ガラテヤ人への手紙(14)クリスチャンは何をしてもいいのか

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律法主義の弊害について学ぶ。

ガラテヤ14回
「クリスチャンは何をしてもいいのか」
ガラ5:7~15

 

1.はじめに
(1)ガラテヤ人への手紙の位置づけ
①ガラテヤ地方の諸教会は、律法主義者の教えの影響を受けた。
②パウロは、律法主義者の教えに反論する必要を感じ、この書簡を書いた。

 

(2)ガラテヤ人への手紙のアウトライン
①個人的弁明:パウロの使徒職(1:1~2:21)
②教理的教え:信仰義認(3:1~4:31)
③実践的教え:キリスト者の自由(5:1~6:18)

 

(3)文脈の確認
①5章の内容
*律法主義の弊害(1~6節)
*自由の用い方(7~15節)
*罪に対する勝利(16~21節)
*御霊の実(22~26節)
②今回は、自由の用い方(7~15節)を取り上げる。

 

2.メッセージのアウトライン
(1)わずかなパン種(7~10節)
(2)十字架のつまずき(11~12節)
(3)キリスト者の自由(13~15節)

 

3.結論
(1)十字架のつまずき(ガラ5:11)
(2)キリスト者の自由(ガラ5:13)

 

律法主義の弊害について学ぶ。
Ⅰ.わずかなパン種(7~10節)
1.7~8節
Gal 5:7 あなたがたはよく走っていたのに、だれがあなたがたの邪魔をして、真理に従わないようにさせたのですか。
Gal 5:8 そのような説得は、あなたがたを召された方から出たものではありません。
(1)信仰生活がレース(競技)にたとえられている。
①パウロは、好んでこのたとえを用いている。
*1コリ9:24~26
*2テモ4:7
2Ti 4:7 私は勇敢に戦い抜き、走るべき道のりを走り終え、信仰を守り通しました。

 

(2)ガラテヤ人たちは、よいスタートを切った。
①しかし、このレースに誰かが割り込んで来た。
②「誰」は単数形である。律法主義者のリーダーが想定されているのであろう。
③彼は、信者たちの走りを妨害した。
④コースから逸れるように妨害した(真理から逸脱するように仕向けた)。

 

(ILL)2004年アテネオリンピックの男子マラソン選手デ・リマ(ブラジル)
①36km地点までトップを走っていた。
②突如沿道から乱入したニール・ホランに抱きつかれ、歩道に押し出された。
③約10秒間のロスタイムが生じ、その直後からペースを崩してしまった。
④結局3位でゴールインし、銅メダルを獲得した。
⑤レースを妨害したホランは、逮捕された。
⑥国際オリンピック委員会から、ピエール・ド・クーベルタン・メダル(クー
ベルタン男爵の名をつけた特別メダル)が、デ・リマに贈呈された。

(3)律法主義者の教えは、彼らを召された方から出たものではない。
①「そのような説得は、」(新改訳2017)
②「このような誘いは、」(新共同訳)
③「そのような勧誘は、」(口語訳)
④「かかる勧めは」(文語訳)

(4)ガラ1:6の再確認
Gal 1:6 私は驚いています。あなたがたが、キリストの恵みによって自分たちを召してくださった方から、このように急に離れて、ほかの福音に移って行くことに。
①神は、恵みによって、彼らを恵みへと導いてくださった。
②それゆえ、律法主義者たちの教えは、神からのものではない。
③その教えを受け入れるなら、ほかの福音に移っていくことになる。

 

2.9節
Gal 5:9 わずかなパン種が、こねた粉全体をふくらませるのです。
(1)これは、格言を使った警告である。
①パン種は、間違った教えの象徴として用いられる。
②1コリ5:6
1Co 5:6 あなたがたが誇っているのは、良くないことです。わずかなパン種が、こねた粉全体をふくらませることを、あなたがたは知らないのですか。

 

(2)ここでは、2つの意味が考えられる。
①律法主義を受け入れる信者は少数であっても、群れ全体に影響を及ぼす。
②教理的逸脱は小さなものであっても、福音そのものを破壊する。

 

3.10節
Gal 5:10 あなたがたが別の考えを持つことは決してないと、私は主にあって確信しています。しかし、あなたがたを動揺させる者は、だれであろうと、さばきを受けます。
(1)パウロは、ガラテヤ人たちの判断力に信頼を置いている。
①パウロは、彼らが福音以外のものを信じることはないと確信している。
②これは、良き羊飼いは羊たちを守ってくださるという確信の表明である。
(2)律法主義者のリーダーは、さばきを受ける。
①誤った教えによって教会全体に悪影響を及ぼすのは、重大な罪である。
②1コリ3:17
1Co 3:17 もし、だれかが神の宮を壊すなら、神がその人を滅ぼされます。神の宮は聖なるものだからです。あなたがたは、その宮です。

 

Ⅱ.十字架のつまずき(11~12節)
1.11節
Gal 5:11 兄弟たち。もし私が今でも割礼を宣べ伝えているなら、どうして今なお迫害を受けているのですか。それを宣べ伝えているなら、十字架のつまずきはなくなっているはずです。
(1)かつてのパウロはパリサイ派に属し、割礼を教えていた。
①今もパウロは、割礼を教えていうという噂が広まっていたのであろう。
②しかし、今はそうではない。
③迫害を受けているという事実が、その証拠である。

 

(2)パウロは、今なお迫害を受けている理由を説明する。
①割礼の代わりに、恵みと信仰による救いを宣べ伝えるようになった。
②十字架による救いは、ユダヤ人たちにとっては「つまずき」である。
③パウロの福音は、ユダヤ人たちにとっては依然として「つまづき」である。

 

2.12節
Gal 5:12 あなたがたをかき乱す者たちは、いっそのこと切除してしまえばよいのです。
(1)パウロは、律法主義者たちに対して厳しい叱責の言葉を語っている。
①新共同訳が参考になる。
Gal 5:12 あなたがたをかき乱す者たちは、いっそのこと自ら去勢してしまえばよい。
②「割礼を重視する者たちは、いっそのこと器官全部を切除したらよい」
③これは、ユダヤ的皮肉である。
*パウロは、婉曲に「切除」と言っており、「去勢」とは言っていない。
④ユダヤ人にとっては、去勢は忌むべきことである。
*申23:1

 

Ⅲ.キリスト者の自由(13~15節)
1.13節
Gal 5:13 兄弟たち。あなたがたは自由を与えられるために召されたのです。ただ、その自由を肉の働く機会としないで、愛をもって互いに仕え合いなさい。
(1)ガラ5:1の再確認
Gal 5:1 キリストは、自由を得させるために私たちを解放してくださいました。ですから、あなたがたは堅く立って、再び奴隷のくびきを負わされないようにしなさい。
①信者は、キリストによって自由な者とされた。
②それゆえ、奴隷のくびきを負わされないように注意する必要がある。

 

(2)さらに、その自由をどういう目的で用いるかについて、熟慮する必要がある。
①「肉の働く機会としないで、」
*古い性質に従った放縦な生活をしてはならない。
*この自由は、何をしても許されるという自由ではない。
②「愛をもって互いに仕え合いなさい」
*自由のゴールは、愛である。
*「仕える」は、ギリシア語の「デューレウオウ」という動詞である。
*信者の愛は、互いに対して奴隷となることによって表現される。
*私たちは、奴隷から自由人とされた。
*それゆえ、愛によって互いの奴隷となるのである。

 

2.14~15節
Gal 5:14 律法全体は、「あなたの隣人を自分自身のように愛しなさい」という一つのことばで全うされるのです。
Gal 5:15 気をつけなさい。互いに、かみつき合ったり、食い合ったりしているなら、互いの間で滅ぼされてしまいます。
(1)愛の行為は、律法全体を全うする。
①パウロは、レビ19:18を引用している。
②クリスチャンの愛は、律法全体を全うする。

 

(2)ガラテヤの教会には分裂があった。
①福音に留まる信者と、律法主義者の影響を受ける信者がいた。
②彼らは、相手を非難し合っていた。
*カニバリズム(共食い)という用語が、この争いの醜さを表現している。
③この状態は、互いに対する愛の実践とは遠くかけ離れていた。
④この状態が続けば、未信者に対する信者や教会の証しが、破壊されてしまう。

 

結論:
1.十字架のつまずき(ガラ5:11)
Gal 5:11 兄弟たち。もし私が今でも割礼を宣べ伝えているなら、どうして今なお迫害を受けているのですか。それを宣べ伝えているなら、十字架のつまずきはなくなっているはずです。
(1)十字架は、ユダヤ人にとっては「つまずき」である。
①1コリ1:23~24
1Co 1:23 しかし、私たちは十字架につけられたキリストを宣べ伝えます。ユダヤ人にとってはつまずき、異邦人にとっては愚かなことですが、
1Co 1:24 ユダヤ人であってもギリシア人であっても、召された者たちにとっては、神の力、神の知恵であるキリストです。
②ガラ3:13
Gal 3:13 キリストは、ご自分が私たちのためにのろわれた者となることで、私たちを律法ののろいから贖い出してくださいました。「木にかけられた者はみな、のろわれている」と書いてあるからです。
*申21:23の引用
③ユダヤ人たちは、勝利者としてのメシアを求めていた。
(2)十字架は、異邦人にとっても「つまずき」である。
①福音を受け入れるためには、自らの無力を認める必要がある。
②人間的な努力によって、救いが得られるわけではない。
③また、人間の業が救いに貢献するわけでもない。
④これは、人間の自尊心に対する挑戦である。

 

2.自由の目的(ガラ5:14)
Gal 5:14 律法全体は、「あなたの隣人を自分自身のように愛しなさい」という一つのことばで全うされるのです。
(1)レビ19:18の引用
①主イエスもこの聖句を引用された。
②マタ22:39
Mat 22:39 『あなたの隣人を自分自身のように愛しなさい』という第二の戒めも、それと同じように重要です。

 

(2)クリスチャンの愛は、律法が成就したものである。
①ロマ13:8
Rom 13:8 だれに対しても、何の借りもあってはいけません。ただし、互いに愛し合うことは別です。他の人を愛する者は、律法の要求を満たしているのです。

 

(3)イエス・キリストによる信者の一致を求める祈り。
①ヨハ17:21
Joh 17:21 父よ。あなたがわたしのうちにおられ、わたしがあなたのうちにいるように、すべての人を一つにしてください。彼らもわたしたちのうちにいるようにしてください。あなたがわたしを遣わされたことを、世が信じるようになるためです。
②これは、エキュメニカル(教会一致)運動が好んで引用する聖句である。
③しかし、ヨハ17:19には、「真理による聖別」の祈りが出て来る。
④イエスのこの祈りは、聖霊が降臨したペンテコステの日に成就した。
*新生した信者は、同じ一つのからだに連なった。
⑤パウロは、真理において妥協した一致を勧めているのではない。
⑥パウロは、福音の真理に立った信者の一致を勧めている。

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