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ガラテヤ人への手紙(15)「罪に打ち勝つ秘訣は何か」
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罪に対する勝利について学ぶ。
ガラテヤ15回
「罪に打ち勝つ秘訣は何か」
ガラ5:16~21
1.はじめに
(1)ガラテヤ人への手紙の位置づけ
①ガラテヤ地方の諸教会は、律法主義者の教えの影響を受けた。
②パウロは、律法主義者の教えに反論する必要を感じ、この書簡を書いた。
(2)ガラテヤ人への手紙のアウトライン
①個人的弁明:パウロの使徒職(1:1~2:21)
②教理的教え:信仰義認(3:1~4:31)
③実践的教え:キリスト者の自由(5:1~6:18)
(3)文脈の確認
①5章の内容
*律法主義の弊害(1~6節)
*自由の用い方(7~15節)
*罪に対する勝利(16~21節)
*御霊の実(22~26節)
②今回は、罪に対する勝利(16~21節)を取り上げる。
2.メッセージのアウトライン
(1)2つの性質(16~18節)
(2)肉のわざ(19~21節)
3.結論:クリスチャン生活のチェックポイント
罪に対する勝利について学ぶ。
Ⅰ. 2 つの性質( 16 ~ 18 節)
1.16節
Gal 5:16 私は言います。御霊によって歩みなさい。そうすれば、肉の欲望を満たすことは決してありません。
(1)ガラ5:15の再確認
Gal 5:15 気をつけなさい。互いに、かみつき合ったり、食い合ったりしているなら、互いの間で滅ぼされてしまいます。
①信者同士の争いを解決する唯一の方法は、御霊による歩みである。
(2)「私は言います」
①パウロは、使徒の権威を用いて、ガラテヤ人たちに命令している。
②これは、神が命令しているのと同じである。
(3)「歩みなさい」
①ギリシア語の「ペリパテオウ」という動詞が用いられている。
②この動詞は、現在形の命令法になっている。
③意訳すると、「御霊によって歩み続けなさい」となる。
④「御霊により頼む習慣を身に付けなさい」という訳も可能である。
⑤「歩む」とは「習慣的行動」を示す比喩的言葉である。
⑥習慣が身につくためには、時間がかかる。
(ILL)模様替えをした後、それに馴染むのに時間がかかる。
(4)「御霊によって」
①信者には、内住の聖霊が与えられている。
②しかし、聖霊が自動的に働きを開始するわけではない。
③信者が依り頼むまでは、聖霊は働きを開始しない。
④それゆえ、静まって聖霊の導きを求める必要がある。
⑤聖霊とのコミュニケーションラインを常に維持することを心がける。
(ILL)調子の悪い掃除機
(5)「そうすれば、肉の欲望を満たすことは決してありません」
①信者になってからも、罪の性質は内に宿っている。
②しかし、信者は肉の性質に従う必要はない。
③「肉の欲望を満たす」とは、単に肉欲を満たすことではない。
*これは、罪の性質を満足させることである。
④聖霊の導きにより頼む人は、罪の性質を外側の行為に出すことがなくなる。
⑤なぜなら、聖霊の支配と肉の性質の支配が並存することはないからである。
⑥ギリシア語では、「ウーメイ」という二重否定となっている。
*強意の否定なので、「決してありません」という訳は正確である。
2.17節
Gal 5:17 肉が望むことは御霊に逆らい、御霊が望むことは肉に逆らうからです。この二つは互いに対立しているので、あなたがたは願っていることができなくなります。
(1)信者には、相対立する2つの性質がある。
①ひとつは、両親を経由して受け継いだアダムの性質である。
*「肉」は、古い性質の擬人法である。
②もうひとつは、イエス・キリストを信じて新生した時に受けた新しい性質。
*これは、神の性質とも言われる(2ペテ1:4)。
2Pe 1:4 その栄光と栄誉を通して、尊く大いなる約束が私たちに与えられています。それは、その約束によってあなたがたが、欲望がもたらすこの世の腐敗を免れ、神のご性質にあずかる者となるためです。
(2)2つの性質には、それぞれ欲するものがある。
①古い性質は、悪を追求する。
*古い性質とは、言い換えれば、罪に仕える能力のことである。
②新しい性質は、聖なるものを追求する。
*新しい性質とは、言い換えれば、神と義に仕える能力のことである。
③この2つの性質は、常に対立し、相容れないものである。
④なぜ神は、新生した時に古い性質を取り除かれないのか。
*それは、信者に霊的教訓を学ばせるためである。
*自分が常に聖霊により頼む必要のある存在であることを学ぶため。
*イエス・キリストを通して父なる神をほめたたえることを学ぶため。
*古い性質の最終的な処理は、栄化の時に行われる。
⑤信者の魂の所有権を巡って、キリストと悪魔が争っている。
(3)「この二つは互いに対立しているので、あなたがたは願っていることができ
なくなります」
①ガラ5:17(新共同訳)
Gal 5:17 肉の望むところは、霊に反し、霊の望むところは、肉に反するからです。肉と霊とが対立し合っているので、あなたがたは、自分のしたいと思うことができないのです。
②善を行おうとしても、それができない。
③それができるようになるためには、聖霊により頼まなければならない。
3.18節
Gal 5:18 御霊によって導かれているなら、あなたがたは律法の下にはいません。
(1)2つの力(聖霊の導きと肉の欲望)のどちらが勝つかで、結果が違ってくる。
①聖霊の導きが勝つなら、その人は自由人であり、律法の下にはいない。
②「律法の下にはいない」=「肉の欲求に支配されていない」
*律法主義に惹かれていくのは、肉の欲求が原因である。
③聖化は、聖霊の働きによって進展する。
(2)これ以降、「肉のわざ」と「御霊の実」の対比が行われる。
①肉のわざ(19~21節)
②御霊の実(22~26節)
Ⅱ.肉のわざ( 19 ~ 21 節)
1.19節a
Gal 5:19a 肉のわざは明らかです。
(1)「肉のわざは明らかです」
①肉のわざとは、内にある肉の性質が行為となって現れたものである。
②ここでは、15種類の肉のわざがリストアップされている。
2.19b~21節a
Gal 5:19b すなわち、淫らな行い、汚れ、好色、
Gal 5:20 偶像礼拝、魔術、敵意、争い、そねみ、憤り、党派心、分裂、分派、
Gal 5:21a ねたみ、泥酔、遊興、そういった類のものです。
(1)このリストは、4つに区分して考えると分かりやすい。
①性的罪
②宗教的罪
③社会的罪
④飲酒に関する罪
(2)性的罪(3つ)
①淫らな行い
*ギリシア語で「ポルネイア」、英語で「fornication」。
*ポルノグラフィーの語源
*不適切な性的関係の総称
②汚れ
*ギリシア語で「アカサーシア」、英語で「impurity」。
*思索、言葉、行いにおける道徳的汚れの総称
③好色
*ギリシア語で「アセルゲイア」、英語で「debauchery」。
*外に現れた恥知らずの罪。放蕩。
(3)宗教的罪(2つ)
④偶像礼拝
*偶像を神として、その前にひれ伏す行為
*性的罪と深い関係がある。
⑤魔術
*ギリシア語で「ファーマケイア」、英語で「witchcraft」。
*「ファーマシー」の語源。薬局、薬学。
*酩酊状態を作り出すために、ドラッグが使用された。
*患難期には、魔術が広がる(黙9:21、18:23)。
(4)社会的罪(8つ)
⑥敵意
⑦争い
⑧そねみ
⑨憤り
⑩党派心
⑪分裂
⑫分派
⑬ねたみ
(5)飲酒に関する罪(2つ)
⑭泥酔
⑮遊興
(6)「そういった類のものです」
①このリストは、例示的なものであることを示している。
3.21節b
Gal 5:21b 以前にも言ったように、今もあなたがたにあらかじめ言っておきます。このようなことをしている者たちは神の国を相続できません。
(1)パウロは、ガラテヤ人たちの所にいた時に、このことを明確に教えていた。
①このような罪のレベルに留まり続けている者は、神の国を相続できない。
②これは、信者でも救いを失う可能性があるという意味ではない。
③習慣的に罪の中を歩んでいるのは、まだ神の子になっていない証拠である。
④パウロの警告は、自分が救われているかどうかの自己吟味を迫る。
結論:クリスチャン生活のチェックポイント
( ILL )フォローアップの重要性(鮭を獲って帰る熊の話し)
1 .自分の内に 2 つの性質が宿っているだろうか。
( 1 )内的葛藤を感じないなら、新しい性質が宿っていない可能性がある。
( 2 )新生していないなら、聖霊の内住はない。
( 3 )そういう人は、福音に耳を傾け、恵みと信仰によって救われる必要がある。
2 .聖霊とのコミュニケーションラインを保っているだろうか。
( 1 )日々のデボーションを通して、聖霊の声を聞く必要がある。
( 2 )瞬間瞬間、聖霊とのつながりを維持する必要がある。
3 .聖霊により頼み、聖霊に道を譲っているだろうか。
( 1 )聖霊を利用するのではなく、聖霊に主導権を明け渡す必要がある。
( 2 )その結果、聖い選びをすることができるようになる。
4 .キリストの栄光が表われることを心から願っているだろうか。
( 1 )聖霊の働きのゴールは、キリストの栄光を表わすことである。
( 2 )ピリ 1 : 20
Php 1:20 私の願いは、どんな場合にも恥じることなく、今もいつものように大胆に語り、生きるにしても死ぬにしても、私の身によってキリストがあがめられることです。
( 3 ) 2 テサ 1 : 12
2Th 1:12 それは、私たちの神であり主であるイエス・キリストの恵みによって、私たちの主イエスの名があなたがたの間であがめられ、あなたがたも主にあって栄光を受けるためです。
( 4 )黙 5 : 8 ~ 10
Rev 5:8 巻物を受け取ったとき、四つの生き物と二十四人の長老たちは子羊の前にひれ伏した。彼らはそれぞれ、竪琴と、香に満ちた金の鉢を持っていた。香は聖徒たちの祈りであった。
Rev 5:9
彼らは新しい歌を歌った。
「あなたは、巻物を受け取り、
封印を解くのにふさわしい方です。
あなたは屠られて、
すべての部族、言語、民族、国民の中から、
あなたの血によって人々を神のために贖い、
Rev 5:10 私たちの神のために、彼らを王国とし、
祭司とされました。
彼らは地を治めるのです。」
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