私たちはプロテスタントのキリスト教福音団体です。『1. 聖書のことばを字義どおりに解釈する 2. 文脈を重視する 3. 当時の人たちが理解した方法で聖書を読む 4. イスラエルと教会を区別する』この4点を大切に、ヘブル的聖書解釈を重視しています。詳しくは私たちの理念をご確認ください。
創世記(31)—イサク誕生の経緯—
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神にある勝利と希望について学ぶ。
創世記31 創世記20章1節~21章7節
「イサク誕生の経緯」
イントロ:
1.前回までの復習
(1)神はアブラムを選び、彼とその子孫を通して全人類を救おうとされた。
(2)それがアブラハム契約である。
(3)子孫の約束は、アブラハム契約の条項のひとつである。
(4)アブラハムに息子が誕生しないなら、この条項は実現しないことになる。
(5)アブラハムが100歳、サラが90歳で、イサクが誕生する。
(6)その誕生は、すんなりとは行かなかった。
2.メッセージのアウトライン
(1)アビメレク事件
①事件の背景
②アビメレクと神
③アビメレクとアブラハム
④結末
(2)イサクの誕生
①約束の成就
②サラの喜び
③サラの認識
3.きょうのメッセージは、私たちに何を教えているか。
(1)神の計画を妨害する闇の力が存在する。
(2)神は、最終的に勝利される。
(3)クリスチャンにとって希望とは何か。
このメッセージは、神にある勝利と希望について学ぼうとするものである。
Ⅰ.アビメレク事件
1.事件の背景(1~2節)
(1)アブラハムの移動
①ヘブロンの近く、マムレの樫の木の所から、ネゲブ地方(南の方角)への移動。
②ソドムとゴモラが見える所に留まりたくなかったのか。
③東にカデシュ。カデシュ・バルネアのこと。西にシュル。エジプトとの国境。
④その中間にゲラルの町がある。ペリシテ人の地(平原)
(2)アブラハムは、創12章で犯したのと同じ過ちを犯す。
①「アブラハムは、自分の妻サラのことを、『これは私の妹です』と言った」
(3)イサクが誕生する前の年にこれが起こっている。
①サラはまだ妊娠していないか、そのしるしが出ていない時。
②アブラハムは、約束の子の誕生を再び危険にさらした。
(4)アビメレクとは、個人名ではなく、ゲラルの王のタイトルである。
①個人名は分からない。
②エジプトの王は「パロ」。
③彼は、サラを召しいれた。
④ イサクの誕生が危うくなった。
2.アビメレクと神(3~7節)
(1)夢の中での神の介入(異邦人も夢の中で神からの啓示を受ける)
(2)創世記にはそのような異邦人が5人いるが、すべて警告の言葉を受けている。
①アビメレク
②ラバン(31:24)
③パロに仕える献酌官
④パロに仕える調理官(40:5)
⑤パロ(41:1)
(3)アビメレクへの警告
「あなたが召し入れた女のために、あなたは死ななければならない。あの女は夫のある身である」
① アブラハムが語ったことは、半分真実で半分嘘。
②アビメレクは、それを知らずにサラを召し入れた。
③それでもアビメレクが呪いを受けている。
④アブラハム契約が無条件契約であるから。
⑤アブラハム契約の祝福と呪いの条項が働いている。
(4)アビメレクの弁明
①「アビメレクはまだ、彼女に近づいていなかった」
②サラとの肉体関係をまだ持っていなかった。
③「主よ。あなたは正しい国民をも殺されるのですか」
④彼は、都市国家ゲラル全体の滅びを心配している。
⑤彼は、無実の主張をする。
(5)神の応答
①夢は続いている。
②神はアビメレクが無実であることを認められた。
③アビメレクがサラに触れなかったのは、神が彼に罪を犯させないためであった。
④「今、あの人の妻を返していのちを得なさい。あの人は預言者であって、あなたのために祈ってくれよう」
*聖書で初めて「預言者」という語が出てくる。「ナビ」。
*この指示に従えば、祝福が与えられる。
⑤「しかし、あなたが返さなければ、あなたも、あなたに属するすべての者も、必ず死ぬことをわきまえなさい」
*指示に従わないなら、裁きが家族全部にやって来る。
3.アビメレクとアブラハム(8~15節)
(1)「翌朝早く、アビメレクは彼のしもべを全部呼び寄せ、これらのことをみな語り聞かせたので、人々は非常に恐れた」
①「しもべ」とは、恐らく「助言者たち」のことであろう。
(2)アブラハムを問い詰めるアビメレク
①「あなたは何ということを、してくれたのか」
②「あなたが私と私の王国とに、こんな大きな罪をもたらすとは、いったい私がどんな罪をあなたに犯したのか」
③「あなたはしてはならないことを、私にしたのだ」
④異教の王が、神を知るアブラハムを叱責している。
⑤2度目の叱責。「あなたはどういうつもりで、こんなことをしたのか」
(3)アブラハムの弁明
①「この地方には、神を恐れることが全くないので、人々が私の妻のゆえに、私を殺すと思ったからです」
②「また、ほんとうに、あれは私の妹です。あの女は私の父の娘ですが、私の母の娘ではありません。それが私の妻になったのです」
*モーセの律法ではこの結婚は禁止されるようになる。
*レビ18:9、18:11、20:17、申27:22、エゼ22:11
③これは、アブラハムの25年にわたるポリシー。
*従って、聖書に書かれている回数よりも頻繁にこれが起こった。
*このポリシーがうまく機能しなかった場合が、2度あった。
(4)アビメレクの対応
①「そこでアビメレクは羊、牛および男女の奴隷を取ってアブラハムに与え、その妻サラを彼に返した」
②アブラハムは、エジプトの時と同様により豊かになった。
③「わたしの地はあなたの前にあります。あなたの好きな所に住みなさい」
*パロの場合と異なり、その地に住むことが許された。
*未信者の寛容な心を見る。
④アビメレクはサラに賠償金を支払い、決着をつけた。
「わたしは、銀一千シェケルをあなたの兄上に贈りました。それは、あなたとの間のすべての出来事の疑惑を晴らす証拠です。これであなたの名誉は取り戻されるでしょう」(新共同訳)
4. 結末(17~18節)
(1)呪いの除去
(2)アブラハムが神に祈っている。
①アブラハム契約が無条件契約であることを示している。
②呪いが取り除かれた。
③時間の経過が見られる。
④アビメレクがサラを返したので、ユダヤ民族が誕生することになった。
⑤その時神は、アビメレクに将来の彼の民を返された。
(3)アブラハムは祭司としての役割を果たしている。
Ⅱ.イサクの誕生
1.約束の成就
(1)17章、18章で約束されてきたことが成就した。
(2)アビメレクの家の胎を開かれた主は、サラの胎も開かれた。
(3)「神がアブラハムに言われたその時期に」(創18:14)
「【
主】に不可能なことがあろうか。わたしは来年の今ごろ、定めた時に、あなたのところに戻って来る。そのとき、サラには男の子ができている。」
(4)イサクと命名
(5)8日目の割礼(聖書では、初めての記録)
(6)アブラハム契約のしるし
(7)アブラハムは100歳。約束が与えられてから、25年。
①神の約束の成就は、すぐにとは限らない。
②しかし、確実にやって来る。
2.サラの喜び
(1)訳文比較
【口語訳】 そしてサラは言った、「神はわたしを笑わせてくださった。聞く者は皆わたしのことで笑うでしょう」。
【新改訳改訂3】 サラは言った。「神は私を笑われました。聞く者はみな、私に向かって笑うでしょう。」
【新共同訳】 サラは言った。「神はわたしに笑いをお与えになった。聞く者は皆、わたしと笑い(イサク)を/共にしてくれるでしょう」
(2)言葉遊びが2度出てくる。
(3)積極的な意味で使われている。
(4)かつては、ハガルのような人々がサラのことを笑っていた。
(5)しかし、サラの予想通りにならないことが分かってくる。
3.サラの認識
(1)【新共同訳】サラはまた言った。「誰がアブラハムに言いえたでしょう/サラは子に乳を含ませるだろうと。しかしわたしは子を産みました/年老いた夫のために」
(2)不可能なことが起こったという認識。
(3)「子に乳を含ませる」の「子」複数形である。
①アブラハム契約を認識し、イサクから多くの子孫が誕生することを信じた。
(4)「子を産みました」の「子」は単数形である。イサクのこと。
(5)不信仰の笑いが、喜びの笑いとなった。
結論
1.神の計画を妨害する闇の力が働いている。
(1)創3:15の「女の子孫」の約束
(2)メシアの誕生を妨害するサタンの力
(3)舞台裏で今も働く闇の力
2.神は最終的に勝利される。
(1)時間の経過の中でサラが守られた。
(2)夢でアビメレクに語られた。
(3)サラはアブラハム契約の内容を理解した。
(4)ヨハネ1:5
「光はやみの中に輝いている。やみはこれに打ち勝たなかった」
①
アブラハムの子孫であるメシアの誕生
②
罪のない生涯
③
贖罪の死
④
3日目の復活
3.クリスチャンにとって希望とは何か。
(1)アブラハムは、イサク誕生までに25年待たされた。
(2)新約聖書の解説
①ロマ4:17~22 望みえないときに望みを抱いて信じた。
②ヘブル11:11~12 約束してくださった方を真実な方と信じた。
(例話)ある有名な伝道者の悲嘆の声
(3)祈りの答えがすぐに返って来ない時
①実は、答えは「希望」という形で返って来ている。
②そこに、クリスチャンの希望がある。
(4)メシアの再臨、千年王国の確立、新天新地の出現は、将来成就すること。
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