出エジプト記(2)—解放者の準備—

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このメッセージでは...

私たち自身の物語を学ぶ。

出エジ2 出エジプト記2章1節~25節

「解放者の準備」

イントロ:

1.文脈の確認

(1)神はアブラハム、イサク、ヤコブに約束された。

  ①イスラエルの民は、カナンの地で自由な民として生きるようになる。

  ②イスラエルの民は、全世界の人々を祝福するようになる。

(2)イスラエルの民は、エジプトで約400年間奴隷となっている。

  ①過酷な労働

  ②助産婦を使った男児の抹殺

  ③全国民を動員した反ユダヤ主義政策

(3)神はご自身のマニフェストを実行されるのか。

2.モーセの登場

(1)解放者の準備

(2)キリストの型

  ①預言者

  ②解放者

  ③律法の付与者

  ④仲介者

  3.メッセージのアウトライン

    (1)神の計画が動き始める。(2:1~10)

(2)人間の計画が割り込んでくる。(2:11~22)

(3)そして、オリーブの木は残った(2:23~25)

  ①江戸時代前期に仙台藩(60万石)で起きた「伊達騒動」

  ②山本周五郎の小説『樅ノ木は残った』

  ③パウロは、ロマ11章でオリーブの木を比ゆ的に使っている。

  4.きょうのメッセージは、私たちに何を教えているか。

    (1)物語の底流にあるもの

    (2)神の時

    (3)神の方法

このメッセージは、私たち自身の物語を学ぶためのものである。

Ⅰ.神の計画が動き始める(2:1~10)

  
1.モーセの両親

(1)レビ族のアムラムとヨケベデ(出6:20)

(2)甥と叔母の結婚である。

(3)モーセの律法では近親婚は禁止される。

  2.モーセの誕生

(1)すでにアロンとミリアムは生まれていた。

(2)「女はみごもって、男の子を産んだが、そのかわいいのを見て、三か月の間その

  子を隠しておいた」

  ①「かわいい」はヘブル語で「トブ」。

    *使7:20「このようなときに、モーセが生まれたのです。彼は神の目にか

         なった、かわいらしい子で、三か月の間、父の家で育てられましたが、」

  ②両親は霊的な目で我が子を眺め、それが特別な子であることを感じた。

*ヘブ11:23「信仰によって、モーセは生まれてから、両親によって三か

 月の間隠されていました。彼らはその子の美しいのを見たからです。彼ら

 は王の命令をも恐れませんでした」

  3.モーセをナイル川に浮かべる

(1)隠しきれなくなった。

(2)パピルス製のかご

  ①エジプトの言葉 「テイバー」

  ②ノアの箱舟を指す言葉

  ③防水加工を施した(瀝青と樹脂)。

(4)「ナイルの岸の葦の茂みの中に置いた」

  ①恐らくパロの娘が水浴びに来る辺りであろう。

(5)姉のミリアムは遠くから見守っていた。

  4.パロの娘の登場

(1)ナイル川は女神と考えられていた(インドのガンジス川と同じ)

  ①命を与える川

  ②癒しを与える川

(2)「パロの娘が水浴びをしようとナイルに降りて来た」

  ①朝の祈りを終えようとしていた。

(3)「彼女は葦の茂みにかごがあるのを見、はしためをやって、それを取って来させ

       た」

  ①ナイルに抱かれた赤子を見つけたのは、ただ事ではないと理解したであろう。

  ②泣いている赤子を不憫に思った。

  ③「これはきっとヘブル人の子どもです」

*ヘブル人とエジプト人とは、割礼の方法が異なった。

  5.ミリアムの機転

(1)ヘブル人の乳母を紹介した。

(2)「そうしておくれ」

(3)母ヨケベデは、パロの娘から賃金をもらってモーセを育てた。

(4)パロの娘は欺かれたのではない。知っていてそうしたのである。

  ①この2人の女性の間には、暗黙の了解がある。

  ②神の摂理が働いている。

 6.モーセの命名

(1)5歳前後でパロの娘のもとに連れて行かれ、王女の養子となる。

(2)モーセと命名される。

  ①エジプト第18王朝のパロの名前 アフモス、トゥトモスなどモスが付く。

  ②「モス」とは「子を産む」という意味である。ナイルが産んだ子。

  ③エジプトのパロの名は、偶像の名前にモスが付いている。

  ④モーセも「○○モス」と呼ばれたはずである。

(3)ユダヤ人による解釈

  ①ヘブル語では、「モシェ」。

  ②「マシャ」は引き上げる。

 7.宮殿で育つモーセ

(1)パロの娘とは、トゥトモス1世の娘ハトシェプストである。

  ①後に、義理の息子トゥトモス3世とともにエジプトを共同統治することになる。

  ②男装して統治した(正式な王ではないので統治は存在しない)。

  ③彼女のミイラは、2007年6月ザヒ・ハワス博士らのチームによって特定された。

(2)モーセが受けた教育

  ①パロは出来る限り多くの子を産み、教育を施し、軍事、管理に当たらせた。

  ②モーセもまた同様の教育を受けたことは間違いないだろう。

(3)反ユダヤ主義政策が、解放者を育てるという結果につながった。

Ⅱ.人間の計画が割り込んでくる。(2:11~22)

  1.モーセの自己認識

(1)ヘブル人であるという自覚を失っていなかった。

  ①当時40歳(使7:23)

  ②幼児教育の重要性

(2)ヘブル人たちが不当に苦しめられていることを知っていた。

(3)モーセは、責任を追い込むタイプの人間である。

  2.解放者としての振る舞い

(1)ひとりのヘブル人を助けるために、あるエジプト人を打ち殺した。

(2)ヘブル人同志の争いの仲裁者となる。

(3)しかし、ヘブル人たちはモーセを解放者として認めなかった。

  ①将来、ヘブル人たちがモーセに示すようになる態度を予感させる。

(4)さらに、彼がエジプト人を殺したことをパロに密告した。

(5)パロはモーセを殺そうとするが、モーセはミデヤンの地に逃れた。

  ①アカバ湾の東側、アラビア半島の西端にある地

  ②逃亡者には好都合な地

  3.7人の娘を助けるモーセ

(1)モーセの性質は変わらない。

(2)父は、そのような優秀な男性を見逃さない。

  ①砂漠での「もてなし」の精神 創18:1~8

  ②今日でもこの地域の人々は同じ「もてなし」を実行している。

(3)祭司の名は、レウエル(神の友という意味)。

  ①出3:1には、イテロという名が出てくる。

  ②イテロはタイトルであり、レウエルは固有名詞である。

(4)彼は、偶像礼拝に陥っていない祭司であろう。

  出18:12「モーセのしゅうとイテロは、全焼のいけにえと神へのいけにえを持っ

  て来たので、アロンは、モーセのしゅうととともに神の前で食事をするために、

      イスラエルのすべての長老たちといっしょにやって来た」

  4.ミデヤンでの40年

(1)チッポラと結婚

(2)息子にゲルショムという名を付ける。

  ①「私は外国にいる寄留者だ」(何の権利もない)

  ②ヘブル人の解放者となる夢を放棄していた。

(3)羊飼いとしての経験を積む。

  ①荒野でイスラエルの民を導くための神からの訓練

  ②エジプトでの教育は知的なもの、ミデヤンでの教育は実践的なもの。

Ⅲ.そして、オリーブの木は残った(2:23~25)

  1.「エジプトの王は死んだ」

(1)ハトシェプストはすでに死んでいる。

(2)義理の息子トゥトモス3世が統治していた。

(3)その彼がモーセの命を狙っていたが、彼は死んだ。

(4)新しいパロは、アメンホテプ2世である。

  ①反ユダヤ主義政策を続行した。

  ②彼が出エジプトの時のパロである。

  2.神が行動を起こす。

(1)「聞かれた」

(2)「思い起こされた」

(3)「ご覧になった」

(4)「みこころを留められた」

  3.神が行動を起こす2つの理由

(1)イスラエルの民の悲惨な姿をご覧になった。

  ①神は憐み深い方

  ②マタ9:35~38

(2)アブラハム、イサク、ヤコブとの契約を思い起こされた。

  ①これはアブラハム契約と呼ばれるものである。

  ②これが、パウロがロマ11章で言うオリーブの木である。

  ③忘れていたわけではなく、行動を起こす時が来たという意味である。

結論:このメッセージは、私たち自身の物語を学ぶためのものである。

  1.
物語の底流にあるもの


(1)創12章以来私たちが追いかけて来たアブラハム契約である。


(2)ロマ11章で論じられていることは、アブラハム契約のことである。


  ①オリーブの木の幹は、アブラハム契約


  ②折られた栽培種の枝は、イスラエルの民


  ③接木された野生種の枝は、異邦人クリスチャン


  ④やがて折られた枝は元の幹に接木されるようになる。


(3)神の計画は必ず成就するという前提で、自分の物語を作り上げることが重要。

  2.神の時


(1)モーセの勇気と信仰と行動力には敬意を表する。


  ①ヘブ11:24~26


(2)しかし彼は、神の時を読み間違えていた。


  ①挫折の経験


  ②40年の荒野での訓練


(3)自分が人生のどの段階にいるかを見極める目が大切。


(3)今の時代性に目を留める。


  ①1989年11月9日のベルリンの壁崩壊


  ②20世紀は、1914年の第一次世界大戦で始まり、ベルリンの壁崩壊で終わった。


  ③それ以降は、21世紀型世界が出現した。


  ④多極化と民族紛争、地域紛争の時代


  ⑤国境を越えた人、物、金の移動。「渡り鳥の時代」


  ⑥アジアの時代


  ⑦「自立と共生」がキーワードである。


  ⑧「ネットワーキング」「ブリッジビルダー」

  3.神の方法


(1)エジプト人をひとりずつ殺していっても、ヘブル人の解放にはつながらない。


(2)神の方法によらなければ、真の解放は来ない。


(3)神のことばを理解し、それを語ることこそ、今も昔も神の方法である。


  ①物語の底流を語れ。


  ②イスラエルの民を物語の中心に据えて語れ(彼らは神の方法である)。


  ③真の出エジプトはイエス・キリストにおいて成就したことを語れ。

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