私たちはプロテスタントのキリスト教福音団体です。『1. 聖書のことばを字義どおりに解釈する 2. 文脈を重視する 3. 当時の人たちが理解した方法で聖書を読む 4. イスラエルと教会を区別する』この4点を大切に、ヘブル的聖書解釈を重視しています。詳しくは私たちの理念をご確認ください。
創世記(36)—イサクの嫁探し(2)—
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神の導きを確信する人々の生き方を確認する。
創世記36 創世記24章32節~67節
「イサクの嫁探し(2)」
イントロ:
1.前回までの復習
(1)世代交代が起こっている。
①サラが亡くなった。
②アブラハムも人生の総仕上げの時期に入っている。
③息子イサクの嫁の心配をしている。
(2)嫁探しのために、しもべを親族のもとに派遣する。ダマスコのエリエゼル。
(3)しもべは井戸のそばでリベカに会い、彼女が親族の娘であることを知る。
(4)リベカの兄のラバンによって家に招かれる。
2.きょうの箇所
(1)家に入ってからのエリエゼルの姿。
(2)いかにして彼が、使命を全うするのか。
3.メッセージのアウトライン
(1)エリエゼルの説得
(2)リベカの決断力
(3)イサクの愛
4.きょうのメッセージは、私たちに何を教えているか。
(1)前回同様、「しもべ」の心と姿勢を学ぶ。
(2)神の導きを確信するイサクとリベカの行動。
(3)聖書的結婚とは何か。
このメッセージは、神の導きを確信する人々の生き方を確認するためのものである。
Ⅰ.エリエゼルの説得(24:32~49)
1.真剣な姿
(1)ラバンのもてなし
①らくだのため
②従者たちのため
③エリエゼルのため
(2)中東の豪華な食事が始まる前に、しもべは用件を述べる。
①食事よりも重要なものがある。
②食事が喉を通らない状態。
(3)エリエゼルはことの経緯をすべて語っている。
①読者には、同じことの繰り返しである。
②この使命の重要性を伝えるために
③リベカがカナンの地に行くことがいかに重要であるかを伝えるため
(4)熱心な姿勢が、相手を動かす。
2.説得のことば
(1)自己紹介(同時に、主人アブラハム、息子イサクの紹介)
①「私はアブラハムのしもべです」という自己認識
②イサクの誕生をねたまなかった忠実なしもべ
③主人の祝福だけを願うしもべ
(例話)パウロの自己認識:
「キリスト・イエスのしもべ」「イエスのために、あなたがたに仕えるしもべ」
④アブラハムが主から受けている祝福
「①羊、②牛、③銀、④金、⑤⑥男女の奴隷、⑦らくだ、⑧ろば」
⑤イサクの紹介
「私の主人の妻サラは、年をとってから、ひとりの男の子を主人に産み、主人は
この子に自分の全財産を譲っておられます」
*サラは、90歳になってからイサクを産んだ。
*イサクは、全財産の相続人。ダマスコのエリエゼルではない。
*また、イシュマエルでもない。
(2)主人との誓い
①カナン人の娘をイサクの妻にめとってはならない。
②親族のところに行って、イサクのために妻を迎えなくてはならない。
③しもべの心配:その娘がついて来ない場合は、どうするのか。
④アブラハムの確信:主が御使いを遣わし、その旅を成功させてくださる。
(例話)マタ18:10 「彼らの天の御使いたち」。ヘブ1:14参照。
⑤例外規定:親族が娘を与えない場合、しもべは誓いから解かれる。
(3)祈りの内容
①神への叫び
②しるしを求めた
③43節の「おとめ」は、「ベツラー」ではなく、「アルマー」(16節とは異なる)。
④「どうぞお飲みください。私はあなたのらくだにも水を汲んであげましょう」
(4)祈りの答え
①リベカはテストに合格した。
②リベカは親戚の娘であった。
③しもべは、リベカに装飾品を付けた。
④主に礼拝と賛美を捧げた。
3.返事を要求
(1)イエスかノーか。
(2)それによって、自分の態度を決める。
(3)御心であるとの確信があるが、それを100パーセント見るまでは安心しない。
(4)ラバンとベトエルが、主の導きであることに同意した。
①人間がイエスとかノーとか言う問題ではない。
②当時の習慣では、こういう場合の兄の関与は珍しくはない。
(5)しもべは、祈りが100パーセント聞かれたことを知って、礼拝している。
(6)花嫁料を払った。これで、正式な婚約が成立した。
(7)それから、ようやく食事にありついた。安心して食べた。
Ⅱ.リベカの決断力
1.エリエゼルと家族との対話
(1)翌朝:帰国したいという願い。一日も無駄にしたくない。
(2)兄と母:10日間ほどとどめておきたい。
(3)神が急いでおられる。それゆえ、エリエゼルはも急ぐ。
(4)リベカの意見を聞く。
①きっと彼女は遅らせてほしいと言うだろうという期待がある。
②古代中東の習慣では、娘の意見を聞かなくてもよい。
③フルリ人の法律では、娘の意見を聞かなければならない。
2.リベカの決断力
(1)リベカは、すぐに行くことに同意した。
(2)家族は、リベカをその乳母とともに送り出した。
①デボラ(35:8)
②死の時には、ヤコブの家族の一員になっていた。
(3)婚約の祝福の祈り
「われらの妹よ。あなたは幾千万にもふえるように。
そして、あなたの子孫は敵の門を勝ち取るように」
(4)創22:17と同じ。イサク奉献の後の神の祝福のことば。
「わたしは確かにあなたを大いに祝福し、あなたの子孫を、空の星、海辺の砂のよう
に数多く増し加えよう。そしてあなたの子孫は、その敵の門を勝ち取るであろう」
(5)カナンの地への旅
①乳母のデボラ以外に何人かの侍女たちがいた。
②彼女たちは、らくだに乗って旅をした。
Ⅲ.イサクの愛
1.イサクの登場
(1)父のアブラハムと同様に、ネゲブの地に住んでいた。
(2)ベエル・ラハイ・ロイはネゲブにある地名。
①創16:14 ハガルが主の使いに出会い、水を得た場所。
②その井戸は、イサクの所有になっていた。
(3)「イサクは夕暮れ近く、野に散歩に出かけた」
「イサクは夕暮、野に出て歩いていた」(口語訳)
「夕方暗くなるころ、野原を散策していた」(新共同訳)
英語訳では、「黙想するために」と訳しているのが多い。
(4)これは、イサクの夕暮れの祈りの時間である。
(5)「彼がふと目を上げ、見ると、らくだが近づいて来た」
①キャラバンが見えた。
②その中に、自分の妻になる人がいるという期待はあったであろう。
2.リベカの登場
(1)イサクだと分かる前に、らくだから降りている。
①遠くから見た姿に何かを感じたのであろう。
②もし「一目ぼれ」という感情があったとするなら、ここである。
(2)イサクだと分かると、ベールを取って顔を隠した。
①結婚の夜は、花嫁は顔をベールで覆った。
②後にヤコブは、その方法でだまされた。
(3)しもべのイサクへの報告
①イサクは、この娘が自分の妻であることを確信した。
②すべてがアブラハムとしもべの誓約通りになった。
3.結婚式
「イサクは、その母サラの天幕にリベカを連れて行き、リベカをめとり、彼女は彼の
妻となった」
(1)結婚式:母サラの天幕にリベカを連れて行く。
①サラが死んでから3年
②天幕は空であったが、結婚式のためにそこに用意されていた。
③リベカがそこに入ることが、当時の習慣による結婚式。
(2)次に、夫婦の初めての肉体関係がある。
(3)「彼は彼女を愛した。イサクは、母のなきあと、慰めを得た」
結論
1.「しもべ」の心と姿勢
(1)長子の権を失っても、苦々しい思いを抱いていない。
(2)主人アブラハムの最善を願っている。
(3)神が急いでおられるので、自分も急ぐ。
(4)アブラハムのしもべであることを誇りとしている。
2.神の導きを確信するイサクとリベカ
(1)リベカの決断力
(2)イサクの愛
①夕暮れの祈りの時間に、神からの祈りの答えを受けた。
②彼は彼女を愛した。
3.聖書的結婚の3つの要素
(1)お互いに対する献身
①恋愛感情がなくても、献身の決意はできる。
②相手を愛そうという献身の決意である。
(2)結婚式
①社会的に結婚式と認められるような形式
②ユダヤ人は天蓋の下で行う。指輪の交換、三三九度など。
(3)肉体的関係によって、夫婦がひとつとなる。
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