私たちはプロテスタントのキリスト教福音団体です。『1. 聖書のことばを字義どおりに解釈する 2. 文脈を重視する 3. 当時の人たちが理解した方法で聖書を読む 4. イスラエルと教会を区別する』この4点を大切に、ヘブル的聖書解釈を重視しています。詳しくは私たちの理念をご確認ください。
出エジプト記(2)—解放者の準備—
- このメッセージに感謝を贈る
-
この無料配信メッセージは、皆様の祈りと献金のサポートで成り立っています。
あなたの「ちょっとした感謝」を300円献金で贈ってみませんか?
このメッセージでは...
私たち自身の物語を学ぶ。
出エジ2 出エジプト記2章1節~25節
「解放者の準備」
イントロ:
1.文脈の確認
(1)神はアブラハム、イサク、ヤコブに約束された。
①イスラエルの民は、カナンの地で自由な民として生きるようになる。
②イスラエルの民は、全世界の人々を祝福するようになる。
(2)イスラエルの民は、エジプトで約400年間奴隷となっている。
①過酷な労働
②助産婦を使った男児の抹殺
③全国民を動員した反ユダヤ主義政策
(3)神はご自身のマニフェストを実行されるのか。
2.モーセの登場
(1)解放者の準備
(2)キリストの型
①預言者
②解放者
③律法の付与者
④仲介者
3.メッセージのアウトライン
(1)神の計画が動き始める。(2:1~10)
(2)人間の計画が割り込んでくる。(2:11~22)
(3)そして、オリーブの木は残った(2:23~25)
①江戸時代前期に仙台藩(60万石)で起きた「伊達騒動」
②山本周五郎の小説『樅ノ木は残った』
③パウロは、ロマ11章でオリーブの木を比ゆ的に使っている。
4.きょうのメッセージは、私たちに何を教えているか。
(1)物語の底流にあるもの
(2)神の時
(3)神の方法
このメッセージは、私たち自身の物語を学ぶためのものである。
Ⅰ.神の計画が動き始める(2:1~10)
1.モーセの両親
(1)レビ族のアムラムとヨケベデ(出6:20)
(2)甥と叔母の結婚である。
(3)モーセの律法では近親婚は禁止される。
2.モーセの誕生
(1)すでにアロンとミリアムは生まれていた。
(2)「女はみごもって、男の子を産んだが、そのかわいいのを見て、三か月の間その
子を隠しておいた」
①「かわいい」はヘブル語で「トブ」。
*使7:20「このようなときに、モーセが生まれたのです。彼は神の目にか
なった、かわいらしい子で、三か月の間、父の家で育てられましたが、」
②両親は霊的な目で我が子を眺め、それが特別な子であることを感じた。
*ヘブ11:23「信仰によって、モーセは生まれてから、両親によって三か
月の間隠されていました。彼らはその子の美しいのを見たからです。彼ら
は王の命令をも恐れませんでした」
3.モーセをナイル川に浮かべる
(1)隠しきれなくなった。
(2)パピルス製のかご
①エジプトの言葉 「テイバー」
②ノアの箱舟を指す言葉
③防水加工を施した(瀝青と樹脂)。
(4)「ナイルの岸の葦の茂みの中に置いた」
①恐らくパロの娘が水浴びに来る辺りであろう。
(5)姉のミリアムは遠くから見守っていた。
4.パロの娘の登場
(1)ナイル川は女神と考えられていた(インドのガンジス川と同じ)
①命を与える川
②癒しを与える川
(2)「パロの娘が水浴びをしようとナイルに降りて来た」
①朝の祈りを終えようとしていた。
(3)「彼女は葦の茂みにかごがあるのを見、はしためをやって、それを取って来させ
た」
①ナイルに抱かれた赤子を見つけたのは、ただ事ではないと理解したであろう。
②泣いている赤子を不憫に思った。
③「これはきっとヘブル人の子どもです」
*ヘブル人とエジプト人とは、割礼の方法が異なった。
5.ミリアムの機転
(1)ヘブル人の乳母を紹介した。
(2)「そうしておくれ」
(3)母ヨケベデは、パロの娘から賃金をもらってモーセを育てた。
(4)パロの娘は欺かれたのではない。知っていてそうしたのである。
①この2人の女性の間には、暗黙の了解がある。
②神の摂理が働いている。
6.モーセの命名
(1)5歳前後でパロの娘のもとに連れて行かれ、王女の養子となる。
(2)モーセと命名される。
①エジプト第18王朝のパロの名前 アフモス、トゥトモスなどモスが付く。
②「モス」とは「子を産む」という意味である。ナイルが産んだ子。
③エジプトのパロの名は、偶像の名前にモスが付いている。
④モーセも「○○モス」と呼ばれたはずである。
(3)ユダヤ人による解釈
①ヘブル語では、「モシェ」。
②「マシャ」は引き上げる。
7.宮殿で育つモーセ
(1)パロの娘とは、トゥトモス1世の娘ハトシェプストである。
①後に、義理の息子トゥトモス3世とともにエジプトを共同統治することになる。
②男装して統治した(正式な王ではないので統治は存在しない)。
③彼女のミイラは、2007年6月ザヒ・ハワス博士らのチームによって特定された。
(2)モーセが受けた教育
①パロは出来る限り多くの子を産み、教育を施し、軍事、管理に当たらせた。
②モーセもまた同様の教育を受けたことは間違いないだろう。
(3)反ユダヤ主義政策が、解放者を育てるという結果につながった。
Ⅱ.人間の計画が割り込んでくる。(2:11~22)
1.モーセの自己認識
(1)ヘブル人であるという自覚を失っていなかった。
①当時40歳(使7:23)
②幼児教育の重要性
(2)ヘブル人たちが不当に苦しめられていることを知っていた。
(3)モーセは、責任を追い込むタイプの人間である。
2.解放者としての振る舞い
(1)ひとりのヘブル人を助けるために、あるエジプト人を打ち殺した。
(2)ヘブル人同志の争いの仲裁者となる。
(3)しかし、ヘブル人たちはモーセを解放者として認めなかった。
①将来、ヘブル人たちがモーセに示すようになる態度を予感させる。
(4)さらに、彼がエジプト人を殺したことをパロに密告した。
(5)パロはモーセを殺そうとするが、モーセはミデヤンの地に逃れた。
①アカバ湾の東側、アラビア半島の西端にある地
②逃亡者には好都合な地
3.7人の娘を助けるモーセ
(1)モーセの性質は変わらない。
(2)父は、そのような優秀な男性を見逃さない。
①砂漠での「もてなし」の精神 創18:1~8
②今日でもこの地域の人々は同じ「もてなし」を実行している。
(3)祭司の名は、レウエル(神の友という意味)。
①出3:1には、イテロという名が出てくる。
②イテロはタイトルであり、レウエルは固有名詞である。
(4)彼は、偶像礼拝に陥っていない祭司であろう。
出18:12「モーセのしゅうとイテロは、全焼のいけにえと神へのいけにえを持っ
て来たので、アロンは、モーセのしゅうととともに神の前で食事をするために、
イスラエルのすべての長老たちといっしょにやって来た」
4.ミデヤンでの40年
(1)チッポラと結婚
(2)息子にゲルショムという名を付ける。
①「私は外国にいる寄留者だ」(何の権利もない)
②ヘブル人の解放者となる夢を放棄していた。
(3)羊飼いとしての経験を積む。
①荒野でイスラエルの民を導くための神からの訓練
②エジプトでの教育は知的なもの、ミデヤンでの教育は実践的なもの。
Ⅲ.そして、オリーブの木は残った(2:23~25)
1.「エジプトの王は死んだ」
(1)ハトシェプストはすでに死んでいる。
(2)義理の息子トゥトモス3世が統治していた。
(3)その彼がモーセの命を狙っていたが、彼は死んだ。
(4)新しいパロは、アメンホテプ2世である。
①反ユダヤ主義政策を続行した。
②彼が出エジプトの時のパロである。
2.神が行動を起こす。
(1)「聞かれた」
(2)「思い起こされた」
(3)「ご覧になった」
(4)「みこころを留められた」
3.神が行動を起こす2つの理由
(1)イスラエルの民の悲惨な姿をご覧になった。
①神は憐み深い方
②マタ9:35~38
(2)アブラハム、イサク、ヤコブとの契約を思い起こされた。
①これはアブラハム契約と呼ばれるものである。
②これが、パウロがロマ11章で言うオリーブの木である。
③忘れていたわけではなく、行動を起こす時が来たという意味である。
結論:このメッセージは、私たち自身の物語を学ぶためのものである。
1.
物語の底流にあるもの
(1)創12章以来私たちが追いかけて来たアブラハム契約である。
(2)ロマ11章で論じられていることは、アブラハム契約のことである。
①オリーブの木の幹は、アブラハム契約
②折られた栽培種の枝は、イスラエルの民
③接木された野生種の枝は、異邦人クリスチャン
④やがて折られた枝は元の幹に接木されるようになる。
(3)神の計画は必ず成就するという前提で、自分の物語を作り上げることが重要。
2.神の時
(1)モーセの勇気と信仰と行動力には敬意を表する。
①ヘブ11:24~26
(2)しかし彼は、神の時を読み間違えていた。
①挫折の経験
②40年の荒野での訓練
(3)自分が人生のどの段階にいるかを見極める目が大切。
(3)今の時代性に目を留める。
①1989年11月9日のベルリンの壁崩壊
②20世紀は、1914年の第一次世界大戦で始まり、ベルリンの壁崩壊で終わった。
③それ以降は、21世紀型世界が出現した。
④多極化と民族紛争、地域紛争の時代
⑤国境を越えた人、物、金の移動。「渡り鳥の時代」
⑥アジアの時代
⑦「自立と共生」がキーワードである。
⑧「ネットワーキング」「ブリッジビルダー」
3.神の方法
(1)エジプト人をひとりずつ殺していっても、ヘブル人の解放にはつながらない。
(2)神の方法によらなければ、真の解放は来ない。
(3)神のことばを理解し、それを語ることこそ、今も昔も神の方法である。
①物語の底流を語れ。
②イスラエルの民を物語の中心に据えて語れ(彼らは神の方法である)。
③真の出エジプトはイエス・キリストにおいて成就したことを語れ。
週間アクセスランキング
60分でわかる旧約聖書(22)雅歌
コリント人への手紙第二(13)批判する者たちへの反論10:1~18
Q421 天国でも性別は存在しますか。
コリント人への手紙第二(12)エルサレム教会への献金(3)-喜んで与える祝福―9:1~15
イスラエル旅2023#088中川牧師とめぐる旅:【エルサレム旧市街】4つの地区とエルサレムの再統一
Q420 頭に燃える炭火を積むとはどういう意味ですか。