私たちはプロテスタントのキリスト教福音団体です。『1. 聖書のことばを字義どおりに解釈する 2. 文脈を重視する 3. 当時の人たちが理解した方法で聖書を読む 4. イスラエルと教会を区別する』この4点を大切に、ヘブル的聖書解釈を重視しています。詳しくは私たちの理念をご確認ください。
創世記(7)—人類の堕落—
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人類が抱える問題の源と解決策を探る。
創世記7 創世記3章1節~13節
「人類の堕落」
イントロ:
1.前回の復習:ここまでで創造の7日間について学んだ。
(1)創世記1:1~2:3までが創世記全体のイントロダクション(プロローグ)。
(2)創世記は、11のトルドットに分かれる。
①トルドットの意味は、家系、系図、子孫、歴史など。
②トルドットはタイトルであり、その内容は、その後に続く。
(3)第1のトルドットを数回に分けて学ぶ。
(4)創世記の記事は、神話や伝承ではなく、歴史的事実である。
ヨハネ8:44、ロマ5:21、16:20、Ⅰコリ15:21、Ⅱコリ11:3~4、Ⅱテモ2:14
2.メッセージのアウトライン
(1)配役紹介
①アダム
②エバ
③蛇とサタン
(2)物語の展開
①誘惑
②堕落
③霊的死
④神との対面
3.きょうのメッセージは、私たちに何を教えているか。
(1)最近の事件の事例
①秋葉原事件 派遣社員であった。
②大阪駅通り魔事件
「(自分が車内で事件前にけがをした時に)乗客は見てるだけで助けてくれなかった。
同じ所を切りつけようと思った」
③14歳の少年によるバスジャック事件
「男女交際でしかられた。家族をめちゃくちゃにしたかった」
(2)私たち人類に何が起こっているのか。
①問題の源はどこにあるのか。
②解決策はあるのか。
人類が抱える問題の源と解決策を探る。
Ⅰ.配役紹介
1.アダム
(1)無垢の状態
(2)聖さが確定していない状態
(3)人類の代表
2.エバ
(1)助け手(エゼル)として創造された。
(2)男と女とは、役割の差はあっても、対等な存在。
(3)ふたりとも裸であったが、互いに恥ずかしいとは思わなかった。
3.蛇とサタン
(1)サタンが蛇の中に入って、女と対話する。
Ⅱコリント11:3、黙示録12:9、20:2
(2)蛇とはヘブル語で「ナハシュ」
①ナホシェット(青銅)と語源は同じ。
②民数記21:9では、モーセが上げた蛇を「ナハシュ・ナホシェット」と呼ぶ。
③Ⅱ列王18:4では、偶像化した青銅の蛇を「ネフシュタン」と呼ぶ
④蛇は、輝きを持った生物であることが暗示されている。
⑤サタンもまた、光の天使を装う。Ⅱコリント11:14。
⑥動詞ともなる。占いをするという意味。
創世記30:27、44:5、15、レビ記19:26、申命記18:10
⑦名詞ともなる。占い。中近東の占いは、蛇を使うことが多かった。
民数記23:23、24:1。
(3)蛇は狡猾
①ヘブル語では、「アルーム」
②創世記2:25 アダムとエバは、アルミム(アロームの複数形)。言葉遊びがある。
③アダムとエバは、正直で悪については無知。サタンの罠を知らない。
④アルームの意味。狡猾。知恵が働く、分別がある。
⑤これは中立の言葉。蛇はそういう性質を持っていた。それ自体は悪いことではない。
⑥いい意味での例
箴言1:4、12:16、23、13:16、14:8、15、18、22:3、27:12
⑦悪い意味での例
ヨブ5:12、15:5
⑧サタンは蛇を利用することにした。自分が失った地に対する権威を回復しようとした。
Ⅱ.物語の展開
1. 誘惑(3:1~5)
(1)2:25と3:1の間の時間の経過は分からない。
(2)サタンの最初の質問:神の命令の現実性を疑わせる。
①サタンは神学者。神のことばをあいまいにさせる。
②不自由な印象を与える。
(3)エバの回答。アダムから聞いていたこと。
①自由が与えられているという認識はある。
②禁止内容を理解していた。
③「それに触れてはいけない」。神のことばに何か足したのか?
*しかし、罪は「食べた」ことから始まる。
*アダムがこれを伝えていたのであろう。
④エバは結果を理解していた。
(4)聖書に記された最初の嘘
①目が開け
②神のようになり
*サタンは自らこの欲望を持っていた。
*イザヤ14:12~14。5つの野望。第5の野望は14:14。
*同じ野望が、人間の堕落につながる。
③善悪を知るようになる。
(5)サタンの方法論
①神の知恵、愛、義に疑問を投げかける。
②神のことばを否定する。
③不従順が、よりよい結果をもたらす。
2.堕落(3:6)
(1)Ⅰヨハネ2:16にある3つの分野での誘惑。
①食べるのに良く
②目に慕わしく
③いかにも好ましかった。
(2)食べることで、今持っていないものを手に入れる。貪欲。
(3)エバの堕落
①彼女は、助け手としてではなく、新しいことを始める役割を果たしている。
②蛇がエバに対して果たした役割を、エバがアダムに対して果たしている。
(4)アダムの堕落
①「いっしょにいた」。アダムはそばにいて見ていた。
②アダムは頭としての役目を果たさず、罪の行為に同意した。
(5)罪の重みが異なる。
①エバは欺かれた。
Ⅰテモテ2:13~14、Ⅱコリント11:3
②アダムは、知っていて行った。反逆の罪。アダムの責任が大きい。人類の代表。
ロマ5:12~21 Ⅰコリント15:20~23
(6)エデン契約の破棄
①ホセア6:7
「ところが、彼らはアダムのように契約を破り、その時わたしを裏切った」
3.霊的死(3:7~8)
(1)ふたりの目は開かれた。サタンが約束したような内容ではなかった。
(2)自分たちが裸であることを知った。
①積極的な意味での知識ではなく、「裸であること」を知った。
②恥の感覚。
③2:25の裸は、「アルミム」(健康な関係)。
④3:7の裸は「エルミム」(恥の感覚)。同じ意味であるが、異なった表記がされている。
⑤無垢な性質を失い、欲望を持つようになった。
(3)いちじくの葉をつづり合わせる。
①肌につけて着ること。
②中東では一番大きな葉をつける。
*タルムード:罪を犯した場所で、その繕いをすると解説している。
(4)腰のおおい(生殖器を覆う)
①自分の裸を隠そうとする。
②人間の命の源が罪によって汚れた。
③原罪が男女の肉体関係を通して子孫に伝わる。
詩篇51:5
④互いの目から恥を隠すことに成功した。
⑤しかし、神の目から恥を隠すことはできない。
⑥これ以降、人の前に裸をさらすことは恥となった。
創世記9:23、出エジプト32:25、黙示録3:18
(5)神からの断絶:霊的死
①神の声を聞いた。シャカイナグローリーのこと。この場面では、声を先に聞いている。
②歩き回られる神。習慣的行為を示す。
③「そよ風の吹くころ」:中東の夕方。
④彼らは身を隠した。神との交わりが不可能となった。
*新しい関係(否定的な関係)が出たことを認識していた。
*罰に対する恐れ。神から隠れる。
⑤罪の結果
*人は罪人としての立場からしか、善悪を知ることができない。
*ロマ7:19
「私は、自分でしたいと思う善を行わないで、かえって、したくない悪を行っています」
4.神との対面(3:9~13)
(1)最初の質問
①「あなたは、どこにいるのか」。「アイェカー」という一語。神は知っている。
②「なぜ、隠れているのか」という質問。認罪を求めている。
創世記4:9 カイン、創世記16:8 ハガル
(2)アダムの答え
①どこにいるかは答えていない。
②今まで経験しなかった「神への恐れ」を経験したと答えている。
③アダムは裸ではない。自分が神の前に裸であるという認識が、彼に恐れを与えた。
④「私」という主語。エバに罪を押し付けていない。
(3)第2の質問
①「裸であるのを、だれがあなたに教えたのか」。裸であることは分かる。
*この質問は、裸であるという認識に至った理由を聞いている。
*答えはないし、期待もされていない。
(4)第3の質問
①抽象から具体的な質問へ。
②罪に定めるのではなく、告白を導く質問。
(5)アダムの回答
①単純な告白ではない。
*間接的に神の責任を問う。
*間接的にエバを責める。
*犯罪者が被害者に変わる。
②認罪は、文章の最後に来ている。
③自分の責任を過小評価する。罪がアダムの性質を腐敗させている。
(6)第4の質問。エバに直接問いかける。
(7)エバの回答
①蛇に責任をかぶせる。
②蛇にだまされたことを認める。
③「あなたが置いた」とか、「あなたが造った男は止めなかった」とか、言っていない。
④彼女の認罪も、最後に来ている。
結論
1. 人類の罪のルーツはここにある。
2. 霊的死という事実
(1)人は罪を犯さないわけにはいかなくなった。
(2)自力救済は不可能である。
(3)エデン契約は破棄された。
(4)新たにアダム契約が結ばれる。
①罪人を呼び戻す神。
②問題を解決するメシアの登場
*サタンを裁く。
*罪の問題を処理する。
*死の問題を処理する。
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