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使徒の働き(40)―アンテオケ教会の善行―
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アンテオケ教会の善行について学ぶ。
「アンテオケ教会の善行」
使徒11:27~30
1.はじめに
(1)これまでの教会成長の過程
①最初は、ユダヤ人信者だけで構成されていた(2章)。
②次にサマリヤ人信者が加えられた(8章)。
③最後に、異邦人信者が加えられた(10章)。
*とは言え、カイザリヤの信者は少数であった。
*もし大量の異邦人信者が教会に加えられたら、どうなるか。
*ユダヤ人信者と異邦人信者の人口バランスが崩れる。
*アンテオケ教会の誕生と成長は、神によるものである。
(2)当時のキリスト教会は、楕円形のイメージで表現できる。
①ひとつの焦点は、エルサレム教会(ユダヤ人教会)。
②もうひとつの焦点は、アンテオケ教会(異邦人教会)。
(3)2つの教会は、親密な交わりを維持していた。
①アンテオケ教会は、ユダヤ人信者を支援する最初の異邦人教会となる。
②ここには、現代に適用される霊的原則がある。
2.アウトライン
(1)預言者アガボの預言(27~28節)
(2)アンテオケ教会の信者たちの準備(29節)
(3)善行の実行(30節)
結論:
(1)旧約聖書の預言者たち
(2)新約聖書の預言者たち
(3)現代の預言者たち
アンテオケ教会の善行について学ぶ。
Ⅰ.預言者アガボの預言(27~28節)
1.27節
Act 11:27 そのころ、預言者たちがエルサレムからアンテオケに下って来た。
(1)「そのころ」
①バルナバとサウロがアンテオケ教会で奉仕を初めて約1年後
②紀元44年頃であろう。
(2)「預言者たち」
①預言者とは、神の啓示を直接受け取り、権威をもって民に伝える人である。
②ラビたちは、最後の預言者はマラキ(前5世紀)であると教えていた。
*彼らは、マラキを最後に、公式な預言は終わったと教えていた。
③しかし、使徒の働きの中には数名の預言者たちが登場する。
*アンテオケ教会にも預言者たちがいた。
Act 13:1 さて、アンテオケには、そこにある教会に、バルナバ、ニゲルと呼ばれるシメオン、クレネ人ルキオ、国主ヘロデの乳兄弟マナエン、サウロなどという預言者や教師がいた。
④預言者の一団が、エルサレムからアンテオケに下って来た。
*これは、両教会の間に親密な交流があったことの証拠である。
2.28節
Act 11:28 その中のひとりでアガボという人が立って、世界中に大ききんが起こると御霊によって預言したが、はたしてそれがクラウデオの治世に起こった。
(1)預言者の一団のリーダーは、アガボという預言者であった。
①彼は、使徒の働きの中で2つの預言を語っているが、これが最初のものである。
②次の預言は、使21:10~11に出て来る。
(2)彼は、世界中を襲おうとしている大ききんに備えるように警告を発した。
①彼は、御霊によって預言した。
②世界中とは、当時のローマ世界全体である。
③アンテオケ教会は、恐らく経済的に裕福な教会であったと思われる。
④エルサレム教会は、貧しい教会であった。
*初期の頃は、弟子たちは自分の持ち物を売ってそれを共有していた。
*この方法は、やがて資産の枯渇に至る。
⑤この預言は、神からアンテオケ教会に与えられたメッセージである。
⑥この預言が成就しなかったなら、アガボは偽預言者である。
(3)アガボの預言は、クラウデオ帝の治世に成就した。
①クラウデオの治世は、紀元44~54年。
②ききんは、アガボが預言した年に始まった。
③ヨセフスは、紀元44~49年の5年間に、何度かききんが襲ったと記している。
④特に、紀元46年のききんが激しかった。
Ⅱ.アンテオケ教会の信者たちの準備(29節)
1.29節
Act 11:29 そこで、弟子たちは、それぞれの力に応じて、ユダヤに住んでいる兄弟たちに救援の物を送ることに決めた。
(1)アンテオケ教会の信者たちは、すぐに応答した。
①ユダヤに住んでいる兄弟たちに救援を送ることに決めた。
*「援助の物」とは、援助金のことである。
②ききんが来る前に、準備を開始した。
③全員がそれぞれの力に応じて捧げた。
*「every man according to his ability,」
④組織的に準備を行った。
(2)ユダヤ人と異邦人の間の「隔ての壁」は、すでに取り除かれた。
①エペ2:14~15a
Eph 2:14 キリストこそ私たちの平和であり、二つのものを一つにし、隔ての壁を打ちこわし、
Eph 2:15a ご自分の肉において、敵意を廃棄された方です。敵意とは、さまざまの規定から成り立っている戒めの律法なのです。
Ⅲ.善行の実行(30節)
1.30節
Act 11:30 彼らはそれを実行して、バルナバとサウロの手によって長老たちに送った。
(1)援助金を送ったタイミングはいつか。
①通常ルカは、時間の流れに沿って出来事を記録している。
②ここでは、テーマを中心に記録している。
(2)援助金を送ったのは、使12:1~24の出来事の後である。
①ヤコの死
②ペテロの投獄と解放
③ヘロデ・アグリッパ王の死
*彼は、紀元44年に死んだ。
(3)使11:30と使12:25は、つながっている。
Act 11:30 彼らはそれを実行して、バルナバとサウロの手によって長老たちに送った。
Act 12:25 任務を果たしたバルナバとサウロは、マルコと呼ばれるヨハネを連れて、エルサレムから帰って来た。
(4)ききんが最高潮に達した時点で、バルナバとサウロが援助金を届けた。
①この援助金は、かなりの時間をかけて集めたものである。
②パウロにとっては、これが2度目のエルサレム訪問である。
(5)受け取ったのは、長老たちである。
①「長老」という言葉が使徒の働きの中に初めて登場する。
②紀元40年代に、エルサレム教会に世代交代が起こっていた。
③リーダーシップが、12使徒から、任命を受けた長老集団に移行しつつあった。
④長老制は、ユダヤ教の会堂の統治制度(長老制)から学んだものであろう。
(6)これは、後にパウロが書いたロマ15:25~27の原則と合致している。
Rom 15:25 ですが、今は、聖徒たちに奉仕するためにエルサレムへ行こうとしています。
Rom 15:26 それは、マケドニヤとアカヤでは、喜んでエルサレムの聖徒たちの中の貧しい人たちのために醵金することにしたからです。
Rom 15:27 彼らは確かに喜んでそれをしたのですが、同時にまた、その人々に対してはその義務があるのです。異邦人は霊的なことでは、その人々からもらいものをしたのですから、物質的な物をもって彼らに奉仕すべきです。
①アンテオケ教会は、エルサレム教会からバルナバを派遣してもらった。
②バルナバは、アンテオケ教会に霊的祝福を与えた。
③それゆえ、アンテオケ教会は、エルサレム教会に物質的な物を捧げるのである。
結論:
1.旧約聖書の預言者たち
(1)預言者の2つの役割
①預言者とは、神から受けたことばを民に語る人である。
*現在の政治状況、霊的状況について神のことばを語る。
②先見者(seers)と呼ばれることもある。
*この場合は、将来を見る賜物に強調点がある(将来の希望を語る)。
(2)真の預言者であるしるしは、預言した内容が成就することである。
(3)多くの預言者が起された。
①アブラハム
②ヤコブとヨセフ(ともに夢を見た)
③モーセ
④ヨシュアとそれに続く士師たち
⑤サムエル
⑦ダビデ
⑧エリヤとエリシャ
⑨預言書を書いた預言者たち
2.新約聖書の預言者たち
(1)新約時代にも預言者たちが起された。
①バプテスマのヨハネ(厳密に言えば、彼は旧約時代の預言者である)
②主イエス(預言者、祭司、王)
③アガポ
④アンテオケ教会の指導者たち
⑤ユダとシラス(使15:32)
⑥ピリポの4人の娘たち(使21:9)
⑦黙示録11章で預言されている2人の預言者
3.現代の預言者たち
(1)エペ2:20~22
Eph 2:20 あなたがたは使徒と預言者という土台の上に建てられており、キリスト・イエスご自身がその礎石です。
Eph 2:21 この方にあって、組み合わされた建物の全体が成長し、主にある聖なる宮となるのであり、
Eph 2:22 このキリストにあって、あなたがたもともに建てられ、御霊によって神の御住まいとなるのです。
(2)エペ4:11
Eph 4:11 こうして、キリストご自身が、ある人を使徒、ある人を預言者、ある人を伝道者、ある人を牧師また教師として、お立てになったのです。
(3)預言者の賜物は、キリストが教会に与えたものである。
①使徒と預言者は、教会の土台である。
②使徒と預言者の役割は、一時的なものである。
③一度土台が据えられたなら、再度据え直すことはできない。
(4)使徒と預言者たちの役割は、新約聖書が完成するまでの間のギャップを埋めるこ
とにあった。
(5)今も預言者が存在すると言うなら、次の質問に答える必要がある。
①神は今も教会の土台作りをしておられるのだろうか。
②新約聖書が完成した今、なぜ預言者が必要なのだろうか。
(6)預言者を自称する人が現れた場合、以下の点に注意しよう。
①その人が語る預言は、100%成就しているだろうか。
②その人が語る預言は、聖書の教えに合致しているだろうか。
(7)聖書を読まないで、使徒や預言者の言葉だけに従うことなどあり得ない。
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