ヘブル人への手紙(23)—信仰者のリスト(3)—

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信仰の勇士たちの信仰から学ぶ。

「信仰者のリスト(3)」
ヘブル11:17~22

1.はじめに
  (1)この手紙は、ユダヤ教への回帰を考えていた第2世代のメシアニック・ジューた
ちを励ますために書かれた。
  ①学んだことの適用(10:19~13:25)
  ②すでに背教は、ある人々の間で起こっている。
      ③この手紙の読者は、まだ背教はしていないが、その可能性を考えている。
      ④今必要なのは、信仰による忍耐である。
      ⑤信仰による忍耐を発揮した旧約聖書の信仰の英雄たちがリストアップされる。
      ⑥著者は、読者には旧約聖書の知識があることを前提に書いている。
      ⑦これは、ユダヤ人の歴史の要約でもある。
        *「historical retrospective」(歴史的回顧)という文学手法である。

    (2)これまで登場した信仰の勇士たち
      ①アベル(4節)、②エノク(5~6節)、③ノア(7節)
④アブラハム(8~10節)、⑤サラ(11~12節)、⑥族長たち(13~16節)

    (3)アウトライン
      ①アブラハム(17~19節)
      ②イサク(20節)
      ③ヤコブ(21節)
      ④ヨセフ(22節)

結論:
  (1)イサク奉献の命令
  (2)「ひとり子」の意味

信仰の勇士たちの信仰から学ぶ。
Ⅰ. アブラハム(17~19節)
  1.17~18節
Heb 11:17 信仰によって、アブラハムは、試みられたときイサクをささげました。彼は約束を与えられていましたが、自分のただひとりの子をささげたのです。
Heb 11:18 神はアブラハムに対して、「イサクから出る者があなたの子孫と呼ばれる」と言われたのですが、
    (1)アブラハムにとっての最大の信仰のテストが与えられた。
      ①創22:2
Gen 22:2 神は仰せられた。「あなたの子、あなたの愛しているひとり子イサクを連れて、モリヤの地に行きなさい。そしてわたしがあなたに示す一つの山の上で、全焼のいけにえとしてイサクをわたしにささげなさい。」
      ②アブラハムは、神のことばを字義通りに解釈した。
      ③翌朝早く、彼は出発した。
      ④三日目に、モリヤの山が見えた。
      ⑤その山に登り、イサクをささげた。

    (2)アブラハムは、ジレンマに陥った。
      ①神は彼に、数多くの子孫を約束された。
      ②その子孫は、イサクから増え広がることになっていた。
      ③そのイサクが死ねば、神の約束はどうなるのか。
        *アブラハム契約は、イサクが継承する。
      ④当時イサクはおよそ30歳、アブラハムは130歳であった。

  2.19節
Heb 11:19 彼は、神には人を死者の中からよみがえらせることもできる、と考えました。それで彼は、死者の中からイサクを取り戻したのです。これは型です。
    (1)神の約束は必ず成就する。神の啓示に対する応答が信仰である。
      ①イサクをささげたとしても、神は、イサクをよみがえらせることができる。
      ②それまでの記録の中には、死者が復活したという例がなかった。
      ③激しい葛藤を通過する中で、彼は復活信仰を見出したのである。
      ④結局彼は、イサクを殺さなくてもよくなった。

    (2)訳文の比較
    「それで彼は、死者の中からイサクを取り戻したのです。これは型です」(新改訳)
    「それで彼は、イサクを返してもらいましたが、それは死者の中から返してもらった
も同然です」(新共同訳)
「だから彼は、いわば、イサクを生きかえして渡されたわけである」(口語訳)
「乃(すなは)ち死より之を受けしが如くなりき」(文語訳)
    「from whence he did also in a figure receive him back.」(ASV)
      *「in a figure」「エン パラボレイ」(ἐν παραβολῇ)
      *ヘブ9:9
Heb 9:9 この幕屋はその当時のための比喩です。それに従って、ささげ物といけにえとがささげられますが、それらは礼拝する者の良心を完全にすることはできません。
      *「パラボレイ」は天的真理の影である。この出来事は、復活を示す影である。

Ⅱ. イサク(20節)
  1.20節
Heb 11:20 信仰によって、イサクは未来のことについて、ヤコブとエサウを祝福しました。
    (1)イサクに関しては、最小限の情報しかない。
      ①彼の信仰の特徴は、「受け身」である。
      ②父アブラハムの信仰に従い、自らをささげた。
      ③井戸を掘り当てても、紛争を避けて、次の井戸を掘り始める人である。

    (2)彼は、弟のヤコブよりも兄のエサウを優先させようとした。
      ①しかし、神の御心はそれとは正反対のものであった。
      ②盲目になった彼は、リベカとヤコブに欺かれて、ヤコブを祝福した。
      ③後にそのことを知った彼は、神の御心の前に砕かれた。
      ④彼は、信仰によって、未来のことについてそれぞれを祝福した。

Ⅲ. ヤコブ(21節)
  1.21節
Heb 11:21 信仰によって、ヤコブは死ぬとき、ヨセフの子どもたちをひとりひとり祝福し、また自分の杖のかしらに寄りかかって礼拝しました。
    (1)ヤコブの霊性は、年を重ねるに従って成長していった。
      ①ヤコブもまた、信仰の勇士のひとりに数えられている。

    (2)晩年のヤコブは、豊かな霊的視力を保持するようになっていた。
      ①彼は、ヨセフの2人の息子、マナセとエフライムを祝福した(養子縁組)。
      ②右手を弟のエフライムの上に、左手を兄のマナセの上に置いた。
      ③ヨセフは、父ヤコブの誤りを指摘したが、ヤコブはこれでよいと言った。
      ④ヤコブは、エフライムを優先させることが御心であることを知っていた。
⑤その啓示に対する応答として、両手を交差させて孫たちの頭の上に置いた。

    (3)ヤコブの人生の最終章は、神への礼拝である。
      ①これは、信仰の勇士の究極的な姿である。

Ⅳ. ヨセフ(22節)
  1.22節
Heb 11:22 信仰によって、ヨセフは臨終のとき、イスラエルの子孫の脱出を語り、自分の骨について指図しました。
    (1)神は、イスラエルの民をエジプトからカナンの地に導かれると約束された。
      ①ヨセフの信仰は、その啓示に対する応答である。
      ②彼にとっては、出エジプトの出来事は、未来完了形であった。
      ③エジプトの富と栄華に囲まれながら、彼の心はカナンの地にあった。

    (2)彼は、自分の骨をカナンの地に運び上るように指図した。
      ①カナンの地で埋葬されることが彼の願いであったが、それは成就した。
      ②ヨシ24:32
Jos 24:32 イスラエル人がエジプトから携え上ったヨセフの骨は、シェケムの地に、すなわちヤコブが百ケシタでシェケムの父ハモルの子らから買い取った野の一画に、葬った。そのとき、そこはヨセフ族の相続地となっていた。

結論:
  1.イサク奉献の命令
    (1)神は、アブラハムが自分の息子を殺すことを意図されたわけではない。
    (2)神は、ご自身の民が子どもをささげることを期待されたことは一度もない。
      ①エレ32:35
Jer 32:35 わたしが命じもせず、心に思い浮かべもしなかったことだが、彼らはモレクのために自分の息子、娘をささげて、この忌みきらうべきことを行うために、ベン・ヒノムの谷にバアルの高き所を築き、ユダを迷わせた。」
    (3)これは、信仰のテストである。
    (4)このテストによって、アブラハムの信仰の真実性が証明された。
    (5)神は彼のために、雄羊を用意しておられた。
      ①創22:14
Gen 22:14 そうしてアブラハムは、その場所を、アドナイ・イルエと名づけた。今日でも、「【主】の山の上には備えがある」と言い伝えられている。

  2.「ひとり子」の意味
    (1)イサクは、アブラハムから生まれた「ひとり子」ではなかった。
      ①イシュマエルがすでに生まれていた。
        *イスラム教は、アブラハムはイシュマエルをささげたと主張する。
      ②後に、アブラハムは6人の息子を得るようになる。
    (2)「ひとり子」とは、「比類なき子」という意味である。
      ①イサクは、サラから生まれた唯一の子であった。
      ②イサクは、アブラハム契約を継承する唯一の子であった。
    (3)ヨハ3:16
Joh 3:16 神は、実に、そのひとり子をお与えになったほどに、世を愛された。それは御子を信じる者が、ひとりとして滅びることなく、永遠のいのちを持つためである。
      ①イエスは、「神のひとり子」である。
      ②イエスが神によって創造されたという意味ではない。
      ③イエスは、神の子たちの中で「比類なき子」である。
        *天使たちは、創造のゆえに「神の子たち」である。
        *信者は、養子縁組によって「神の子たち」とされた。
        *イエスは、永遠の神の子である。それゆえ、「神のひとり子」である。
    (4)神は、アブラハムがひとり子をささげる前に、それを止めさせた。
      ①アブラハムがイサクをささげる決心をしただけで、十分であった。
      ②しかし、御子イエスが十字架上で死なれたとき、それを止める声はなかった。
        *ここに神の愛がある。

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