出エジプト記(14)—第十の災いの予告—

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出エジ14 出エジプト記11章1節~10節

「第十の災いの予告」

1.文脈の確認

(1)エジプトに主からの10の災いが下る。

(2)10の災いの記述は、考え抜かれた形式美を持っている。

(3)3×3+1=10という形式になっている。

(4)きょうの個所は、フィナーレへの準備である。

  2.メッセージのアウトライン

    (1)【主】からモーセに(1~3節)

(2)モーセからパロに(4~8節)

(3)9つの災害のまとめ(9~10節)

  3.きょうのメッセージは、私たちに何を教えているか。

(1)偶像礼拝の愚かさについて

(2)神がなさる区別について

(3)賜物について

このメッセージは、人生そのものを考えさせるものである。

Ⅰ.【主】からモーセに(1~3節)

  
1.挿入句である

(1)10:29と11:4とはつながっている。

(2)11:1~3は、【主】がモーセにすでに語っておられた内容である(英語の過去

完了形)。

  2.なお一つの災いが下る。

(1)その後で、パロはイスラエルの民を去らせる。

(2)大人も、子どもも、男も、女も、家畜も、あらゆるものがエジプトを去る。

  3.エジプトから財産を求めるように

(1)銀の飾りや金の飾り。それ以外の物もあったはずである。

(2)これは、長年にわたる賃金の取り分である。

(3)【主】は、労働者に正当な賃金が支払われることを願われる。

「パロの娘は彼女に言った。『この子を連れて行き、私に代わって乳を飲ませてくだ

さい。私があなたの賃金を払いましょう』。それで、その女はその子を引き取って、

乳を飲ませた」(出2:9)

「あなたの隣人をしいたげてはならない。かすめてはならない。日雇い人の賃金を朝

まで、あなたのもとにとどめていてはならない」(レビ 19:13)

(申15:18、24:15など参照)

「見なさい。あなたがたの畑の刈り入れをした労働者への未払い賃金が、叫び声をあ

げています。そして、取り入れをした人たちの叫び声は、万軍の主の耳に届いていま

す」(ヤコ5:4)

  4.エジプト人の心理の変化(3節)

  「【主】はエジプトが民に好意を持つようにされた。モーセその人も、エジプトの国でパロ

  の家臣と民とに非常に尊敬されていた」(新改訳)

  「主は民にエジプトびとの好意を得させられた。またモーセその人は、エジプトの国で、

  パロの家来たちの目と民の目とに、はなはだ大いなるものと見えた」(口語訳)

(1)エジプト人から無理やり財産を奪うのではない。

(2)9つの災いの結果、エジプト人たちはイスラエル人に好意を持つようになった。

  ①さらに第10の災いが下る。より尊敬するようになる。

(3)モーセは、偉人と見なされた。

  ①彼が予告した通りに災いが下った。

  ②彼が祈ると、災いは止んだ。

  ③彼に逆らうと大変なことになる。

Ⅱ.モーセからパロに(4~8節)

  1.10:29の続きである。

(1)「真夜中ごろ、わたしはエジプトの中に出て行く」

  ①擬人法

  ②アビブの月(ニサンの月)の14日

  ③朝、あるいは昼間に、モーセはこれをパロに語っている。

  ④夕暮れに子羊をほふる。

  ⑤その夜それを食べる。ユダヤ暦では15日になっている。

  ⑥真夜中ごろ、裁きが行われる。

  2.初子が打たれる。

(1)民族の存続は長子を通じて維持される。

(2)エジプト人は、死後の命に強いこだわりを持っていた。

(3)長子の中に自分の命が生き続けているという認識があった。

(4)パロの長子は、次に神の地位を継承する器である。

(5)すべての初子が死ぬ。

  ①パロの初子

  ②女奴隷の初子

  ③家畜の初子

(6)エジプト全土に大きな叫びが起こる。

  3.エジプト人とイスラエル人の区別

(1)イスラエル人に対しては、犬もうなりはしない。

  ①真夜中に物音がすると、犬はうなり声を上げるものである。

  ②イスラエルの民は、なんの妨げもなくエジプトを出るようになる。

  4.パロの家臣たちの懇願

(1)彼らは、イスラエル人がエジプトを出てくれるように懇願する。

(2)パロの支配権がなくなる。

(3)モーセが優位に立つ。

(4)その後、イスラエル人はエジプトを出て行く。

  5.モーセはパロの前を立ち去る。

Ⅲ.9つの災害のまとめ(9~10節)

  1.【主】はモーセに語っておられた(過去完了)。

(1)パロはあなたがたの言うことを聞き入れないだろう。

(2)人間の責任と、神の主権の両方がかかわっている。

  2.結果

(1)モーセは、神に従うことに伴う犠牲を学んだ。

(2)【主】はエジプトの地で数々の奇跡を行われた。

  ①「モフェット」 不思議、奇跡、しるし

  ②エジプト人もイスラエル人も、【主】のような方は他にいないことを学んだ。

結論:
 このメッセージは、人生そのものを考えさせるものである。

  1.
「偶像礼拝」の愚かさについて


(1)第10の災いで裁かれる神


  7. Hathor ハトホル(クロミス‐スズメダイの一種‐の守り神。

誕生に立ち会う女神)

  21. Isis イッシス(農業の女神。誕生と再生の女神でもある)

  29. Min ミン(誕生と再生の神)

(2)エジプトの偶像

  ①およそ80あった(考古学が十分に発達していない)

  ②働きは重複しており、まだ未解明の部分が多い。

  ③すべての偶像がなんらかの被害を受けている。

  ④共通項は、動物や自然現象がやがて人間の形を取ったということ。

*動物は、その神の具体的なイメージである。

*「いのち」をもたらす神々がことごとく打たれた。

  *【主】だけが「いのち」をもたらすお方である。

(3)パロの神性は、疑わしいものであることが暴かれた。

(4)祭司の権威も、疑わしいものであることが暴かれた。

  2.神がなさる区別について

(1)第4の災い 8:23

(2)第5の災い 9:6

(3)第7の災い 9:26

(4)第9の災い 10:23

(5)Ⅰテサ5:4~5 再臨(携挙)への備えのベースは、「区別」である。

  ①クリスチャンは光の中にいる。それゆえ、目を覚まして、慎み深くする。

  3. 賜物について

(1)怒りに燃えて出て行くモーセ。主の命令を為し終えた姿。

(3)賜物の行使による成長

  ①「口べた」なモーセ

  ②偉大な人として尊敬されるモーセ

  ③みことばへの確信と、使命の実行

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