出エジプト記(11)—最初の3つの災い—

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このメッセージは、人生そのものを考えさせるものである。

出エジ11 出エジプト記8章1節~19節

「最初の3つの災い」

1.文脈の確認

(1)エジプトに主からの10の災いが下る。

(2)10の災いの記述は、考え抜かれた形式美を持っている。

(3)3×3+1=10という形式になっている。

(4)きょうは最初の3つの災いを取り上げる。

(5)補足説明:ヘブル語聖書では、8:1~4までは7章に入っている。

        8章は、8:5から始まる。

  2.メッセージのアウトライン

    (1)第一の災い(復習):ナイルの水が血に変わる。

(2)第二の災い:かえるの害

(3)第三の災い:害虫(ぶよ)の害

  3.きょうのメッセージは、私たちに何を教えているか。

    (1)「偶像礼拝」について考えてみよう。

(2)「いのち」について考えてみよう。

(3)「復活」について考えてみよう。

このメッセージは、人生そのものを考えさせるものである。

Ⅰ.第一の災い(復習):ナイルの水が血に変わる。

  
1.警告(7:14~18)

(1)各セットの中の最初の2つは、災いの前に警告が与えられる。

(2)各セットの中の1番目は、モーセが朝パロの前に立つ。

  2.実行(7:19~21)

(1)動作の主体:最初の3つは、アロンの手。

(2)ナイルの水はことごとく血に変わった。

(3)災いの範囲:最初のセットは、害がエジプト全土に下る。

  3.結果(7:22~25)

(1)災いの程度:最初の3つは、煩わしいもの。

(2)エジプトの呪法師たちも同じことをした。

(3)パロの心は頑なになった。

  ①わずかばかりの奇跡でも、説得されてしまう。最初から信じる気がない。

Ⅱ.第二の災い:かえるの害(8:1~15)

  
1.警告(8:1~4)

(1)各セットの中の最初の2つは、災いの前に警告が与えられる。

(2)各セットの中の2番目は、モーセはパロの前に立つが、時間は不明。

(3)かえるは、エジプト人には歓迎すべきものである。

  ①エジプトの農業は、ナイル川に全面的に依存していた。

  ②ナイル川の増水は、毎年定期的にやって来た。

  ③増水は7月中旬から始まり、3カ月後には水が引き始める。

  ④水が引くと、種を蒔く時期になる。かえるが現れる時期と合致する。

(4)そのかえるが、災いをもたらすものとなる。

  ①自然現象が、神の力によって極端なものに変えられる。

  2.実行(8:5~6)

(1)動作の主体:最初の3つは、アロンの手。

(2)災いの範囲:最初の3つは、害がエジプト全土に下る。

  3.結果(8:7~15)

(1)災いの程度:最初の3つは、煩わしいもの。

(2)エジプトの呪法師たちも同じことをした。

  ①人々にとっては迷惑なことであった。

  ②彼らは、かえるを取り除くことができなかった。

(3)パロはモーセとアロンに願った。

「パロはモーセとアロンを呼び寄せて言った。『かえるを私と私の民のところから除

くように、【主】に祈れ。そうすれば、私はこの民を行かせる。彼らは【主】にいけ

にえをささげることができる』」

(4)モーセは「時間の指定」を迫った。

  ①神の力を疑わせないために。

(5)パロは、「あす」と答えた。

  ①ひょっとしたら、事前に解決する可能性がある。

  ②エジプトの常識では、儀式を行うのにこれくらいの時間がかかる。

  ③聖書の教え

  「きょう、もし御声を聞くならば、御怒りを引き起こしたときのように、心をか

  たくなにしてはならない」(ヘブ3:15)

(6)モーセの答え。「あなたのことばどおりになりますように」

  ①「私たちの神、主のような方はほかにいないことを、あなたが知るためです」

  ②7:17でモーセは語っていた。

  ③イスラエル人を救出するのは、神々の中のひとりなのか、真の神【主】なのか。

(7)モーセの祈り

  ①主の計画は必ず成就する。

  ②それが成就する方法は、祈りである。

(8)かえるは死に絶え、ナイルにだけ残った。

  ①かえるの死骸で地は臭くなった。

  ②パロは心を頑なにした。

Ⅲ.第三の災い:害虫(ぶよ)の害(8:16~19)

  1.警告:各セットの中の3番目には警告はない。

  2.実行(8:16~18)

(1)動作の主体:最初の3つは、アロンの手。

(2)災いの範囲:最初の3つは、害がエジプト全土に下る。

(3)「ぶよ」とあるが、これはヘブル語では一般的な言葉で、「種々の害虫」のこと。

  3.結果(8:19)

(1)災いの程度:最初の3つは、煩わしいもの。

(2)エジプトの呪法師たちは、同じことができなかった。

「これは神の指です」

(3)パロの心は頑なになった。

結論:
 このメッセージは、人生そのものを考えさせるものである。

  1.
「偶像礼拝」について考えてみよう。


(1)第2の災いによって裁かれた神


  ③Hapi ハピィ(ナイルの霊。堆積物を管理し土地を豊穣にする神。乳房と妊婦

  の腹を持つ)

  ⑧Heqt ヘクト(体は女性で顔はかえる。クヌムの妻。復活と豊穣の象徴)

(2)第3の災いによって裁かれた神

  ⑨Uatchit ウアトゥチット(害虫からエジプト人を守る女神。コブラの頭に赤

  い王冠)

  ⑩Seb セブ(地の神。害虫から人々を守る)


(3)エジプトの祭司たちも辱めを受けた。


  ①彼らは、昆虫による汚れを受けないために、毛を剃っていた。


  ②祭司たちもまた、昆虫による災いを受けた。


(4)エジプトの呪法師たちも敗北した。


  ①同じことをできなかった。


  ②神の業を消し去ることはできなかった。

  2.「いのち」について考えてみよう。


(1)エジプト人にとっては、ナイル川は「いのちの母」であった。


(2)最初の災いによって、ナイル川に生息する「いのち」は死んだ。


(3)第2の災いによって、「かえる」(いのちあるもの)が大量に造られ、死んだ。


(4)命を支配しておられるのは、ヤハウェ(【主】)であることが明らかになった。


「私たちの神、【主】のような方はほかにはいないことを、あなたが知るためです」

  3.「復活」について考えてみよう。

(1)エジプトは「両生類」を尊重した。

(2)2つの世界で生きることが出来る。

  ①おたまじゃくしは、水の中。

  ②かえるは、陸上。

(3)エジプト人は来世へのこだわりを持っていた(永遠の来世の存在を信じていた)。

(4)日本人の来世観(仏教+民間信仰)

  ①死んで7日目に三途の川を渡る。

  ②流れの速度の異なる3つの瀬があり、生前の業によってどこを渡るか決まる。

  ③此岸(しがん)から彼岸(ひがん)に行く。

  ⑤その結果、極楽に行くか地獄に行くかが決まる。

(5)エジプトでは、死後、オシリス神の法廷で審判を受けるとされていた。

  ①「死者の書」が棺や、ミイラを巻く布に入れられた。

  ②それは、死後の試練を乗り越えるための手引書である。

(6)聖書に解決がある。

  ①イエスのことば ヨハ11:25

  「わたしは、よみがえりです。いのちです。わたしを信じる者は、死んでも生き

  るのです。また、生きていてわたしを信じる者は、決して死ぬことがありません。

  このことを信じますか」

  ②パウロのことば Ⅱコリ 5:21

  「 神は、罪を知らない方を、私たちの代わりに罪とされました。それは、私た

  ちが、この方にあって、神の義となるためです」

  ③パウロのことば 
Ⅱテモ4:1


  「神の御前で、また、生きている人と死んだ人とをさばかれるキリスト・イエス


  の御前で、その現れとその御国を思って、私はおごそかに命じます。みことばを


  宣べ伝えなさい。時が良くても悪くてもしっかりやりなさい。寛容を尽くし、絶


  えず教えながら、責め、戒め、また勧めなさい」

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