使徒の働き(36)―ペテロとコルネリオの出会い―

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ペテロとコルネリオの出会いについて学ぶ。

「ペテロとコルネリオの出会い」

使徒10:23b~33

1.はじめに

(1)2つの幻が、コルネリオとペテロの出会いを作り出す。

①神がこの出会いを計画し、実現へと導かれた。

②この出会いにより、霊的化学反応が起こる。

③コルネリオが使者をヨッパに遣わすよりも、ペテロがカイザリヤを訪問する方

が、はるかに大変で、画期的なことであった。

 

(2)使10:23b~48までがひとつの「まとまり」である。

①ペテロとコルネリオの出会い(23b~33節)

②ペテロのメッセージ(34~43節)

③コルネリオの救い(44~48節)

 

(3)今回は、①ペテロとコルネリオの出会い(23b~33節)だけを取り上げる。

①ペテロの異邦人向けのメッセージを簡単に済ませることはできない。

②さらに、異邦人が聖霊を受ける場面も、重要である。

 

2.アウトライン

(1)ペテロのカイザリヤ訪問(23b~26節)

(2)ペテロの質問(27~29節)

(3)コルネリオの回答(30~33節)

 

結論

門から家に入るための4つのステップ

 

ペテロとコルネリオの出会いについて 学ぶ。

Ⅰ.ペテロのカイザリヤ訪問(23b~26節)

 

1.23節b

Act 10:23b  明くる日、ペテロは、立って彼らといっしょに出かけた。ヨッパの兄弟たちも数人同行した。

(1)翌日、ペテロとコルネリオの使者たちは、カイザリヤに向けて旅立った。

①昼食を終えた段階では、すでに時刻が遅くなっていた。

②そこで一行は、翌日、カイザリヤに向け出発した。

 

(2)「ヨッパの兄弟たちも数人同行した」

①同行したヨッパの兄弟たちの数は、使11:12によれば6人である。

Act 11:12 そして御霊は私に、ためらわずにその人たちといっしょに行くように、と言われました。そこで、この六人の兄弟たちも私に同行して、私たちはその人の家に入って行きました。

②使徒の働きの中では、2人で行動する場面が多く出て来る。

③ここでは、その3倍である。

④ペテロを加えると、証人は7人となる(完全数)。

⑤異邦人の家を訪問するのは、批判の対象となる行為であった。

⑥ペテロは、自分の行動を弁護してくれる証人を必要とした。

 

2.24節

Act 10:24 その翌日、彼らはカイザリヤに着いた。コルネリオは、親族や親しい友人たちを呼び集め、彼らを待っていた。

(1)「その翌日、彼らはカイザリヤに着いた」

①1日目:コルネリオが午後3時に御告げを受け、使者たちを派遣した。

②2日目:使者たちは、正午ごろにヨッパに到着した。

③3日目:ペテロと使者たちは、ヨッパを発った。途中で一泊した。

④4日目:ペテロと使者たちは、午後3時前にカイザリヤに到着した。

 

(2)コルネリオは、ペテロが来てくれるという確信を持っていた。

①親族(遠い親戚)や親しい友人たちを呼び集め、ペテロの到着を待っていた。

②神に対する期待こそ、信仰の本質である。

 

3.25~26節

Act 10:25 ペテロが着くと、コルネリオは出迎えて、彼の足もとにひれ伏して拝んだ。

Act 10:26 するとペテロは彼を起こして、「お立ちなさい。私もひとりの人間です」と言った。

(1)コルネリオは、ペテロの足もとにひれ伏して拝んだ。

①神を恐れる異邦人であるコルネリオが、ペテロを礼拝したとは考えられない。

②これは、典型的なローマ人の儀礼的な反応である。

③しかしペテロは、これを礼拝と受け取った。

「お立ちなさい。私もひとりの人間です」

 

(2)そう言いながら、ペテロは玄関(門)を通過し、家に入って行く。

①ついにペテロは、最大のバウンダリーを越えた。

②この瞬間、教会の歴史は動いた。

 

Ⅱ.ペテロの質問(27~29節)

1.27~28節

Act 10:27 それから、コルネリオとことばをかわしながら家に入り、多くの人が集まっているのを見て、

Act 10:28 彼らにこう言った。「ご承知のとおり、ユダヤ人が外国人の仲間に入ったり、訪問したりするのは、律法にかなわないことです。ところが、神は私に、どんな人のことでも、きよくないとか、汚れているとか言ってはならないことを示してくださいました。

(1)家の中には、多くの人が集まっていた。

①そこには、期待感が満ちていた。

 

(2)ペテロの言葉

①ユダヤ人が異邦人とこのように交流することは、律法違反である。

*このことは、異邦人もよく知っていた。

②しかし神は、異邦人が汚れていると言ってはならないと教えてくださった。

*この時点で、ペテロは自分が見た幻の意味をよく理解できている。

 

(3)ユダヤ人と異邦人の交流は、口伝律法によって規定されていた。

①これは、優越感から出てくる分離ではない。

②儀式的清さを追求した結果、複雑な口伝律法が形成されたのである。

③ミシュナの「トラクテイト・アボダア・ザラ」は、このテーマを扱っている。

④そういう口伝律法が形成された理由

*歴史上、異邦人との接触がイスラエルに偶像礼拝をもたらした。

*王国時代が、その好例である。

*バビロン捕囚の直前の時代にも同じことが起こった。

⑤ヨハ18:28

Joh 18:28 さて、彼らはイエスを、カヤパのところから総督官邸に連れて行った。時は明け方であった。彼らは、過越の食事が食べられなくなることのないように、汚れを受けまいとして、官邸に入らなかった。

 

2.29節

Act 10:29 それで、お迎えを受けたとき、ためらわずに来たのです。 そこで、お尋ねしますが、あなたがたは、いったいどういうわけで私をお招きになったのですか。」

(1)ペテロは、聖霊の導きに従順に従った。

「それで、お迎えを受けたとき、ためらわずに来たのです」

②この行為は、律法に熱心なユダヤ人たちには、到底受容できないものである。

(2)ペテロは、コルネリオが自分を招いた理由を尋ねた。

①使者たちから概略は聞いていたが、本人から直接聞く必要があった。

②伝道は、聖霊に導かれ、神のタイミングで実行する必要がある。

 

Ⅲ.コルネリオの回答(30~33節)

1.30~31節

Act 10:30 するとコルネリオがこう言った。「四日前のこの時刻に、私が家で午後三時の祈りをしていますと、どうでしょう、輝いた衣を着た人が、私の前に立って、

Act 10:31 こう言いました。『コルネリオ。あなたの祈りは聞き入れられ、あなたの施しは神の前に覚えられている。

Act 10:32 それで、ヨッパに人をやってシモンを招きなさい。彼の名はペテロとも呼ばれている。この人は海べにある、皮なめしのシモンの家に泊まっている。』

(1)コルネリオは、自分が体験したことを証言した。

①4日前のこの時刻(午後3時)

②天使(輝いた衣を着た人)が自分の前に立った。

③天使は、こう語った。

*あなたの祈りは聞き入れられている。

*あなたの施しは神の前に覚えられている。

*それゆえ、ヨッパに人をやってシモンを招きなさい。

*彼の名は、ペテロとも呼ばれている。

*彼は、海ベにある皮なめしシモンの家に泊まっている。

 

2.33節

Act 10:33 それで、私はすぐあなたのところへ人を送ったのですが、よくおいでくださいました。いま私たちは、主があなたにお命じになったすべてのことを伺おうとして、みな神の御前に出ております。」

(1)あなたのところに人を送ったのは、天使がそう命じたからである。

①それ以外のことは、分からない。

(2)宗教的、文化的バウンダリーを越えて、よく来てくださった。

①コルネリオは、ユダヤ人と異邦人の間にあった壁をよく知っていた。

(3)コルネリオは、ペテロが神からのメッセージを持って来たことも知っていた。

「主があなたにお命じになったすべてのこと」

②ギリシア語の動詞は、「プロスタッソウ」である。

*軍隊用語で、命令である。

③神がペテロに命じたことを、自分たちは聞く用意ができている。

④彼らは、神によって用意された最高の聴衆であった。

結論:門から家に入るための4つのステップ

(決断するための4つのステップ)

1 .御心を知る。

(1)ペテロは、幻によって御心を知った。

(2)私たちの場合

①聖霊を通して

②みことばを通して

(3)神は、神を求める者にご自身を現わしてくださる。

2 .動機を吟味する。

(1)自分の願いか、神の御心か。

(2)聖句

Mat 6:10 御国が来ますように。/みこころが天で行われるように地でも行われますように。

Luk 22:42 「父よ。みこころならば、この杯をわたしから取りのけてください。しかし、わたしの願いではなく、みこころのとおりにしてください。」

3 .意志の力を働かせる。

(1)決断とは、意志の力によって行動を起すことである。

(2)知、情、意は、相互に関連している。

①知の要求は、御心を知ることによって満たされる。

②情の要求は、神の御心を行いたいという願いによって満たされる。

③意志は、知性が感情によって支えられたときに働き始める。

4 .神の恵みより頼む。

(1)最も難しいのは、困難な道を選ぶことである。

(2)神の恵みは、日々私たちを支える力となる。

①神は、私たちの過去、現在、未来をご存じである。

(3)恵みによる決断の表明

Jos 24:15 もしも【主】に仕えることがあなたがたの気に入らないなら、川の向こうにいたあなたがたの先祖たちが仕えた神々でも、今あなたがたが住んでいる地のエモリ人の神々でも、あなたがたが仕えようと思うものを、どれでも、きょう選ぶがよい。私と私の家とは、【主】に仕える。」

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