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使徒の働き(41)―ヤコブの死とペテロの投獄―

  • 2018.12.10
  • 使徒の働き 12:1~17
  • スピーカー 中川健一
  • 東京定例会
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ヤコブの死とペテロの投獄について学ぶ。

「ヤコブの死とペテロの投獄」
使徒12:1~17

1.はじめに
(1)アンテオケ教会の成長の記録が一段落し、物語は、エルサレムに戻る。

①ルカは、「イスラエルのメシア拒否」を再確認するためにこの箇所を書いている。
②教会に対するユダヤ人たちの敵対が、第一次伝道旅行の舞台を整えていく。

(2)教会に対するユダヤ人たちの態度の変化

①最初は好意的であった。
②ステパノの殉教の死をきっかけに迫害が始まった。
③サウロが迫害の最先鋒となった。
④サウロの回心以降、一時的な平和が訪れた。
⑤しかし、異邦人が教会に加えられて以降、敵対心が増した。
⑥そういう背景の中で、エルサレム教会に再度迫害が襲って来た。
*今度は、政治的権力からの迫害が始まった。
*ヤコブとペテロは、苦難に会う。

2.アウトライン
(1)ヤコブの死(1~2節)
(2)ペテロの逮捕(3~5節)
(3)ペテロの解放(6~11節)
(4)教会の反応(12~17節)

結論:なぜヤコブは殺され、ペテロは解放されたのか。

ヤコブの死とペテロの解放について学ぶ。
Ⅰ.ヤコブの死(1~2節)
1.1節
Act 12:1 そのころ、ヘロデ王は、教会の中のある人々を苦しめようとして、その手を伸ばし、
(1)「そのころ」

①アンテオケ教会がエルサレム教会への義援金を集めていたころのことである。
②紀元44年の過越の祭りのころ

(2)「ヘロデ王」とは、ヘロデ・アグリッパである。

①ヘロデ大王(前37~4)
②息子:ヘロデ・アンティパス(前4~紀元39)
*ガリラヤの国主(ルカ3:1)
③孫:ヘロデ・アグリッパ(紀元37~44)
*ヘロデ大王は、愛妻マリアンメと2人の息子を殺害した。
*2人の息子とは、アリストビュラスとアレキサンデルである。
*アリストビュラスの息子がヘロデ・アグリッパである。
*彼は、ヘロデ大王の時代の領地を支配する王となった。
・ローマ皇帝カリギュラ(ガイウス)と親交があった。
④曽孫:ヘロデ・アグリッパ2世(紀元44~100年頃)
*パウロの裁判を行った(使26章)。

(3)「教会の中のある人々を苦しめようとして、その手を伸ばし、」

①ヘロデ・アグリッパは、ポピュリストであった。
②イドマヤ人の血を引いていた彼は、ユダヤ人の歓心を買う必要があった。
③彼は、首都をカイザリヤからエルサレムに移した。
④彼は、使徒たちの迫害に着手した。
*恐らく、サンヘドリンと共謀したのであろう。
*サンヘドリンは、ローマまで行って許可を得なくても、死刑を実行できる。
*これは、教会を抹殺するための最後の手段である。

2.2節
Act 12:2 ヨハネの兄弟ヤコブを剣で殺した。
(1)12使徒の中から選ばれたのは、ヨハネの兄ヤコブであった。

①ヤコブは、イエスの3人の内弟子のひとりである。
②使徒の働きの中では、ペテロとパウロが主役である。

(2)「剣で殺した」

①これは、斬首刑である。
*バプテスマのヨハネも同じ刑に処せられた(マタ14:10)。
②ユダヤ人の死刑法の中では、斬首が最も恵みに富んだものと考えられていた。
*それ以外に、石打の刑、火あぶりの刑、絞首刑などがあった。
③斬首刑は、ヤコブが背教の罪で死刑に処せられたことを示している。
④マコ3:17
Mar 3:17 ゼベダイの子ヤコブとヤコブの兄弟ヨハネ、このふたりにはボアネルゲ、すなわち、雷の子という名をつけられた。
*「雷の子」の中の兄は、使徒たちの最初の殉教者となった。
*弟のヨハネは、長寿を全うする唯一の使徒となる。

Ⅱ.ペテロの逮捕(3~5節)
1.3節
Act 12:3 それがユダヤ人の気に入ったのを見て、次にはペテロをも捕らえにかかった。それは、種なしパンの祝いの時期であった。
(1)ユダヤ人たちは、ヤコブの死を喜んだ。

①ユダヤ人たちは、教会に対して敵意を抱くようになっていた。
②ヘロデ・アグリッパは、さらにユダヤ人たちを喜ばせる方法を考えた。
③彼は、ペテロを捕らえることを考えた(大義はある)。
*教会のリーダーである。
*異邦人と親しくした。

(2)「種なしパンの祝いの時期」

①ペテロを処刑するのに、最もインパクトのある日は、祭りの日である。
*各地から巡礼者のユダヤ人たちがエルサレムに集まってくる。
②種なしパンの祭り=過越の祭り
*過越の祭りは1日、種なしパンの祭りは7日間、合計8日間の祭り。
*ルカは、両方の名称を同じ意味で使用している。
③ペテロは、イエスの受難と同じ道を歩もうとしている。
④ペテロが投獄されるのは、これが3度目である(使4:3、5:18)。

2.4節
Act 12:4 ヘロデはペテロを捕らえて牢に入れ、四人一組の兵士四組に引き渡して監視させた。それは、過越の祭りの後に、民の前に引き出す考えであったからである。
(1)この牢は、アントニア要塞の中にあった。

①ヘロデ・アグリッパは、エルサレムに滞在していた。

(2)彼は、厳重な監視体制を敷いた。

①過去に起こった奇跡的な解放から教訓を学んでいるのである。
*4人一組×4組=16人
*6時間交代、24時間体制で監視
*2人は、鎖でペテロと手をつないで牢の中におり、2人は外にいた。

(3)過越の祭りが終わると同時に、ペテロの処刑が行われる予定であった。

①ペテロに残されている時間は、少ない。
②ペテロもまた、ヤコブのように殺されるに違いないと誰もが思った。

3.5節
Act 12:5 こうしてペテロは牢に閉じ込められていた。教会は彼のために、神に熱心に祈り続けていた。
(1)この節には、明確な対比がある。

①ペテロは縛られていた。
②祈りは縛られていない。
*信仰は何ものによっても縛られない。
*キリストにある神の愛から私たちを切り離すものはない。

Ⅲ.ペテロの解放(6~11節)
1.6節
Act 12:6 ところでヘロデが彼を引き出そうとしていた日の前夜、ペテロは二本の鎖につながれてふたりの兵士の間で寝ており、戸口には番兵たちが牢を監視していた。
(1)祭りの8日目、最後の夜の出来事

①ペテロは、2人の兵士と鎖でつながれ、その間で寝ていた。
②牢の外には、2人の番兵が監視していた。
③ペテロは、ヤコブの殉教の死のことを知っていながら、なぜ安眠できたのか。
④ヨハ21:18~19

Joh 21:18 まことに、まことに、あなたに告げます。あなたは若かった時には、自分で帯を締めて、自分の歩きたい所を歩きました。しかし年をとると、あなたは自分の手を伸ばし、ほかの人があなたに帯をさせて、あなたの行きたくない所に連れて行きます。」
Joh 21:19 これは、ペテロがどのような死に方をして、神の栄光を現すかを示して、言われたことであった。こうお話しになってから、ペテロに言われた。「わたしに従いなさい。」

⑤ペテロは、ヘロデ王が彼を殺すことはできないと確信していた。
⑥ペテロが晩年になるまでには20年前後残されている。

2.7~8節
Act 12:7 すると突然、主の御使いが現れ、光が牢を照らした。御使いはペテロのわき腹をたたいて彼を起こし、「急いで立ち上がりなさい」と言った。すると、鎖が彼の手から落ちた。
Act 12:8 そして御使いが、「帯を締めて、くつをはきなさい」と言うので、彼はそのとおりにした。すると、「上着を着て、私について来なさい」と言った。
(1)天使がシャカイナグローリーとともに現れた。

①番兵たちもペテロも眠っていた。
②天使は、ペテロのわき腹をたたいて起した。
③天使は、短い文章で、次々と指示を出した。

3.9~10節
Act 12:9 そこで、外に出て、御使いについて行った。彼には御使いのしている事が現実の事だとはわからず、幻を見ているのだと思われた。
Act 12:10 彼らが、第一、第二の衛所を通り、町に通じる鉄の門まで来ると、門がひとりでに開いた。そこで、彼らは外に出て、ある通りを進んで行くと、御使いは、たちまち彼を離れた。
(1)ペテロは夢でも見ているような思いになった。

①第一、第二の衛所を通り、鉄の門まで来ると、門は超自然的に開いた。
②ひとつの通りに進んだとたんに、天使は消えた。

4.11節
Act 12:11 そのとき、ペテロは我に返って言った。「今、確かにわかった。主は御使いを遣わして、ヘロデの手から、また、ユダヤ人たちが待ち構えていたすべての災いから、私を救い出してくださったのだ。」
(1)ペテロは我に返った。

①天使が主から遣わされたことが分かった。
②それは、ヘロデの手から自分を救い出すためであった。
③「ユダヤ人たちが待ち構えていたすべての災い」とは、ペテロの処刑である。

(2)ペテロの解放は、ヘロデにとってもユダヤ人たちにとっても打撃であった。

Ⅳ.教会の反応(12~17節)
1.12~14節
Act 12:12 こうとわかったので、ペテロは、マルコと呼ばれているヨハネの母マリヤの家へ行った。そこには大ぜいの人が集まって、祈っていた。
Act 12:13 彼が入口の戸をたたくと、ロダという女中が応対に出て来た。
Act 12:14 ところが、ペテロの声だとわかると、喜びのあまり門をあけもしないで、奥へ駆け込み、ペテロが門の外に立っていることをみなに知らせた。
(1)ペテロは、至急ヘロデの手から逃れる必要があった。

①その前に、教会の兄弟たちに解放されたことを告げる必要があった。

(2)「マルコと呼ばれているヨハネの母マリヤの家」

①ここでルカは、第一次伝道旅行で活躍するマルコを紹介している。
②マルコは、ギリシア名(マルコス)。
③ヨハネは、ヘブル名(ヨハナン)。
④母マリアは、裕福な寡婦(召使いがいるのは、裕福なしるしである)である。
⑤この家は、最後の晩餐の席となった場所である。
⑥エルサレム教会で最も重要な集会所であった。
⑦ペテロは迷うことなく、そこに行った。
⑧大ぜいの信者が、ペテロのために祈っていた。
*徹夜祈祷会が開かれていた。

(3)ペテロが入り口の戸をたたくと、ロダという女中が応対に出て来た。

①彼女は、声でペテロが来たことが分かった。
②しかし、門を開けないで奥へ駆け込み、朗報をみなに知らせた。
③ペテロは外に立ったままであった。

2.15~16節
Act 12:15 彼らは、「あなたは気が狂っているのだ」と言ったが、彼女はほんとうだと言い張った。そこで彼らは、「それは彼の御使いだ」と言っていた。
Act 12:16 しかし、ペテロはたたき続けていた。彼らが門をあけると、そこにペテロがいたので、非常に驚いた。
(1)祈っていた人たちは、にわかには信じなかった。

①「あなたは気が変なっているのだ」と言った。
②「それは彼の御使いだ」と言った(当時のユダヤ人の信仰)
*各人には守護天使が付いている。
*守護天使は、守っている人に似ている。
③彼らには、ある種の疑いがあった。
*ヤコブは解放されなかった。
*祈りがこんなに急に聞かれるはずがない。
④私たちもまた、不信仰を宿す信仰者、疑いながら祈る者、ではないか。
*彼らを批判するよりも、神の恵みに感謝すべきである。

(2)ペテロは戸を叩き続けた。

①次第に音が大きくなった。
*近隣の住民は、裕福な祭司階級。教会にとっては危険な人たちである。
*信者が行動を起さないのは、皮肉なことである。
②ついに彼らは、入り口に行き、門を開けた。
③そして、そこにペテロがいたので、非常に驚いた。

4.17節
Act 12:17 しかし彼は、手ぶりで彼らを静かにさせ、主がどのようにして牢から救い出してくださったかを、彼らに話して聞かせた。それから、「このことをヤコブと兄弟たちに知らせてください」と言って、ほかの所へ出て行った。
(1)家の中に入ると、ペテロは手ぶりで彼らを静かにさせた。

①主による救出劇について話して聞かせた。

(2)「このことをヤコブと兄弟たちに知らせてください」

①このヤコブは、主イエスの肉の弟のヤコブである。
②彼はすでにエルサレム教会の指導者になっていたようである。

(3)「ほかの所へ出て行った」

①小アジア?(1ペテ1:1)
②シリアのアンテオケ?(ガラ2:11)
③巡回伝道?

結論:なぜヤコブは殺され、ペテロは解放されたのか。
1.人間的には、答はない。
(1)人間には、これが最善だという考えがある。

①ペテロが助かったのなら、ヤコブも助けることができたはずだ。
②ヤコブが長生きしたなら、よりよい奉仕ができたはずだ。
(2)牧会をしていると、死に関する不思議を感じないわけには行かない。
①信仰とは無関係に、ある人は若くして死に、ある人は長生きする。
(ILL)高木慶太牧師(1942年~2001年12月)。
*吹田聖書福音教会の創立者
*日本におけるディスペンセーション主義の中心的人物

2.神の視点から見るしかない。
(1)神は、時には不可解に見えるような方法で働かれる。
(2)神の性質は不変であるが、神は人間が考える「最善」には縛られてはいない。
(3)人生の謎に直面した時には、神の主権を認めるしかない。
(4)神の主権を認めた人は、神がすべてを最善に導かれることを信じる。

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