申命記(40)聖戦に関する規定20:1~20

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聖戦について学ぶ。

申命記 40回

「聖戦に関する規定」

申20:1~20

1.はじめに

    (1)第2の説教:契約に基づく義務

      ①総論:臣下の義務(4:44~5:33)

      ②全的従順の呼びかけ(6~11章)

      ③律法の解説と日常生活への適用(12:1~26:15)

      ④【主】に対する誓約(26:16~19)

    (2)「律法の解説と日常生活への適用」は、律法の各論的解説とその適用である。

      ①この箇所を12項目に分割して説明している。

      ②第10の項目:聖戦に関する規定(20:1~20)

    (3)申命記20章は、いわば「戦争のためのマニュアル」である。

      ①イスラエルは、神の民として平和を作り出すように召された。

      ②しかし、この段階では、カナンの地の征服戦争が始まろうとしている。

      ③神がイスラエルの民に与えた約束の地を獲得するための戦いが始まる。

      ④この戦争は特殊なもの、「聖戦」と呼ばれるものである。

      ⑤【主】から与えられた地を防衛するための戦いもまた、聖戦である。

  
2.メッセージのアウトライン

    (
1) 勝利の秘訣(1~4節)

    (2)兵役免除者(5~9節)

    (3)外交政策(10~18節)

    (4)征服した町の保存(19~20節)

  
3.結論:聖戦に関する規定から学ぶ教訓

聖戦について学ぶ。

Ⅰ.勝利の秘訣(1~4節)

1.1節

Deu 20:1
あなたが敵と戦おうと出て行くとき、馬や戦車や、あなたよりも多い軍勢を見ても、彼らを恐れてはならない。あなたをエジプトの地から連れ上ったあなたの神、【主】があなたとともにおられるのだから。

    
(1)聖戦に勝利する秘訣は、敵を恐れないことである。

      ①馬や戦車や、自分よりも多い軍勢を見て、敵を恐れてはならない。

      ②イスラエルの民は、軍事力において異邦の諸国よりも劣っていた。

      ③ヨシ11:4(北部連合の諸国との戦い)

Jos 11:4 彼らはその全陣営とともに出て来た。海辺の砂のように大勢の兵で、馬や戦車も非常に多かった。

      ④しかし、肉の目が見るところと、信仰の目が見るところは、大いに異なる。

      ⑤覚えるべきは、【主】がともにおられるという事実である。

    (2)聖戦の勝敗は、馬や戦車の数で決まるのではない。

      ①ご自身の約束に忠実な【主】が、勝利をもたらしてくださる。

      ②【主】とは誰か。イスラエルの民をエジプトから連れ上った神である。

      ③「あなたの神」とは、イスラエルの民が経験的に知っている神のことである。

      ④私たちも、苦難の日には、経験的に知っている神を思い出すことができる。

  2.2~4節

Deu 20:2 あなたがたが戦いに臨むときには、祭司が進み出て民に語りかけ、

Deu 20:3
彼らに言いなさい。「聞け、イスラエルよ。あなたがたは今日、敵との戦いに臨もうとしている。弱気になってはならない。恐れてはならない。うろたえてはならない。彼らのことでおののいてはならない。

Deu 20:4
あなたがたの神、【主】があなたがたとともに行って、あなたがたのために敵と戦い、あなたがたに勝利を得させてくださるからである。」

    
(1)祭司が進み出て、民に語りかける。

      ①祭司の役割は、契約の箱を持ち運ぶことだけではない。

      ②祭司は、民に語りかけ、彼らを励ます。

        *祭司の存在は、神の臨在を象徴している。

      ③この祭司(the priest)は、大祭司や一般の祭司のひとりではない。

*彼は、特に任命された軍事祭司である。

      ④この祭司は、定型文を用いて民に語りかける。

      ⑤この祭司の語りかけを聞かないなら、民は敗北し、滅びる。

    (2)定型文の内容

      ①聞け、イスラエルよ。あなたがたは今日、敵との戦いに臨もうとしている。

②弱気になってはならない。

③恐れてはならない。

④うろたえてはならない。

⑤彼らのことでおののいてはならない。

⑥あなたがたの神、【主】があなたがたとともに行って、

⑦あなたがたのために敵と戦い、

⑧あなたがたに勝利を得させてくださるからである。

Ⅱ.兵役免除者(5~9節)

1.5節

Deu 20:5
つかさたちは民に語りかけて言いなさい。「新しい家を建てて、まだそれを奉献していない者はいないか。その人は家に帰るがよい。戦死して、ほかの人がそれを奉献するといけないから。

    (1)つかさたちは、資格のない者に兵役から外れるように勧告する。

      ①つかさとは役人のことである(書記か警察官)(申16:18)。

      ②資格のない者とは、戦闘能力がない者のことではない。

      ③戦いに全面的に打ち込めない者には、兵士の資格はない。

④戦うためには、【主】への全的献身が必要である。

    (2)兵役免除には、人道的な理由と、戦意を保持するという理由があった。

      ①戦死したなら、その人が始めた事業や計画が、途中で挫折することになる。

    (3)つかさたちは、4種類の兵役免除者に語りかける。

      ①新しい家を建てた者

      ②ぶどう畑を作って、まだその初物を味わっていない者

      ③女と婚約して、まだ結婚していない者

      ④恐れて弱気になっている者

    (4)「新しい家を建てて、まだそれを奉献していない者」

      ①家を新築したが、まだそこに住んでいない者という意味である。

      ②「誰か新しき家を建て之に移らざる者あるか」(文語訳)

      ③当時の人たちは、新築の家を神に奉献し、祝宴を催した。

      ④兵役免除の期間は、1年間だと思われる。

      ⑤申24:5の援用(新婚生活の期間)

  2.6節

Deu 20:6
ぶどう畑を作って、まだその初物を味わっていない者はいないか。その人は家に帰るがよい。戦死して、ほかの者が初物を味わうといけないから。

    (1)「ぶどう畑を作って、まだその初物を味わっていない者」

      ①「ぶどう畑」は、「カレム」である。

      ②この言葉は、ぶどう畑だけでなく、オリーブやいちじくの果樹園も含む。

      ③この免除期間は、最高5年に至る可能性がある。

      ④3年間は食べず、4年目に【主】に献げ、5年目に食べる。

*レビ19:23~25

  3.7節

Deu 20:7
女と婚約して、まだ結婚していない者はいないか。その人は家に帰るがよい。戦死して、ほかの人が彼女と結婚するといけないから。」

    (1)「女と婚約して、まだ結婚していない者」

      ①1年間の免除期間が与えられた。

②申24:5

Deu 24:5
人が新妻を迎えたときは、その人を戦に出してはならない。何の義務も負わせてはならない。彼は一年の間、自分の家のために自由の身になって、迎えた妻を喜ばせなければならない。

  4.8~9節

Deu 20:8
つかさたちは、さらに民に語りかけて言わなければならない。「恐れて弱気になっている者はいないか。その人は自分の家に帰るがよい。兄弟たちの心がその人の心のように萎えるといけないから。」

Deu 20:9 つかさたちが民に語り終えたら、軍の長たちが民の指揮を執りなさい。

    
(1)「恐れて弱気になっている者」

      ①この兵役免除は、軍の士気を高めるためのものである。

      ②恐れは、霊的問題として理解されている。

③恐れる者は、【主】への信頼に欠ける者である。

      ④彼は、他の兵士に悪影響を与える可能性がある。

    (2)最後に、軍の組織化を行う。

      ①軍の長たちが任命される。

      ②彼らが、民の指揮を執る。

Ⅲ.外交政策(10~18節)

  1.10~11節

Deu 20:10 あなたが、ある町を攻略しようとしてその町に近づいたときには、まず降伏を勧めなさい。

Deu 20:11 もし町が降伏に同意して門を開くなら、その中にいる民はみな、あなたのために苦役に服させ、あなたに仕えさせなさい。

    (1)町を攻略する際は、まず降伏を勧める。

      ①これは、その町と宗主権契約を結ぶことを意味する。

      ②町が降伏に同意して門を開くなら、宗主権契約が締結されたことになる。

      ③その町の住民は、イスラエルの神とイスラエルの民の主権を認める。

      ④その町の住民は、イスラエルに仕えることに同意する。

  2.12~15節a

Deu 20:12 しかし、もしあなたに降伏せず、戦おうとするなら、これを包囲しなさい。

Deu 20:13 あなたの神、【主】がそれをあなたの手に渡されたら、その町の男をみな剣の刃で討ちなさい。

Deu 20:14
しかし、女、子ども、家畜、また町の中にあるすべてのもの、そのすべての略奪物は戦利品として取ってよい。あなたの神、【主】があなたに与えられた、敵からの略奪物をあなたは自由にすることができる。

Deu 20:15a あなたから非常に遠く離れている町々に対しては、すべてこのようにしなければならない。

    (1)その町が宗主権契約に同意しない場合

      ①その町を包囲し、【主】の助けによって戦う。

      ②その町の男をみな剣の刃で討つ。

      ③すべての略奪物は戦利品となる(女、子ども、家畜、町の中にあるもの)。

      ④女と子どもは、イスラエルの神について学ぶことになる。

    (2)遠く離れている町々

      ①カナンの地の外にある町々に対して、この外交政策を用いる。

      ②アブラハムに約束された広大な地域にある町々(創15:18~21)

  3.15b~18節

Deu 20:15b 次に示す国々の町は違う。

Deu 20:16 あなたの神、【主】が相続地として与えようとしておられる次の民の町々では、息のある者を一人も生かしておいてはならない。

Deu 20:17
すなわち、ヒッタイト人、アモリ人、カナン人、ペリジ人、ヒビ人、エブス人
は、あなたの神、【主】が命じられたとおり必ず聖絶しなければならない。

Deu 20:18
それは、彼らが、その神々に行っていたすべての忌み嫌うべきことをするようにあなたがたに教え、あなたがたが、あなたがたの神、【主】の前に罪ある者とならないようにするためである。

    
(1)カナンの地の内側にある国々の町に関しては、厳しい対応が求められた。

      ①これらの町々は、聖絶の対象である(一人も生かしておいてはならない)。

    (2)カナンの地に住む人々の代表として、6つの民族の名が上げられている。

      ①ヒッタイト人、アモリ人、カナン人、ペリジ人、ヒビ人、エブス人

      ②これは、将来の霊的堕落を防ぐための命令である。

Ⅳ.征服した町の保存(19~20節)

1.19~20節

Deu 20:19
あなたが長い間、ある町を包囲して、これを攻め取ろうとするとき、斧を振るって、そこの木を切り倒してはならない。その木から食べるのはよいが、切り倒してはならない。まさか野の木が、あなたの前から逃げ出して包囲の中に入ってしまう人間でもあるまい。

Deu 20:20
ただ、実を結ばないと分かっている木だけは切り倒してもよい。それを切り倒して、あなたと戦っている町が陥落するまで、その町に対してそれで砦を築いてもよい。

    
(1)古代中近東の習慣では、勝者は征服した町を廃墟に変えた。

      ①イスラエルの民は、そうしてはならない。

      ②なぜなら、カナンの地は、これから彼らが住もうとしている地である。

    (2)そこの木を切り倒してはならない。

      ①その木は実を付ける。

      ②イスラエルの民は、その実を食べることができる。

      ③木が人間のように砦に逃げ込むことはないので、斧で攻撃する必要はない。

    (3)例外は、実を結ばない木である。

      ①食用にならない木は、それを切って、町を攻めるための砦を築いてもよい。

結論:聖戦の規定から学ぶ教訓

1.戦争は、いつまでも続くものではない。

    (1)神の計画のゴールは、恒久的な平和である。

    (2)しかし、そこに至る過程においては、戦争が付随してくる。

    (3)イザ2:4

Isa 2:4
主は国々の間をさばき、/多くの民族に判決を下す。/彼らはその剣を鋤に、/その槍を鎌に打ち直す。/国は国に向かって剣を上げず、/もう戦うことを学ばない。

2.イスラエルの聖戦は、制限付きである。

    (1)敵を破壊することが目的ではない。

    (2)イスラエルは、カナン人の罪を裁くための器として用いられた。

    (3)どの地域にある町かによって、戦略が異なった。

    (4)遠くにある町には、宗主権契約を提示した。

    (5)カナンの地にある町には、厳しく対応した。

3.兵役免除の規定は、人生の目的がなんであるかを教えている。

    (1)イスラエルの聖戦は、カナン人の罪を裁くためのものである。

(2)と同時に、イスラエルの民に安住の地を与えるためのものでもある。

(3)豊かな生活のための3要素

  ①住む家を建てる。

  ②作物を育てる。

③結婚して家族を育てる。

(4)3種類の兵役免除者は、神がこの3要素を重視していることを示している。

    (5)戦時であっても、戦争以上に重要なことがある。

    (6)ここには、神に仕える者が学ぶべき教訓がある。

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