申命記(43)諸々の規定(6)~(11)22:1~12

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諸々の規定の中の(6)~(11)について学ぶ。

申命記 43回

「諸々の規定(6)~(11)」

申22:1~12

1.はじめに

    (1)第2の説教:契約に基づく義務

      ③律法の解説と日常生活への適用(12:1~26:15)

    (2)「律法の解説と日常生活への適用」は、律法の各論的解説とその適用である。

      ①この箇所を12項目に分割して説明している。

      ②第11の項目:諸々の規定(21:1~25:19)

      ③諸々の規定の中には34の細かい項目がある。

      ④今回は(6)~(11)を取り上げる。

        *これらの規定が与えられている理由を考えると、霊的に成長する。

  
2.メッセージのアウトライン

    

    (6)隣人の家畜(22:1~4)

    (7)服装倒錯(22:5)

    (8)鳥の巣(22:6~7)

    (9)屋上の手すり(22:8)

    (10)二種類の物の区別(22:9~11)

    (11)衣の房(22:12)

  
3.結論:6つの規定の新約的適用

諸々の規定の中の(6)~(11)について学ぶ。

Ⅵ.隣人の家畜(22:1~4)

  1.1節

Deu 22:1
あなたの同族の者の牛または羊が迷っているのを見て、見ぬふりをしていてはならない。あなたの同族の者のところに、それを必ず連れ戻さなければならない。

(1)この規定の土台になっているのは、隣人愛の教えである。

      ①レビ19:18

Lev 19:18
あなたは復讐してはならない。あなたの民の人々に恨みを抱いてはならない。あなたの隣人を自分自身のように愛しなさい。わたしは【主】である。

      ②マタ7:12

Mat 7:12 ですから、人からしてもらいたいことは何でも、あなたがたも同じように人にしなさい。これが律法と預言者です。

    (2)隣人の牛や羊が迷っているのを見た場合の規定

      ①強調点は、隣人の家畜を盗んではならないということではない。

      ②強調点は、迷っている家畜を無視してはならないということである。

        *時間と労力がかかるので、無視したくなるものである。

      ③迷っている家畜を隣人のところに連れ戻さなければならない。

        *彼らは、誰の家畜であるか互いに熟知していた。

2.2節

Deu 22:2
もしその同族の者が近くの者ではなく、あなたがその人を知らないなら、それを自分の家に連れて来て、同族の者が捜しに来るまであなたのところに置き、それから彼に返しなさい。

    (1)迷った家畜の所有者が遠くの人で、誰だか分からない場合の規定

      ①その家畜を自分の家に連れて来る。

      ②所有者が探しに来るまで、自分のところに置き、それから、所有者に返す。

3.3~4節

Deu 22:3
彼のろばについても同じようにしなければならない。彼の衣についても同じようにしなければならない。すべてあなたの同族の者がなくした物をあなたが見つけたなら、同じようにしなければならない。見ぬふりをしていることはできない。

Deu 22:4
あなたの同族の者のろば、または牛が道で倒れているのを見て、見ぬふりをしてはならない。必ず、彼と一緒にそれを起こしてやらなければならない。

(1)同じ原則が、ろばや衣にも、適用される。

      ①隣人がなくした物を見つけたなら、見ぬふりをしてはならない。

    (2)ろばや牛が道で倒れている場合も、同じ原則が適用される。

      ①家畜が穴に落ちて苦しんでいるのを見た場合の規定

      ②所有者と一緒に、それを起こしてやる必要がある。

      ③所有者が敵の場合でも、助けなければならない。

      ④出23:5

Exo 23:5
あなたを憎んでいる者のろばが、重い荷の下敷きになっているのを見た場合、それを見過ごしにせず、必ず彼と一緒に起こしてやらなければならない。

Ⅶ.服装倒錯(22:5)

1.5節

Deu 22:5
女は男の衣装を身に着けてはならない。また男は女の衣服を着てはならない。このようなことをする者はみな、あなたの神、【主】が忌み嫌われる。

(1)異性の衣装を身につけることは禁止された。

      ①男女の性別の違いが曖昧になる恐れがある。

      ②同性愛の推進につながる危険性がある。

      ③偶像礼拝の習慣に染まる危険性がある。

      ④男女の性差は、創造の秩序の基本的部分である(創1:27)。

Gen 1:27 神は人をご自身のかたちとして創造された。神のかたちとして人を創造し、男と女に彼らを創造された。

    (2)【主】が忌み嫌われる。

      
①これは、同性愛に対する神の見解である。

      ②レビ18:22

Lev 18:22 あなたは、女と寝るように男と寝てはならない。それは忌み嫌うべきことである。

      ③レビ20:13

Lev 20:13
男がもし女と寝るように男と寝たなら、二人は忌み嫌うべきことをしたのである。彼らは必ず殺されなければならない。その血の責任は彼らにある。

Ⅷ.鳥の巣(22:6~7)

1.6~7節

Deu 22:6
たまたま道で木の上か地面に鳥の巣を見つけ、それにひなか卵があり、母鳥がひなか卵を抱いている場合、その母鳥を子と一緒に捕ってはならない。

Deu 22:7
必ず母鳥を去らせて、子を捕らなければならない。それは、あなたが幸せになり、あなたの日々が長く続くようになるためである。

(1)巣の中にひなか卵がある。

      ①それを取る場合、まず母鳥を去らせる。

      ②神は、鳥が滅びないように、鳥のことさえも気にかけておられる。

      ③この規定は、イスラエルの民の祝福のためでもある。

      ④母鳥がさらに卵を産めば、食物が途絶えることはなくなる。

Ⅸ.屋上の手すり(22:8)

1.8節

Deu 22:8
新しい家を建てるときは屋上に手すりを付けなさい。だれかがそこから落ちても、あなたの家が血の責任を負うことのないようにするためである。

(1)中近東では、屋上を多目的スペースとして利用する習慣がある。

      ①屋上に手すりがないと、そこから落下する危険性がある。

      ②手すりを付けるのは、隣人愛の実践である。

      ③また、命の尊厳を認める行為である。

      ④家の設計に気配りする人は、血の責任を負うことがなくなる。

Ⅹ.2種類の物の区別(22:9~11)

  1.9~11節

Deu 22:9
ぶどう畑に二種類の種を蒔いてはならない。あなたが蒔いた種と、ぶどう畑の収穫全体とが、聖なるものとして取り分けられてしまうことのないように。

Deu 22:10 牛とろばとを組にして耕してはならない。

Deu 22:11 羊毛と亜麻糸を混ぜて織った衣服を着てはならない。

(1)これらの規定は、【主】への全き献身を教えるためのものだと思われる。

      ①【主】は、二心の人を嫌われる。

    (2)異なる物の混合について、3つの例が上げられる。

      ①ぶどう畑に2種類の種を蒔いてはならない。

        *その畑の収穫物はすべて「忌むべき物」(口語訳)となる。

      ②牛とろばを組にして耕してはならない。

        *牛は清い家畜、ろばは汚れた家畜である。

      ③羊毛と亜麻布を混ぜて織った衣服を着てはならない。

        *衣服の寿命を縮める。

Ⅺ.衣の房(22:12)

1.12節

Deu 22:12 身にまとう衣の四隅に房を作らなければならない。

(1)イスラエル人の長服は、前後の部分に二分されていた。

①この長服には4隅があった。

    (2)4隅に房を付ける目的は、民数15:39~40に記されている。

Num 15:39
その房はあなたがたのためであって、あなたがたがそれを見て、【主】のすべての命令を思い起こしてそれを行うためであり、淫らなことをする自分の心と目の欲にしたがって、さまよい歩くことのないようにするためである。

Num 15:40 こうしてあなたがたが、わたしのすべての命令を思い起こして、これを行い、あなたがたの神に対して聖なる者となるためである。

      ①その房は、【主】の命令を思い起こさせるための仕掛けである。

      ②【主】の命令を行うなら、イスラエルの民は「神に対して聖なる者」となる。

結論:6つの規定の新約的適用

  6.隣人の家畜(22:1~4)

    (1)この規定は、イスラエル人を妬みや貪欲から解放した。

      ①ヤコ2:15~16

Jas 2:15 兄弟か姉妹に着る物がなく、毎日の食べ物にも事欠いているようなときに、

Jas 2:16
あなたがたのうちのだれかが、その人たちに、「安心して行きなさい。温まりなさい。満腹になるまで食べなさい」と言っても、からだに必要な物を与えなければ、何の役に立つでしょう。

      ②1ヨハ3:17

1Jn 3:17
この世の財を持ちながら、自分の兄弟が困っているのを見ても、その人に対してあわれみの心を閉ざすような者に、どうして神の愛がとどまっているでしょうか。

  7.服装倒錯(22:5)

(1)モーセの律法は無効になったが、同じ教えがキリストの律法にも出て来る。

      ①神を認めない者は、当然の報いを受けている。

      ②ロマ1:26~27

Rom 1:26
こういうわけで、神は彼らを恥ずべき情欲に引き渡されました。すなわち、彼らのうちの女たちは自然な関係を自然に反するものに替え、

Rom 1:27
同じように男たちも、女との自然な関係を捨てて、男同士で情欲に燃えました。男が男と恥ずべきことを行い、その誤りに対する当然の報いをその身に受けています。

      ③カトリック教会(ローマ教皇フランシスコ)

「社会の認識が変化しているのだから、教会もそれに合わせる必要がある」

      ④神は、罪は憎まれるが、罪人は愛しておられる。

  8.鳥の巣(22:6~7)

    (1)神は、鳥の命を気にかけておられる。

      ①マタ10:29~31

Mat 10:29
二羽の雀は一アサリオンで売られているではありませんか。そんな雀の一羽でさえ、あなたがたの父の許しなしに地に落ちることはありません。

Mat 10:30 あなたがたの髪の毛さえも、すべて数えられています。

Mat 10:31 ですから恐れてはいけません。あなたがたは多くの雀よりも価値があるのです。

  9.屋上の手すり(22:8)

    (1)父親には、家を安全な場所にする義務がある。

      ①家は、家族団らんの場となっているか。

      ②子どもたちを守ることの出来る安全な場となっているか。

      ③エペ6:4

Eph 6:4 父たちよ。自分の子どもたちを怒らせてはいけません。むしろ、主の教育と訓戒によって育てなさい。

      ④聖書的世界観や価値観を破壊する情報を遮断しているか。

  10.異なる物の混合(22:9~11)

    (1)価値観が異なる者と真実な関係を構築することは、不可能である。

      ①2コリ6:14~15

2Co 6:14
不信者と、つり合わないくびきをともにしてはいけません。正義と不法に何の関わりがあるでしょう。光と闇に何の交わりがあるでしょう。

2Co 6:15 キリストとベリアルに何の調和があるでしょう。信者と不信者が何を共有しているでしょう。

    (2)クリスチャンはこの世に住むが、この世のものではない。

      ①この世と交流することで伝道できると考えるのは、大いなる誤解である。

  11.衣の房(22:12)

    (1)この規定に関する神の意図は、破壊された。

      ①マタ23:5

Mat 23:5 彼らがしている行いはすべて人に見せるためです。彼らは聖句を入れる小箱を大きくしたり、衣の房を長くしたりするのです。

    (2)イエスは、モーセの律法を100%実行された。

      ①マタ9:20~21

Mat 9:20 すると見よ。十二年の間長血をわずらっている女の人が、イエスのうしろから近づいて、その衣の房に触れた。

Mat 9:21 「この方の衣に触れさえすれば、私は救われる」と心のうちで考えたからである。

      ②主イエスは彼女の迷信的信仰を祝福された。

    (3)衣の房は、神との親密な関係を思い出すためのものである。

      ①信者には、聖霊の証印が押されている。

      ②エペ4:30

Eph 4:30 神の聖霊を悲しませてはいけません。あなたがたは、贖いの日のために、聖霊によって証印を押されているのです。

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