創世記(31)—イサク誕生の経緯—

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このメッセージでは...

神にある勝利と希望について学ぶ。

創世記31 創世記20章1節~21章7節

「イサク誕生の経緯」

イントロ:

1.前回までの復習

(1)神はアブラムを選び、彼とその子孫を通して全人類を救おうとされた。

(2)それがアブラハム契約である。

(3)子孫の約束は、アブラハム契約の条項のひとつである。

(4)アブラハムに息子が誕生しないなら、この条項は実現しないことになる。

(5)アブラハムが100歳、サラが90歳で、イサクが誕生する。

(6)その誕生は、すんなりとは行かなかった。

2.メッセージのアウトライン

   (1)アビメレク事件

      ①事件の背景

      ②アビメレクと神

      ③アビメレクとアブラハム

      ④結末

  (2)イサクの誕生

    ①約束の成就

    ②サラの喜び

    ③サラの認識

  3.きょうのメッセージは、私たちに何を教えているか。

    (1)神の計画を妨害する闇の力が存在する。

    (2)神は、最終的に勝利される。

    (3)クリスチャンにとって希望とは何か。

このメッセージは、神にある勝利と希望について学ぼうとするものである。

Ⅰ.アビメレク事件

1.事件の背景(1~2節)

(1)アブラハムの移動

①ヘブロンの近く、マムレの樫の木の所から、ネゲブ地方(南の方角)への移動。

②ソドムとゴモラが見える所に留まりたくなかったのか。

③東にカデシュ。カデシュ・バルネアのこと。西にシュル。エジプトとの国境。

④その中間にゲラルの町がある。ペリシテ人の地(平原)

    (2)アブラハムは、創12章で犯したのと同じ過ちを犯す。

      ①「アブラハムは、自分の妻サラのことを、『これは私の妹です』と言った」

    (3)イサクが誕生する前の年にこれが起こっている。

      ①サラはまだ妊娠していないか、そのしるしが出ていない時。

②アブラハムは、約束の子の誕生を再び危険にさらした。

    (4)アビメレクとは、個人名ではなく、ゲラルの王のタイトルである。

①個人名は分からない。

②エジプトの王は「パロ」。

③彼は、サラを召しいれた。

④ イサクの誕生が危うくなった。

2.アビメレクと神(3~7節)

(1)夢の中での神の介入(異邦人も夢の中で神からの啓示を受ける)

(2)創世記にはそのような異邦人が5人いるが、すべて警告の言葉を受けている。

①アビメレク

②ラバン(31:24)

③パロに仕える献酌官

④パロに仕える調理官(40:5)

⑤パロ(41:1)

    (3)アビメレクへの警告

「あなたが召し入れた女のために、あなたは死ななければならない。あの女は夫のある身である」

① アブラハムが語ったことは、半分真実で半分嘘。

②アビメレクは、それを知らずにサラを召し入れた。

③それでもアビメレクが呪いを受けている。

④アブラハム契約が無条件契約であるから。

⑤アブラハム契約の祝福と呪いの条項が働いている。

    (4)アビメレクの弁明

①「アビメレクはまだ、彼女に近づいていなかった」

②サラとの肉体関係をまだ持っていなかった。

      ③「主よ。あなたは正しい国民をも殺されるのですか」

④彼は、都市国家ゲラル全体の滅びを心配している。

      ⑤彼は、無実の主張をする。

    (5)神の応答

      ①夢は続いている。

②神はアビメレクが無実であることを認められた。

③アビメレクがサラに触れなかったのは、神が彼に罪を犯させないためであった。

④「今、あの人の妻を返していのちを得なさい。あの人は預言者であって、あなたのために祈ってくれよう」

        *聖書で初めて「預言者」という語が出てくる。「ナビ」。

*この指示に従えば、祝福が与えられる。

⑤「しかし、あなたが返さなければ、あなたも、あなたに属するすべての者も、必ず死ぬことをわきまえなさい」

*指示に従わないなら、裁きが家族全部にやって来る。

3.アビメレクとアブラハム(8~15節)

(1)「翌朝早く、アビメレクは彼のしもべを全部呼び寄せ、これらのことをみな語り聞かせたので、人々は非常に恐れた」

   ①「しもべ」とは、恐らく「助言者たち」のことであろう。

    (2)アブラハムを問い詰めるアビメレク

      ①「あなたは何ということを、してくれたのか」

②「あなたが私と私の王国とに、こんな大きな罪をもたらすとは、いったい私がどんな罪をあなたに犯したのか」

③「あなたはしてはならないことを、私にしたのだ」

④異教の王が、神を知るアブラハムを叱責している。

      ⑤2度目の叱責。「あなたはどういうつもりで、こんなことをしたのか」

    (3)アブラハムの弁明

      ①「この地方には、神を恐れることが全くないので、人々が私の妻のゆえに、私を殺すと思ったからです」

②「また、ほんとうに、あれは私の妹です。あの女は私の父の娘ですが、私の母の娘ではありません。それが私の妻になったのです」

*モーセの律法ではこの結婚は禁止されるようになる。

*レビ18:9、18:11、20:17、申27:22、エゼ22:11

      ③これは、アブラハムの25年にわたるポリシー。

        *従って、聖書に書かれている回数よりも頻繁にこれが起こった。

*このポリシーがうまく機能しなかった場合が、2度あった。

    (4)アビメレクの対応

①「そこでアビメレクは羊、牛および男女の奴隷を取ってアブラハムに与え、その妻サラを彼に返した」

②アブラハムは、エジプトの時と同様により豊かになった。

③「わたしの地はあなたの前にあります。あなたの好きな所に住みなさい」

*パロの場合と異なり、その地に住むことが許された。

*未信者の寛容な心を見る。

      ④アビメレクはサラに賠償金を支払い、決着をつけた。

      「わたしは、銀一千シェケルをあなたの兄上に贈りました。それは、あなたとの間のすべての出来事の疑惑を晴らす証拠です。これであなたの名誉は取り戻されるでしょう」(新共同訳)

4. 結末(17~18節)

(1)呪いの除去

(2)アブラハムが神に祈っている。

①アブラハム契約が無条件契約であることを示している。

②呪いが取り除かれた。

③時間の経過が見られる。

④アビメレクがサラを返したので、ユダヤ民族が誕生することになった。

⑤その時神は、アビメレクに将来の彼の民を返された。

    (3)アブラハムは祭司としての役割を果たしている。

Ⅱ.イサクの誕生

  1.約束の成就

(1)17章、18章で約束されてきたことが成就した。

(2)アビメレクの家の胎を開かれた主は、サラの胎も開かれた。

    (3)「神がアブラハムに言われたその時期に」(創18:14)


主】に不可能なことがあろうか。わたしは来年の今ごろ、定めた時に、あなたのところに戻って来る。そのとき、サラには男の子ができている。」

    (4)イサクと命名

    (5)8日目の割礼(聖書では、初めての記録)

(6)アブラハム契約のしるし

    (7)アブラハムは100歳。約束が与えられてから、25年。

      ①神の約束の成就は、すぐにとは限らない。

②しかし、確実にやって来る。

2.サラの喜び

   (1)訳文比較

【口語訳】 そしてサラは言った、「神はわたしを笑わせてくださった。聞く者は皆わたしのことで笑うでしょう」。

【新改訳改訂3】 サラは言った。「神は私を笑われました。聞く者はみな、私に向かって笑うでしょう。」

【新共同訳】 サラは言った。「神はわたしに笑いをお与えになった。聞く者は皆、わたしと笑い(イサク)を/共にしてくれるでしょう」

(2)言葉遊びが2度出てくる。

(3)積極的な意味で使われている。

(4)かつては、ハガルのような人々がサラのことを笑っていた。

(5)しかし、サラの予想通りにならないことが分かってくる。

3.サラの認識

(1)【新共同訳】サラはまた言った。「誰がアブラハムに言いえたでしょう/サラは子に乳を含ませるだろうと。しかしわたしは子を産みました/年老いた夫のために」

(2)不可能なことが起こったという認識。

(3)「子に乳を含ませる」の「子」複数形である。

①アブラハム契約を認識し、イサクから多くの子孫が誕生することを信じた。

(4)「子を産みました」の「子」は単数形である。イサクのこと。

(5)不信仰の笑いが、喜びの笑いとなった。

結論

  1.神の計画を妨害する闇の力が働いている。

(1)創3:15の「女の子孫」の約束

    (2)メシアの誕生を妨害するサタンの力

    (3)舞台裏で今も働く闇の力

  2.神は最終的に勝利される。

(1)時間の経過の中でサラが守られた。

(2)夢でアビメレクに語られた。

(3)サラはアブラハム契約の内容を理解した。

(4)ヨハネ1:5

「光はやみの中に輝いている。やみはこれに打ち勝たなかった」


アブラハムの子孫であるメシアの誕生


罪のない生涯


贖罪の死


3日目の復活

  3.クリスチャンにとって希望とは何か。

    (1)アブラハムは、イサク誕生までに25年待たされた。

    (2)新約聖書の解説

      ①ロマ4:17~22 望みえないときに望みを抱いて信じた。

      ②ヘブル11:11~12 約束してくださった方を真実な方と信じた。

    (例話)ある有名な伝道者の悲嘆の声

    (3)祈りの答えがすぐに返って来ない時

      ①実は、答えは「希望」という形で返って来ている。

      ②そこに、クリスチャンの希望がある。

    (4)メシアの再臨、千年王国の確立、新天新地の出現は、将来成就すること。

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