創世記(29)—アブラハムの執りなしの祈り—

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執りなしの祈りの意味について学ぶ。

創世記29 創世記18章1節~33節

「アブラハムの執りなしの祈り」

イントロ:

1.前回までの復習

(1)神はアブラムを選び、彼とその子孫を通して全人類を救おうとされた。

(2)それがアブラハム契約である。

(3)アブラムはアブラハムに、サライはサラに改名した。

(4)その理由は、新しい約束が与えられたから。

①アブラハムは諸国民の父となる。

②サラは男の子を産む。

(5)アブラハムは、アブラハム契約の「しるし」として割礼を実行した。

 2.きょうの箇所

(1)割礼を受けた直後の出来事

(2)ソドムとゴモラに下る裁きがアブラハムに伝えられる。

(3)アブラハムは、執りなしの祈りを捧げる。

 3.メッセージのアウトライン

  (1)第1幕 マムレの樫の木のそばで(サラが男の子を産むという約束)

  (2)第2幕 訪問客を見送る途上で(ソドムとゴモラが滅びるという予告)

  (3)第3幕 ヘブロン高原で(アブラハムの執りなしの祈り)

 4.きょうのメッセージは、私たちに何を教えているか。

  (1)執りなしの祈りの本質

  (2)祈りに対する神からの答え

  (3)メシアの祈り

このメッセージは、執りなしの祈り意味について学ぼうとするものである。

Ⅰ.第1幕 マムレの樫の木のそばで

1. アブラハムは、天幕の入口に座っていた。

(1)彼が依然として遊牧民であったことを表わしている。

(2)ユダヤ教の伝承では、割礼を受けて3日目。座って傷が癒えるのを待っていた。

(3)つまり、17章と18章は時間的につながっているということ。

(4)日の暑い頃:正午過ぎ。中東では主たる食事の時間。

2. 3人の人が彼に向かって立っていた。

(1)アブラハムは、即座に行動した。

(2)地にひれ伏している。

(3)「ご主人」

  ①ヘブル語では「アドナイ」。

②日本語訳の比較

*「ご主人」(新改訳)

*「わが主よ」(口語訳)

*「お客様」(新共同訳)

③「アドナイ」とは、神を指す語である。

④この3人は、神が2人の天使を伴って現れたもの。

(4)「お気に召すなら、どうか、あなたのしもべのところを素通りなさらないでください」

①日本語訳の比較

*「お気に召すなら」(新改訳)

*「もしわたしがあなたの前に恵みを得ているなら」(口語訳)

*「よろしければ」(新改訳)

3. アブラハムのもてなし

 (1)「少しばかりの水を持って来させますから、あなたがたの足を洗い、この木の下でお休みください。私は少し食べ物を持ってまいります」

(2)実際は、必要以上のもてなしをしている。

①サラに命じて、パン菓子を作らせている。

*「3セアの上等の小麦粉」。20リットル以上の量。

②最上の子牛を取ってそれを僕に料理させている。

③木の下に立って彼らに給仕をしている。

(3)これらのもてなしは、ソドムの人々(19章)のそれとは対照的である。

4. この食事の本質

 (1)17章で、アブラハムとその家族は、契約のしるしとしての割礼を身に受けた。

(2)その傷の癒しが進行している過程で、この3人と食事をするようになった。

(3)これは、ヘブル的概念で言うと、「契約の食事」、「親しい交わりの食事」である。

(4)契約の食事という概念は、主イエスの最後の晩餐につながる。

(5)また、黙示録3章20節もその延長線上にある。

(6)私たちもまた、アブラハムのように神をもてなすことができる。

①心の戸を開いて、主イエスを心の内にお招きすることがその方法。

②主に対して閉め切っている小部屋があるなら、今それを開こう。

5. サラへの約束

 (1)「あなたの妻サラはどこにいますか」

①彼らは、サラという新しい名前を知っている。

②この質問は、サラの注意を引くためになされたもの。

③この質問をしているのは3人であるが、約束のことばを語るのはひとり。

(2)「わたしは来年の今ごろ、必ずあなたのところに戻って来ます。そのとき、あなたの妻サラには、男の子ができている」(10節)

①この人は、13~14節になると、「主(ヤハウェ)」と呼ばれている。

②アブラハムとサラに語りかけていたのは、神ご自身である。

③「来年の今ごろ、戻って来ます」とは、約束が成就するという意味。

④約束の内容は、「サラは男の子を産む」というもの。

⑤17章21節でアブラハムに語られた約束と同じもの。

(3)サラにはまだその信仰がない。

①約束のことばを聞いた時のサラの反応は、「不信仰の苦笑」。

②自分は老人になっているので、出産は不可能だという理性的な判断を下した。

 6.神に不可能はない

(1)「サラはなぜ『私はほんとうに子を産めるだろうか。こんなに年をとっているのに』と言って笑うのか」

(2)サラの心を見抜く神。神が全知全能であることを示している。

(3)「主に不可能なことがあろうか」

①「不可能」と訳された語は、ヘブル語では「ペレ」

②これは神に関してのみ使われる語で、その意味は英語の「ワンダフル」と同じ。

③士13:18、詩139:6、イザ9:6、28:29参照

④ルカ1:37、マタ19:26参照

(4)サラは、恐ろしくなり、「私は笑いませんでした」と言って打ち消した。

①サラの恐れは、主が彼女の心の中を見通しておられることから来るもの。

②ここで彼女は、人間を超越した全知全能の神に触れた。

  (5)否定的な思いや敗北主義が、神の働きを妨げていることはないか。

Ⅱ.第2幕 訪問客を見送る途上で

1.食事の後

(1)3人は、ソドムを見おろすほうへ上って行った。

 (2)アブラハムは、当時の習慣に従って途中まで客人たちを見送った。

 (3)「わたしがしようとしていることを、アブラハムに隠しておくべきだろうか」

①答えはもちろん、「否」である。

②神は、ソドムとゴモラの裁きを、アブラハムに対して啓示された。

 2.啓示の理由(18~19節)

(1)アブラハム契約が将来成就することが前提になっている。

「アブラハムは必ず大いなる強い国民となり、地のすべての国々は、彼によって祝福される」

①彼から出る国は強くなり、地上の諸国民は彼によって祝福されることが約束された。

②しかし今、その諸国民の中から、ひとつの国が除外されようとしている。

*4つの町々(ソドム、ゴモラ、アデマ、ツェボイム)

*ツォアルだけは裁きを免れた。

(2)アブラハムの霊的資質が前提になっている。

①鍵になる聖句は、19節。

②口語訳

「わたしは彼が後の子らと家族とに命じて主の道を守らせ、正義と公道とを行わせるために彼を知ったのである。これは主がかつてアブラハムについて言った事を彼の上に臨ませるためである」

③この訳のよい点は、「彼を知ったのである」と訳されていること。

④「知る」とは、「経験的に知る」、「親密に知る」という意味(創3:5、4:1参照)。

⑤神はアブラハムの霊的状態を、経験的に知っておられた。

⑥それゆえ彼は、「神の友」と呼ばれた(イザ41:8、ヨハ15:15、ヤコ2:23)。

⑦「神の友」と呼ばれる人は幸い。

 3.啓示の内容(20~21節)

  (1)「ソドムとゴモラの叫びは非常に大きく、また彼らの罪はきわめて重い」

①ソドムとゴモラの罪を糾弾する声が大きいという意味。

(2)「わたしは下って行って、わたしに届いた叫びどおりに、彼らが実際に行っているかどうかを見よう。わたしは知りたいのだ」

①神がソドムとゴモラの罪について無知であったという意味ではない。

②神は細部まで観察し、罪の内容を十分知った上で、裁きを下される。

③「思い違いをしてはいけません。神は侮られるような方ではありません。人は種を蒔けば、その刈り取りもすることになります」(ガラ6:7)

Ⅲ.第3幕 ヘブロン高原で

1. 主とアブラハムだけが後に残される。

2. アブラハムは、ソドムに住んでいるロトのことを心配し、執りなしの祈りを始める。

(1)彼は、主に近づいている。礼拝の姿勢。

(2)彼は、大胆に神に願っている。

「全世界をさばくお方は、公義を行なうべきではありませんか」(25節)

(3)彼は、謙遜に願っている。

「私はちりや灰にすぎませんが、あえて主に申し上げることをお許しください」(27節)

(4)彼は、執拗に願っている。

①最初50人の義人から始めた。

②それが、45人、40人、30人、20人、10人まで下がった。

(5)彼は、具体的に願っている。

3. なぜ彼は、10人で止めたのか。

(1)それで十分だと判断した。

(2)ロトの家族は10人になっていた。

①ロト

②妻

③2人の息子(19:12)

④嫁いだ2人の娘(19:14

⑤2人の義理の息子(19:14

⑥2人の未婚の娘(19:8)

(3)問題は、この10人がすべて義人ではなかったこと。

①かろうじてロトだけが、義人と呼ばれている(Ⅱペテ2:7)。

4. 語り終えると、主とアブラハムは、別々の道に行った。

結論

 1.執りなしの祈りの本質

  (1)神が祈り手を選び、祈りのテーマを教える。

    ①私たちは、神にどのように知られているか。

    ②神から祈りのテーマを与えられているか。

  (2)5つのキーワードを意識して祈る。

①礼拝の姿勢

②大胆

③謙遜

④執拗

⑤具体的

 2.祈りに対する神からの答え

  (1)ソドムとゴモラは滅ぼされた。

(2)アブラハムの願い通りにはならなかった。

(3)しかし、アブラハムの祈りの精神は聞き届けられた(創19:29)。

(4)これと同じことが、私たちの祈りについても言える。

 3.メシアの祈り

  (1)アブラハムの祈りは、ソドムとゴモラの住民すべてのためのもの。

(2)アブラハムの人格の高潔さ。この高潔さには、自己犠牲の愛が含まれている。

(3)「地上のすべての民族を祝福する役割」(創12:3)を与えられたアブラハム。

(4)この自己犠牲の愛は、出エジプト記のモーセに引き継がれた(出32:32参照)。

(5)またその愛は、イザヤが預言する「受難のしもべ」の内において完成する。

(6)このしもべこそ、主イエスである。

(7)私たちは、ルカ23:34の祈りによって救われた。

「父よ。彼らをお赦しください。彼らは、何をしているのか自分でわからないのです」

(8)クリスチャンの執りなしの祈りは、祭司的使命の実践である。

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