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使徒の働き(82)―エルサレム到着―

  • 2019.11.11
  • 使徒の働き 21章15~26節
  • スピーカー 中川健一
  • 東京定例会
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第三次伝道旅行について学ぶ。

「エルサレム到着」

使徒21:15~26

 

1.はじめに

(1)文脈の確認

①パウロは、カイザリヤからエルサレムに行こうとしている。

②第三次伝道旅行は、4,300キロにも及んだ。

③エルサレムで起こる出来事は、福音がローマでさらに広がる原因となる。

 

 

(2)アウトライン

①カイザリヤからエルサレムへ(15~16節)

②長老たちへの報告(17~19節)

③長老たちからの助言(20~25節)

④助言の実行(26節)

 

 

結論:聖書を読む際の視点(大局観)(perspective)

1.歴史は、複雑系の出来事として進展していく。

2.パウロのエルサレム訪問は、キリスト教史の分岐点になる。

 

 

パウロのエルサレム訪問から霊的教訓を学ぶ

 

 

Ⅰ.カイザリヤからエルサレムへ(15~16節)

1.15~16節

Act 21:15 こうして数日たつと、私たちは旅仕度をして、エルサレムに上った。

Act 21:16 カイザリヤの弟子たちも幾人か私たちと同行して、古くからの弟子であるキプロス人マナソンのところに案内してくれた。私たちはそこに泊まることになっていたのである。

(1)カイザリヤからエルサレムまでは、馬(徒歩)で2日の旅である。

①カイザリヤから南東に約100キロ行くとエルサレムに着く。

②パウロは、五旬節の祭りの前にエルサレムに着く必要があった。

 

 

(2)「私たち」とは誰か。

①パウロとその同行者たち(ルカも含まれる)

②カイザリヤの教会の代表者たち

 

 

(3)カイザリヤの信者たちは、一行をマナソンの家に案内した。

①マナソンの家は、カイザリヤとエルサレムの間にあり、一行はそこで一泊した。

「古くからの弟子であるキプロス人マナソン」

*マナソンは、バルナバと同じくキプロス島出身である。

③五旬節のペテロのメッセージで信者になった3千人のひとりか(使2:41)。

④あるいは、ペテロのメッセージで信者になった5千人のひとりか(使4:4)。

⑤マナソンは、ヘレニストのユダヤ人である。

*ユダヤ人信者と異邦人信者が混在するグループをもてなすことができた。

 

Ⅱ.長老たちへの報告(17~19節)

1.17節

Act 21:17 エルサレムに着くと、兄弟たちは喜んで私たちを迎えてくれた。

(1)一行は、五旬節の祭りの前にエルサレムに着いた。

①一行は、エルサレムの信者たちから歓迎された。

 

 

2.18~19節

Act 21:18 次の日、パウロは私たちを連れて、ヤコブを訪問した。そこには長老たちがみな集まっていた。

Act 21:19 彼らにあいさつしてから、パウロは彼の奉仕を通して神が異邦人の間でなさったことを、一つ一つ話しだした。

(1)「次の日」とは、恐らく、五旬節の祭りの2日前であろう。

①パウロは、一行を連れてヤコブを訪問した。

②この時期になると(紀元57年)、12使徒たちはエルサレムにはいなかった。

*彼らは、エルサレム以外の地で巡回伝道を展開していた。

③エルサレム教会は世代交代を経験していた。

*ヤコブ(主イエスの弟)と長老たちによって導かれていた。

 

 

(2)パウロの訪問は、予期されていたことである。

①エルサレム教会のリーダーたちがみな集まっていた。

②パウロがヤコブに会うのは、ほぼ5年ぶりである。

③使18:22(第二次伝道旅行の終わり)

Act 18:22 それからカイザリヤに上陸してエルサレムに上り、教会にあいさつしてからアンテオケに下って行った。

 

 

(3)パウロは、第三次伝道旅行で起こったことを証しした。

①異邦人がたくさん救われた。

②それは神がなさったことである。

③そのために自分が用いられた。

 

 

(4)パウロはこの段階で、異邦人教会からの献金を捧げた。

①使24:17

Act 24:17 さて私は、同胞に対して施しをし、また供え物をささげるために、幾年ぶりかで帰って来ました。

②ルカは献金に触れていないが、パウロにとっては重要なことであった。

*ロマ15:25~28

*1コリ16:1~4

*2コリ8:13~14、9:12~13

*ガラ2:10

Ⅲ.長老たちからの助言(20~25節)

1.20節

Act 21:20 彼らはそれを聞いて神をほめたたえ、パウロにこう言った。「兄弟よ。ご承知のように、ユダヤ人の中で信仰に入っている者は幾万となくありますが、みな律法に熱心な人たちです。

(1)エルサレム教会のリーダーたちの反応

①彼らは、神をほめたたえた。

*パウロによる異邦人伝道を喜び、認定した。

*異邦人教会からの献金を喜んで受け取ったことが示唆されている。

②次に彼らは、慎重に扱うべき問題を持ち出した。

*パウロに対するユダヤ人信者の誤解を解く必要があった。

 

 

(2)「ユダヤ人の中で信仰に入っている者は幾万となくありますが」

①「幾万」「何万」「数万」(more than twenty thousands)

②少なくとも2万人以上である。4~5万人でもおかしくない。

③祭りのためにエルサレムに滞在していたユダヤ人信者もいた。

④しかし、大半がエルサレムに住むユダヤ人信者であった。

⑤彼らは「みな律法に熱心な人たち」であった。

*つまり、モーセの律法やユダヤ教の習慣を守ることに熱心であった。

⑥紀元1世紀のユダヤ人信者たちの意識は、以下のようなものである。

*律法を守ることは救いの条件ではない。

*しかし、ユダヤ人として律法に従って生きることを選ぶ。

*トーラーは、ユダヤ人のアイデンティティと密接に結びついている。

*トーラー遵守は、神学上の問題であるだけでなく、文化的問題でもある。

*トーラーの否定は、ユダヤ性の放棄と同じ意味になる。

 

 

2.21~22節

Act 21:21 ところで、彼らが聞かされていることは、あなたは異邦人の中にいるすべてのユダヤ人に、子どもに割礼を施すな、慣習に従って歩むな、と言って、モーセにそむくように教えているということなのです。

Act 21:22 それで、どうしましょうか。あなたが来たことは、必ず彼らの耳に入るでしょう。

(1)パウロに対する2つの誤解

①離散の地のユダヤ人に、子どもに割礼を施すなと教えている。

②また、ユダヤ教の慣習に従って歩むなと教えている。

 

 

(2)しかし、パウロがユダヤ人として律法を大切にしていたことは明白である。

①パウロは、テモテに割礼を受けさせた(使16:3)。

②ユダヤ人に対してはユダヤ人のようになった(1コリ9:20)。

③彼は、律法を行うことが救いの条件になることを否定しただけである。

 

 

(3)パウロに関する悪評をばらまいた者たちがいた。

①エペソから来たユダヤ人の一派がそれである。

②彼らは、神殿で騒動を起こすことになる(使21:27以降)。

③パウロがエルサレムにいることは、やがて彼らの耳に入るに違いない。

④そこで、事前に対応策を講じる必要がある。

⑤エルサレム教会のリーダーたちは、パウロに助言を与えた。

⑥隠れるのは不可能なので、公の場で律法に熱心であることを示すべきである。

 

3.23~24節

Act 21:23 ですから、私たちの言うとおりにしてください。私たちの中に誓願を立てている者が四人います。

Act 21:24 この人たちを連れて、あなたも彼らといっしょに身を清め、彼らが頭をそる費用を出してやりなさい。そうすれば、あなたについて聞かされていることは根も葉もないことで、あなたも律法を守って正しく歩んでいることが、みなにわかるでしょう。

(1)「私たちの中に誓願を立てている者が四人います」

①これはナジル人の誓願である(民6:1~21)。

*誓願の期間、髪を剃らない、ぶどう酒を飲まない、儀式的汚れを避ける。

②この誓願を立てているユダヤ人信者が4人いる。誓願の内容は分からない。

③パウロも、この誓願を立てたことがあった(使18:18)。

*彼は、ケンクレアで髪を剃った。

 

 

(2)誓願が終わった時に、彼らを援助すれば、律法を守っているという証明になる。

①彼らといっしょに儀式的清めを実行する。

②頭を剃る費用を出してやる。

*これは、神殿での捧げ物のことである。

 

 

4.25節

Act 21:25 信仰に入った異邦人に関しては、偶像の神に供えた肉と、血と、絞め殺した物と、不品行とを避けるべきであると決定しましたので、私たちはすでに手紙を書きました。」

(1)エルサレム教会のリーダーたちは、2つのことを確認した。

①ユダヤ人信者には、律法を守る自由がある。

②異邦人信者には、律法を守らない自由がある。

*これは、エルサレム会議の決定事項の確認である。

*ユダヤ人信者との交わりのために、異邦人信者は最低限の配慮をする。

 

 

(2)紀元1世紀のユダヤ人信者の意識を理解する必要がある。

①彼らは、異邦人のキリスト教をユダヤ的な信仰にしようとしているのではない。

②彼らは、ユダヤ人のキリスト教が異邦人的なものにならないようにしている。

 

Ⅳ.助言の実行(26節)

1.26節

Act 21:26 そこで、パウロはその人たちを引き連れ、翌日、ともに身を清めて宮に入り、清めの期間が終わって、ひとりひとりのために供え物をささげる日時を告げた。

(1)翌日からパウロは、4人とともに神殿に入り、7日間の清めの過程を開始した。

①パウロは5年間エルサレム(イスラエルの地)から離れていたので、汚れてい

ると見なされた。

②5年間の汚れのためには、1週間の清めのプロセスを通過する必要があった。

③また誓願の終了日を祭司に伝え、いけにえを屠る準備を始めた。

④ひとり当たりの供え物

*雄の子羊1頭(全焼のいけにえ)

*雌の子羊1頭(罪のためのいけにえ)

*雄羊1頭(和解のいけにえ)

*かご1杯の種なしパン(穀物の捧げ物)

*壺1杯のぶどう酒(注ぎの捧げ物)

⑤大きな犠牲ではあるが、これはパウロの善行(ミツヴァ)と見なされる。

 

 

結論: 聖書を読む際の視点(大局観)(perspective)

1 .歴史は、複雑系の出来事として進展していく。

(1)歴史は、部分が全体に、全体が部分に影響しあって複雑に展開して行く。

①エルサレムで逮捕されたことが、次の目的につながって行く。

 

(2)パウロの2つの目的

①エルサレムに上る。

②ローマに行く。

 

(3)使19:21(エペソでの暴動の後)

Act 19:21 これらのことが一段落すると、パウロは御霊の示しにより、マケドニヤとアカヤを通ったあとでエルサレムに行くことにした。そして、「私はそこに行ってから、ローマも見なければならない」と言った。

①エルサレム到着により最初の目的は達成された。

②エルサレムで逮捕されたことが、次の目的につながって行く。

③今後の物語の展開(ルカは、神がどのように働かれるかを記している)

*使21:17~23:35エルサレムからカイザリヤへ(12日間)

*使24:1~26:32カイザリヤにて(2年間)

 

2 .パウロのエルサレム訪問は、キリスト教史の分岐点になる。

(1)ルカがエルサレム訪問の出来事を詳細に記録している理由は、何か。

①エルサレム訪問自体が、重要な出来事である。

②しかしルカは、それ以上の視点をもってエルサレムでの出来事を書いている。

③彼は、異邦人からの献金については触れていない(パウロの視点とは異なる)。

 

(2)ルカが伝えようとしたこと視点(大局観)(perspective)

①エルサレム(ユダヤ人)は、福音を拒否した。

②異邦人は、福音を受け入れた。

 

 

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