出エジプト記(44)—金の子牛事件(1)—

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このメッセージでは...

金の子牛事件を通して私たちに適用される霊的真理を発見する。

出エジ44 出エジプト記32章1節~14節

「金の子牛事件(1)」

1.文脈の確認

(1)これまでの話しの流れ

①出20章 十戒

②出21章~23章 付加条項

③出24章 民の同意

④出24章 モーセは山に上る(これで2度目である)。

⑤出25章~31章 幕屋に関する命令

⑥出31章 モーセはあかしの板2枚を受ける。

⑦出32章 40日の間に山の麓の状況が変化する。

  2.アウトライン

(1)子牛を礼拝するイスラエルの民(32:1~6)

(2)怒りを覚える神(32:7~10)

(3)執りなしの祈りを捧げるモーセ(32:11~14)

  3.メッセージのゴール

(1)偶像礼拝と真の礼拝の対比

(2)モーセが受けたテスト

(3)神の御心の変化

このメッセージは、金の子牛事件を通して私たちに適用される霊的真理を発見するためのものである。

Ⅰ.子牛を礼拝するイスラエルの民(1~6節)

  
1.民の要求(1節)

    (1)出24:18とのつながり

    「モーセは雲の中に入って行き、山に登った。そして、モーセは四十日四十夜、山に

いた」

(2)手間取っていると感じた。

  ①神が民に必要なものを用意しておられる間に、民の心は神から離れた。

  ②神の時を待つことができないで、自分の計画に走るのは罪である。

  ③サウルの罪(自分でいけにえを捧げた) 1サム13:8~9

  ④イスラエルの民の罪 イザ30:15~18

(3)自分の手で安心を勝ち取ろうとした。

  ①神の臨在を人間的に作り出そうとした。

  ②自分たちを守り、導いてくれる神を作り出そうとした。

    (4)神が建てたリーダーであるモーセを軽蔑した。

  ①「あのモーセという者」(this fellow Moses)

(5)現代人の感覚では、必ずしも悪いこととは思えないだろう。

  ①自力で自分の安全を確保し、心の平安を得ようとした。

  ②神の視点と人間の視点は、どこまで行っても平行線である。

  2.アロンの対応(2節)

(1)民の決意が固いことを見て、こう言った。

「あなたがたの妻や、息子、娘たちの耳にある金の耳輪をはずして、私のところに持

って来なさい」

(2)金の耳輪

  ①当時の中近東の人たちは、男女ともに金の耳輪をしていた。

  ②これはエジプトから受け取った貴重な品である。

  ③アロンは、妻、息子、娘たちの金の耳輪を要求した。

  ④これは、ことの進展を送らせるため、ことによっては断念させるためであろう。

  3.民の応答(3節)

(1)アロンの意図に反して、民はすぐに行動した。

「そこで、民はみな、その耳にある金の耳輪をはずして、アロンのところに持って来

た」

  ①偶像礼拝のためには、すぐに行動する。

  ②偶像礼拝のためには、犠牲を惜しまない。

  4.鋳物の子牛(4節)

  「彼がそれを、彼らの手から受け取り、のみで型を造り、鋳物の子牛にした。彼らは、『イ

スラエルよ。これがあなたをエジプトの地から連れ上ったあなたの神だ』と言った」

(1)子牛

  ①エジプトの偶像の中に、雄牛があった。

  ②雄牛は、力、権威、豊穣を表す偶像である。

(2)なぜ雄牛でなく、子牛なのか。2つの可能性。

  ①アロンは雄牛を造ったが、モーセは軽蔑の意味を込めて「子牛」と書いた。

  ②アロンは子牛を造った。罪が軽くなるように。

(3)民の叫び

「イスラエルよ。これがあなたをエジプトの地から連れ上ったあなたの神だ」

  ①彼らは、エジプトで経験した10の災害を忘れた。

  ②彼らは、エジプトの偶像が無力であったことを忘れた。

    (4)イスラエルの悩ませた偶像礼拝には2種類ある。

  ①真の宗教の堕落

*ヤロブアムの道(1列12:26~30)

*北王国の初代王であるヤロブアムは、金の子牛をダンとベテルに据えた。

  ②外国の偶像礼拝

*バアル礼拝

*預言者エリヤの時代に最も盛んになった。

  5.祭壇の前での礼拝(5~6節)

「アロンはこれを見て、その前に祭壇を築いた。そして、アロンは呼ばわって言った。『あ

すは【主】への祭りである』。そこで、翌日、朝早く彼らは全焼のいけにえをささげ、和解

のいけにえを供えた。そして、民はすわっては、飲み食いし、立っては、戯れた」

(1)リーダーシップを放棄するアロン

  ①民の願い通りに動くリーダーは、真のリーダーではない。

(2)堕落した礼拝

  ①全焼のいけにえを捧げた。

  ②和解のいけにえを供え、飲み食いした。

  ③立っては、戯れた。

「ペリシテ人の王アビメレクが窓から見おろしていると、なんと、イサクがその

妻のリベカを愛撫しているのが見えた」(創26:8)

*イツハックという名と動詞の言葉遊びがある。

*「戯れる」とは、性的意味を持つ言葉である。

(3)偶像礼拝の本質

  ①神の領域と物質の領域がつながっているという誤解

  ②儀式や形式によって、神の領域に影響を与えることができるという誤解

  ③道徳的堕落

Ⅱ.怒りを覚える神(7~10節)

  1.民の堕落(7~8節)

  「さあ、すぐ降りて行け。あなたがエジプトの地から連れ上ったあなたの民は、堕落して

しまったから。彼らは早くも、わたしが彼らに命じた道からはずれ、自分たちのために鋳

物の子牛を造り、それを伏し拝み、それにいけにえをささげ、『イスラエルよ。これがあな

たをエジプトの地から連れ上ったあなたの神だ』と言っている」

  (1)礼拝が堕落した。

  ①わたしが彼らに命じた道からはずれた。

  ②鋳造の子牛を造り、それを伏し拝んだ。

  (2)いけにえの制度が堕落した。

  ①偶像に全焼のいけにえをささげ、和解のいけにえを供えた。

  (3)出エジプトの手柄を偶像に与えた。

2.神の決意(9~10節)

「【主】はまた、モーセに仰せられた。『わたしはこの民を見た。これは、実にうなじのこ

わい民だ。今はただ、わたしのするままにせよ。わたしの怒りが彼らに向かって燃え上が

って、わたしが彼らを絶ち滅ぼすためだ。しかし、わたしはあなたを大いなる国民としよ

う』」

  (1)うなじのこわい民

  ①「かたくなな民」(新共同訳)

(2)神はイスラエルの民を滅ぼそうとされた。

(3)モーセから新しい民を誕生させると言われた。

Ⅲ.執りなしの祈りを捧げるモーセ(11~14節)

  1.執りなしの祈りの内容(11~13節)

(1)神の恵みへのアピール(11節)

    「【主】よ。あなたが偉大な力と力強い御手をもって、エジプトの地から連れ出された

ご自分の民に向かって、どうして、あなたは御怒りを燃やされるのですか」

  ①イスラエルへの愛に対するアピール

    (2)神の性質へのアピール(12節)

「また、どうしてエジプト人が『神は彼らを山地で殺し、地の面から絶ち滅ぼすため

に、悪意をもって彼らを連れ出したのだ』と言うようにされるのですか。どうか、あ

なたの燃える怒りをおさめ、あなたの民へのわざわいを思い直してください」

  ①神の御名の栄光へのアピール

(3)神の契約へのアピール(13節)

「あなたのしもべアブラハム、イサク、イスラエルを覚えてください。あなたはご自

身にかけて彼らに誓い、そうして、彼らに、『わたしはあなたがたの子孫を空の星のよ

うにふやし、わたしが約束したこの地をすべて、あなたがたの子孫に与え、彼らは永

久にこれを相続地とするようになる』と仰せられたのです」

  ①アブラハム契約は無条件契約であることへのアピール

  2.執りなしの祈りの結果(14節)

  「すると、【主】はその民に下すと仰せられたわざわいを思い直された」

(1)神はモーセの祈りを喜ばれた。

結論:私たちに適用される霊的真理

1.偶像礼拝と真の礼拝の対比

  (1)金の子牛

①聖職者アロンが民に命じて捧げ物を出させた。

②聖職者アロンが金の子牛を造り、民がそれを礼拝した。

  (2)真の礼拝

①民が自発的に捧げた。

②幕屋建設には、聖霊の賜物を受けた僕が立てられ、民がそれに参加した。

2.モーセが受けたテスト

(1)「あなたがエジプトの地から連れ上ったあなたの民」(7節)

①あなたは神になれというテスト

②モーセが傲慢になっていないかどうかを試すテスト

  (2)「今はただ、わたしのするままにせよ」(10節)

①絶望と見るか、執りなしの祈りの機会と見るかのテスト

②仲介者モーセの成長を促すテスト

  (3)「わたしはあなたを大いなる国民としよう」(10節)

①アブラハムに語られたのと同じことば

②もしモーセがこれを受けていたなら、モーセの民が誕生していたことになる。

③これはモーセの自己中心性を試すテスト

④これはモーセがどの程度神の計画を理解していたかを試すテスト

3.神の御心の変化

  (1)神の視点と人間の視点の違い

①人間の視点から見ると、神の御心が変化したように思える。

  (2)神の計画は変化しない。

①モーセの律法の中の食物規定

②今は適用されない。

③神の計画が変ったように見えるが、最初からこれは一時的な規定である。

④アブラハム契約があるので、イスラエルの民が滅びることはあり得ない。

⑤神の計画が変化したように見えるのは、執りなしの祈りの機会を与えるため。

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