私たちはプロテスタントのキリスト教福音団体です。『1. 聖書のことばを字義どおりに解釈する 2. 文脈を重視する 3. 当時の人たちが理解した方法で聖書を読む 4. イスラエルと教会を区別する』この4点を大切に、ヘブル的聖書解釈を重視しています。詳しくは私たちの理念をご確認ください。
ローマ人への手紙(48)—愛の勧め(3)—
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愛の勧告について学ぶ。
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「愛の勧め(3)」
1.はじめに
(1)文脈の確認
①1~8章が教理
②9~11章がイスラエルの救い
③12~16章が適用
(2)これまでに学んだ12章の内容
①献身の勧め(1~2節)
②謙遜の勧め(3~8節)
③愛の勧め(1)(9~13節)
④愛の勧め(2)(14~16節)
アンケートの紹介
(3)きょうの箇所
①愛の勧め(3)(17~21節)
②6つの勧めが記されている(6番目はまとめになっている)。
③教会外の人たちも視野に入れている。
④前提を確認しておく。
*この勧めを実行する力は、聖霊から来る。位置的真理の確認が重要である。
*「キリストの弟子」としての自己認識が必要である。
2.アウトライン(6のポイントがある)
3.メッセージのゴール
(1)ロマ12:1の原則を再確認する。
このメッセージは、愛の勧告について学ぼうとするものである。
Ⅰ.悪をもって悪に報いない
1.17節a
「だれに対してでも、悪に悪を報いることをせず、」
(1)教会外の人も視野に入っている。
①先ず信者に対して、次に未信者に対して
2.「キリスト」の弟子としての自己認識
(1)マタ5:39~41
「しかし、わたしはあなたがたに言います。悪い者に手向かってはいけません。あな
たの右の頬を打つような者には、左の頬も向けなさい。あなたを告訴して下着を取ろ
うとする者には、上着もやりなさい。あなたに一ミリオン行けと強いるような者とは、
いっしょに二ミリオン行きなさい」
(2)ガラ6:10
「ですから、私たちは、機会のあるたびに、すべての人に対して、特に信仰の家族の
人たちに善を行いましょう」
(3)1テサ5:15
「だれも悪をもって悪に報いないように気をつけ、お互いの間で、またすべての人に
対して、いつも善を行うよう務めなさい」
(4)1ペテ3:9
「悪をもって悪に報いず、侮辱をもって侮辱に報いず、かえって祝福を与えなさい。
あなたがたは祝福を受け継ぐために召されたのだからです」
Ⅱ.すべての人が良いと思うことを図る
1.17節b
「すべての人が良いと思うことを図りなさい」
(1)「図る」は、「プロノエオウ」である。
①あらかじめ考える。
②みことばに親しみ、判断基準の準備ができている。
2.旧約聖書の背景
(1)パウロはパリサイ派のラビであった。
(2)箴3:4
「神と人との前に好意と聡明を得よ」
3.初期の信者たちの共通認識
(1)教会外の人たちから好意を持たれることに留意した。
①宣教論的視点があった。
②1テモ3:7
「また、教会外の人々にも評判の良い人でなければいけません。そしりを受け、
悪魔のわなに陥らないためです」
(2)「すべての人が良いと思うこと」
①現実的には、これは不可能である。
②福音が示唆する生き方を実践すること。
Ⅲ.すべての人と平和を保つ
1.18節
「あなたがたは、自分に関する限り、すべての人と平和を保ちなさい」
「あなたがたは、できる限りすべての人と平和に過ごしなさい」(口語訳)
2.キリストの弟子としての自己認識
(1)マタ5:9
「平和をつくる者は幸いです。その人たちは神の子どもと呼ばれるから」
(2)ヘブ12:14
「すべての人との平和を追い求め、また、聖められることを追い求めなさい。聖くな
ければ、だれも主を見ることができません」
3.「すべての人との平和」
(1)信者だけでなく、未信者との平和も含まれる。
(2)自分から平和な関係を破壊するようなことはしない、という意味である。
Ⅳ.自分で復讐しない
1.19節
「愛する人たち。自分で復讐してはいけません。神の怒りに任せなさい。それは、こう書
いてあるからです。『復讐はわたしのすることである。わたしが報いをする、と主は言われ
る』」
2.旧約聖書の背景
(1)申32:35
「復讐と報いとは、わたしのもの、それは、彼らの足がよろめくときのため。彼らの
わざわいの日は近く、来るべきことが、すみやかに来るからだ」
(2)レビ19:18
「復讐してはならない。あなたの国の人々を恨んではならない。あなたの隣人をあな
た自身のように愛しなさい。わたしは【主】である」
3.パウロの視点
(1)1テサ1:6~7
「つまり、あなたがたを苦しめる者には、報いとして苦しみを与え、苦しめられてい
るあなたがたには、私たちとともに、報いとして安息を与えてくださることは、神に
とって正しいことなのです。そのことは、主イエスが、炎の中に、力ある御使いたち
を従えて天から現れるときに起こります」
4.復讐が禁じられる理由
(1)創造論的理由
①個人的復讐は、被造世界の一部を裁き主にすることである。
②裁きは、神の専属的特権である。
③神は、私たちの助けを必要としておられない。
(2)宣教論的理由
①復讐心のある時に、福音を伝えることはできない。
②平和が保たれることは、宣教の秩序として重要である。
(3)終末論的理由
①神の裁きは、現在進行形であると同時に、終末に起こることである。
(4)実践的理由
①人間の判断は、必ずしも正確とは限らない。
②復讐心のある時は、聖霊よりも怒りに満たされている。
③そういう人は、クリスチャン生活の祝福を失っている。
(例話)
①ケンタッキー州で、ルシアンとサムの関係。8年間の刑期が残っている。
②英会話の宣教師:ローリーさんの父の死
③金銭の貸借。クリスチャンの旅行社。個人的に貸した金。
Ⅴ.敵にパンを与える。
1.20節
「もしあなたの敵が飢えたなら、彼に食べさせなさい。渇いたなら、飲ませなさい。そう
することによって、あなたは彼の頭に燃える炭火を積むことになるのです」
2.旧約聖書の背景
(1)箴25:21~22
「もしあなたを憎む者が飢えているなら、パンを食べさせ、渇いているなら、水を飲
ませよ。あなたはこうして彼の頭に燃える炭火を積むことになり、【主】があなたに報
いてくださる」
(2)2列6:21~23
「イスラエルの王は彼らを見て、エリシャに言った。『私が打ちましょうか。私が打ち
ましょうか。わが父よ』。エリシャは言った。『打ってはなりません。あなたは自分の
剣と弓でとりこにした者を打ち殺しますか。彼らにパンと水をあてがい、飲み食いさ
せて、彼らの主君のもとに行かせなさい』。そこで、王は彼らのために盛大なもてなし
をして、彼らに飲み食いをさせて後、彼らを帰した。こうして彼らは自分たちの主君
のもとに戻って行った。それからはアラムの略奪隊は、二度とイスラエルの地に侵入
して来なかった」
3.「頭に燃える炭火を積む」
(1)より深い地獄、より深い苦しみに落とすことではない。
(2)善を受けた側が、深い痛み、悲しみを経験する。
①これは、罪人を悔い改めへと導く行為である。
Ⅵ.善をもって悪に打ち勝つ。
1.21節
「悪に負けてはいけません。かえって、善をもって悪に打ち勝ちなさい」
(1)17~20節のまとめとなっている。
2.悪を武器として悪と戦うなら、より深刻な対立を生む。
(1)善こそ、最大の武器である。
(2)敵を友人とすることこそ、悪との戦いのゴールである。
結論
1
.ロマ12:1
「そういうわけですから、兄弟たち。私は、神のあわれみのゆえに、あなたがたにお願い
します。あなたがたのからだを、神に受け入れられる、聖い、生きた供え物としてささげ
なさい。それこそ、あなたがたの霊的な礼拝です」
2
.パウロの勧告
(1)お願いとは、強い勧告である。
(2)勧告の土台は、「神のあわれみ」である。
①信仰により義とされた。
②キリストにあって数々の特権と祝福が与えられた。
③聖霊の内住が与えられた。
④神の命令に応答できる状態になった。
(3)勧告の内容は、「聖なる生けるいけにえ」である。
①旧約時代の供え物は、死んだ動物であった。
②新約時代の供え物は、他の命を犠牲にしない。
③それは、自発的な供え物である。
(4)勧告の結論は、「なすべき、霊的な礼拝」である。
①神の恵みを熟慮した結果、全的献身は理性的な結論である。
②礼拝とは、キリストにあって行う業のすべてを指す。
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