コリント人への手紙第二(10)エルサレム教会への献金(1)-マケドニアの諸教会の例―8:1~7

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マケドニアの諸教会の例ついて学ぶ。

コリント人への手紙第二 10回

エルサレム教会への献金(1)

-マケドニアの諸教会の例―

8 :1~7

はじめに

1.文脈の確認

(1)イントロダクション(1:1~11)

(2)パウロを疑う者たちへの回答(1:12~7:16)

(3)エルサレム教会への献金(8:1~9:15)

  ①マケドニアの諸教会の例(8:1~7)

  ②献げる動機(8:8~15)

  ③テトスの熱意(8:16~24)

  ④コリント訪問の予定(9:1~5)

  ⑤喜んで与える祝福(9:6~15)

2.注目すべき点

(1)パウロは、異邦人教会からの献金をエルサレム教会に届けようとした。

(2)彼の熱心さの背後には、さまざまな理由があった。

3.アウトライン

(1)この献金が重要な理由

(2)マケドニアの諸教会の例(8:1~7)

4.結論:異邦人からユダヤ人への献金

マケドニアの諸教会の例ついて学ぶ。

Ⅰ.この献金が重要な理由

1.エルサレムの聖徒たちの貧困支援

(1)エルサレムの聖徒たちは貧しかった。

  ①イエスを信じた者は、ユダヤ人社会から追放された。

  ②ユダヤ教徒としての生活は、信仰を含む全分野に及んでいた。

  ③ニコデモも職を失い、貧困の中で死んで行った。

(2)激しい飢饉がユダヤを襲った。

  ①使11:28

Act 11:28 その中の一人で名をアガボという人が立って、世界中に大飢饉が起こると御霊によって預言し、それがクラウディウス帝の時に起こった。

Ⅱ.マケドニアの諸教会の例(8:1~7)

1.1節

2Co 8:1さて、兄弟たち。私たちは、マケドニアの諸教会に与えられた神の恵みを、あなたがたに知らせようと思います。

(1)神の恵みがマケドニアの諸教会に与えられた。

  ①パウロは、このことをコリントの信者たちに知らせようとしている。

(2)マケドニアとは、ギリシア北部のことである。

  ①ピリピ教会とテサロニケ教会

  ②ともにパウロの宣教によって誕生した教会である。

  ③彼らが神の恵みを受けたことは、惜しみない献金によって表現された。

2.2節

2Co 8:2

彼らの満ちあふれる喜びと極度の貧しさは、苦しみによる激しい試練の中にあってもあふれ出て、惜しみなく施す富となりました。

(1)マケドニアの信徒たちは困難な状況に置かれていた。

  ①迫害と貧困で苦しんでいた。

  ②このような場合、人は将来に備えて富を蓄えようとするものである。

(2)しかし彼らは、予想外の行動を起こした。

  ①クリスチャン生活の喜びが苦難にまさったのである。

  ②彼らは、惜しみなく献げた。

3.3~4節

2Co 8:3 私は証しします。彼らは自ら進んで、力に応じて、また力以上に献げ、

2Co 8:4

聖徒たちを支える奉仕の恵みにあずかりたいと、大変な熱意をもって私たちに懇願しました。

(1)パウロは、証言する。

  ①彼らは、力に応じて献げただけではない。

  ②彼らは、力以上に献げた。

  ③しかも、強制されてではなく、自発的に献げた。

(2)最初パウロは、この献金を受け取ることを躊躇したようである。

  ①しかし彼らは、パウロに懇願した。

  ②エルサレムの聖徒たちを支える奉仕の恵みに与りたいと懇願した。

4.5節

2Co 8:5

そして、私たちの期待以上に、神のみこころにしたがって、まず自分自身を主に献げ、私たちにも委ねてくれました。

(1)マケドニアの諸教会の間に、パウロが期待した以上の霊的覚醒が起こった。

  ①彼らは、まず主に対して献身した。

  ②次に、パウロの教えに身を委ねた。

    *キリストの使節であるパウロへの従順を示した。

  ③パウロが進めるエルサレムの聖徒たちへの献金に参加した。

    *主への献身は、献金という行為に先立つものである。

5.6節

2Co 8:6

それで私たちは、テトスがこの恵みのわざをあなたがたの間で始めたからには、それを成し遂げるようにと、彼に勧めました。

(1)話題は、コリントの信者たちの状況に移る。

  ①彼らは、迫害や貧困と戦っていたわけではない。

   ②テトスは、前回のコリント訪問時に、この献金について教えていた。

  ③しかし、コリントの信者たちは、その教えをまだ実行に移していなかった。

(2)パウロは、コリントでもマケドニアと同じことが起こることを期待している。

  ①パウロは、テトスが始めた恵みのわざを成し遂げるように、彼に勧めた。

6.7節

2Co 8:7

あなたがたはすべてのことに、すなわち、信仰にも、ことばにも、知識にも、あらゆる熱心にも、私たちからあなたがたが受けた愛にもあふれています。そのように、この恵みのわざにもあふれるようになってください。

(1)コリントの信者たちのすぐれた点が列挙される。

  ①信仰。これは御霊の賜物としての信仰である。

  ②異言。1コリでは異言のテーマが論じられた。

  ③知識。御霊の賜物としての「神の真理」を理解する力である。

  ④熱心。神に関連したことがらへの真実な熱心さである。

  ⑤愛。パウロが彼らから受けた愛である。

(2)パウロは、このリストにもう1つの点を追加する。

  ①この恵みのわざ。エルサレムの聖徒たちへの献金

    *献金は、恵みのわざである。

結論:異邦人からユダヤ人への献金

1.エルサレムの聖徒たちの貧困支援

2.神学的必然性

(1) 感謝の行為としての献金

  ①異邦人は、ユダヤ人を通して霊的な祝福を受けた。

  ②それに対する応答として、物質的な祝福を分け与えるべきである。

  ③この原則は、今も有効である。

(2)マケドニアとアカイアの諸教会の例

  ①ロマ15:26~27

Rom 15:26

それは、マケドニアとアカイアの人々が、エルサレムの聖徒たちの中の貧しい人たちのために、喜んで援助をすることにしたからです。

Rom 15:27

彼らは喜んでそうすることにしたのですが、聖徒たちに対してそうする義務もあります。異邦人は彼らの霊的なものにあずかったのですから、物質的なもので彼らに奉仕すべきです。

3. 異邦人信者とユダヤ人信者の一致と和解

(1)エルサレム会議(使15章)

  ①異邦人は、ユダヤ人のようにならなくても、信仰によって救われるとされた。

  ②異邦人信者とユダヤ人信者の間には、文化的・宗教的な隔たりがあった。

  ③異邦人信者は、ユダヤ人信者に対して優越感を覚えるようになった。

(2)異邦人への使徒であるパウロは、両者の一致を心から願った。

  ①パウロ書簡には、異邦人信者とユダヤ人信者の葛藤を前提とした箇所がある。

    *ロマ9~11章

    *ガラ2:11~14、3:28

    *エペ2:11~22

4.愛の実践

(1) 信仰と奉仕の模範としての献金

  ①神の恵みに対する応答

  ②貧しい者への愛の実践

  ③献金は、信仰表現の機会である。

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