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ガラテヤ人への手紙(16)聖霊がもたらす人格的変化とは
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御霊の実について学ぶ。
ガラテヤ16回
「聖霊がもたらす人格的変化とは何か」
ガラ5:22~26
1.はじめに
(1)ガラテヤ人への手紙の位置づけ
①ガラテヤ地方の諸教会は、律法主義者の教えの影響を受けた。
②パウロは、律法主義者の教えに反論する必要を感じ、この書簡を書いた。
(2)ガラテヤ人への手紙のアウトライン
①個人的弁明:パウロの使徒職(1:1~2:21)
②教理的教え:信仰義認(3:1~4:31)
③実践的教え:キリスト者の自由(5:1~6:18)
(3)文脈の確認
①5章の内容
*律法主義の弊害(1~6節)
*自由の用い方(7~15節)
*罪に対する勝利(16~21節)
*御霊の実(22~26節)
②今回は、御霊の実(22~26節)を取り上げる。
③肉のわざと御霊の実が対比されている(ガラ5:19~21)
Gal 5:19 肉のわざは明らかです。すなわち、淫らな行い、汚れ、好色、
Gal 5:20 偶像礼拝、魔術、敵意、争い、そねみ、憤り、党派心、分裂、分派、
Gal 5:21 ねたみ、泥酔、遊興、そういった類のものです。以前にも言ったように、今もあなたがたにあらかじめ言っておきます。このようなことをしている者たちは神の国を相続できません。
2.メッセージのアウトライン
(1)御霊の実(22~23節)
(2)御霊による歩み(24~26節)
3.結論
(1)賜物としての聖霊
(2)御霊の賜物
(3)御霊の実
御霊の実について学ぶ。
Ⅰ.御霊の実( 22 ~ 23 節)
はじめに
(1)御霊の実は、人間が作り出すものではない。
①ガラ5:17
Gal 5:17 肉が望むことは御霊に逆らい、御霊が望むことは肉に逆らうからです。この二つは互いに対立しているので、あなたがたは願っていることができなくなります。
②肉の働きと御霊の働きは、対立する。
③御霊の実は、聖霊が信者の内に作り出すものである。
④実(カルポス)は、単数形である。
⑤御霊の実は、さまざまな資質を持った結合体(統一体)である。
⑥ここでは、9つの資質がリストアップされる。
*3×3
1.最初の3つの資質(習慣的な心の在り方)(22節a)
Gal 5:22a しかし、御霊の実は、愛、喜び、平安、
(1)愛(アガペ)
①最初に「愛」が出て来るのは、他の特徴を統合する土台となるからである。
②神は愛である。
③ヨハ3:16
Joh 3:16 神は、実に、そのひとり子をお与えになったほどに世を愛された。それは御子を信じる者が、一人として滅びることなく、永遠のいのちを持つためである。
④1ヨハ4:8
1Jn 4:8 愛のない者は神を知りません。/神は愛だからです。
⑤聖霊に支配された人の内に生れる愛は、このような自己犠牲の愛である。
(2)喜び(カラ)
①これは、心の深い所に継続して存在する喜びである。
②これは、状況に左右されない喜びである。
③ヨハ15:11
Joh 15:11 わたしの喜びがあなたがたのうちにあり、あなたがたが喜びで満ちあふれるようになるために、わたしはこれらのことをあなたがたに話しました。
(3)平安(エイレイネイ)
①試練の中でも動じることのない心の安定と静寂のことである。
②これは、人知を超えた静寂である。
③ピリ4:7
Php 4:7 そうすれば、すべての理解を超えた神の平安が、あなたがたの心と思いをキリスト・イエスにあって守ってくれます。
2.次の3つの資質(隣人に向かって示される行為)(22節b)
①愛、喜び、平安から生まれて来る資質である。
Gal 5:22b 寛容、親切、善意、
(1)寛容(マクロスミア)
①これは、挑発に対する忍耐心、辛抱強さである。
②傷つけられても、復讐心を抱かないことである。
③コロ1:11
Col 1:11 神の栄光の支配により、あらゆる力をもって強くされ、どんなことにも忍耐し、寛容でいられますように。
(2)親切(クレストテイス)
①神が罪人に示される好意的な御業である。
②隣人に対して好意を示すことである。
③ロマ2:4(いつくしみ)
Rom 2:4 それとも、神のいつくしみ深さがあなたを悔い改めに導くことも知らないで、その豊かないつくしみと忍耐と寛容を軽んじているのですか。
(3)善意(アガソスネイ)
①心がまっすぐな状態のことであり、隣人に対する行為でもある。
②相手が善意を受けるに値しないときでも、手を差し伸ばすことである。
3.最後の3つの資質(御霊に導かれた信者の一般的な行為)(22c~23節a)
Gal 5:22c 誠実、
Gal 5:23a 柔和、自制です。
(1)誠実(ピスティス)
①他者から信頼されるという資質である。
②ルカ16:10(忠実)
Luk 16:10 最も小さなことに忠実な人は、大きなことにも忠実であり、最も小さなことに不忠実な人は、大きなことにも不忠実です。
(2)柔和(プラオテイス)
①神のことばに対して忠実であること。
②過ちに陥っている人を、優しく正すこと。
③ガラ6:1
Gal 6:1 兄弟たち。もしだれかが何かの過ちに陥っていることが分かったなら、御霊の人であるあなたがたは、柔和な心でその人を正してあげなさい。また、自分自身も誘惑に陥らないように気をつけなさい。
(3)自制(エンクラテイア)
①肉の願いを制御する力である。
②これは、聖霊の力によってしか得られない資質である。
③1コリ9:25
1Co 9:25 競技をする人は、あらゆることについて節制します。彼らは朽ちる冠を受けるためにそうするのですが、私たちは朽ちない冠を受けるためにそうするのです。
まとめ
Gal 5:23b このようなものに反対する律法はありません。
(1)ここでパウロは、持って回った言い方をしている。
①御霊の実の素晴らしさを強調するためである。
②律法は、御霊の実の資質を持った信者を有罪にすることができない。
Ⅱ.御霊による歩み( 24 ~ 26 節)
1.24節
Gal 5:24 キリスト・イエスにつく者は、自分の肉を、情欲や欲望とともに十字架につけたのです。
(1)キリスト・イエスにつく者
①信仰によって、キリスト・イエスのものとなった人
②信仰によって、キリスト・イエスと一体化した人
(2)その人は、肉の性質に支配される必要はない。
①自分の肉を、情欲や欲望とともに十字架につけた。
②これは自力で行ったことではない。
③イエスを信じた時に、その人はイエスと一体化した(聖霊のバプテスマ)。
④これは、100%聖霊の御業である。
⑤信者は、「イエスの死と復活」と一体化した。
⑥ガラ2:19~20
Gal 2:19 しかし私は、神に生きるために、律法によって律法に死にました。私はキリストとともに十字架につけられました。
Gal 2:20 もはや私が生きているのではなく、キリストが私のうちに生きておられるのです。今私が肉において生きているいのちは、私を愛し、私のためにご自分を与えてくださった、神の御子に対する信仰によるのです。
(3)しかし、罪の性質が完全に取り除けられたわけではない。
①信者には、罪の性質に勝利する方法が与えられた。
*自分が罪に対して死に、神に対して生きる者となったことを認める。
*聖霊に依り頼む生活を継続する。
2.25~26節
Gal 5:25 私たちは、御霊によって生きているのなら、御霊によって進もうではありませんか。
Gal 5:26 うぬぼれて、互いに挑み合ったり、ねたみ合ったりしないようにしましょう。
(1)信者は、聖霊によって新生体験をした。
①それゆえ、日々、聖霊によって進むべきである。
②信者の歩みは、聖霊の導きと励ましに従ったものになるべきである。
(2)そうでないなら、肉の性質が働き始める(ガラ5:19~21参照)。
①うぬぼれ、挑み合い、妬み合い
②律法主義者の影響を受けたガラテヤの諸教会は、分裂状態に陥っていた。
結論
1 .賜物としての聖霊
( 1 )使 2 : 38
Act 2:38 そこで、ペテロは彼らに言った。「それぞれ罪を赦していただくために、悔い改めて、イエス・キリストの名によってバプテスマを受けなさい。そうすれば、賜物として聖霊を受けます。
( 2 )これは、聖霊の内住の約束である。
①すべての信者の内には、聖霊が住んでおられる。
2 .御霊の賜物
( 1 )神が教会を建て上げるために与えた賜物である。
①コリント教会には、御霊の賜物の誤用があった。
( 2 ) 1 コリ 12 ~ 14 章
① 12 章は、御霊の賜物の性質と目的を描写している。
② 13 章は、愛の優越性を教えている。
③ 14 章は、愛による御霊の賜物の行使について教えている。
( 3 )御霊の賜物は、いつか不要になる。
3 .御霊の実
( 1 )聖霊は、信者の内にキリストのすがたを形作られる。
( 2 )御霊の実とは、キリストのすがたのことである。
( 3 ) 2 コリ 3 : 18
2Co 3:18 私たちはみな、覆いを取り除かれた顔に、鏡のように主の栄光を映しつつ、栄光から栄光へと、主と同じかたちに姿を変えられていきます。これはまさに、御霊なる主の働きによるのです。
( 4 )ヨハ 15 : 5
Joh 15:5 わたしはぶどうの木、あなたがたは枝です。人がわたしにとどまり、わたしもその人にとどまっているなら、その人は多くの実を結びます。わたしを離れては、あなたがたは何もすることができないのです。
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