使徒の働き(87)―パウロ殺害の陰謀―

  • 2019.12.23
  • 使徒の働き 23章12~30節
  • スピーカー 中川健一
  • 東京定例会
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「パウロ殺害の陰謀」
使徒23:12~30

 

1.はじめに
(1)文脈の確認
①千人隊長は、なぜパウロが騒動の原因になっているのかを知ろうとした。
②そこで彼は、議会を招集し、パウロの主張を吟味させた。
③パウロは、死者の復活を取り上げ、サドカイ人とパリサイ人を対立させた。
④千人隊長は、パウロを議会から力ずくで引き出した。
⑤その夜、パウロは主の幻を見た。

 

(2)アウトライン
①パウロ殺害の陰謀(12~15節)
②陰謀の発覚(16~21節)
③千人隊長の対応(22~24節)
④総督への手紙(25~30節)

 

結論: 神の守りの御手

 

神の守りの御手について学ぶ。
Ⅰ.パウロ殺害の陰謀(12~15節)
1.12~13節
Act 23:12 夜が明けると、ユダヤ人たちは徒党を組み、パウロを殺してしまうまでは飲み食いしないと誓い合った。
Act 23:13 この陰謀に加わった者は、四十人以上であった。
(1)翌朝、ユダヤ人たちは、パウロ殺害の陰謀を企てた。
①40人以上がこの陰謀に荷担した。
②律法に違反した者を、裁判を経ずに罰することは、珍しくなかった。
③ヨハ16:2
Joh 16:2
人々はあなたがたを会堂から追放するでしょう。事実、あなたがたを殺す者がみな、そうすることで自分は神に奉仕しているのだと思う時が来ます。

 

(2)彼らは、自らを厳粛な誓約の下に置いた(ギリシア語の「アナテマティゾウ」)。
①「誓い合った」(新改訳)
②「呪いをかけて誓った」(新改訳2017)
③「誓いを立てた」(新共同訳)
④「誓い合った」(口語訳)

 

(3)彼らは、誓約を破ったら呪われてもよいという誓約をしたのである。
①ペテロの誓い(マタ26:74)
Mat 26:74 すると彼は、「そんな人は知らない」と言って、のろいをかけて誓い始めた。するとすぐに、鶏が鳴いた。

 

(4)この陰謀が失敗したらどうなるのか。
①贖いのいけにえを神殿で捧げれば、誓約から解かれる。
②状況が変化した場合は、誓約から解かれる。
③間違った情報に基づいて誓約した場合は、誓約から解かれる。
④一時的な感情に基づいて誓約した場合は、誓約から解かれる。

 

2.14~15節
Act 23:14 彼らは、祭司長たち、長老たちのところに行って、こう言った。「私たちは、パウロを殺すまでは何も食べない、と堅く誓い合いました。
Act 23:15
そこで、今あなたがたは議会と組んで、パウロのことをもっと詳しく調べるふりをして、彼をあなたがたのところに連れて来るように千人隊長に願い出てください。私たちのほうでは、彼がそこに近づく前に殺す手はずにしています。」
(1)彼らは、指導者たち(祭司長たち、長老たち)のところに行った。
①そして、呪いをかけた誓いを立てたと告げた。

 

(2)彼らは、サンヘドリンを陰謀に巻き込もうとした。
①アントニア要塞で保護されている限り、パウロを襲う方法はない。
②神殿内の部屋で議会を開き、パウロをもっと詳しく調べるふりをする。
③千人隊長に、パウロをアントニア要塞から神殿に連れて来るように頼む。
④移動距離はほんのわずかであるが、途中で待ち伏せして、パウロを殺す。

 

(3)彼らは、ローマ兵(護衛兵)たちとの衝突を予期していた。
①自分たちも、そのほとんどが殺されるであろうことを、覚悟していた。
②それほどに、パウロ殺害に情熱を燃やしていた。

 

Ⅱ.陰謀の発覚(16~21節)
1.16~17節
Act 23:16 ところが、パウロの姉妹の子が、この待ち伏せのことを耳にし、兵営に入ってパウロにそれを知らせた。
Act 23:17
そこでパウロは、百人隊長のひとりを呼んで、「この青年を千人隊長のところに連れて行ってください。お伝えすることがありますから」と言った。
(1)パウロの家族(親戚)への言及は、新約聖書ではここだけである。
①パウロの姉妹の子(パウロの甥)が、パウロに対する陰謀があることを聞いた。
②どのようにして知ったのかは分からない。考えられる可能性はいくつかある。
*熱心党の一員だったので、知った。
*陰謀について話し合われているのを、偶然耳にした。
*家族の政治的人脈を通して知った。

 

(2)彼は、待ち伏せのことをパウロに知らせた。
①パウロはローマ市民なので、丁重な扱いを受けていた。
②家族や親戚を、アントニア要塞に迎えることができた。
③さらに、百人隊長に助けを依頼することもできた。

 

2.18~19節
Act 23:18
百人隊長は、彼を連れて千人隊長のもとに行き、「囚人のパウロが私を呼んで、この青年があなたにお話しすることがあるので、あなたのところに連れて行くようにと頼みました」と言った。
Act 23:19 千人隊長は彼の手を取り、だれもいない所に連れて行って、「私に伝えたいことというのは何か」と尋ねた。
(1)百人隊長は、パウロの甥を千人隊長のところに連れて行った。
①千人隊長は、誰もいない所にパウロの甥を連れて行き、話を聞いた。
②できる限り、パウロに優しくしようとしている。

 

(2)この甥は、何歳くらいなのか。
①青年は、ギリシア語の「ネアニアス」である。
②通常は、20代、30代の男性を指すが、それよりも若い場合もある。
③千人隊長は、彼の手を取っている。彼は、まだ子どもである。

 

3.20~21節
Act 23:20
すると彼はこう言った。「ユダヤ人たちは、パウロについてもっと詳しく調べようとしているかに見せかけて、あす、議会にパウロを連れて来てくださるように、あなたにお願いすることを申し合わせました。

 

Act 23:21
どうか、彼らの願いを聞き入れないでください。四十人以上の者が、パウロを殺すまでは飲み食いしない、と誓い合って、彼を待ち伏せしているのです。今、彼らは手はずを整えて、あなたの承諾を待っています。」
(1)この子は、ユダヤ人たちの陰謀を詳しく告げた。
①また、彼らの願いを聞き入れないで欲しいと懇願した。

 

Ⅲ.千人隊長の対応(22~24節)
1.22節
Act 23:22 そこで千人隊長は、「このことを私に知らせたことは、だれにも漏らすな」と命じて、その青年を帰らせた。
(1)千人隊長は、この面会について誰にも話さないように命じ、この子を帰らせた。
①千人隊長は、すぐに行動を起こす必要があると感じた。
②大祭司アナニヤが残虐な人物であることを知っていた。
③エルサレムにいる限り、いつかパウロは殺されるだろう。
④自分の任期中にローマ市民が殺されるのは、決して好ましいことではない。

 

2.23~24節
Act 23:23
そしてふたりの百人隊長を呼び、「今夜九時、カイザリヤに向けて出発できるように、歩兵二百人、騎兵七十人、槍兵二百人を整えよ」と言いつけた。
Act 23:24 また、パウロを乗せて無事に総督ペリクスのもとに送り届けるように、馬の用意もさせた。
(1)彼は、パウロをカイザリヤに移動させることにした。
①カイザリヤは、総督が滞在する町である。
②当時の総督は、ペリクスであった(ポンテオ・ピラトが就いていた役職)。

 

(2)470人から成る衛兵隊が結成された。
①歩兵200人、②騎兵70人、③槍兵200人。
*この人数は、アントニア要塞に駐留している兵士たちの約半分である。
②夜9時に、パウロはエルサレムを出発した。
*そして、2度とエルサレムに戻ることはなかった。
③千人隊長は、パウロに馬の用意までした。

 

Ⅳ.総督への手紙(25~30節)
1.25~26節
Act 23:25 そして、次のような文面の手紙を書いた。
Act 23:26 「クラウデオ・ルシヤ、つつしんで総督ペリクス閣下にごあいさつ申し上げます。
(1)千人隊長の名前は、クラウデオ・ルシヤである。
①クラウデオ帝の治世に、ローマの市民権を金で買った。

 

(2)手紙の宛先は、総督ペリクスである。
①「閣下」は、「クラティストス」で、正式なローマの称号である。
*ルカ1:3で同じ言葉が使われている。「尊敬するテオピロ殿」
②総督ペリクスが、23章後半から24章において主要な役割を演じる。
③彼は、紀元52年から59年までユダヤの総督であった。
④兄パッラスは、クラウデオ帝の下で権勢を誇った解放奴隷であった。
⑤ペリクス自身も、兄と同様、クラウデオ帝の母の解放奴隷だった。
⑥ペリクスがユダヤ総督になったのは、解放奴隷を地方官に任命するというクラ
ウデオ帝の政策によるものである。
⑦彼は、武力によってユダヤの治安維持を図ろうとしたが、過激な反ローマ主義
者シカリ党の徹底的な反抗に会い、その統治は混乱続きのものとなった。
⑧カイザリヤで混乱が生じた時、彼は多数のユダヤ人を殺害した。
⑨そのため、ユダヤ人の代表たちはペリクスを訴えるためにローマに行った。
⑩この時は、兄パッラスの介入によって、処罰を免れた。
⑪ネロ帝は、ペリクスに代えてフェストをユダヤの総督とした。
⑫タキトゥスの『歴史』には、「ペリクスの統治は、奴隷の心情で王権を行使した
ものであった」と書かれている。
⑬パウロはカイザリヤで、この狡猾で人格下劣な総督と対面することになる。

 

2.27節
Act 23:27
この者が、ユダヤ人に捕らえられ、まさに殺されようとしていたとき、彼がローマ市民であることを知りましたので、私は兵隊を率いて行って、彼を助け出しました。
(1)半分嘘の手紙
①パウロがローマ市民であることを知った。→兵隊を率いて行って、彼を助けた。
②パウロを逮捕した。→その後で、彼がローマ市民であることを知った。
③パウロをムチで打とうとしたことは書いていない。

 

3.28~30節
Act 23:28 それから、どんな理由で彼が訴えられたかを知ろうと思い、彼をユダヤ人の議会に出頭させました。
Act 23:29 その結果、彼が訴えられているのは、ユダヤ人の律法に関する問題のためで、死刑や投獄に当たる罪はないことがわかりました。
Act 23:30
しかし、この者に対する陰謀があるという情報を得ましたので、私はただちに彼を閣下のもとにお送りし、訴える者たちには、閣下の前で彼のことを訴えるようにと言い渡しておきました。」
(1)千人隊長の判断
①混乱の原因は、ユダヤ人の律法に関する問題である。
②死刑や投獄に当たる罪はない。

 

(2)陰謀があるという情報を得たので、パウロを閣下のもとにお送りする。
①ユダヤ人たちが訴えて来ると思うので、よろしくお願いしたい。

 

結論:神の守りの御手
(1)使23:11
Act 23:11
その夜、主がパウロのそばに立って、「勇気を出しなさい。あなたは、エルサレムでわたしのことをあかししたように、ローマでもあかしをしなければならない」と言われた。
(2)神が働かれる方法は、人間が期待する方法とは異なる。

 

1.ローマの市民権
(1)パウロがローマ市民でなければ、エルサレムで殺害されていたであろう。
(2)ローマ市民であるがゆえに、保護された。
(3)甥の訪問を受けることができた。
(4)百人隊長に、甥を千人隊長のもとに案内するように依頼することができた。
(ILL)医学的治療を受けることを禁止された信者の例

 

2.子ども
(1)パウロの甥は、すでに確認したように子どもであった。
(2)主イエスは、子どもを高く評価された(マタ18:2~7)。
(3)5つのパンと2匹の魚を差し出したのは、子どもであった(ヨハ6:8~9)。

 

3.ローマ兵
(1)パウロを敵から救い、カイザリヤに運んだのはローマ兵たちであった。
(2)神の方法は、人間の方法とは異なる。

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