申命記(22)聞け、イスラエルよ 6:1〜25

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祝福を受ける秘訣について学ぶ

申命記22回

「聞け、イスラエルよ」
申6:1~25

 

1.はじめに
(1)申命記の構造(宗主権契約に基づく4つの説教)
①第1の説教:歴史の回顧(1:5~4:43)
②第2の説教:契約に基づく義務(4:44~26:19)
③第3の説教:祝福と呪いの宣言(27:1~29:1)
④第4の説教:契約条項のまとめ(29:2~30:20)

 

(2)第2の説教:契約に基づく義務
①総論:臣下の義務(4:44~5:33)
②全的従順の呼びかけ(6~11章)
③律法の解説と日常生活への適用(12:1~26:15)
④【主】に対する誓約(26:16~19)

 

(3)モーセは、十戒の解説を終えた。
①十戒は、【主】が民に直接語られた戒めである。
②この箇所から、モーセだけが聞いた律法の説明に入る。
③この箇所では、個々人の【主】への従順が強調される。

 

2.メッセージのアウトライン
(1)従順に伴う祝福(6:1~3)
(2)【主】を愛することの重要性(6:4~9)
(3)繁栄した時の注意(6:10~19)
(4)契約の継承(6:20~25)

 

3.結論
(1)家庭教育の重要性
(2)繁栄の落とし穴
祝福を受ける秘訣について学ぶ。
Ⅰ.従順に伴う祝福(6:1~3)
1.1節
これは、あなたがたの神、【主】があなたがたに教えよと命じられた命令、すなわち掟と定めである。あなたがたが渡って行って所有しようとしている地で、それらを行うようにするためである。
(1)掟と定めは、約束の地でそれらを行うために与えられている。
①掟と定めを要約すると、「【主】を愛する」ことに尽きる(申6:5参照)。
②【主】への愛が、律法の要約であり、従順な歩みをする動機である。
③主イエスも、同じことを言われた(ヨハ14:21)
わたしの戒めを保ち、それを守る人は、わたしを愛している人です。わたしを愛している人はわたしの父に愛され、わたしもその人を愛し、わたし自身をその人に現します。」

 

2.2~3節
それは、あなたの一生の間、あなたも、そしてあなたの子も孫も、あなたの神、【主】を恐れて、私が命じるすべての主の掟と命令を守るため、またあなたの日々が長く続くためである。
イスラエルよ、聞いて守り行いなさい。そうすれば、あなたは幸せになり、あなたの父祖の神、【主】があなたに告げられたように、あなたは乳と蜜の流れる地で大いに増えるであろう。
(1)掟と定めが与えられている理由
①【主】を恐れることを学ぶため
②従順な生活を実行するため

 

(2)従順な生活には祝福が伴う。
①「あなたの日々が長く続くためである」(約束の地で長く繁栄する)
②約束の地は、「乳と蜜の流れる地」である。

 

Ⅱ.【主】を愛することの重要性(6:4~9)
1.4節
聞け、イスラエルよ。【主】は私たちの神。【主】は唯一である。
(1)この節は、「シェマ」と呼ばれるユダヤ教の基本的な信仰告白である。
①【主】は、偶像の神々とは区別されるユニークなお方である。
*偶像を礼拝する民は、安心を手に入れることはできない。
*偶像は、気まぐれで道徳的に堕落しているので、信用できない。
*ひとつの神に仕えたとしても、他の神々の怒りを買う恐れがある。
②【主】だけが唯一の神である。
*【主】は信頼できるので、イスラエルは不安から解放された。

 

(2)この節は、三位一体を否定したものではない。
①「神」(エロヒムという複数形)は、三位を暗示していると考えられる。
②「唯一」は、一体を暗示してと考えられる。

 

2.5節
あなたは心を尽くし、いのちを尽くし、力を尽くして、あなたの神、【主】を愛しなさい。
(1)【主】を愛するとは、【主】との親密な関係を選び、律法に従順に歩むこと。
①律法に従順であることが、【主】を愛することである。
②その愛は、全人的な愛、全存在をかけた愛でなければならない。

 

3.6~9節
私が今日あなたに命じるこれらのことばを心にとどめなさい。
これをあなたの子どもたちによく教え込みなさい。あなたが家で座っているときも道を歩くときも、寝るときも起きるときも、これを彼らに語りなさい。
これをしるしとして自分の手に結び付け、記章として額の上に置きなさい。
これをあなたの家の戸口の柱と門に書き記しなさい。
(1)イスラエルの民が行うべきこと
①モーセが語る【主】の戒めを心にとどめる。
②子どもたちによく教え込む。
*生活の全般を通して、子どもたちに教える。
*家庭が最も重要な宗教教育の場となる。
*これは、正式な教育ではなく、日常的な教育である。
③「しるし」「記章」「戸口の柱と門」
*これらは比喩的言葉である。
*正統派のユダヤ人たちは、これを文字通りに解釈する。

 

Ⅲ.繁栄の落とし穴(6:10~19)
1.10~12節
あなたの神、【主】は、あなたの父祖、アブラハム、イサク、ヤコブに誓われた地にあなたを導き入れ、あなたが建てたのではない、大きくてすばらしい町々、
あなたが満たしたのではない、あらゆる良い物で満ちた家々、あなたが掘ったのではない掘り井戸、あなたが植えたのではない、ぶどう畑とオリーブ畑、これらをあなたに与えてくださる。それであなたは、食べて満ち足りるとき、
気をつけて、エジプトの地、奴隷の家からあなたを導き出された【主】を忘れないようにしなさい。
(1)【主】はイスラエルの民に、即席の繁栄を約束された。
①町々、家々、井戸、ぶどう畑とオリーブ畑、食物が与えられる。
②繁栄には危険が伴う。
*恵みを与えてくださる【主】を忘れる恐れがある。

 

2.13~16節
あなたの神、【主】を恐れ、主に仕えなさい。また御名によって誓いなさい。
ほかの神々に、すなわち、あなたがたの周りにいる諸国の民の神々に従って行ってはならない。
あなたのうちにおられるあなたの神、【主】はねたみの神であるから、あなたの神、【主】の怒りがあなたに向かって燃え上がり、主があなたを大地の面から根絶やしにされることのないようにしなさい。
あなたがたがマサで行ったように、あなたがたの神である【主】を試みてはならない。
(1)【主】を恐れ、【主】に仕える。
①このことを御名によって誓う。
②御名による誓いは、誓った人を拘束する。

 

(2)【主】を忘れた場合は、必ず偶像礼拝に走る。
①人には、神を礼拝する能力が与えられている。
②と同時に、人は礼拝することを必要とする存在として創造されている。
③それゆえ、【主】を礼拝しなくなると、偶像を礼拝するようになる。

 

(3)【主】はねたみの神である。
①他人の持ち物を欲するという意味でのねたみは、罪である。
②ご自身の栄光を偶像と分かち合うことはないというのは、善である。

 

(4)さらに、【主】を試みることにも裁きが下る。
①マサでの出来事(出17:1~7)
②苦難に遭っても、【主】を試みてはならない。

 

3.17~19節
あなたがたの神である【主】の命令、主が命じられたさとしと掟を必ず守らなければならない。
【主】の目にかなう良いことをしなさい。そうすれば、あなたは幸せになり、【主】があなたの父祖たちに誓われた、あの良い地を所有することができる。
【主】が告げられたように、敵をことごとくあなたの前から追い払うことができる。
(1)試練の中でも【主】の命令に従順であるなら、【主】の守りが与えられる。
①幸せになることができる。
②先祖たちに誓われた、あの良い地を所有することができる。
③敵をことごとく追い払うことができる。

 

Ⅳ.契約の継承(6:20~25)
1.20~21節
後になって、あなたの息子があなたに尋ねて、「私たちの神である【主】が命じられた、このさとしと掟と定めはどういうことですか」と言うなら、
あなたは自分の息子にこう言いなさい。
(1)親には、契約の内容と価値を子どもたちに教える責任がある。
①日常生活という文脈の中で、それを行う(申6:6~9参照)。
②家庭の中で信仰を論じることは、極めて重要なことである。
③息子が神の律法について、父に質問する。
④父は、あるパターンに基づいて回答する。

 

2.21b~25節
私たちはエジプトでファラオの奴隷であったが、【主】が力強い御手をもって私たちをエジプトから導き出された。
【主】は私たちの目の前で、エジプトに対し、ファラオとその全家族に対して、大きくて害をもたらすしるしと不思議を行い、
私たちをそこから導き出された。それは、私たちの父祖たちに誓われた地に私たちを導き入れ、その地を私たちに与えるためであった。
それで【主】は、私たちがこのすべての掟を行い、自分たちの神である【主】を恐れるように命じられたのである。今日のように、いつまでも私たちが幸せになり、私たちが生かされるためである。
私たちの神、【主】が命じられたように御前でこのすべての命令を守り行うとき、それは私たちの義となるのである。」
(1)私たちは、エジプトで奴隷であった。
①民族の歴史を回顧する。

 

(2)【主】は奇跡的な方法で、私たちをエジプトから導き出された。
①【主】は、エジプト全土とファラオを裁かれた。

 

(3)【主】の御業は、契約に基づくものである。
①【主】は父祖たち(アブラハム、イサク、ヤコブ)と契約を結ばれた。
②【主】は私たちに、約束の地を与えると約束された。

 

(4)【主】は私たちが繁栄するために、掟と定めを与えられた。
①繁栄の秘訣は、【主】の命令に従うことである。

 

結論
1.家庭教育の重要性
(1)親が子どもの教育に対して責任を持つ。
(2)公式の教育ではなく、日常生活を通した教育である。
(3)先ず親自身が、【主】を愛することを学ぶ。(申6:5)
あなたは心を尽くし、いのちを尽くし、力を尽くして、あなたの神、【主】を愛しなさい。
(4)次に、自分が愛している【主】を愛するように、子どもに教える。(申6:25)
私たちの神、【主】が命じられたように御前でこのすべての命令を守り行うとき、それは私たちの義となるのである。」
①これは、「【主】への愛」の継承である。
(ILL)Dr.ピーターズ博士の息子への助言「キリストを愛さずして・・・」

 

2.繁栄の落とし穴
(1)ダビデが最大の罪を犯したのは、成功を手にした時であった(2サム11章)。
年が改まり、王たちが出陣する時期になった。ダビデは、ヨアブと自分の家来たちとイスラエル全軍を送った。彼らはアンモン人を打ち負かし、ラバを包囲した。しかし、ダビデはエルサレムにとどまっていた。

 

(2)箴30:7~9(アグルのことば)
二つのことをあなたにお願いします。
私が死なないうちに、それをかなえてください。
むなしいことと偽りのことばを、
私から遠ざけてください。
貧しさも富も私に与えず、
ただ、私に定められた分の食物で、
私を養ってください。
私が満腹してあなたを否み、
「【主】とはだれだ」と言わないように。
また、私が貧しくなって盗みをし、
私の神の御名を汚すことのないように。

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