聖書を知りたい人のために(2)

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聖書を知りたい人のために(2)

イントロダクション

  1.はじめに

    (1)情報の洪水によって溺れそうになっている時代

    (2)あるいは、羅針盤なしに航海しているかのような時代

    (例話)キャプテン・ウイルソンの逸話

    (3)サイバー空間に灯台の火を灯したい。

      ①「メッセージ・ステーション」の拡大

      ②「クリスチャンライフ、このうるわしきもの」の4回シリーズ

      ③「聖書を知りたい人のために」の3回シリーズ

    (4)「聖書研究から日本の霊的覚醒(目覚め)が」

    (例話)アンケートの内容を紹介

  2.文脈:9つの質問を取り上げる。

  ①聖書とは何か。

  ②聖書はいつ、どのようにして今のような形になったのか。

  ③聖書観には、どのようなものがあるか。

  ④聖書は「霊感を受けて書かれている」とは、どういう意味か。

      ⑤聖書に多くの翻訳があるのは、どうしてなのか。

      ⑥聖書はどこから読んだらいいのか。

      ⑦聖書が神のことばであるという証拠は何か。

      ⑧聖書に誤りは含まれていないのか。

      ⑨聖書は自分自身について、どう証言しているか。

  3.アウトライン

  ④聖書は「霊感を受けて書かれている」とは、どういう意味か。

      ⑤聖書に多くの翻訳があるのは、どうしてなのか。

このメッセージは、聖書が神のことばであることを学ぶためのものである。

Ⅳ.聖書は「霊感を受けて書かれている」とは、どういう意味か。

  はじめに:神は私たちに語っておられる。これを啓示という。

    (1)一般啓示

      ①自然を通した啓示

      ②歴史を通した啓示

        *特に、イスラエルの歴史を見れば、神の存在が分かる。

      ③人間の内面(良心)を通した啓示

        *いかなる社会にも、ある種の基本的な法が存在する。

        *これは、良心の産物である。

        *ただし、良心は完璧な基準とはなり得ない。

      ④一般啓示の限界

        *一般啓示は、救いの道を示していない。

        *一般啓示が示す知識の限界。「知られない神に」(使17:23)

        *人間には、一般啓示によって示された真理を歪めてしまう性質がある。

    (2)特別啓示

    「神は、むかし父祖たちに、預言者たちを通して、多くの部分に分け、また、いろい

ろな方法で語られましたが、この終わりの時には、御子によって、私たちに語られま

した」(ヘブ1:1~2)

  ①受肉は、特別啓示の中の特別啓示である。

    *イエスを見た者は、父を見たのである(ヨハ14:1~9)。

  ②書かれたことばによる啓示

    *これによって、一般啓示を正しく理解することができる。

    *今日の私たちにとって、これが最も重要な啓示である。

  1.神のことばに誤りはない。霊感があるからである。

    (1)最近は、この言葉には否定的印象がある。

      ①天理教や大本教では、教祖が神のお告げを書き記した文書を「御筆先」という。

      ②霊感商法

    (2)霊感を示す聖句

「聖書はすべて、神の霊感によるもので、教えと戒めと矯正と義の訓練とのために有

益です。それは、神の人が、すべての良い働きのためにふさわしい十分に整えられた

者となるためです」(Ⅱテモ3:16~17)

  ①「聖書はすべて」

    *十全・逐語霊感

  ②「神の霊感による」

    *ギリシア語で「セオプニューストス」

    *神の息が吹き込まれている、という意味

  ③霊感のゆえに聖書は有益である。

  2.霊感の内容

    (1)二重著者

      ①神が第一次的な著者

      ②人が第二次的な著者

    (2)神は、著者の特徴、経験、文学形式などを用いて御心を啓示された。

      ①聖書の多様性と統一性

  3.誤った霊感説

    (1)機械的(口述筆記的)霊感説

      ①神は著者の執筆活動を完全に支配し、導いた。

    (2)概念の霊感説

①概念は霊感を受けているが、すべての言葉が霊感されているわけではない。

②この説は、神の霊感の度合いを引き下げる考え方である。

    (3)部分的霊感説

      ①聖書の各部分には、霊感を受けている度合いの差がある。

②人間が最終的な判断を下すことになり、問題が起こる。

Ⅴ.聖書に多くの翻訳があるのは、どうしてなのか。

  はじめに:私たちの手に聖書が届くまでの3つの過程

  1.霊感

    (1)原典において、聖書は誤りなき神のことばである。

    (2)写本に誤りがないことを保証するものではない。

  2.保存

    (1)ユダヤ人によって、ヘブル語聖書は保存された。

      ①ソフェリム

      ②タナイム

      ③マソラ学派(7世紀、11世紀)

      ④厳格なルール

        *羊皮紙の種類

        *行と列のサイズ

        *インクの種類

        *単語と単語の間隔

        *写し終えると、行、単語数、文字数を数えた。

      ⑤死海写本の発見により、旧約聖書の正確性が証明された。

    (2)新約聖書も同じである。

  ①数千ものギリシア語の写本がある。

②最古のものは、紀元117年頃。

③複数の読みがある場合でも、原典を推測できる。

④他の古典文学の写本にはない特徴である。

  3.翻訳

    (1)翻訳とは、ある意味、解釈である。

      ①文字通りの訳か、意味を伝える訳かの選択

      ②コロ3:12

      「それゆえ、神に選ばれた者、聖なる、愛されている者として、あなたがたは

い同情心 、慈愛、謙遜、柔和、寛容を身に着けなさい」(新改訳)

「あなたがたは神に選ばれ、聖なる者とされ、愛されているのですから、憐れみ

の心 、慈愛、謙遜、柔和、寛容を身に着けなさい」(新共同訳)

「bowels of mercies」 (KJV)

  *感情の存在する場所は、腸か、心か。

③ルカ2:49

「するとイエスは両親に言われた。『どうしてわたしをお捜しになったのですか。

わたしが必ず自分の父の家にいることを、ご存じなかったのですか』」(新改訳)

「My Father’s business」 (NKJV)

  *ともに訳としては許容できる。

  *個人的には、「父の仕事」を選びたい。

  *イエスが12歳であったことと関係している。

    (2)翻訳の種類

      ①直訳的翻訳

        *解釈が少ない。

        *しかし、読みにくい。

        *英語では、KJV, NKJV, ASB and NASB。

        *日本語では、詳訳聖書刊行会による「詳訳聖書」(新約聖書のみ)。

      ②より自由な翻訳(動的翻訳)

        *解釈が多い。

        *読みやすい。

        *口語訳、新改訳、新共同訳はすべてこれである。

      ③意訳

*リビングバイブル

        *初心者に読みやすい。

        *聖書研究に不適である。

        *厳密には、翻訳ではない。

    (3)神学と翻訳の関係

      ①翻訳委員会による訳が一般的。

        *公平な神学的立場を反映させるため

        *それでも、神学的立場が反映されることが多い。

      ②最近の性差別のない翻訳は、誤訳である。

      ③個人訳は、その個人の神学が反映される。

結論

  1.聖書は、神からのラブレターである。

  (例話)「I love you forever.」終わったら返してね。

  2.翻訳された聖書は、霊感を受けていない。

    (1)原典が霊感を受けている。

    (2)研究の積み重ねによって、翻訳された聖書は信頼に足るものとなっている。

    (3)聖書研究によって原典の意味を探ることは、私たちの特権であり喜びである。

  3.聖書の霊感を信じることは、確認に満ちた信仰生活の土台である。

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