私たちはプロテスタントのキリスト教福音団体です。『1. 聖書のことばを字義どおりに解釈する 2. 文脈を重視する 3. 当時の人たちが理解した方法で聖書を読む 4. イスラエルと教会を区別する』この4点を大切に、ヘブル的聖書解釈を重視しています。詳しくは私たちの理念をご確認ください。
出エジプト記(15)—最初の過越の祭り—
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メシアの業について学ぶ。
出エジ15 出エジプト記12章1節~28節
「最初の過越の祭り」
1.文脈の確認
(1)エジプトに【主】からの10の災いが下る。
(2)3×3+1=10という形式になっている。
(3)フィナーレは、エジプトの長子の死である。
(4)イスラエル人はその裁きを免れる。
(5)「過越の祭り」という言葉
①ペサハ(ヘブル語)
②パスカ(ギリシア語)
③旧約聖書でも、新約聖書でも、この祭りへの言及が最も多い。
(6)「過越の祭り」の3つの意味
①祭りの全体を指す場合
②過越の子羊を指す場合
③過越の子羊の準備を指す場合
*マタ26:17、19、マコ14:12、14~16、ルカ22:8、13
(7)ユダヤ人たちは、3千年にわたって過越の祭りを祝ってきた。
①今年は、3月30日(火)から(29日の日没から)始まる。
②8日間(過越の祭りが1日、種なしパンの祭りが7日)
③過越の祭りの起源が、出エジプト記12章である。
2.メッセージのアウトライン
(1)過越の祭り(1~14節)
(2)種なしパンの祭り(15~20節)
(3)【主】の命令を実行するイスラエルの民(21~28節)
3.きょうのメッセージは、私たちに何を教えているか。
(1)過越の祭りの象徴的意味
(2)血の象徴的意味
(3)ヒソプの象徴的意味
(4)礼拝の象徴的意味
このメッセージは、メシアの業について学ぼうとするものである。
Ⅰ.過越の祭り(1~14節)
1.年の最初の月
(1)アビブの月
(2)ニサンの月(バビロン捕囚以降、バビロンの呼び名になる)
①ネヘ2:1
②エス3:7
(3)国の始まりの月なので、これが最初の月となる。
2.ニサンの月の10日
(1)羊を用意する。
(2)家族ごとに羊1頭。人数が少ない場合は、隣の人と分かち合う。
(3)羊の条件
①傷がない。
②1歳の雄である。
③小羊かやぎのうちから取る。
3.ニサンの月の14日
(1)10日から14日まで、それをよく見守る。
①ガードする(守る)。
②吟味する。
(2)夕暮れにほふる
①「夕暮れ」を直訳すると、「2つの夕暮れの間」となる。
②14日の午後3時から日没までの間
③日没から暗くなるまでの間(15日になっている)
④両方の解釈が可能である。
(3)その血を取る。
①2本の門柱と、かもいに、それをつける。
②象徴的な意味
*人間の全存在
「これをあなたの家の門柱と門に書きしるしなさい」(口語訳申6:9)
*十字架の形
③これを行うのは、最初の過越の祭りのみである。
4.ニサンの月の15日
(1)その夜、その肉を食べる。
(2)火に焼く(ロースト)
①生のままはいけない。
②水で煮てもいけない。
③頭も足も内臓も全部いっしょに火で焼かなければならない。
(3)それを朝まで残してはならない。
①残ったものは、火で焼く。
②この祭りは特別なものなので、翌日に同じものを食してはならない。
(4)食べる時の姿勢(1度限りの命令)
①腰の帯を引き締め(旅立ちの格好)
②足に靴を履き
③手に杖を持ち
④急いで食べる
⑤【主】が「旅立て」と言われたなら、すぐに従えるように。
⑥約束の地では、ユダヤ人たちは横になって食した。
(5)【主】はその夜、エジプトの地を巡る。
①エジプトの地のすべての初子を打つ。
*人の初子
*家畜の初子
②エジプト人のすべての神々に裁きを下す。
(6)【主】はイスラエル人の家々を通り越す。
「あなたがたのいる家々の血は、あなたがたのためにしるしとなる。わたしはその血
を見て、あなたがたの所を通り越そう。わたしがエジプトの地を打つとき、あなたが
たには滅びのわざわいは起こらない」(13節)
①過越の祭りという言葉の起源
②【主】は、血を見て過ぎ越される。
5.血の効用
(1)1~3の裁きは、エジプト人にもイスラエル人にも下った。
(2)4~9の裁きは、エジプト人にだけ下り、イスラエル人は区別された。
(3)第10番目の裁きは、両者に下る可能性があった。
(4)神の命令に従って血を塗ったので、イスラエル人は裁きを免れた。
6.記念すべき日
(1)過越の祭りは代々守るべき祭りとなった(14節)。
「この日は、あなたがたにとって記念すべき日となる。あなたがたはこれを【主】へ
の祭りとして祝い、代々守るべき永遠のおきてとしてこれを祝わなければならない」
(2)今でもユダヤ人たちは、この命令を実行している。
Ⅱ.種なしパンの祭り(15~20節)
1.7日間の祭り
(1)過越の祭りは、1日だけの祭り
(2)種なしパンの祭りは、7日間の祭り
(3)新約時代には、8日間をまとめて「種なしパンの祝い」と呼ぶようになった。
①ルカ22:1
「さて、過越の祭りといわれる、種なしパンの祝いが近づいていた」
2.種を入れないパンを食べる。
(1)7日間食べる(過越の祭りを入れると、8日間それを食べる)。
(2)急いでいたので、パン生地を発酵させる余裕がなかった。
①これは旅のための食糧となった。
②出12:34、39
(3)それに違反するなら、殺される。
(4)第1日と第7日に、聖なる会合を開く。
①この期間の労働は禁止された。
②調理だけは許された。
3.永遠のおきて
(1)出エジプトの記念として、種なしパンの祭りを守る。
Ⅲ.【主】の命令を実行するイスラエルの民(21~28節)
1.命令の伝達
(1)【主】 → モーセ → 長老たち → 家長 → 家族
2.命令の内容
(1)家族ごとに羊を取り、過越のいけにえとしてほふる。
(2)その血をかもいと2本の門柱につける。
(3)朝まで戸口から外に出てはならない。
(4)【主】は血をご覧になり、その戸口を過ぎ越される。
①滅ぼす者がその家に入ってくることはない。
(5)この儀式は、永遠に守るべき祭りとなる。
①約束の地に入った時にそれを実行する。
②子孫にその意味を伝える。
(6)イスラエルの民は、【主】を礼拝した。つまり、同意した。
結論:
このメッセージは、メシアの業について学ぼうとするものである。
1.過越の祭りの象徴的意味
(1)政治的独立を祝うものではない。
(2)死からの解放を祝うものである。
(3)エジプトの地のすべての初子が死んだ。
①イスラエル人の初子も死ぬ可能性があった。
②過越の子羊の命が、イスラエル人の初子の命の身代わりとなった。
(4)過越の子羊はメシアの型である。
①ヨハ1:29
②マタ20:28
③マコ10:45
2.血の象徴的意味
(1)罪のゆえに死が人類を支配するようになった。
「死のとげは罪であり、罪の力は律法です」(Ⅰコリ15:56)
(2)罪は裁かねばならない。
(3)血は命を象徴する。
「なぜなら、肉のいのちは血の中にあるからである。わたしはあなたがたのいのちを
祭壇の上で贖うために、これをあなたがたに与えた。いのちとして贖いをするのは血
である」(レビ17:11)
「それで、律法によれば、すべてのものは血によってきよめられる、と言ってよいで
しょう。また、血を注ぎ出すことがなければ、罪の赦しはないのです」(ヘブ9:22)
3.ヒソプの象徴的意味(22節)
(1)血は、【主】がそれを見て、過ぎ越すための「しるし」以上のものである。
(2)ヒソプは、罪を清めるため、罪を覆うために用いられる植物である。
①レビ14:4~6、49~52
②民19:16、18
③詩51:7
「ヒソプをもって私の罪を除いてきよめてください。そうすれば、私はきよくな
りましょう。私を洗ってください。そうすれば、私は雪よりも白くなりましょう」
(3)旧約時代の犠牲の限界
①ヘブ9:9
「この幕屋はその当時のための比喩です。それに従って、ささげ物といけにえと
がささげられますが、それらは礼拝する者の良心を完全にすることはできません」
4.礼拝の象徴的意味(27節)
(1)【主】の約束を信じたということ
(2)出エジプト体験と私たちの霊的体験
①約束の地と永遠の御国の対比
②過越の子羊とイエスの対比
③イスラエルの民の信仰と私たちの信仰の対比
④イスラエルの民が体験した死への勝利と私たちの体験の対比
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