ヘブル人への手紙(4)—御使いに勝る御子(3)—

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御子は御使いに勝るお方であることを学ぶ。

「御使いに勝る御子(3)」

ヘブル2:10~18

1.はじめに

  (1)この手紙が書かれた理由を再確認する。

    ①信仰が後退しつつあった第2世代のメシアニック・ジューたちへの励まし

    ②彼らは、迫害と誤った教理に直面し、元の信仰に回帰しようとしていた。

    ③手紙の内容は牧会的であり、実践的である。

      *教理的教えの合間に、警告の言葉が挿入句のように出てくる。

  (2)御使いのテーマが最初に取り上げられていることには、理由がある。

    ①紀元1世紀のユダヤ人たちは、御使いたちを過度に崇めていた。

    ②著者は、御子が御使いに勝るお方であることを証明しようとする。

    ③「御使いに勝る御子」というテーマは、ヘブ1:4~2:18で論じられている。

  (3)「御使いに勝る御子」を論証する3つのステップ

    ①御子の神性(すぐれた御名)(1:4~14)

    ②御子の人性(万物の支配者)(2:5~9)

    ③御子がもたらした救い(2:10~18)

      *御子は人間を救う。御子の方が人間よりも上である。

      *御子は天使を救わない。人間の方が天使よりも上である。

      *それゆえ、御子は天使よりも上である。

2.アウトライン:御子の受肉の目的

  (1)多くの神の子たちを栄光に導くため(10~13節)

  (2)死の力を持つ者を滅ぼすため(14~15節)

  (3)人間を救うため(16~18)

  3.結論:

    (1)「父なる神にふさわしいこと」とは、何か。

    (2)「御子が救いの創始者として全うされた」とは、どういう意味か。

御子は御使いに勝るお方であることを学ぶ。

Ⅰ.多くの神の子たちを栄光に導くため(10~13節)

   1.10節

Heb 2:10 神が多くの子たちを栄光に導くのに、彼らの救いの創始者を、多くの苦しみを通して全うされたということは、万物の存在の目的であり、また原因でもある方として、ふさわしいことであったのです。

    (1)リビングバイブル

Heb 2:10 栄光を現わすために、すべてのものをお造りになった神様が、ご自分を信じる者たちを天まで引き上げるため、イエス様を苦しみに会わせたのは、まことに正しいことでした。 この苦しみをくぐり抜けて、イエス様は人々を救いに導くにふさわしい、完全な指導者となられたのです。

    (2)主語は、「父なる神」である。

      ①「万物の存在の目的である方」(新改訳)、「万物の帰すべきかた」(口語訳)

      ②「万物の原因でもある方」(新改訳)、「万物を造られたかた」(口語訳)

    (3)父なる神は、多くの神の子たちを栄光に導こうとされた。

      ①神の子たちとは、信仰によって救われる聖徒たちである。

      ②「栄光」とは、被造世界を統治するという栄光である(2:5~9で論じられた)。

      ③著者は、依然として詩8篇に基づいて論じている。

    (4)神の子たちを栄光に導く方法は、御子を苦難に会わせることであった。

    「彼らの救いの創始者を、多くの苦しみを通して全うされたということは、」(新改訳)

    「彼らの救いの創始者を数々の苦しみを通して完全な者とされたのは、」(新共同訳)

    「彼らの救の君を、苦難をとおして全うされたのは、」(口語訳)

      ①「創始者」と訳されている言葉は、「アルケイゴス」である。

        *リーダー、創始者、設立者

*英語の「パイオニア」、「道を切り拓く人」

      ②御子は、数々の苦しみを通して、完全な「指導者」、「パイオニア」となられた。

      ③ヘブ2:9

「イエスは、死の苦しみのゆえに、栄光と誉れの冠をお受けになりました」

  *御子を信じる者たちは、同じ道を行くことになる。

    (5)御子が数々の苦しみを通過することは、父なる神に「ふさわしい」ことであった。

      ①御子の受難は、父なる神の御心であった。

   2.11~12節

Heb 2:11 聖とする方も、聖とされる者たちも、すべて元は一つです。それで、主は彼らを兄弟と呼ぶことを恥としないで、こう言われます。

Heb 2:12 「わたしは御名を、わたしの兄弟たちに告げよう。/教会の中で、わたしはあなたを賛美しよう。」

     (1)清める方も、清められる者たちも、皆ひとりの方から出ている。

      ①「ひとりの方」とは、父なる神である。

      ②人間性を持った御子と人間は、ともに父なる神から出ている。

      ③永遠の神である御子が、そこまで人間と一体化されることはあり得るのか。

      ④次の詩22:22がその回答になっている。

    (2)詩22:22の預言

Psa 22:22 わたしはあなたのみ名を兄弟たちに告げ、会衆の中であなたをほめたたえるでしょう。

      ①詩22篇は、「わが神、わが神。どうして、私をお見捨てになったのですか」で

有名なメシアの受難(義人の苦難)の詩篇である。

  *御子は、受難の中から神に呼びかけた。

  *神は、その祈りを聞かれた。

  *そこで御子は、会衆の中で神の御名をたたえている。

      ②御子は、聖徒たちを「兄弟たち」と呼ぶ。

      ③御子は、公の集会で御名を賛美し、神に信頼することを兄弟たちに教えている。

   3.13節

Heb 2:13 またさらに、/「わたしは彼に信頼する。」/またさらに、/「見よ、わたしと、神がわたしに賜った子たちは。」/と言われます。

     (1)御子の受肉の事実が、さらに2つの聖句によって証明される。

      ①イザ8:17

Isa 8:17 私は【主】を待つ。/ヤコブの家から御顔を隠しておられる方を。/私はこの方に、望みをかける。

        *【主】に信頼することは、真の人間性の証明である。

      ②イザ8:18

Isa 8:18 見よ。私と、【主】が私に下さった子たちとは、/シオンの山に住む万軍の【主】からの/イスラエルでのしるしとなり、/不思議となっている。

        *御子にとっては、信者は「【主】が私に下さった子たち」である。

Ⅱ.死の力を持つ者を滅ぼすため(14~15節)

   1.14~15節

Heb 2:14 そこで、子たちはみな血と肉とを持っているので、主もまた同じように、これらのものをお持ちになりました。これは、その死によって、悪魔という、死の力を持つ者を滅ぼし、

Heb 2:15 一生涯死の恐怖につながれて奴隷となっていた人々を解放してくださるためでした。

     (1)子たち(【主】が私に下さった子たち)を救うために、御子は受肉された。

      ①御子は、人間を救うために、人間となって死ななければならなかった。

      ②御子は、新しいアダムとなられた。

    (2)御子は、死ぬことによって、悪魔を滅ぼされた。

      ①悪魔は、死の力を持つ者である。

      ②人間は、一生涯、死の恐怖につながれて奴隷となっていた。

      ③御子は、人間を奴隷状態から解放してくださった。

      ④悪魔が消滅したわけではない。

      ⑤悪魔は、御子によって贖われた人々の上に支配権を行使できなくなった。

        *悪魔が人間を束縛する方法は、死の恐怖である。

        *死の恐怖から解放されたなら、自由の子として生きることができる。

Ⅲ.人間を救うため(16~18)

   1.16節

Heb 2:16 主は御使いたちを助けるのではなく、確かに、アブラハムの子孫を助けてくださるのです。

     (1)訳文の比較

    「主は御使いたちを助けるのではなく、確かに、アブラハムの子孫を助けてくださる

のです」(新改訳)

「私たちはみな、イエス様が、御使いとしてではなく、一人の人間、一人のユダヤ人

として来られたことを知っています」(リビングバイブル)

「For verily he took not on him the nature of angels; but he took on him the

seed of Abraham.」(KJV)

    (2)御子は、天使の姿を取って来られたのではない。

      ①堕天使たちを救う計画はないからである。

    (3)御子は、人間の姿を取って来られた。

      ①罪の性質を持たない人間の姿である。

      ②「アブラハムの子孫」とは、ユダヤ人として来られたことを示している。

        *アブラハムに約束された「子孫」(種)(創22:18)

Gen 22:18 あなたの子孫によって、地のすべての国々は祝福を受けるようになる。あなたがわたしの声に聞き従ったからである。」

        *アダムに約束された「女の子孫」(創3:15)

      ③第一義的には、「アブラハムの子孫」であるユダヤ人たちを救うために来られた。

        *この手紙は、メシアニック・ジューに宛てたものである。

      ④しかし、異邦人もこの救いの対象と考えてよい。

*ガラ3:29

Gal 3:29 もしあなたがたがキリストのものであれば、それによってアブラハムの子孫であり、約束による相続人なのです。

   2.17節

Heb 2:17 そういうわけで、神のことについて、あわれみ深い、忠実な大祭司となるため、主はすべての点で兄弟たちと同じようにならなければなりませんでした。それは民の罪のために、なだめがなされるためなのです。

     (1)ここで初めて、御子の大祭司としての働きが紹介される。

      ①御子は、すべての点で人間と同じようにならなければならなかった。

      ②あわれみ深い、忠実な大祭司となるため。

      ③大祭司の働きは、罪のためのなだめの捧げ物を捧げることが含まれている。

   3.18節

Heb 2:18 主は、ご自身が試みを受けて苦しまれたので、試みられている者たちを助けることがおできになるのです。

     (1)御子の大祭司としての働きは、この手紙の後半で詳細に取り上げられる。

      ①「御使いに勝る御子」というテーマの結論部で、御子の大祭司職が取り上げら

れている。

②御子自身が苦しまれたので、試みの中にいる者たちを助けることができる。

    

結論:

  1.「父なる神にふさわしいこと」とは、何か。

Heb 2:10 神が多くの子たちを栄光に導くのに、彼らの救いの創始者を、多くの苦しみを通して全うされたということは、万物の存在の目的であり、また原因でもある方として、ふさわしいことであったのです。

    (1)神に信頼できない人が現実におられる。

    (2)神をどのように評価しようとも、それは、人間による神の評価である。

    (3)神は、ご自身の計画と心を啓示された。

      ①御子を苦難に会わせるのは、父なる神の御心であった。

Isa 53:4 まことに、彼は私たちの病を負い、/私たちの痛みをになった。/だが、私たちは思った。/彼は罰せられ、神に打たれ、苦しめられたのだと。

Isa 53:10 しかし、彼を砕いて、痛めることは/【主】のみこころであった。/もし彼が、自分のいのちを/罪過のためのいけにえとするなら、/彼は末長く、子孫を見ることができ、/【主】のみこころは彼によって成し遂げられる。

      ②父なる神は、懇願しておられる。

2Co 5:19 すなわち、神は、キリストにあって、この世をご自分と和解させ、違反行為の責めを人々に負わせないで、和解のことばを私たちにゆだねられたのです。

2Co 5:20 こういうわけで、私たちはキリストの使節なのです。ちょうど神が私たちを通して懇願しておられるようです。私たちは、キリストに代わって、あなたがたに願います。神の和解を受け入れなさい。

  2.「御子が救いの創始者として全うされた」とは、どういう意味か。

    (1)苦難を通過することによって、御子は信仰のパイオニアとしての資格を得た。

      ①人間が、創造の目的に至ることができるように、道を拓いた。

      ②御子は今、父なる神の臨在の中にいる。

      ③神の子たちも、その道を通って、栄光に至る。

    (2)御子が大祭司となるために必要な3つの条件

      ①自分が代表している民と一体化している。思いやることができる。

        *そのために、御子は受肉された。

      ②父なる神に従順である。

        *御子は、受難を通して、全き従順を証明された。

        *もし従順でないから、御子自身が大祭司の助けを必要とするようになる。

      ③罪の贖いのいけにえを捧げる。

        *罪のないご自身の命を捧げられた。

    (3)クリスチャンは、日々御子の助けを受けながら歩むことができる。

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