ヘブル人への手紙(12)—メルキゼデクとイエスの対比—

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メルキゼデクとイエスの対比について学ぶ。

「メルキゼデクとイエスの対比」

ヘブル7:1~3

1.はじめに

  (1)この手紙が書かれた理由を再確認する。

    ①信仰が後退しつつあった第2世代のメシアニック・ジューたちへの励まし

  (2)ユダヤ教の3つの柱は、天使、モーセ、レビ的祭司である。

      ①御子は、天使に勝るお方であることが証明された。

      ②御子は、モーセに勝るお方であることも証明された。

      ③御子は、アロンに勝るお方であることの証明が続いている。

        *メルキゼデクのテーマが一時中断していた。

        *ここから、そのテーマが再開される。

    (3)ヘブ7:1~28の構造

      ①メルキゼデクとイエスの対比(7:1~3)

      ②メルキゼデク的祭司職とレビ的祭司職の対比(7:4~10)

      ③レビ的祭司職とイエスの祭司職の対比(7:11~25)

      ④結論(7:26~28)

    (4)メルキゼデクに関する予備知識

      ①メルキゼデクという名は、2箇所にしか出てこない。

        *創14:17~20(歴史的記録)

Gen 14:17 こうして、アブラムがケドルラオメルと、彼といっしょにいた王たちとを打ち破って帰って後、ソドムの王は、王の谷と言われるシャベの谷まで、彼を迎えに出て来た。

Gen 14:18 さて、シャレムの王メルキゼデクはパンとぶどう酒を持って来た。彼はいと高き神の祭司であった。

Gen 14:19 彼はアブラムを祝福して言った。/「祝福を受けよ。アブラム。/天と地を造られた方、いと高き神より。

Gen 14:20 あなたの手に、あなたの敵を渡された/いと高き神に、誉れあれ。」/アブラムはすべての物の十分の一を彼に与えた。

        *詩110:4(預言)

Psa 110:4 【主】は誓い、そしてみこころを変えない。/「あなたは、メルキゼデクの例にならい、/とこしえに祭司である。」

      ②メルキゼデクに関する情報は極めて少ない。

③そのことが、彼とイエスを対比させる土台となっている。

2.アウトライン: メルキゼデクとイエスの対比

(1)類似性①(1節a)

  (2)類似性②(1節b)

  (3)類似性③(2節)

  (4)類似性④(3節a)

  (5)類似性⑤(3節b)

結論:

  (1)ディスペンセーションの移行

  (2)型と本体の関係

メルキゼデクとイエスの対比について学ぶ。

Ⅰ.類似性①(1節a)

Heb 7:1a このメルキゼデクは、サレムの王で、すぐれて高い神の祭司でしたが、

   1.メルキゼデクは、王であり祭司であった。

    (1)メルキゼデクの後半の「ツェデク」は、エブス人の王朝の王の名である。

      ①ヨシ10:1

Jos 10:1 さて、エルサレムの王アドニ・ツェデクは、ヨシュアがアイを攻め取って、それを聖絶し、先にエリコとその王にしたようにアイとその王にもしたこと、またギブオンの住民がイスラエルと和を講じて、彼らの中にいることを聞き、

    (2)サレムとはエルサレムのことである。

      ①この頃は、エブス人の町であった。

    (3)彼は、すぐれて高い神の祭司であった。

      ①真の神に仕える祭司であった。

    (4)彼の統治の特徴

      ①義なる統治(義なる王)

      ②平和な統治(サレム)

  2.イエスもまた王であり祭司である。

(1)イエスによる統治(イザ9:6~7)

Isa 9:6 ひとりのみどりごが、私たちのために生まれる。/ひとりの男の子が、私たちに与えられる。/主権はその肩にあり、/その名は「不思議な助言者、力ある神、/永遠の父、平和の君」と呼ばれる。

Isa 9:7 その主権は増し加わり、その平和は限りなく、/ダビデの王座に着いて、その王国を治め、/さばきと正義によってこれを堅く立て、/これをささえる。今より、とこしえまで。/万軍の【主】の熱心がこれを成し遂げる。

    (2)イエスが統治する王国の特徴

      ①正義

      ②平和

Ⅱ.類似性②(1節b)

Heb 7:1b アブラハムが王たちを打ち破って帰るのを出迎えて祝福しました。

   1.メルキゼデクは、アブラハムを祝福した。

    (1)祭司としての役割を果たした。

  2.イエスもまた、祭司として信者を祝福される。

(1)詳細は、7章後半で解説される。

Ⅲ.類似性③(2節)

Heb 7:2 またアブラハムは彼に、すべての戦利品の十分の一を分けました。まず彼は、その名を訳すと義の王であり、次に、サレムの王、すなわち平和の王です。

   1.アブラハムは、メルキゼデクを自分よりも上位にいる人物だと認めた。

    (1)アブラハムは、戦利品の十分の一をメルキゼデクに分け与えた。

      ①これは、十一献金のことではない。

      ②十一献金の規定は、モーセの律法の一部である。

      ③メルキゼデクは、それを受け取った。

      ④彼もまた、自分がアブラハムよりも上位にいることを認めた。

    (2)ここで、メルキゼデクという名の意味が解説される。

      ①義の王

      ②平和の王

  2.イエスは、メルキゼデクの位に等しい祭司である。

    (1)つまり、イエスは、どんな祭司よりも優れているということある。

Ⅳ.類似性④(3節a)

Heb 7:3a 父もなく、母もなく、系図もなく、

   1.メルキゼデクは、単独の(独立した)祭司である。

    (1)彼は、「すぐれて高い神の祭司」として登場し、すぐに姿を消す。

      ①彼の両親が誰であるか、分からない。

      ②彼の系図は、啓示されていない。

      ③これは、両親がいないとか、系図がないとかいう意味ではない。

      ④メルキゼデクの祭司職の場合は、系図は問題ではない。

    (2)レビ的祭司職の場合は、系図が重要である。

      ①アロンの子孫でなければ、祭司になれない。

      ②バビロン捕囚から帰還したときに、アロンの子孫であることを証明できない人

たちがいたが、彼らは祭司になれなかった。

③エズ2:61~62

Ezr 2:61 祭司の子孫のうちでは、ホバヤ族、コツ族、バルジライ族。──このバルジライは、ギルアデ人バルジライの娘のひとりを妻にめとったので、その名をもって呼ばれていた──

Ezr 2:62 これらの人々は、自分たちの系図書きを捜してみたが、見つからなかったので、彼らは祭司職を果たす資格がない者とされた。

  2.イエスもまた、単独の(独立した)祭司である。

    (1)イエスは、レビ族の子孫でも、アロンの子孫でもない。

      ①イエスは、ユダ族の子孫である。

    (2)イエスの祭司職は、系図に基づくものではない。

Ⅴ.類似性⑤(3節b)

Heb 7:3b その生涯の初めもなく、いのちの終わりもなく、神の子に似た者とされ、いつまでも祭司としてとどまっているのです。

   1.メルキゼデクの祭司職は、時間を超越している。

    (1)祭司職の始まりも終わりもない。

      ①その祭司職が別の祭司に引き継がれたという記録もない。

      ②聖書の記録に基づけば、メルキゼデクの祭司職は時間の制約を受けていない。

      ③つまり、メルキゼデクの祭司職は継続するということである。

    (2)レビ的祭司職の場合は、任期が決まっている。

      ①民4:2~3

Num 4:2 「レビ人のうち、ケハテ族の人口調査を、その氏族ごとに、父祖の家ごとにせよ。

Num 4:3 それは会見の天幕で務めにつき、仕事をすることのできる三十歳以上五十歳までのすべての者である。

      ②民8:24~25

Num 8:24 「これはレビ人に関することである。二十五歳以上の者は会見の天幕の奉仕の務めを果たさなければならない。

Num 8:25 しかし、五十歳からは奉仕の務めから退き、もう奉仕してはならない。

      ③25歳からか30歳からかは、時代の必要によって決める。

    (3)訳文の比較

      ①「神の子に似た者とされ」(新改訳)

      ②「神の子に似た者であって、」(新共同訳)

      ③「神の子のようであって、」(口語訳)

      ④メルキゼデクは、受肉前のメシアではない。

      ⑤両親がおり、誕生の日も、死んだ日もあるが、啓示されていないだけである。

      ⑥メシアの顕現の場合は、一時的であるが、彼は長期間王として統治していた。

      ⑦祭司は、人間でなければならない。この時点では、メシアは受肉していない。

    (5)メルキゼデクの祭司職は、すべての人に仕えるためのものである。

      ①レビ族祭司職は、契約の民イスラエルに対する奉仕である。

  2.イエスの祭司職も、時間を超越している。

    (1)イエスの祭司職は、普遍的なものである。

結論:

  1.ディスペンセーションの移行

    (1)ディスペンセーションは、ギリシア語で「オイコノミア」である。

    (2)ディスペンセーションとは、「神の計画が進展していく過程において出現する、

明確に区分可能な神の経綸のことである」

  ①神が人間を統治する枠組みは、時代とともに進展する。

  ②各ディスペンセーションにおいて、神に対する人間の責務は変わる。

(3)著者は、ディスペンセーションが移行したことを伝えようとしている。

  ①「律法の時代」の土台は、大祭司である。

    *「律法の時代」が終わると、レビ的祭司職も終わる。

    *その逆も真理である。

  ②「恵みの時代」の土台は、メルキゼデク的祭司職である。

    *ディスペンセーションが移行すると、祭司職も移行する。

  ③それゆえ、レビ的祭司職に回帰することは、古いディスペンセーションに回帰

することであり、それは不可能なことである。

2. 型と本体の関係

  (1)型を見ていると、本体が見えてくる。

    ①過越の小羊

    ②マナ

    ③打たれた岩

    ④荒野で上げられた青銅の蛇

  (2)メルキゼデクは、メシアの型である。

①この手紙の著者は、メルキゼデクを型として用いて、メシアを説明している。

②詩110:4

Psa 110:4 【主】は誓い、そしてみこころを変えない。/「あなたは、メルキゼデクの例にならい、/とこしえに祭司である。」(新改訳)

Psa 110:4 ヱホバ誓(ちかひ)をたてて聖意(みこころ)をかへさせたまふことなし 汝(なんぢ)はメルキセデクの状(さま)にひとしくとこしへに祭司(さいし)たり(文語訳)

    (3)メルキゼデクに関して言えることは、メシアに関しても言える。

      ①イエスは、王であり祭司である。

②イエスは、祭司として信者を祝福される。

③イエスは、どんな祭司よりも優れている。

④イエスは、単独の(独立した)祭司である。

⑤イエスの祭司職は、時間を超越しており、普遍的なものである。

    (4)2コリ5:17

2Co 5:17 だれでもキリストのうちにあるなら、その人は新しく造られた者です。古いものは過ぎ去って、見よ、すべてが新しくなりました。

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