私たちはプロテスタントのキリスト教福音団体です。『1. 聖書のことばを字義どおりに解釈する 2. 文脈を重視する 3. 当時の人たちが理解した方法で聖書を読む 4. イスラエルと教会を区別する』この4点を大切に、ヘブル的聖書解釈を重視しています。詳しくは私たちの理念をご確認ください。
ローマ人への手紙(47)—愛の勧め(2)—
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このメッセージでは...
愛の勧告について学ぶ。
チャート「神の義の啓示」
「愛の勧め(2)」
1.はじめに
(1)文脈の確認
①1~8章が教理
②9~11章がイスラエルの救い
③12~16章が適用
(2)これまでに学んだ12章の内容
①献身の勧め(1~2節)
②謙遜の勧め(3~8節)
③愛の勧め(1)(9~13節)
アンケートの紹介
(3)きょうの箇所
①愛の勧め(2)(14~16節)
②6つの勧めが記されている。
③教会内の人たちに対して
④前提を確認しておく。
*この勧めを未信者に語ることは、時には逆効果となる。
*信者の中には、古い性質と新しい性質があり、それが戦っている。
*この勧めを実行する力は、聖霊から来る。位置的真理の確認が重要である。
*動詞の時制はすべて現在形である。継続した行為を指す。
2.アウトライン(6のポイントがある)
3.メッセージのゴール
(1)一致について考える
このメッセージは、愛の勧告について学ぼうとするものである。
Ⅰ.迫害する者を祝福する
1.翻訳の比較(14節)
「あなたがたを迫害する者を祝福しなさい。祝福して、のろってはならない」(口語訳)
「あなたがたを迫害する者を祝福しなさい。祝福すべきであって、のろってはいけません」
(新改訳)
「あなたがたを迫害する者のために祝福を祈りなさい。祝福を祈るのであって、呪っては
なりません」(新共同訳)
2.祝福するという動詞
(1)ユーロゲオウ
①その人に関して、良いことを言う。
②ヘブル的意味では、その人の上に祝福が下るように神に願う。
(2)祝福の対象
①「あなたがたを迫害する者」
②「あなたがた」という言葉が落ちている写本がある。
③その場合は、より広い範囲の人々を指す(迫害している者すべて)。
3.この命令の実例
(1)マタ5:44
「しかし、わたしはあなたがたに言います。自分の敵を愛し、迫害する者のために祈
りなさい」
①ユダヤ教のシナゴーグでは、祝福と呪いの祈りが行われていた。
②被害を受けても、自分で復讐しないというのが、新約聖書の原則である。
③キリスト教がローマの国教になる前、異教世界の中で「自分の敵を愛し、迫害
する者のために祈る」ということが、教会の顕著な特徴であった。
(2)使7:55~60
「しかし、聖霊に満たされていたステパノは、天を見つめ、神の栄光と、神の右に立
っておられるイエスとを見て、こう言った。『見なさい。天が開けて、人の子が神の右
に立っておられるのが見えます』。人々は大声で叫びながら、耳をおおい、いっせいに
ステパノに殺到した。そして彼を町の外に追い出して、石で打ち殺した。証人たちは、
自分たちの着物をサウロという青年の足もとに置いた。こうして彼らがステパノに石
を投げつけていると、ステパノは主を呼んで、こう言った。『主イエスよ。私の霊をお
受けください』。そして、ひざまずいて、大声でこう叫んだ。『主よ。この罪を彼らに
負わせないでください』。こう言って、眠りについた」
①ステパノの祈りは、聖霊によって可能となった。
②また、サウロの回心に影響を与えた。
4.2つの性質の葛藤
(1)古い性質は、「呪え」と命じてくる。
①必殺仕事人の世界
(2)神は、「祝福せよ」と命じてくる。
①新しい性質への働きかけ。
②ステパノは、聖霊に満たされていた。
ⅡとⅢ.喜ぶ者と共に喜び、泣く者と共に泣く。
1.翻訳の比較(15節)
「喜ぶ者と共に喜び、泣く者と共に泣きなさい」(口語訳)
「喜ぶ者といっしょに喜び、泣く者といっしょに泣きなさい」(新改訳)
「喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣きなさい」(新共同訳)
2.どちらが易しいか。
(1)クリュソストモス
①4世紀の教父、コンスタンティノープルの大司教
②「金口の(golden mouthed)」を冠して呼ばれるようになった。
③彼は、共に喜ぶよりも、共に泣く方が易しいと言った。
(2)なぜ共に喜ぶのが難しいのか。
①泣く者は、私たちを必要としている。
②喜ぶ者は、私たちがいなくても喜ぶことができる。
3.この命令の実例
(1)ルカ15:25~28
「ところで、兄息子は畑にいたが、帰って来て家に近づくと、音楽や踊りの音が聞こ
えて来た。それで、しもべのひとりを呼んで、これはいったい何事かと尋ねると、し
もべは言った。『弟さんがお帰りになったのです。無事な姿をお迎えしたというので、
お父さんが、肥えた子牛をほふらせなさったのです』。すると、兄はおこって、家に入
ろうともしなかった。それで、父が出て来て、いろいろなだめてみた」
①兄の問題は、父の心と遠く離れていたこと。
(2)ヨハ11:35
「イエスは涙を流された」
①最も短い聖句
②悲しむ者たちとの一体化
4.教訓
(1)この命令は、単独のクリスチャン生活はあり得ないことを教えている。
(2)信者は、神の家族である。
①父の喜びと悲しみを共有するのが、最終的な目標である。
Ⅳ.思いを一つにする。
1.翻訳の比較(16節)
「互に思うことをひとつにし、」(口語訳)
「互いに一つ心になり、」(新改訳)
「互いに思いを一つにし、」(新共同訳)
2.ローマ教会の中に不一致があったことを暗示している。
(1)ロマ2:17~20
「もし、あなたが自分をユダヤ人ととなえ、律法を持つことに安んじ、神を誇り、み
こころを知り、なすべきことが何であるかを律法に教えられてわきまえ、また、知識
と真理の具体的な形として律法を持っているため、盲人の案内人、やみの中にいる者
の光、愚かな者の導き手、幼子の教師だと自任しているのなら、」
(2)ロマ11:17~18
「もしも、枝の中のあるものが折られて、野生種のオリーブであるあなたがその枝に
混じってつがれ、そしてオリーブの根の豊かな養分をともに受けているのだとしたら、
あなたはその枝に対して誇ってはいけません。誇ったとしても、あなたが根をささえ
ているのではなく、根があなたをささえているのです」
(3)社会的身分
①奴隷の信者が教会にいた。
②自由人の信者も教会にいた。
③かなりの身分の者も教会にいた。
3.思いを一つにする方法
(1)プライドがいかに危険なものであるかを認識する。
(2)譲歩して、他人の意見に歩み寄ることではない。
(3)啓示された真理を理解し、それを共有することである。
(例話)自転車の車輪。ハブとスポークの関係
Ⅴ.高ぶらない。
1.翻訳の比較(16節)
「高ぶった思いをいだかず、」(口語訳)
「高ぶった思いを持たず、」(新改訳)
「高ぶらず、」(新共同訳)
2.ロマ12:10
「尊敬をもって互いに人を自分よりまさっていると思いなさい」
①自分は他の人よりも優れているという思いが、問題を作り出す。
3.「高いものに心を奪われるな」という意味にもなる。
①野望、野心、人の上に立とうとする思いが、問題を作り出す。
Ⅵ.身分の低い人々と交わる。
1.翻訳の比較(16節)
「かえって低い者たちと交わるがよい」(口語訳)
「かえって身分の低い者に順応しなさい」(新改訳)
「身分の低い人々と交わりなさい」(新共同訳)
2.信者の中に、貧富の差、社会的身分の差があった。
3.教会の指導者が、上流階級の人たちとしか交わらなくなったら、それは問題である。
(例話)教会員の中に、大学教授がいる場合
4.最後のアドバイス(16節)
「自分が知者だと思いあがってはならない」(口語訳)
「自分こそ知者だなどと思ってはいけません」(新改訳)
「自分を賢い者とうぬぼれてはなりません」(新共同訳)
(1)自分を賢い者だと思っている人は、他者から見ると愚かに見える。
(2)イザ5:21
「ああ。おのれを知恵ある者とみなし、おのれを、悟りがある者と見せかける者たち」
(3)箴3:7
「自分を知恵のある者と思うな。【主】を恐れて、悪から離れよ」
結論
1.啓示された真理を基に一致を求める。
(1)すべての人は罪人である。
(2)救いは、恵みによって与えられる。
(3)私たちの誇りは、取り去られた。
2.ユダヤ人と異邦人の一致
(1)初期の教会の問題であった。
(2)そして今も、これが問題になりつつある。
(3)エペ2:14~16
「キリストこそ私たちの平和であり、二つのものを一つにし、隔ての壁を打ちこわし、
ご自分の肉において、敵意を廃棄された方です。敵意とは、さまざまの規定から成り
立っている戒めの律法なのです。このことは、二つのものをご自身において新しいひ
とりの人に造り上げて、平和を実現するためであり、また、両者を一つのからだとし
て、十字架によって神と和解させるためなのです。敵意は十字架によって葬り去られ
ました」
①「二つのもの」とは、ユダヤ人と異邦人。
②「隔ての壁」とは、モーセの律法。
③「新しいひとりの人」とは、教会。
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