私たちはプロテスタントのキリスト教福音団体です。『1. 聖書のことばを字義どおりに解釈する 2. 文脈を重視する 3. 当時の人たちが理解した方法で聖書を読む 4. イスラエルと教会を区別する』この4点を大切に、ヘブル的聖書解釈を重視しています。詳しくは私たちの理念をご確認ください。
出エジプト記(14)—第十の災いの予告—
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出エジ14 出エジプト記11章1節~10節
「第十の災いの予告」
1.文脈の確認
(1)エジプトに主からの10の災いが下る。
(2)10の災いの記述は、考え抜かれた形式美を持っている。
(3)3×3+1=10という形式になっている。
(4)きょうの個所は、フィナーレへの準備である。
2.メッセージのアウトライン
(1)【主】からモーセに(1~3節)
(2)モーセからパロに(4~8節)
(3)9つの災害のまとめ(9~10節)
3.きょうのメッセージは、私たちに何を教えているか。
(1)偶像礼拝の愚かさについて
(2)神がなさる区別について
(3)賜物について
このメッセージは、人生そのものを考えさせるものである。
Ⅰ.【主】からモーセに(1~3節)
1.挿入句である
(1)10:29と11:4とはつながっている。
(2)11:1~3は、【主】がモーセにすでに語っておられた内容である(英語の過去
完了形)。
2.なお一つの災いが下る。
(1)その後で、パロはイスラエルの民を去らせる。
(2)大人も、子どもも、男も、女も、家畜も、あらゆるものがエジプトを去る。
3.エジプトから財産を求めるように
(1)銀の飾りや金の飾り。それ以外の物もあったはずである。
(2)これは、長年にわたる賃金の取り分である。
(3)【主】は、労働者に正当な賃金が支払われることを願われる。
「パロの娘は彼女に言った。『この子を連れて行き、私に代わって乳を飲ませてくだ
さい。私があなたの賃金を払いましょう』。それで、その女はその子を引き取って、
乳を飲ませた」(出2:9)
「あなたの隣人をしいたげてはならない。かすめてはならない。日雇い人の賃金を朝
まで、あなたのもとにとどめていてはならない」(レビ 19:13)
(申15:18、24:15など参照)
「見なさい。あなたがたの畑の刈り入れをした労働者への未払い賃金が、叫び声をあ
げています。そして、取り入れをした人たちの叫び声は、万軍の主の耳に届いていま
す」(ヤコ5:4)
4.エジプト人の心理の変化(3節)
「【主】はエジプトが民に好意を持つようにされた。モーセその人も、エジプトの国でパロ
の家臣と民とに非常に尊敬されていた」(新改訳)
「主は民にエジプトびとの好意を得させられた。またモーセその人は、エジプトの国で、
パロの家来たちの目と民の目とに、はなはだ大いなるものと見えた」(口語訳)
(1)エジプト人から無理やり財産を奪うのではない。
(2)9つの災いの結果、エジプト人たちはイスラエル人に好意を持つようになった。
①さらに第10の災いが下る。より尊敬するようになる。
(3)モーセは、偉人と見なされた。
①彼が予告した通りに災いが下った。
②彼が祈ると、災いは止んだ。
③彼に逆らうと大変なことになる。
Ⅱ.モーセからパロに(4~8節)
1.10:29の続きである。
(1)「真夜中ごろ、わたしはエジプトの中に出て行く」
①擬人法
②アビブの月(ニサンの月)の14日
③朝、あるいは昼間に、モーセはこれをパロに語っている。
④夕暮れに子羊をほふる。
⑤その夜それを食べる。ユダヤ暦では15日になっている。
⑥真夜中ごろ、裁きが行われる。
2.初子が打たれる。
(1)民族の存続は長子を通じて維持される。
(2)エジプト人は、死後の命に強いこだわりを持っていた。
(3)長子の中に自分の命が生き続けているという認識があった。
(4)パロの長子は、次に神の地位を継承する器である。
(5)すべての初子が死ぬ。
①パロの初子
②女奴隷の初子
③家畜の初子
(6)エジプト全土に大きな叫びが起こる。
3.エジプト人とイスラエル人の区別
(1)イスラエル人に対しては、犬もうなりはしない。
①真夜中に物音がすると、犬はうなり声を上げるものである。
②イスラエルの民は、なんの妨げもなくエジプトを出るようになる。
4.パロの家臣たちの懇願
(1)彼らは、イスラエル人がエジプトを出てくれるように懇願する。
(2)パロの支配権がなくなる。
(3)モーセが優位に立つ。
(4)その後、イスラエル人はエジプトを出て行く。
5.モーセはパロの前を立ち去る。
Ⅲ.9つの災害のまとめ(9~10節)
1.【主】はモーセに語っておられた(過去完了)。
(1)パロはあなたがたの言うことを聞き入れないだろう。
(2)人間の責任と、神の主権の両方がかかわっている。
2.結果
(1)モーセは、神に従うことに伴う犠牲を学んだ。
(2)【主】はエジプトの地で数々の奇跡を行われた。
①「モフェット」 不思議、奇跡、しるし
②エジプト人もイスラエル人も、【主】のような方は他にいないことを学んだ。
結論:
このメッセージは、人生そのものを考えさせるものである。
1.
「偶像礼拝」の愚かさについて
(1)第10の災いで裁かれる神
7. Hathor ハトホル(クロミス‐スズメダイの一種‐の守り神。
誕生に立ち会う女神)
21. Isis イッシス(農業の女神。誕生と再生の女神でもある)
29. Min ミン(誕生と再生の神)
(2)エジプトの偶像
①およそ80あった(考古学が十分に発達していない)
②働きは重複しており、まだ未解明の部分が多い。
③すべての偶像がなんらかの被害を受けている。
④共通項は、動物や自然現象がやがて人間の形を取ったということ。
*動物は、その神の具体的なイメージである。
*「いのち」をもたらす神々がことごとく打たれた。
*【主】だけが「いのち」をもたらすお方である。
(3)パロの神性は、疑わしいものであることが暴かれた。
(4)祭司の権威も、疑わしいものであることが暴かれた。
2.神がなさる区別について
(1)第4の災い 8:23
(2)第5の災い 9:6
(3)第7の災い 9:26
(4)第9の災い 10:23
(5)Ⅰテサ5:4~5 再臨(携挙)への備えのベースは、「区別」である。
①クリスチャンは光の中にいる。それゆえ、目を覚まして、慎み深くする。
3. 賜物について
(1)怒りに燃えて出て行くモーセ。主の命令を為し終えた姿。
(3)賜物の行使による成長
①「口べた」なモーセ
②偉大な人として尊敬されるモーセ
③みことばへの確信と、使命の実行
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