・カデシュの水のほとりでの出来事が原因である。
②この場所で、モーセとアロンは【主】の命令に背いた。
③【主】への敬意を示さなかった。
(2)民20:1~13
①【主】は、水を出すために岩に命じるようにモーセに告げた。
②モーセは、岩に命じる代わりに、岩を杖で二度打った。
③そして、怒りを込めて、彼とアロンが水を出したかのように語った。
④その結果、モーセは約束の地に入ることができなくなった。
結論
1.空虚なことばか、いのちのことばか。
(1)申32:47
Deu 32:47
これは、あなたがたにとって空虚なことばではなく、あなたがたのいのちであるからだ。このことばによって、ヨルダン川を渡って行って所有しようとしているその土地で、あなたの日々が長く続くことになる。」
①これは、モーセの遺言である。
②これは、モーセの魂の叫びである。
(2)1コリ15:3~5(パウロの魂の叫び)
1Co 15:3
私があなたがたに最も大切なこととして伝えたのは、私も受けたことであって、次のことです。キリストは、聖書に書いてあるとおりに、私たちの罪のために死なれたこと、
1Co 15:4 また、葬られたこと、また、聖書に書いてあるとおりに、三日目によみがえられたこと、
1Co 15:5 また、ケファに現れ、それから十二弟子に現れたことです。
(3)2ペテ1:16~18(ペテロの魂の叫び)
2Pe 1:16
私たちはあなたがたに、私たちの主イエス・キリストの力と来臨を知らせましたが、それは、巧みな作り話によったのではありません。私たちは、キリストの威光の目撃者として伝えたのです。
2Pe 1:17
この方が父なる神から誉れと栄光を受けられたとき、厳かな栄光の中から、このような御声がありました。「これはわたしの愛する子。わたしはこれを喜ぶ。」
2Pe 1:18 私たちは聖なる山で主とともにいたので、天からかかったこの御声を自分で聞きました。
2.不当な裁きか、正当な裁きか。
(1)一度の不従順で、カナンの地に入れなくなるのは不当ではないか。
(2)これは正当な裁きである。
(3)民20:1~13の内容
①民は、水がないと言って、モーセとアロンに逆らった。
②モーセとアロンは、いつものように主の前にお伺いを立てた。
③【主】から与えられた3つの命令
*杖を取れ、会衆を集めよ、岩に命じよ。
④モーセは杖を取り、アロンとともに、民を岩の前に集めた。
⑤モーセは怒りに満たされ、冷たい言葉を吐いた。
*「逆らう者たちよ。さあ、聞け」
⑥モーセは、【主】に栄光を帰さず、自分たちが水を出すかのように語った。
⑦さらにモーセは、岩に命じる代わりに、その岩を杖で2度打った。
⑧水は出たが、モーセとアロンは民を約束の地に導くという特権を奪われた。
(4)これは、聖書に記録されているモーセの唯一の罪である。
(5)しかし神は、この罪を重大なものと判断された。
①怒りの罪、反逆の罪、自己中心の罪、不信仰の罪などが行為の背後にある。
(6)これを境に、民を約束の地に導くのは【主】であることが明らかになった。
(7)私たちへの教訓
①律法の代表であるモーセは、約束の地に入ることができない。
②律法は罪を示すが、罪を取り去ることはできない。
③一点でも違反すれば、律法の全体を破ったことになる。
④民を約束の地に導く役割は、ヨシュアに与えられた。
⑤ヨシュアとは、【主】は救いという意味である。
⑥イエスという名はヘブル語でヨシュアである。
⑦私たちを天国に導くのは、主イエスである。
⑧私たちは、律法によって救われるのではなく、恵みによって救われる。
週間アクセスランキング
コリント人への手紙第二(9)信頼回復の訴え―パウロの喜び―7:5~16
Q415 教会内に名目だけの信者 がいるとは、どういう意味ですか。
ヨハネの福音書(2)「公生涯への序曲」-イエスに従った5人の型―ヨハ1:19~51
イスラエル旅2023#082中川牧師とめぐる旅:【主の涙の教会】エルサレムを見て涙されたイエス②
Q416 イスラエルの回復は2段階で起こるとは、どういう意味ですか。
イスラエル旅2023#083中川牧師とめぐる旅:【ゲッセマネの園】苦悶の祈り