私たちはプロテスタントのキリスト教福音団体です。『1. 聖書のことばを字義どおりに解釈する 2. 文脈を重視する 3. 当時の人たちが理解した方法で聖書を読む 4. イスラエルと教会を区別する』この4点を大切に、ヘブル的聖書解釈を重視しています。詳しくは私たちの理念をご確認ください。
創世記(9)—カインとアベル—
- このメッセージに感謝を贈る
-
この無料配信メッセージは、皆様の祈りと献金のサポートで成り立っています。
あなたの「ちょっとした感謝」を300円献金で贈ってみませんか?
このメッセージでは...
「カインの道」の5つのステップを確認し、人類が抱える問題の解決を探る。
創世記9 創世記4章1節~16節
「カインとアベル」
イントロ:
1.前回までの復習
(1)創世記には11の区分(トルドット)がある。
(2)第1のトルドットの内容
①アダムの創造
②エデン契約
③エバの創造
④堕落
⑤アダム契約(無条件契約)
⑥エデンの園からの追放
⑦カインとアベル
⑧カインの子孫(神から離れて歩む人々。アダム以降7代目まで)
⑨セツの子孫(主の御名によって祈る人々)
(3)創世記の記事は、神話や伝承ではなく歴史的事実である。
(4)がん哲学―始まりは小さい。時間がかかる。
2.メッセージのアウトライン
(1)ユダ11
「ああ。彼ら(不信仰な人々)はカインの道を行き、利益のためにバラムの迷いに陥り、コラのようにそむいて滅びました」
(2)カインは不信仰者の原型である。
(3)カインの道の5つのステップを取り上げる。
3.きょうのメッセージは、私たちに何を教えているか。
(1)神から離れた人間の状態はどのようなものか。
(2)人類の希望はどこにあるのか。
このメッセージは、「カインの道」の5つのステップを確認し、人類が抱える問題の解決を探るものである。
Ⅰ.殺人(1~8節)
はじめに:1~8節は、「カイアズム」になっている。
(1)カインの誕生、アベルの誕生
(2)アベルの職業、カインの職業
(3)カインのささげ物、アベルのささげ物
(4)アベルのささげ物は受け入れられ、カインのささげ物は拒否される。
(5)カインの怒り、アベルの死
1.カインの誕生、アベルの誕生
(1)「人は、その妻エバを知った」。「知った」とは、経験的知識、性的関係のこと。
(2)「私は、主によってひとりの男子を得た」
①「得た」→「カニティ」という言葉。
②「カイン」→「形作る」という意味。
③同じ語幹ではないが、音が似ている。言葉遊び。
④直訳は、「私は、男子(人)を得た、(エット)ヤハウェ(主)を」
*エバの3章15節の理解が前提となっている。
*エバは、「女の子孫」を「神人」と理解しており、救い主が与えられたと考えている。
⑤日本語(英語)の訳は、70人訳がベースになっている。
*「ディア・ツー・セウー」(神を通して)
*翻訳者は、必ずしも神学者ではない。
⑥エバの創世記3:15の理解は正しいが、適用が間違っている。
⑦カインは、「女の子孫」ではない。
⑧しかし、カインの誕生は、最初の希望となった。
(3)「アベル」のヘブル語は、「ハベル」。
①それには、「はかなさ、むなしさ、空虚、息」などの意味がある。
*ヨブ7:16、詩篇144:4
②この段階で、罪の影響が深まり、アダムとエバはそれを実感するようなっている。
③カインが「女の子孫」でないことが明らかになっている。
2.アベルの職業、カインの職業
(1)アベルの職業:羊を飼う者。ミルク、衣服、犠牲の動物。
(2)カインは、父アダムの職業に倣い農夫となっている。
3.カインのささげ物、アベルのささげ物
(1)「ある時期になって」→「ある期間(時期)の終わりに」
(2)この時点で、すでに定期的なささげ物の時間が決まっていた。
(3)これは、初めてのささげ物ではない。
①それまでは、カインはアベルから羊かヤギを買ってささげていたはず。
②カインが血のないささげ物をささげる最初のケース。
(4)今回は、地の作物から主へのささげ物を持ってきた。
①「ささげ物」→「ミンハ」という一般的な用語。
②これは、血がないので神に受け入れられない。
③モーセの律法でも、穀物のささげ物は、血がともなわなければ受け入れられない。
(5)これは、信仰のない「宗教的行為」である。
①単なる義務感からの行為。
②それは最高のものでも、初穂でもない。
(6)「主のもとに献げ物として」(新共同訳)→決められた場所があった。
①祭壇が出て来ないので、エデンの園の東側のシャカイナグローリーの場所か?
(6)アベルのささげ物
①初子の羊(血のささげ物)、最良のもの。
②アベルにとっては、信仰の行為。
③2人の態度の違いの問題なのか。そうではない。
④血の犠牲かどうか。アベルの信仰について。ヘブル11:4、12:24。
4.アベルのささげ物は受け入れられ、カインのささげ物は拒否される。
(1)主はアベルのささげ物を受け入れた。
(2)しかし、カインのささげ物は退けられた。
5.カインの怒り、アベルの死
(1)カインは、怒った。顔を伏せた。
①神の道を否定した。
②自分の道が認められないので怒った。
(2)神の質問(答えを期待しない質問)
①なぜ憤っているのか。
②なぜ顔を伏せているのか。
(3)神の警告
①「正しく行ったなら」→ふさわしいささげ物を捧げたなら。
②「受け入れられる」とは、「顔を上げられるはずではないか」という意味。
③「正しく行っていないなら」→ふさわしいささげ物でないなら。
④「罪」という言葉が初めて出ている。「ハタアット(女性形)」
*ライオンが待ち伏せするように、というイメージ。
*罪がカインを支配(タシュカー)するために、ライオンのように待ち伏せしている。
*3:16に、女が夫を支配しようとする姿が描かれていた。
*カインの責務は、それを治める(マシャール)こと(3:16と関係がある)。
(4)殺人が行われる。
①カインはアベルを人目につかない所に誘った。
②最初の殺人であり、兄弟殺し。
③アベルの死は、義人の死。マタイ23:35、ルカ11:51、Iヨハネ3:12
Ⅱ.嘘(9~12節)
1. 神の質問。「あなたの弟は、どこにいるのか」
(1)告白を導くための質問
2.カインの答えは、「知りません」。
(1)これは、人類史上最初の嘘。
(2)カインは自分の答えを複雑なものにしている。
①「私は、自分の弟の番人なのでしょうか」
②神の質問は的を射ていないとの反論である。
3.神の糾弾のことば。
(1)「あなたは、いったいなんということをしたのか」
(2)「聞け。あなたの弟の血が、その土地からわたしに叫んでいる」
①「血」という言葉が、初めて出てくる。
②それが弁護を求めている。
(3)土地はのろわれている。
①カインが住む地、農業を営む地。
②土地が口を開くという例
*民数記16:33~35、申命記11:6、詩篇106:17
*モーセに反抗したエリアブの子ダタンとアビラム、それにコラに属する者たち
*イザヤ5:14
4.カインの裁き
(1)土地は力を生じない。弟の血が土地から神に上るように、呪いはカインに上る。
(2)カインは、地上のさすらい人になる。
(3)ノア契約までは、死刑はない。創世記9:6
Ⅲ.自己憐憫(13~15節)
1.アダムは、エデンの園から追放されても文句を言わなかった。
2.カインは、文句を言う。
(1)「私の咎は、大きすぎて、にないきれません」
①罪の認識がある。
②神の裁きの認識がある。
(2)農業を営む力が取り去られた。
(3)神との交流がなくなる。
(4)さすらい人、遊牧民となる。
(5)他の人に殺されるでしょう。
①この時点で、人間の数は増えている。
②すべてアダムとエバの子孫(創世記5:4)。
③自分がアベルを殺したので、他の人に殺されるという恐怖心。
3.主の回答
(1)「それだから、だれでもカインを殺す者は、七倍の復讐を受ける」
①7は完全数
②ここでカインは、神の守りを受けている。恵みである。
(2)カインのしるし
①なんであるかは分からない。しかし、見えるもの。
②ユダヤ教のラビの意見
*名前の1文字
*4文字
*ツァラアト(皮膚病)
*番犬
*角
Ⅳ.神からの分離(14~16節)
1.「主の前から去って」→遍在の神から去ることはできない。
(1)主に出会う特定の場所のこと。
(2)シャカイナグローリーのあるエデンの園の東。
2.「ノデの地」、「ノド(さすらい)の地」(新共同訳)
3.「エデンの東」とは、目に見える神の臨在から東の方に遠のくこと。
Ⅴ.世的な方法で自分を守る(17節)
1.町を建てている。
(1)神の命令に違反する行為。
(2)子どもの名前(エノク)を町の名前にする。
結論
1.カインとアベルは、ともに罪人であった。
2.ともにエデンの園の外で生まれた。
3.ともに同じ両親から生まれ、育てられた。
4.カインのささげ物は、信仰によるものではなかった。
5.アベルのささげ物は、啓示に応答する信仰によるものであった。
6.2代目カインの流れは、7代目レメクにたどり着く。神を離れた生き方の象徴。
7.アベルで途絶えた霊的な流れは、セツから再度始まっていく。
8.あなたは、カインの流れに合流するのか、セツの流れに合流するのか。
週間アクセスランキング
コリント人への手紙第二(17)訪問を前提とした勧告12:19~13:10
コリント人への手紙第二(18)最後のあいさつ13:11~13
ルカの福音書(9)羊飼いたちへの告知2:8~20
ルカの福音書(8)イエスの誕生2:1~7
ヨハネの黙示録(9)—7つの封印を開く前の天の様子—
コリント人への手紙第二(16)パウロと偽使徒の違い(3)-使徒のしるし-12:1~18