私たちはプロテスタントのキリスト教福音団体です。『1. 聖書のことばを字義どおりに解釈する 2. 文脈を重視する 3. 当時の人たちが理解した方法で聖書を読む 4. イスラエルと教会を区別する』この4点を大切に、ヘブル的聖書解釈を重視しています。詳しくは私たちの理念をご確認ください。
出エジプト記(23)—アマレクとの戦い—
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神からの訓練を受けることを学ぶ。
出エジ23 出エジプト記17章8節~16節
「アマレクとの戦い」
1.文脈の確認
(1)荒野の旅は、ご自身の民を訓練する学校でもある。
(2)行程
①マラでの体験
②エリムでの体験
③シンの荒野での体験
④メリバの水(レフィディムでの体験)
⑤アマレクとの戦い(レフィディムでの体験)
2.アウトライン
(1)アマレクの攻撃(17:8)
(2)イスラエルの反撃(17:9~13)
(3)戦いの記念(17:14~15)
3.きょうのメッセージは、私たちに何を教えているか。
(1)罪と裁きのパターンについて
(2)ヨシュアという人物について
(3)主の戦いの本質について
このメッセージは、神からの訓練を受けるためのものである。
Ⅰ.アマレクの攻撃(17章8節)
1.アマレクという人々
(1)アマレクは、エサウの孫である(創36:11~12)。
①エサウ→エリファズ→アマレク
②エサウの子孫は、エドムの地を本拠として遊牧生活を送っていた。
③定住している民を略奪して、生計を立てていたと思われる。
2.攻撃の方法
申25:17~18
「あなたがたがエジプトから出て、その道中で、アマレクがあなたにした事を忘れな
いこと。彼は、神を恐れることなく、道であなたを襲い、あなたが疲れて弱っている
ときに、あなたのうしろの落後者をみな、切り倒したのである」
(1)神を恐れることのない行為
①神がイスラエルの民のためにエジプトにしたことを無視している。
②神が葦の海を分けてイスラエルの民を渡らせたことを無視している。
(2)卑劣な方法での攻撃
①イスラエルから攻撃を受けたわけではない。
②自衛の戦いではなく、略奪のための戦いである。
③イスラエルの民は、エジプトの富を持って出て来ていた。
④最後部の者たち、落後者たちから、切り倒して行った。
3.攻撃の理由
(1)ヤコブとエサウの葛藤(創27:36)
「エサウは言った。『彼の名がヤコブというのも、このためか。二度までも私を
押しのけてしまって。私の長子の権利を奪い取り、今また、私の祝福を奪い取っ
てしまった』。また言った。『あなたは私のために祝福を残してはおかれなかった
のですか』」
(2)民族の怨念
①エドム人は、イスラエルと歴史的に仲が悪かった。
②エドム人は、南王国ユダの滅亡(前586年)を喜んだ(エゼ35:15、36:5)。 ③エドムをギリシア語に音訳するとイドマヤとなる。
④ヘロデ大王は、イドマヤ人である。イエスはヤコブの子孫である。
Ⅱ.イスラエルの反撃(17:9~13)
1.イスラエルにとっては最初の戦いとなる。
(1)出エジプトによって国が誕生した。
①【主】によって造られた国である。
②民の間では、いまだに国としての自意識が乏しい。
(2)若い国にとっては存立にかかわる重大事件であった。
(例話)日清、日露戦争と似たような状況である。
①武具と武器はエジプト人の兵士たちのものだったのだろう。
2.ヨシュアの役割
(1)ヨシュアが指揮官(将軍)となる。
①ここでは、彼はモーセの従者である。
②この戦争は、将来の指導者を養成するための訓練となる。
(2)ヨシュアの仕事は、最強の兵士たちを選び、戦うこと。
①基本戦略
*敵よりも量において勝る。
*最も優秀な兵士を揃える。
*一点突破主義で戦う。
②人間的な努力を精一杯する。
3.モーセの役割
(1)モーセの仕事は、執りなしの祈りを捧げること。
①あす(戦いのための準備は1日しかない)
②神の杖を手に持つ。
③丘の頂に立つ。
(2)戦場にいるイスラエルの民は、モーセが杖を持っているのを見ることができる。
4.2人の援助者の存在
(1)兄のアロン
(2)フル
①誰であるかは不明
②ヨセフスは、フルはミリアムの夫であるとする(モーセの義兄)。
(3)【主】の戦いにおける役割分担がある。
5.自然と超自然のミックス
(1)モーセの手が上がっている時は、イスラエルが優勢になった。
①祈りの姿勢である。
(2)モーセの手が下がっている時は、アマレクが優勢になった。
(3)アロンとフルが両側からモーセの手を支えた。
①モーセの謙遜
②日が沈むまで継続する祈り
③ヨシュアに勝利をもたらす祈り
Ⅲ.戦いの記念(17:14~15)
1.【主】の命令
「このことを記録として、書き物に書きしるし、ヨシュアに読んで聞かせよ。わたしはア
マレクの記憶を天の下から完全に消し去ってしまう」
(1)書き物に記し、記録として残す。
(2)ヨシュアに読んで聞かせる。
①次世代のリーダー訓練
②さらに次の世代に伝えるために
(3)アマレクの記憶が消される。
①申25:19
②Ⅰサム15:2~3
*サウル王への命令。
*サウルは、アマレク人の王アガグと肥えた羊や牛を残した。
③Ⅱサム1:1
*ダビデがアマレク人を打った。
④Ⅱサム8:12
2.祭壇
(1)「アドナイ・ニシ」と呼ぶ。
①「主はわが旗」(口語訳、新共同訳)
②「ヤハウェ・ニシ」(ヤハウェは我が旗)が正しい。
(2)出17:16
「【主】の御座の上の手」(新改訳) 【主】が手を上げられた。
「主の旗にむかって手を上げる」(口語訳) モーセは【主】に向かって手を上げた。
「彼らは主の御座に背いて手を上げた」(新共同訳) アマレクは手を上げた。
(3)杖は、イスラエル軍の軍旗である。
①元来、軍旗は部隊の精神的支柱であった。
②また、指揮官の所在を明示するものであった。
③【主】は指揮官としてそこにおられた。
結論:このメッセージは、神からの訓練を受けるためのものである。
1.
罪と裁きのパターンについて
(1)出17章
①イスラエルの民がモーセ(神)と争った。
②水に関する争い。
③モーセは杖で岩を打ち、水が与えられた。
④裁きの内容は、アマレクがイスラエルの民と争ったこと。
(2)民20章
①イスラエルの民がモーセとアロンに逆らった。
②水に関する争い。
③モーセは杖で岩を2度打ち、水が与えられた。
*モーセはカナンの地に入れなくなった。
④裁きの内容は、エドムがイスラエルの民の通過を許さなかったこと。
(3)霊的原則
①イスラエルの民に与えられた神の約束は、必ず成就する。
②イスラエルの民が罪を犯した時、裁きが下る。
*往々にして、神は敵を裁きの器として用いる。
*イスラエルの民を攻撃した国は、必ず裁かれる。
2.
ヨシュアという人物について
(1)ここで登場するのは、ごく自然である。
①水の争いの後
②2度目の水の争いでモーセが失敗する。
③ヨシュアがモーセの後継者であることが暗示されている。
(2)ヨシュアという名前の意味
①「【主】は救い」
②新約聖書のイエスと同じ。
(3)ヨシュアの成長
①出24:13 モーセの従者ヨシュア
②出32:17 霊的に未熟
「ヨシュアは民の叫ぶ大声を聞いて、モーセに言った。『宿営の中にいくさの声
がします』」
③出33:11 幕屋の管理
「【主】は、人が自分の友と語るように、顔と顔とを合わせてモーセに語られた。
モーセが宿営に帰ると、彼の従者でヌンの子ヨシュアという若者が幕屋を離れな
いでいた」
④民13章 12人のスパイの内のひとり
⑤ヨシ1:1
「さて、【主】のしもべモーセが死んで後、【主】はモーセの従者、ヌンの子ヨシ
ュアに告げて仰せられた」
(4)リーダーの使命は、次のリーダーを育てること
3.主の戦いの本質について
(1)不変の原則
①勝利の秘訣は、神の祝福と摂理的な御手である。
②カナンの地を征服する戦いでも同じ原則が働いている。
(2)変化する内容
①神が、神の民のために戦ってくださる。
*出14:14
「【主】があなたがたのために戦われる。あなたがたは黙っていなければな
らない」
②神が、神の民の中にあって戦ってくださる。
(3)ピリ4:13の原則
「私は、私を強くしてくださる方によって、どんなことでもできるのです」
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