私たちはプロテスタントのキリスト教福音団体です。『1. 聖書のことばを字義どおりに解釈する 2. 文脈を重視する 3. 当時の人たちが理解した方法で聖書を読む 4. イスラエルと教会を区別する』この4点を大切に、ヘブル的聖書解釈を重視しています。詳しくは私たちの理念をご確認ください。
出エジプト記(42)—香の壇、贖い金、洗盤、注ぎの油、香料—
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幕屋の中に隠されたキリストを発見する。
出エジ42 出エジプト記30章1節~38節
「香の壇、贖い金、洗盤、注ぎの油、香料」
1.文脈の確認
(1)幕屋は、神の民に礼拝の方法を教えた。
(2)これまでに、幕屋の構造、器具、祭司の衣装、祭司の聖別について学んだ。
(3)きょうは、5つの項目について学ぶ。
(4)幕屋は、神の計画が成就する前の一時的な仕組みである。
①幕屋は型である。対型は何かを考えることこそ重要。
②幕屋は、キリストの型である。
(5)幕屋に関する命令は、重荷ではなく恵みである。
①安価なぶどう酒と、高価なぶどう酒の違いをどのように見分けるのか。
②神は、クリスチャン生活を大いに祝福しようとしておられる。
2.アウトライン
(1)香の壇(30:1~10)
(2)贖い金(30:11~16)
(3)洗盤(30:17~21)
(4)注ぎの油(30:22~33)
(5)香料(30:34~38)
3.メッセージのゴール(なぜ私たちが、幕屋について学ぶ必要があるのか)
(1)幕屋の中に隠されたキリストを発見する。
このメッセージは、幕屋の中に隠されたキリストを発見するためのものである。
Ⅰ.香の壇(1~10節)
1.構造(1~5節)
(1)幕屋の中に置く調度品に関しては、すでに指示があった。
①香の壇と洗盤は、祭司に関する命令の中に出てくる。
(2)材質
①アカシヤ材
②底部を除いてすべて純金で覆う。
(3)サイズと形状
①縦44cm、横44cm、高さ88cm
②4角形の4隅に角を作る。
③担ぎ棒を通すための金環を作る。
2.設置場所(6節)
(1)垂れ幕の手前
①至聖所の「あかしの箱」とは、垂れ幕を隔てて向かい合っている。
3.使用法(7~9節)
(1)祭司がそこで香りの高い香をたく。
①朝のいけにえを捧げる時間
②夕暮れのいけにえを捧げる時間
(2)これを常供の香の捧げものという。
①英語では、「a perpetual incense」という。
(3)禁止事項
①異なった香をたいてはならない。
*配合の異なったもの
②全焼のいけにえ、穀物のささげ物、ぶどう酒をささげてはならない。
*これらのものは、祭壇で捧げる。
③民3:4
「しかしナダブとアビフは、シナイの荒野で【主】の前に異なった火をささげた
とき、【主】の前で死んだ。彼らには子どもがなかった。そこでエルアザルとイ
タマルは父アロンの生存中から祭司として仕えた」
*アロンが死ぬと、エルアザルが大祭司となる。
4.贖罪の日との関係(10節)
(1)アロンは年に一度、罪のためのいけにえの血を角にぬる。
①年に一度、とは贖罪の日のこと。
②出エジプト記に贖罪の日が出てくるのは、ここだけである。
Ⅱ.贖い金(11~16節)
1.納める時期
(1)人口調査(国政調査)のあるたび
①その登録にあたり、各人は自分自身の贖い金を【主】に納める。
2.納める額
(1)半シェケルを【主】への奉納物とする。
①20歳、またそれ以上の者が納める。
②富んだ者も、貧しい者も、同じ額を納める。
3.納める目的
(1)目的は、「わざわいが起こらないため」
①人口調査をすると、傲慢になりやすい。
②2サム24章 ダビデが御心ではない人口調査を行った。
③傲慢の罪を戒めるための贖い金である。
(2)贖い金の用途は、幕屋建設のためである(16節)。
①それ以降は、幕屋(神殿)の運営のための資金となる。
Ⅲ.洗盤(17~21節)
1.構造
(1)青銅の洗盤と青銅の台
(2)その中に水を入れる。
2.置く場所
(1)幕屋と祭壇の間に置く。
(2)幕屋に行く場合も、祭壇に行く場合も、便利である。
3.使用目的
(1)アロンとその子らは、そこで手と足を洗う。
①会見の天幕に入る時
②祭壇に近づく時
(2)彼らが死なないためである。
Ⅳ.注ぎの油(22~33節)
1.材料は最上の香料
(1)5種類の香料
①液体の没薬500シェケル(5.7キロ)
②香りの強い肉桂250シェケル(2.8キロ)
③におい菖蒲250シェケル
④桂枝500シェケル
⑤オリーブ油1ヒン(3.8リッター)
(2)調合法に従って混ぜ合わせ、聖なる注ぎの油を作る。
2.この油を注ぐ対象
(1)器具類
① 全焼のいけにえのための祭壇とそのいろいろな器具
②洗盤とその台
③これらを聖別するなら、それは、最も聖なるものとなる。
(2)人間
①アロンとその子ら
②彼らを聖別して祭司としてわたしに仕えさせなければならない。
3.禁止事項
(1)2つの禁止令
①これと似たものを調合することは禁止
②祭司以外の者にこれをつけることは禁止
(2)違反した者は、民から断ち切られる。
①死によって
②あるいは、追放によって
Ⅴ.香料(34~38節)
1.材料は高価な香料
(1)4種類の香料を同じ量用意する。
①ナタフ香
②シェヘレテ香
③ヘルベナ香
④乳香を取れ。
(2)調合法にしたがって、香ばしい聖なる純粋な香油(香)を作る。
2.使用法
(1)香の壇の上で香としてたく。
(2)その日に使用する分だけを細かく砕く。
①細かく砕く理由は、燃えやすいように。
3.禁止事項
(1)似たものを自分自身のために作ってはならない。
結論:このメッセージは、幕屋の中に隠されたキリストを発見するためのものである。
1.香の壇と香は、聖徒たちの祈りを象徴している。
(1)詩141:1~2
「【主】よ。私はあなたを呼び求めます。私のところに急いでください。私があなたに呼
ばわるとき、私の声を聞いてください。私の祈りが、御前への香として、私が手を上げる
ことが、夕べのささげ物として立ち上りますように」
(2)黙5:8
「彼が巻き物を受け取ったとき、四つの生き物と二十四人の長老は、おのおの、立琴と、
香のいっぱい入った金の鉢とを持って、小羊の前にひれ伏した。この香は聖徒たちの祈り
である」
(3)黙8:3~4
「また、もうひとりの御使いが出て来て、金の香炉を持って祭壇のところに立った。彼に
たくさんの香が与えられた。すべての聖徒の祈りとともに、御座の前にある金の祭壇の上
にささげるためであった。香の煙は、聖徒たちの祈りとともに、御使いの手から神の御前
に立ち上った」
(4)アロンは贖罪の日に、罪のためのいけにえの血を香の壇の角にぬる。
①私たちの祈りの中にある欠陥は、キリストの血によって清められる。
②私たちの祈りは、キリストを通してのみ、父なる神の御前への香となる。
(5)その日に必要なものを取り、よく砕いてから香の壇の上で燃やす。
2.贖い金は、神の働きは神の民の捧げものによって支えられるということを教えている。
(1)贖い金によって、幕屋が建設され、それが維持された。
(2)フルタイムの献身者は、信徒たちの献金によって支えられる。
(3)1テモ5:18
「聖書に『穀物をこなしている牛に、くつこを掛けてはいけない』、また『働き手が報酬
を受けることは当然である』と言われているからです」
3.洗盤の水は、真理のみことばを象徴している。
(1)ヨハ15:3
「あなたがたは、わたしがあなたがたに話したことばによって、もうきよいのです」
(2)ヨハ17:17
「真理によって彼らを聖め別ってください。あなたのみことばは真理です」
(3)エペ5:25~27
「夫たちよ。キリストが教会を愛し、教会のためにご自身をささげられたように、あなた
がたも、自分の妻を愛しなさい。キリストがそうされたのは、みことばにより、水の洗い
をもって、教会をきよめて聖なるものとするためであり、ご自身で、しみや、しわや、そ
のようなものの何一つない、聖く傷のないものとなった栄光の教会を、ご自分の前に立た
せるためです」
4.注ぎの油は、聖霊を象徴している。
(1)イザ61:1
「神である主の霊が、わたしの上にある。【主】はわたしに油をそそぎ、貧しい者に良い
知らせを伝え、心の傷ついた者をいやすために、わたしを遣わされた。捕らわれ人には解
放を、囚人には釈放を告げ、」
(2)ルカ4:20~21
「イエスは書を巻き、係りの者に渡してすわられた。会堂にいるみなの目がイエスに注が
れた。イエスは人々にこう言って話し始められた。『きょう、聖書のこのみことばが、あ
なたがたが聞いたとおり実現しました』」
(3)使10:37~38(コルネリオに対するペテロのメッセージ)
「あなたがたは、ヨハネが宣べ伝えたバプテスマの後、ガリラヤから始まって、ユダヤ全
土に起こった事がらを、よくご存じです。それは、ナザレのイエスのことです。神はこの
方に聖霊と力を注がれました。このイエスは、神がともにおられたので、巡り歩いて良い
わざをなし、また悪魔に制せられているすべての者をいやされました」
(4)1ヨハ2:27
「あなたがたの場合は、キリストから受けたそそぎの油があなたがたのうちにとどまって
います。それで、だれからも教えを受ける必要がありません。彼の油がすべてのことにつ
いてあなたがたを教えるように、──その教えは真理であって偽りではありません──ま
た、その油があなたがたに教えたとおりに、あなたがたはキリストのうちにとどまるので
す」
①信仰の基本について教えてもらう必要はない。
②偽教師から教えてもらう必要はない。
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