ヘブル人への手紙(5)—モーセに勝るイエス—

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イエスはモーセに勝るお方であることを学ぶ。

「モーセに勝るイエス」

ヘブル3:1~6

1.はじめに

  (1)この手紙が書かれた理由を再確認する。

    ①信仰が後退しつつあった第2世代のメシアニック・ジューたちへの励まし

    ②彼らは、迫害と誤った教理に直面し、元の信仰に回帰しようとしていた。

    ③手紙の内容は牧会的であり、実践的である。

      *教理的教えの合間に、警告の言葉が挿入句のように出てくる。

  (2)前回までの箇所で、著者は、御子が御使いに勝る方であることを論証した。

    ①この箇所では、イエスがモーセに勝る方であることが論証される。

    ②モーセは、ユダヤ人にとっては国民的なヒーローである。

③イエスがモーセに勝る方であることを論証すれば、以下のことが証明される。

*キリストを信じる信仰は、ユダヤ教に勝る。

*キリストが提供するものは、モーセが提供するものに勝る。

*つまり、新約は旧約に勝る。

      ④それゆえ、キリストを離れてモーセに回帰することは、不条理である。

2.アウトライン

  (1)使徒であり大祭司であるイエス(1~2節)。

  (2)モーセに勝るイエス(3~6節)

結論:

    (1)旧約聖書から学ぶこと

    (2)モーセとイエスの対比

イエスはモーセに勝るお方であることを学ぶ。

Ⅰ.使徒であり大祭司であるイエス(1~2節)。

  1.1節

Heb 3:1 そういうわけですから、天の召しにあずかっている聖なる兄弟たち。 私たちの告白する信仰の使徒であり、大祭司であるイエスのことを考えなさい。

    (1)「そういうわけですから」

      ①今まで論じてきた内容(御子は御使いに勝る)を前提に、次のテーマに移る。

      ②天使ではなく、御子に目を向けよという勧告が与えられる。

      ③御使い以外に、ユダヤ人たちの関心を奪っていたテーマがもうひとつある。

      ④それが、モーセである。

    (2)「天の召しにあずかっている聖なる兄弟たち」

       ①この呼びかけの言葉は、今まで論じてきた内容の要約となっている。

      ②手紙の受け手は、「兄弟たち」である。

        *互いに兄弟であるだけでなく、信仰のパイオニアである方とも兄弟である。

        *ヘブ2:11~12

Heb 2:11 聖とする方も、聖とされる者たちも、すべて元は一つです。それで、主は彼らを兄弟と呼ぶことを恥としないで、こう言われます。

Heb 2:12 「わたしは御名を、わたしの兄弟たちに告げよう。/教会の中で、わたしはあなたを賛美しよう。」

      ③彼らは、「聖なる兄弟たち」である。

        *キリストによって聖なる者とされた。

      ④彼らは、「天の召しにあずかっている」

        *天の召しとは、将来の御国での栄光に与ることである。

        *「ともに与る」、「共有している」という意味である。

    (3)「私たちの告白する信仰の使徒であり、大祭司であるイエスのことを考えなさい」

       ①彼らは、イエスについて学び、理解を深めるべきである。

      ②ここでは、イエスに2つのタイトルが与えられている。

        *使徒と大祭司

      ③彼らは、一度はイエスを信じた人々である。

        *しかし、初歩の信仰に留まっていた。

*イエスについてさらに学び、理解を深める必要がある。

*これは、ファストフード、ファストファッションの時代への警句となる。

    (4)イエスは、「使徒」である。

      ①「使徒」というタイトルは、12使徒とは異なる意味で使用されている。

      ②イエスは、神から派遣された者である。イエスは、神を代表している。

        *このテーマは、3:1~4:13で論じられる。

      ③ヨハ1:17

Joh 1:17 というのは、律法はモーセによって与えられ、恵みとまことはイエス・キリストによって実現したからである。

        *モーセは、シナイ契約と律法をもたらすための使者であった。

*イエスは、新約と恵みのディスペンセーションをもたらすための使者。

    (5)イエスは、「大祭司」である。

      ①モーセではなく、アロンが大祭司であった。

      ②しかし、実際に大祭司の役割を果たしたのは、モーセであった。

        *金の子牛事件(出32章)

        *カデシュ・バルネア事件(民14章)

      ③イエスは、大祭司であり、民の代理人である。

        *このテーマは、4:14~7:28で論じられる。

  2.2節

Heb 3:2 モーセが神の家全体のために忠実であったのと同様に、イエスはご自分を立てた方に対して忠実なのです。

     (1)モーセは、神に忠実な最高の例である。

①民12:6~7

Num 12:6 仰せられた。「わたしのことばを聞け。もし、あなたがたのひとりが預言者であるなら、【主】であるわたしは、幻の中でその者にわたしを知らせ、夢の中でその者に語る。

Num 12:7 しかしわたしのしもべモーセとはそうではない。彼はわたしの全家を通じて忠実な者である。

      ②モーセは、「神の家全体のために」忠実であった。

        *「神の家」とは、単に幕屋のことではない。

*「イスラエルの家」、つまり、「イスラエルの民」のことである。

    (2)しかし、イエスの方がモーセよりも神に対して忠実である。

      ①モーセは、失敗を犯すことがあったが、イエスにはそれがない。

      ②申18:15

Deu 18:15 あなたの神、【主】は、あなたのうちから、あなたの同胞の中から、私のようなひとりの預言者をあなたのために起こされる。彼に聞き従わなければならない。

        *イエスは、「モーセのようなひとりの預言者」である。

Ⅱ.モーセに勝るイエス(3~6節)

   1.3~4節

Heb 3:3 家よりも、家を建てる者が大きな栄誉を持つのと同様に、イエスはモーセよりも大きな栄光を受けるのにふさわしいとされました。

Heb 3:4 家はそれぞれ、だれかが建てるのですが、すべてのものを造られた方は、神です。

     (1)ユダヤの伝承の2つの流れ

      ①モーセは、歴史上最も偉大な人物である。

      ②あるいは、モーセは、アブラハムに次いで偉大な人物である。

    (2)イエスがモーセよりも優れていることの論証①

      ①イエスは、イスラエルの家を建てた。

      ②モーセは、イスラエルの家の中にいて、神に忠実に仕えた。

      ③家を建てる者は、家よりも大きな栄誉を持つ。

    (2)イエスがモーセよりも優れていることの論証②

      ①家は、誰かによって建てられる。

      ②神は、すべてのものを造られた。

      ③イエスは、創造の業に参加しておられた。

Joh 1:3 すべてのものは、この方によって造られた。造られたもので、この方によらずにできたものは一つもない。

Heb 1:2 この終わりの時には、御子によって、私たちに語られました。神は、御子を万物の相続者とし、また御子によって世界を造られました。

      ④つまり、イエスは神である。

  2.5節

Heb 3:5 モーセは、しもべとして神の家全体のために忠実でした。それは、後に語られる事をあかしするためでした。

     (1)モーセは、神の家全体のために忠実であった。

      ①しかし、神の家における彼の地位は、しもべであった。

      ②「しもべ」(デューロスではなく、セラポン)

        *相手の身分や状態に関係なく、忠実に仕える人

        *医者が病人を治療するように、隣人の必要に仕える人

      ③モーセは、イスラエルの霊的、道徳的病を癒した。

    (2)モーセの奉仕は、イエスの奉仕の予表であり、影であった。

      ①「後に語られる事」とは、メシアに関することである。

  3.6節

Heb 3:6 しかし、キリストは御子として神の家を忠実に治められるのです。もし私たちが、確信と、希望による誇りとを、終わりまでしっかりと持ち続けるならば、私たちが神の家なのです。

     (1)モーセとキリストの対比

      ①モーセは、神の家の中でのしもべであった。

      ②キリストは「御子」として、「神の家」の上にあって、それを治められる。

      ③今は、ユダヤ人信者と異邦人信者は、ともに神の家に属している。

      ④エペ2:19

Eph 2:19 こういうわけで、あなたがたは、もはや他国人でも寄留者でもなく、今は聖徒たちと同じ国民であり、神の家族なのです。

    (2)「確信と、希望による誇りとを、終わりまでしっかりと持ち続けるならば、」

       ①忍耐ある信仰は、その人が真に救われていることの証拠である。

      ②忍耐のない人は、救いに至る信仰があるという証拠がない。

結論:

  1.旧約聖書から学ぶこと

Heb 3:5 モーセは、しもべとして神の家全体のために忠実でした。それは、後に語られる事をあかしするためでした。

    (1)神の計画が成就するために、人がどのように用いられたか。

    (2)霊的真理を教えるために、事件や人物が象徴としてどのように用いられたか。

    (3)メシアの来臨を予告するために、預言者たちがどのように用いられたか。

    (4)メシアの死の意味を教えるために、祭儀法がどのように用いたれたか。

    (5)旧約聖書の理解なしに、新約聖書を理解することは不可能である。

  2.モーセとイエスの対比

    (1)モーセは、奴隷になっていたイスラエルの民をエジプトから解放した。

      ①イエスは、信じる者を罪の束縛と呪いから解放される。

    (2)モーセを通して、神はイスラエルの民を「神の民」として造られた。

      ②イエスは、信じるすべての者を「神の子」として造られる。

    (3)モーセは、イスラエルの民に旧約をもたらした。

      ③イエスは、すべての者に新約をもたらした。

    (4)モーセの時代(旧約時代)、イスラエルの民だけが神に近づくことができた。

      ④イエスの時代(新約時代)、信じるすべての者が神に近づくことができる。

    (5)すべての点において、イエスはモーセよりも素晴らしいことを行なわれた。

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