私たちはプロテスタントのキリスト教福音団体です。『1. 聖書のことばを字義どおりに解釈する 2. 文脈を重視する 3. 当時の人たちが理解した方法で聖書を読む 4. イスラエルと教会を区別する』この4点を大切に、ヘブル的聖書解釈を重視しています。詳しくは私たちの理念をご確認ください。
ローマ人への手紙(31)—現在の苦難(2)—
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2つのうめきの原因と解決について学ぶ。
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「現在の苦難(2)―神の子たちのうめき―」
1.はじめに
(1)救いの3つの側面は、すべて信仰により、恵みによって達成される。
①義認(過去形)
②聖化(現在進行形)
③栄化(未来形)
(2)今私たちは、「栄化」のテーマについて学んでいる。
①ロマ8:18~27で3つの「うめき」が記されている。
*被造物のうめき(8:17~22)
*神の子たちのうめき(8:23~25)
*御霊のうめき(8:26~27)
②前回は、被造物のうめきを取り上げた。
③今回は、神の子たちのうめき、御霊のうめき、を取り上げる。
2.アウトライン
(1)神の子たちのうめき(23~25節)
(2)御霊のうめき(26~27節)
3.メッセージのゴール
(1)第一の復活
(2)第二の復活
このメッセージは、2つのうめきの原因と解決について学ぼうとするものである。
Ⅰ.神の子たちのうめき:
(23~25節)
1.23節
「そればかりでなく、御霊の初穂をいただいている私たち自身も、心の中でうめきながら、
子にしていただくこと、すなわち、私たちのからだの贖われることを待ち望んでいます」
(1)「そればかりでなく」
①被造物だけでなく私たちも、うめいている。
②被造物は、新しい世界を産むための「産みの苦しみ」を通過している。
③その「うめき」は、意味あるものである。
④私たちもまた、意味ある「うめき」をしている。
(2)「心の中でうめきながら」
①被造物のうめきは、言葉にならないものである。
②私たちもうめきも、それと同じように言葉にならない。
2.私たちが得ているもの
(1)「御霊の初穂をいただいている」:旧約聖書の背景がある。
①出23:19
「あなたの土地の初穂の最上のものを、あなたの神、【主】の家に持って来なけれ
ばならない」
②レビ23:10~11
「イスラエル人に告げて言え。わたしがあなたがたに与えようとしている地に、
あなたがたが入り、収穫を刈り入れるときは、収穫の初穂の束を祭司のところに
持って来る。祭司は、あなたがたが受け入れられるために、その束を【主】に向
かって揺り動かす。祭司は安息日の翌日、それを揺り動かさなければならない…」
(2)「初穂」の意味
①その年の最初の収穫
②次に続く収穫を保障するもの
(3)新約聖書への適用
①2コリ1:22
「神はまた、確認の印を私たちに押し、保証として、御霊を私たちの心に与えて
くださいました」
②2コリ5:5
「私たちをこのことにかなう者としてくださった方は神です。神は、その保証と
して御霊を下さいました」
(4)「御霊の初穂」の意味
①信じた瞬間に、神の恵みの初穂として御霊は与えられた。
②御霊は、保証(手付金)である。
③終末的保証である。
3.うめきの原因
(1)「すでに」(得ている)と「いまだ」(まだ得ていない)の間における葛藤
①御霊の初穂は、すでに得ている。
②完成は、いまだ成っていない。
(2)肉体的弱さ、道徳的弱さのゆえに、うめいている。
(3)救いの完成を求めて、うめいている。
①「子にしていただくこと」
*すでに神の子になっているが、完成していない。
②「私たちのからだの贖われること」
*復活のからだを持つこと
*私たちが復活のからだを持つことと、新世界が出現することが連動。
4.24節
「私たちは、この望みによって救われているのです。目に見える望みは、望みではありま
せん。だれでも目で見ていることを、どうしてさらに望むでしょう」
(1)「私たちは、この望みによって救われているのです」(新改訳)
「わたしたちは、このような希望によって救われているのです」(新共同訳)
①“by this hope”ではなく、”in this hope”である。
②私たちが受けた救いが、23節の希望と結びついているという意味である。
(2)神の子の完成への3段階
①神による予定(エペ1:5)
「神は、みむねとみこころのままに、私たちをイエス・キリストによってご自分
の子にしようと、愛をもってあらかじめ定めておられました」
②神による守り(ロマ8:14)
「神の御霊に導かれる人は、だれでも神の子どもです」
③復活
(3)この望みは、終末的望みである。
①目に見えていない。
②それゆえ、望みがある。
5.25節
「もしまだ見ていないものを望んでいるのなら、私たちは、忍耐をもって熱心に待ちます」
(1)苦難の時こそ、希望が必要である。
①まだ見ていない望みとは、復活の望みのことである。
(2)復活の望みを持っている人は、忍耐をもって熱心に待ち続ける。
①2コリ5:2
「私たちはこの幕屋にあってうめき、この天から与えられる住まいを着たいと望
んでいます」
②2コリ5:4
「確かにこの幕屋の中にいる間は、私たちは重荷を負って、うめいています。そ
れは、この幕屋を脱ぎたいと思うからでなく、かえって天からの住まいを着たい
からです。そのことによって、死ぬべきものがいのちにのまれてしまうためにで
す」
Ⅱ.御霊のうめき(26~27節)
1.26節
「御霊も同じようにして、弱い私たちを助けてくださいます。私たちは、どのように祈っ
たらよいかわからないのですが、御霊ご自身が、言いようもない深いうめきによって、私
たちのためにとりなしてくださいます」
(1)私たちは弱い。
①肉体的、道徳的弱さ
②理解力において弱い
③1コリ13:12
「今、私たちは鏡にぼんやり映るものを見ていますが、その時には顔と顔とを合
わせて見ることになります。今、私は一部分しか知りませんが、その時には、私
が完全に知られているのと同じように、私も完全に知ることになります」
④どう祈っていいか分からないことがある。
(2)御霊は助けてくださる。
①「同じようにして」とは、私たちと同じように御霊もうめいているということ。
②御霊のうめきは、私たちのための執りなしの祈りである。
(3)「言いようもない深いうめき」
「言葉に表せないうめき」(新共同訳)
①ペンテコステ派では、これを異言と解釈する。
②しかし、これは異言ではない。
③「cannot be uttered」
④言葉にはできない内なるうめき
⑤イエスの祈りには深い感情が伴っていた。
ルカ22:44
「イエスは、苦しみもだえて、いよいよ切に祈られた。汗が血のしずくのように
地に落ちた」
⑥御霊の祈りにも同じような深い感情が伴っている。
2.27節
「人間の心を探り窮める方は、御霊の思いが何かをよく知っておられます。なぜなら、御
霊は、神のみこころに従って、聖徒のためにとりなしをしてくださるからです」
(1)「人間の心を探り窮める方」
①父なる神は、人間の心に何があるかをご存じである。
②1サム16:7
「しかし【主】はサムエルに仰せられた。『彼の容貌や、背の高さを見てはならな
い。わたしは彼を退けている。人が見るようには見ないからだ。人はうわべを見
るが、【主】は心を見る』」
(2)父なる神は、御霊の思いが何かをよく知っておられる。
(3)祈りの神秘
①私たちの祈りは、不十分である。
②御霊が私たちの祈りの欠点を修正し、不足を補ってくださる。
③私たちのうめき(23節)が、御霊のうめき(26節)となる。
④御霊のとりなしは父なる神の御心に従っている。
⑤それゆえ、私たちの祈りは神に聞かれている。
(4)私たちの救いは保証されている。
①エペ4:30
「神の聖霊を悲しませてはいけません。あなたがたは、贖いの日のために、聖霊
によって証印を押されているのです」
(例話)「神様の下さる救いは永遠だけど、人間が自由意志をもって信仰から離れ
続け、内住してくださる聖霊を死の瞬間まで否定し続けるなら、救いは失われる
と私は思います。そのために、神様は絶えず立ち返りなさいと叫んでおられるの
だと思います」
*そういう人は救われていない可能性が高い。
*救われている場合は、いつか必ず神に立ち返る。
*悔い改めのない状態が続くと、サタンに引き渡される(1コリ5:5)。
「このような者をサタンに引き渡したのです。それは彼の肉が滅ぼされるた
めですが、それによって彼の霊が主の日に救われるためです」
*自由意志によって救われたり、救いを失くしたりすると考えるのは、誤解。
*神の恵みを軽視している。
結論:
聖句
(1)ダニ12:2
「地のちりの中に眠っている者のうち、多くの者が目をさます。ある者は永遠のいの
ちに、ある者はそしりと永遠の忌みに」
(2)ヨハ5:28~29
「このことに驚いてはなりません。墓の中にいる者がみな、子の声を聞いて出て来る
時が来ます。善を行った者は、よみがえっていのちを受け、悪を行った者は、よみが
えってさばきを受けるのです」
1.第一の復活:信者の復活(黙20:5~6)
(1)キリストの復活(初穂)
(2)携挙の時の復活
①1テサ4:16~17
②教会時代の聖徒で、死んだ者が先に復活する。
③生きている者は、死を通過しないで栄光の体に変えられる。
(3)地上再臨の時の復活
①大患難時代の殉教者たちの復活(黙20:4)
②旧約時代の聖徒たちの復活(イザ26:19)
2
.第二の復活:不信者の復活(黙20:11~15)
(1)千年王国が終わる時の復活
①白い御座の裁きのための復活
②第2の死が続く。
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